切り取った誰かの悲しみ
スローなテンポの殺戮
晴れ渡る遠くの青空
耳を突き抜ける爆音
移り気な場面はいつしか
はしゃぐ笑い顔映して
もう誰も長続きしない
ニュースの奏でる悲しみ
誰かを責めたりできない
ぼくも ぼくも 本当は
君との別れをいちばん
悲しいと感じている
おだやかな一日がいつか
誰の心にも訪れ
涙も ためいきさえ なくなる日は来るのか
言葉は とてもかんたんに
人を救うふりをする
けれども みんな気づいてる
悲しみは分けられない
切り取った遠くの悲しみ
血の匂いのない殺戮
涙も ためいきさえ すぐに消える一日
作曲 長 倫生
掲載 『文芸やいづ』