もののけを感じる
平成10年度の静岡県立朝霧野外活動センターで行われた
「アウトドアリーダー講習会」の閉校式で以下のような話を聞きました。

「もののけ姫」という映画のヒットで「もののけ」という言葉を耳にすることが多くなりました。
みなさんは「もののけ」と聞くとどのようなものをイメージしますか?
多くの人は「妖怪」や「化け物」の類をイメージするでしょう。
しかし、「もののけ」というのは「物の気」と書いて、「自然界のすべての物の気配」のことをいうです。
昔の子どもたちはこれを自然に感じることができました。
例えば、「夕焼け」を見れば、「お空が恥ずかしがっている」というように言ったのです。
しかし、すべてのことを科学的、論理的に考えようとする現代の社会では、こういう感覚が鈍ってしまうのです。
子どもが「どうして夕焼けは赤いの?」と聞くと、「それはね、光の中の赤外線の波長が・・・」と答えてしまうようなものです。
小さいときから「もののけ」を感じることができない子どもたちが増えています。
「もののけ」を感じることができない子達は、「人の気」も感じることができません。
「人の気」とは「人の喜び」「人の悲しみ」「人の苦しみ」です。
だから、「いじめ」がはびこるのです。
子どもたちにたくさんの自然体験をさせてあげてください。
 
この話を聞いて、野外活動の必要性を痛感しました。

平成11年6月9日に文部省の生涯学習審議会が答申した「生活体験・自然体験が日本の子どもの心をはぐくむ」にも同じようなことが書かれています。

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