Μの記憶


君の少女の面影が しだいに遠のいて

すねたような笑い顔 もう見ることができないね

菜の花でふくれた 春の土手の上で

ひこうき雲に手をふっていた頃


僕にはもどれない

もどれないのだから

今 この時を抱きしめて

肩を越えた君の髪の長さだけ たしかめる


君がどこかで立ち止まり 振り向くその時に

もしかしたら もう ぼくは いないのかもしれないね

おとぎ話の夜と夢の朝の間

泣きながら 目を覚ます ふとんの中


君にももどれない

もどれないのだから

今 この時を抱きしめて 

風のように 君のままで

振り向かず行きなさい


幻を愛し続ければ きっと自分も幻になる

君が涙いっぱいにして見つめるのは

今は まだ 昨日ではなく 明日だけでいい

誰にももどれない

もどれないのだから

今 この時を抱きしめて

今 この時を抱きしめて


                作曲済み


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