未来少年コナン


EPISODE

第1話 「のこされ島」

脚   本:中野 顕彰
演   出:宮崎  駿

 冒頭,海岸のシーン,波が寄せると砂中に姿を隠そうとする蟹,蟹はあんなふうに砂に潜るものなのだろうか? 素朴な疑問.コナンとハナジロの決闘シーン,ハナジロの頭上に仕掛けておいた石等を落とすコナン,水中で石があんなに早く落下するものなのだろうか? 再び,素朴な疑問.ラナに与える食べ物を持ってくるコナン,「もっと柔らかいモノだ」とおじい,抱えているのが魚なんかだったりして,実はこのアニメでは,食べ物がしばしば重要なモチーフとして現れるのですが,それが滅亡しかけた地球という状況設定に妙なリアリティを与えてます? ラナの服の匂いを嗅いで「変な匂い」とコナン,この変の感覚,さすが宮崎さん,鋭いと思います.「まだお前たちはそんな事をやっているのか?」と怒るおじいに対して,「戦争を引き起こしたのはあの時大人だった貴方達じゃないの?」と,非常に正鵠を得ているモンスリーの理屈.そのとおり,常に子供は大人たちの犠牲なのさ....


第2話 「旅立ち」

脚  本:胡桃  哲
演  出:宮崎  駿

 ファルコの翼に掴まるコナンの足の指,何度も描かれるコナンの足の指の強靱さですが,これが最初の登場.善戦むなしくファルコからふり落とされ,「無駄よ.この高さから落ちたら助からないわ」とモンスリー,ところが平然と生きているスーパーマン・コナン.瀕死のおじいに「鮫の肝持って来ようか?」とコナン,そんなもん効くのか? 死を直前に控えたおじいの台詞,「人間は1人では生きていけない.いや,生きてはならないのだ」は,この作品全体を流れる主題と言えると思います.更に,「儂等の艦は儂等が地球を見捨てるのを許さなかった」,この台詞まわしに,他の追随を許さない宮崎アニメの脚本の凄さを感じさせられました.あとの見どころは,作品終了まで何度も聞かれるモンスリーとダイスの会話その初戦,魚をくわえながら砂浜に船の設計図を描き,お針仕事までこなして,ついに船を完成するコナン.


第3話 「はじめての仲間」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿

 初回放映時,実はこの回から見始めました.当時,火曜日の夜 7:00 からは『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』見ていて,その後は引き続いて TV 朝日で『女王陛下のプティ・アンジェ』など見ていたのですが,アニおたの友人が「NHK で凄いアニメをやっている」と言うので見て,その素晴らしさに圧倒されてしまいました.コナンとジムシーの決闘シーン,まさに『子供のケンカ』なのですが,食う事しか頭にないジムシーというキャラクター,これって単なるギャグ・メーカーではなく,キャラが状況設定の一端を担っている例ではないかと思うのですが,考え過ぎ? でも,こ〜ゆ〜状況ではやはり,食べ物の事しか考えないというのが,人間として正しい事だと思うよ.「プラスティックを再生して石油に」,理にかなっているような気もするけど,可能なのか? コナンに対するドンゴロスの台詞,「脳天パアか?」は,今ではやはり放送コードに引っ掛かると思います.放映局が NHK だったため,危ぶまれたタバタバ喫煙シーンは,結局無事放映されたんでしたっけ?


第4話 「バラクーダ号」

脚  本:胡桃  哲
演  出:宮崎  駿

 透過光で光るコナンの尻,この回は何と言ってもこれに尽きます.ドンゴロス・パスコ・グッチによる,恐怖の尻叩き40発,かけた水が蒸発する尻の熱,何度もコナンの尻を確認するジムシー.


第5話 「インダストリア」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿

 黄色いワンピースに白い帽子姿のモンスリー,そうなのです,私第3話からこのアニメ見始めたもんで,モンスリー最初に見たのがこのシーンなのです.というわけで,私にとってのモンスリー女史はこのシーンのイメージで決定されてしまっておりますし,以来作品中最もお気に入りのキャラなのです.戦闘服姿のモンスリー最初に見ていたら,違っていたかも.... あと,彼女の自転車のハンドルが直線形なのも,何故か気になっておりました.あと,7人をかつぎあげる怪力コナン.インダストリアではプラスチックからパンを作っているらしい....(そんなバカな).


