クラスメート ー高校生ブルースー


日本テレビ 系 1971年 3月30日 〜1971年5月4日
火曜日 21:30〜22:26 全6回

原作・脚本:池田 一郎
監督:野村 孝
音楽:佐藤 允彦
制作:国際放映

 

DVD-BOX BFTD-0322


CAST

山賀 洋子 … 武原 英子

原口 進 …

新 克利

矢吹 太郎 … 近藤 正臣
河合 良一 … 沖 雅也
 花村 肇 … 沖田 駿一
日野 明 … 水谷 邦久
山県 恵吾 … 鎌田 英男
市川 三平 … 加藤 嘉
佐伯 孝 … 勝呂 誉

竜崎 正和 …

田村 高廣



第1回

 およそ50年ぶりに DVD で観ることができたわけですが,ずいぶん記憶していたのと違っている部分が多かったような気がします.キャストの中で覚えていたのは,近藤正臣さん,沖雅也さんだけで,あとの方々はその存在すら忘れていました.人の記憶力なんてあてにならないものです.主役の武原英子さんは,のちに『太陽にほえろ!』のゴリさんの恋人役で,また私生活ではスターにしきのさんの奥様として,意識していましたが,この番組を観ていた当時は多分名前すら知らなかったと思います.この回では,主人公の恩師(田村高廣さん)が殺害され,生徒の一人・花村が逮捕されますが,この花村を演じている沖田駿一さんはまさにハマり役で,特にこの回に限って言えば近藤さんや沖さんより強烈な個性を放っていますが,この方にしてもその存在を意識するようになったのはやはり『太陽にほえろ!』における数多くのゲスト出演回を観てからの事でした.この回の冒頭で当時未成年だった沖さんがタバコを吸っているシーンが観られますが,未成年者の飲酒・喫煙に対して現在では考えられないほどおおらかな時代だったことがうかがえます.

第2回

 主人公の同僚教師に,『怪奇大作戦』の勝呂誉さんが出ているのですが,よっぽど印象が薄かったのか,全く記憶に残っていませんでした.あと,刑事役の新克利さんはわりと好きな俳優さんだったにもかかわらず,やはり記憶に残っていません.この回では後に『必殺仕置屋稼業』でコンビを組む新さんと沖さんのからみが初めて観られたのが収穫でした.沖さんに関しては,不良学生役のイメージが強烈な印象となって残っていたのですが,ここまでストーリーの中で重要な役を演じていたとは思っていませんでした.何を観ていたんでしょうね?

第3回

 反対に近藤正臣さんに関しては準主役としての位置づけで記憶していたのですが,この第3回までの前半部分ではあまり目立っていない存在なのが意外といえば意外でした.この番組の放映時,沖さんは18歳でしたが,近藤さんはすでに29歳を迎えていて,そのことの方が強烈な記憶として残っています.しかし,みんな高校生にしてはヒゲが濃すぎるのがアップになると目立つのです.

第4回

 この回だけ,学校を辞めて郷里に帰った主人公・山賀洋子と,それを追ってきた生徒・河合と原口刑事の3人のストーリーが長崎を舞台に進められるので,主要キャストは武原さんと,新さん,沖さんの3名だけとなるわけですが,『必殺仕置屋稼業』で息のあった演技を見せてくれた新さんと沖さんのコンビネーションは,実はこの作品て築かれていたことがわかったのは,今回 DVD を観ることができての最大の収穫だったと思います.

第5回

 校長先生の役を浜田寅彦さんが演じており,この方,『必殺シリーズ』はじめ時代劇での悪役が多い俳優さんなので,このキャスティングを見た時も同じような卑怯な役柄かと思ったのですが,この回では学校に復帰した早々スキャンダルに巻き込まれてしまい, PTA(この学校には『PTA 教室』というのがあるのが不思議でしたが,この回の伏線だったことがわかりました)から再度辞職を要求される主人公を,一人敢然と守ろうとする姿を演じており,またその演技がものすごく説得力があったのに感心させられました.やはり昭和の時代の名優さんだったと思います.

最終回

 ミステリーなので内容については触れませんが,さすがに結末は記憶していたものの,かなり思い違いしていた部分も多かったことがわかりました.今回この DVD を観終わって感心したのは,なんといってもストーリー構築の見事さで,原作・脚本の池田一郎さんの他の作品も観てみたい気持ちにさせられました.それにしても,この1970年代前半という時代,やはり音楽も映画もTVも素晴らしい作品が多かったと思います.