初夜
座り直して二人はここにいる
空は冷めて見下ろすふりをする
誰にも邪魔されず愛をつづるため
服を脱いで肌と肌が燃えるのを確かめた
ふるえながら 探しながら
とぎれがちに 数えながら 君を愛した
寝静まった大人の愛には
耳をふさぐと後れ毛を誘って
唇一滴 愛がこぼれたら
君の扉を僕の指の幼さが確かめた
ふるえながら 探しながら
とぎれがちに 数えながら 君を愛した
一度きりの夜 震え出すひざ
固い言葉を押し開いて 一つに溶ける
窓を濡らす夜露をふき取って
やさしさだけではだめだと言うから
この手を洗わずに少し眠りたい
君の部屋の花の色をもう一度確かめた
ふるえながら 探しながら
とぎれがちに 数えながら 君を離した
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