蒲原宿

富士川を渡る。

降りしきる雪の下で

行きかう人は無言で

歩きさって行く。


喜多さんや、早く宿に

入ればよかったに。

あの女の後をついて

来たのが間違いだ。

火でももしてあったまろう。


なんと腹がへったな。
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