0時
11時45分の文字が
じっと動かずに光っている
時は流れているはずなのに
デジタル時計は動かない
大きなのっぽの古時計だって
針はいつでも止まって見えた
楽しいときだけ別の角度に
瞬間移動していただけ
デジタルだろうが
アナログだろうが
時計が生まれたその日から
僕らは刻まれ続けてきた
0時になったら明日は来るか
0時をまたげば世紀は変わるか
0時とともに未来は来るのか
0時を過ぎたらひとつ老いるか
ふと見上げた時
数字が変わった
体のどこにも感じない
今日と明日の境目で
掲載『文芸やいづ』第14号
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