第6話 「ダイスの反逆」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿

 前半は,高所恐怖症の私にとっては,少々つらい展開.「跳ぶ」ととんでもない事を言い,数十メートル下方の地面に着地,大地から足を引き剥がし,ラナを抱えてガニマタで走るコナン.「まったく大した子よ.殺してしまうのは惜しいわ」,モンスリーの言葉が全てを物語っております.今回全話を見直してみて気がついたんですが,物語のクライマックスに登場するギガントが始めてその姿を見せるのがこの回だったんですね? レプカが太陽エネルギーを欲しがる理由として説明されています.レプカの脅迫に屈しない強いラナ.ダイスの反逆,このキャラ,個性的な役割の多い永井一郎氏演じるキャラの中でも,1・2を争う,アニメ史上に残る強力キャラだと思います.


第7話 「追 跡」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿

 年寄りばかりなのに,シート・ベルトもしないで大丈夫なのだろうか? つい心配になる委員会委員たちの仕事風景.ラナに初対面のジムシー,「お前,泣き虫でも.意気地なしでも,大食いでもないな?」,第3話にも出て来たセリフで,彼にとって女とはそんなものなわけですが,怒られてもしらんよ.... 「いいなぁ,コナンの奴,いいなぁ」,この後も出てくるジムシーの名セリフ.ここでジムシーに貰ったカエルをラナはどうしたのか?が気になるところですが,その答えは次回で明らかになります.田舎芝居と脅迫でラナに迫るロリコン・ダイス.健気なラナいじめは,吾妻ひでお氏のロリコン・マンガのモチーフにもなってました.『母を尋ねて三千里』以来のお約束,なかなか会えないコナンとラナ.


第8話 「逃 亡」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿

 前回に続いてジムシイ「いいなぁ,コナンの奴,いいなぁ」,ドンゴロス「凄い女の子」,この辺名セリフ集の常連ですね.前回気になっていたカエルについて,「まだポケットに入ってる」.ガンボートを撃沈されたコナンについてジムシー「あいつが死ぬはずないよ」.その通り死ぬわけないのです,アニメ史上に残るキス・シーン(?),「生きて,コナン,生きて」,健気なラナ.「よほど浜で寝るのが好きなんですね?」.どうでもいいけど不思議なのは,弾ける砂漠の果実.ラナを抱えて砂漠を走るコナンの走り方,これ宮崎さん独特の走り方で,『カリオストロの城』のルパンも同じような走り方してました.あと,あの作品のルパンの顔,コナンに似てましたよね?


第9話 「サルベージ船」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/高畑  勲

 パッチとテリット登場,最初またややこしいキャラクターが出て来たので,ますます子供を虐待する話になるのかな?って思いましたが,杞憂でした.ラナとコナンに付きっきりのパッチに,「他の者に手を出すなって言わんばかりじゃないか?」,と鋭いテリット.あと,この回見ていて気付いた事ですが,戦闘服を着ると太目に見えるモンスリーちゃん♪


第10話 「ラオ博士」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/高畑  勲

 密告者テリットにレプカが言う台詞,「インダストリアの未来はお前にかかっているという事を忘れるな」,いくらなんでも持ち上げ過ぎでは.... 実は私,このテリットというキャラクター,かなり気にいってたりするのです.受験世代の共感を呼ぶ点取り虫テリット(爆).意外に早くわかってしまうパッチの正体.「無理もないさ,この姿では....」,ケガのおかげで親玉パッチになりすます事ができたという,少々説得力に欠ける設定.あと,砂浜に蠢く虫の大群, LD 解説によると『風の谷のナウシカ』の王蟲の原形だそ〜ですが,単なるダンゴムシにしか見えんが....


第11話 「脱 出」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 「せっかく見つけたラオをみすみす逃すようなドジに用はないわ」,「俺の手柄は?」,「二等市民は当分お預けね」,かわいそ〜なテリット.「は〜い♪」,良いお返事でフライング・マシンを持ち上げるコナンとラナ,ラナをマシンに乗せた後,荷物を執りに戻るコナン,キャラクターの性格設定が行き届いている感じ.死刑執行中(?)のダイス船長.ファルコ撃墜(自滅)で,「そんな馬鹿な!」とモンスリー,ごもっとも.いつの間にかロボノイドの運転が上手になっているコナン,いつ習得したのか? 獄中のジムシー・ドンゴロス・パスコ・グッチ,ダイス在監中には姿がなかったパスコが増えてる? 取り調べ中だったのか?


