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フリーターという言葉は絶滅させたい   

 フリーターという言葉を世の中に定着させてはいけないと思います。夢のためにアルバイトで生活することはよいと思います。しかし、それはあくまで夢を実現するための「つなぎ」で、フリーターという職業ではありません。

 テレビでのインタビュー番組で、「やってみたい職業があるけれど、資格が取れないからやれない」とか「好きな仕事が見つからない」という若者の声を聞きました。

 一番好きなことを職業にする。これはとても良いことです。世の中すべての人がこうなればもっとよい社会になると思います。ただ、「一番好きなこと」イコール「楽しいこと」と考えているのではないかと思える人がいるのが気になります。

 「好きなこと」というのは、大変だったり難しかったりしても、好きで好きで仕方なくて、投げ出さずにやりきれてしまうことだ、と私は考えています。どんなことも達成するためには、困難なことが途中で待ち構えているし、その困難を乗り越えることで、夢はまた一つ大きく膨らみます。好きなことというのは、「楽しいけど楽じゃない」のです。

 初めは好きではなかったけれど、その仕事に就いて、スキルを磨き、身につけた自分の力が多くの人を幸せにしていると気づくことで、その仕事が大好きになり、生きがいになったという人をたくさん知っています。好きなことが見つからない人は、まずその仕事のスキルが身につくまで苦労してみるといいと思います。とことんやってみて、やはり「違う」と感じても、そこで身につけたスキルは、その後の夢達成に必ず役に立ちます。

 困難を乗り越える努力を風化させてしまいそうなフリーターという言葉の絶滅を提案します。

  掲載『静岡新聞』 (2004年6月6日朝刊)