〜第22話 夜会話〜 |
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シャムロック | マグナ 私は、見つけたよ 騎士として、自分が本当に望むものを |
マグナ | そっか… 見つけたんだ… |
シャムロック | ああ、見つけたよ 君たちと一緒に見てきたものが、それを教えてくれたんだ 主君に仕えることによって、その下に集う民の幸せを守りぬく それが、私の目指していた騎士だった でも、組織に属するがゆえに、見えてこないものがあるのを、私は知った… 組織の秩序のためにやむなく犠牲にされる者たちがあることを知ったんだ 仕方がないと片づけることは簡単だ しかし、私はそれをよしとしたくはない だから、私は国でなく民のための騎士になろうと思うんだよ マグナ |
マグナ | シャムロック… |
シャムロック | どれほどのことができるか、わからない だけど…私の剣で、一人でも多くの人々が、大事なものを失わずに済むというのならやってみる価値はあると、私は信じてる 不可能だと思うかい? |
マグナ | ううん…そんなことない!? シャムロックだったらきっと、できるよ! |
シャムロック | ありがとうマグナ 君にそう言ってもらえると、自信がわいてくるよ 思えば、最初に出会ったときからずっとそうだったな… 国を失った絶望から私が立ち上がることができたのはどんな困難にもけして屈しない、君の姿を見ていたからなのかもしれない |
マグナ | そんな… かいかぶりだよ? |
シャムロック | 君は、自分で気付いていないだけさ 私も、フォルテ様も他のみんなだってそう思っているはずだ だからこそ…みんな、君のために力を貸したいって思ってくれるんだよ? |
マグナ | うん… |
シャムロック | だから、私は君のことを守りたい 今の私を導いてくれた君を、今の私にとって大事だと思うものを 必ず、守ってみせるよ この剣に誓って… |
マグナ | シャムロック… |
〜エンディング 新たなる日々へ〜 |
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戦いは終わった… 源罪の嵐によってリィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギドスの最後の企みは 彼の命がけの行動によって完全に潰えたのだ… 禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて そこには今…一本の巨木がそびえている 聖なる大樹 人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから 二度めの季節が… 巡ろうとしていた… |
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シャムロック | …マグナ? どうかしたのか? 元気がないようだが |
マグナ | シャムロック… 遊びに来てたんだ? |
シャムロック | ああ、新しい街もなんとか復興したと言えるだけの形にはなったからね 監督の任務も終了さ それで、聖王都に戻る前に、様子を見にきてみたんだが… やはり、まだ彼は、帰ってはいないようだね… |
マグナ | うん… |
シャムロック | なら、挨拶をしに行かないとな 彼が眠っている聖なる大樹まで つきあってくれるかい マグナ |
マグナ | もちろんだよ |
シャムロック | 早いものだ… あれから、もう季節がふたつも巡っていこうとしている 君たちが、この大樹の護人になると決めた時には、不安だったが こうして、ちゃんとつとめを果たしている 立派だと思うよ |
マグナ | みんな反対したのにシャムロックは最初から、俺たちの味方だったよね |
シャムロック | 信じたいと思ったからだよ、私も… 君たちが最後に聞いたという、彼の言葉を |
マグナ | うん、俺はね あの時、たしかに聞いた気がしたんだよ 帰ってくるよ、って そう言ってくれたネスの声を… それに、アメルだって言ってくれたんだ ネスは生きている この木の中で眠っているだけだって… でもね、時々…不安になっちゃうんだ あれは錯覚だったんじゃないかって… |
シャムロック | 君らしくないな マグナ |
マグナ | え? |
シャムロック | 絶望の中にあってもあきらめなければそこに必ず、希望は見えてくる… 私にそう教えてくれたのは、君じゃないか |
マグナ | シャムロック… |
シャムロック | 信じつづけよう いつか、必ず彼は帰ってくるとね |
マグナ | うん… |
聞こえるかい、ネス 君のおかげで、俺たちはこうして生きているよ… ネスが言っていたとおり人間は、やっぱり嘘つきで自分勝手だけど… でも、昨日とは違うよりよい明日を目指して生きてるんだ だから、俺は信じるよ いつかきっと…誰も悲しまずにすむ未来がこの世界におとずれるって だから…ずっと、ずっとこの場所から、俺たちを見守っていてくれるかい? なあ ネス… |
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マグナ | そういえば、俺アメルから聞いて初めて知ったんだけど シャムロック 新しい街の領主を辞退したんだって? |
シャムロック | まあ、ね… 旧トライドラ領と旧デグレア領が併合された、あの街は聖王都よりも広いんだ とても、私なんかにはできそうにもないと思ったからね |
マグナ | そんなことないと思うんだけどな |
シャムロック | それに… 私には、それよりもやりたいと思うことがあっただろう |
マグナ | それって、もしかして民のための騎士になるってこと? |
シャムロック | ああ、そうだよ それが、どうやら実現できそうなんだ |
マグナ | ほんとに! |
シャムロック | ファミィ議長の口添えもあって、聖王家から許可がいただけたんだ どの組織からも自由で民を守ることを第一に考えて行動する騎士団 これから、私はそれを確立するために働こうと思うんだよ |
マグナ | シャムロックならきっと、できるよ! |
シャムロック | ありがとうマグナ それに…ネスティ 私は、君たちとここで約束をするよ… 君たちが守ってくれたこの世界の未来をけして、悲しいものにしたりしないと! |
マグナ | うん… |
シャムロック | 「巡る大樹(リィンバウム)」自由騎士団の名にかけて、私は誓うよ これからは、私たちが君たちのことを守っていくからね |