第12話 「コアブロック」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 マシンをラナに任せ,コアブロックに降りて行くラオ博士,ラナの『おじいさん』という呼び方ですごく年寄りに感じてしまうのですが,このキャラ,実際はかなり若いのでは? またしてもダイスに裏切られるコナン.「さらばインダストリア,さらばコナン」などと勝手な事を言っているダイスに,「何で置いて来たんだ?」とジムシー.「奴は愛する者のため残ったのだ」とダイス,「あばよ」とジムシー.ルーケとの出会い,ルーケの声,この第12話では安原義人さんが演じてますが,第21話いこうでは田中秀幸さんが演じています.『おじい』そっくりの老人との出会い,この老人,「息子を救ってくれて有難う」と言って現れるのですが,ルーケの父親かどうかは不祥.ウインチで引き上げられるラオ博士を救出するコナン・ラナ・ジムシー,ここで素朴な疑問です.コナンの足の力もさることながら,何故レプカはラオ博士をウインチなんかで引き上げたのか? 危険なだけで,全く必要性を感じないのです.ラナの無事を知って,ハイハーバーへ進路をとるお調子者のダイス,このアニメの最高の魅力は,等身大のキャラクターが皆『生きている』ことだと思います.


第13話 「ハイハーバー」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 単身インダストリアに戻るラオ博士.バクダン・マニアのガル,「レプカよりひどい爺いだ」.大木の前で,珍しくせっかく捕まえたカエルを放り出すジムシー.木の上で,全体重をコナンにかける危険な少女ラナ.


第14話 「島の一日」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 物語が後半に入り,始めて着替えたコナン・ラナ・ジムシーの不潔な3人.ちょっと見た感じがヘンな風車村の風車.風に飛ばされてからの滞空時間が異常に長いラナの帽子.労働の尊さを説くストーリー展開,流石天下の NHK.特筆すべきは,ジムシーの狩りのシーン,アニメならではのギャグの連発です.


第15話 「荒 地」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 山羊の子をめぐってのチートとテラの諍いに,「俺幹部やめる」と意志薄弱なジムシーと,いつの間にかジムシーの側に来ているコナン.コナンの頬を打つ強い女の子ラナの張り手,「コナンは私のためにいつも戦ってくれたわ.でも,豚のために人を傷つけたりして欲しくないの」,真剣なだけに笑えるラナの台詞.


第16話 「二人の小屋」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 冒頭のラナの夢,例によってスタッフによるラナいじめですが,これがロリコンの皆様を泣かせたのでした.私はロリコンではありませんが,その昔,幼女虐待ビデオって作ったら儲かるだろうな,とかお馬鹿な事を考えてしまいましたごめんなさいもうしません.「俺,豚とらないで,豚育てる事にしたんだ」,しっかり着替えているジムシー, TPO 全く無視のコナンやラナより立派.『うまそう』初登場,これ以降,物語の要所要所に登場します.最強のサブ・キャラクターかも.「ジムシーの馬鹿」,テラの淡い恋心,流石宮崎さん,サブキャラの使い方最高にうまいと思います.オーロをおだてるダイス,「おっちゃんはやめろぉ」,空しくこだまするダイスの声.パジャマ姿で走るラナ,女の子が夜そんな格好で外に出ちゃいけません.「コナンの小屋が燃えてる」,完成と共に燃えてしまった『二人の小屋』,今回のサブ・タイトルは悲しすぎる.沖合いから出現するガンボート,上陸するインダストリア兵士,「子供の遊びは終りだ」,「さらば平和の日々よ」,名セリフを連発するダイス.


第17話 「戦 闘」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 「あったり前の事決めんのに,もたもたしてんなあ」,躍る会議にジムシーの素朴な感想.ラナに言われてテラを慰めるジムシー,「オーロは死んじゃいないよ」,「本当?」,「....と思う」,かえって逆効果だったりして.「島の裏側に上陸してしまうなんて」,相変わらずの不手際なインダストリア兵に怒りのモンスリー,でもそれって指揮官である貴女のせいではないのか? 今度はモンスリーと手を組もうとするオーロ,「ハイハーバーもとんだ鬼っ子を抱えていたものね」,さりげない台詞まわしが絶妙.逃げ出して来たというオーロの姿に呟くコナン,「でも何だか簡単すぎる」,「僕らがインダストリアから逃げるのはとても大変だったもんね」,鋭い.ラナばかりか,今回はガルをも抱えて走り出すコナン.何故かず〜っと『うまそう』を抱えたままのラナ,おかげでコナンに発見され危機を救われるのですが,これはできすぎ? 宙をきるコナンの銛,「ラナにさわるな!」.


