国境線
〜ようこそワールドカップ〜
誰かが
地面に引いた線が
こちら側で生まれた私と
そちら側で生まれたあなたとの間で
支配する者の違いではなく
民族の名の違いでもなく
祈る言葉の違いでもなく
ただ 単純に
応援するチームの違いを
分けているのだとしたら
四年に一度
何の迷いもなく
熱狂の中で私は
その旗を振り
その歌を歌うだろう
タイムアップのホイッスルが鳴る時
私たちはこの線を踏み越え
かたく手を握る
ボールのように丸い星の上で
同じ時間を
同じ世紀を
生きているのだから
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