北鎌倉から


北鎌倉から源氏山へ さかさまの道のりを

つないだ手がほどけないように 目を閉じて歩いた

今 声をかけられても 返す言葉は見つからず

一年ぶりの出逢いを 暖めていたいだけ

傾いた想いが 僕の肩から落ちないように

この町の静けさがこわいほど

秋の小雨 鎌倉


もう 顔も見たくないなんて 二人とも口にした

それから 一年 次の言葉を 二人とも待ってた

霧雨の由比が浜 こんだ電車にくもる窓

揺れるたびに触れ合った 肩を感じ 長谷まで

目を閉じて 何を祈るの 合わせた君の細い指

明日は別れて暮らすのに

濡れるままに 鎌倉


さみしさと腕を組み 歩いた 小町どおり

ふるえるくちびるにまで 届かない この想い

新宿へ戻る電車の窓ガラスに映ってる

雨の降る大切な月曜日

忘れないよ 鎌倉


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