第18話 「ガンボート」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 「ラナにさわるな!」,インダストリア兵のマシンガンをものともしない超人コナン.気絶したコナンを埋めるラナ,コナンを発見する『うまそう』.ハイハーバーの5人の人質=重要人物,オイトン・シャン・メイザル・タルコス・ジムシー,モンスリーじゃなくてもどういう基準で人選をしたのか?なところです.モンスリーに村の新しい責任者としてオーロが紹介されると,宙をきるコナンの怒りの銛,このへん『ナウシカ』もそうなのですが,宮崎さんのアニメって時々実写映画以上に劇的なシーンを演出していますよね.「泣いちゃだめだよ」,再び囚われのラナ,かわいそうな目にあうほど,見る者の胸をうつ気の毒なキャラですが,超一流のいじめを見せるスタッフ.やはり捕われてズタボロのコナン,「死んじゃだめ,死なないで」と言われても.... 「この船は沈むけど,僕がくるまで待ってて」,おそろしい約束を平然とする2人.爆発,コナンとラナの脱出シーン,「ごめんね,遅くなって」,「ううん,コナンが来ると言ったらきっと来るもの」,こうなるとその信頼関係も異常さを感じさせます.泳いでくる2人をみつけて,「見ろ,うまそう」とガル,飛び跳ねて喜ぶ『うまそう』,その跳躍力が異常,豚のくせに....


第19話 「大津波」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 冒頭,海岸のシーン,波が寄せると砂中に姿を隠そうとする蟹,これ第1話の使い回しでは? 「これ本物の紅茶ね? 20年ぶりだわ」,凄まじいモンスリーの味覚と記憶.犬から過去の回想,砲撃にも津波にもやられない,命根性きたないモンスリー.コナン登場,「ラナを助けてくれた?」,「本当にあんたって子は」,「でも手加減はしないわ」,モンスリー三段論法.「爆弾はもうやめようよ,怪我人が出るもの」,バクダン・マニア・ガルを諌めるコナン.ダイスに『うまそう』を預ける無謀なラナ.ラナからコナンへのテレパシー,「コナン,海を見て」.オーロたちからラナを助けるダイス.コナン津波発見.「コナン,そんな嘘を私が信じると思うの?」,沈黙で答えるコナン,「本当なのね? コナン」.しつこくからむが,全くコナンの相手にならないオーロ.モンスリー,「負けたわ....」.


第20話 「再びインダストリアへ」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 物語後半の『うまそう』の存在って強力で,多分言葉をしゃべらないだけ強烈なサブ・キャラクターかも知れません.インダストリアに行くというコナンに,「俺は豚を飼うぞ」,「あんなところへはもう行かない」と言いながらも,結局つきあう事になるジムシー.指揮官としての待遇を要求するが無視され,女たちに無理矢理着替えさせられるモンスリー,できればモンスリーのセミ・ヌード見たかった.船を借りられないと解ると,さっさとガルの手伝いを止めてしまう現金なコナン.モンスリーにインダストリア同行をせがむコナン,「私はあなたの的なのよ」,「そんな事より行ってくれる?」,「あなたって子は....」.この第19・20話で描かれている最も大きな主題はモンスリーの心の変化ですが,ジムシー・ダイスに続いてついにモンスリーまで仲間に引き入れてしまうコナンの魅力,人の心を動かす力こそ,この作品全体を支えるもうひとつのテーマでもあるのでした.インダストリア行きに最初は反対していたシャンも,「どうやら私たちは平和になれ,臆病になっていたらしい」と,村長を説得.ジムシー「本当にラナをおいていくのか?」,「そういう約束だ」とコナン.ガル「本当に爆弾持っていかんのか?」(爆).シャン「モンスリー君,コナンの気持ちを大事にしてくれたまえ」,モンスリー「....」.ひとり離れてコナンたちを見送るラナ.「止めて!」,「行こう,ラナ」,「コナンやめろ,ラナを降ろすんだ」,「行ってきま〜す♪」と良いごあいさつのコナンとラナ,「やられたな.... 信じてやりましょう,若い彼等を....」.密航していたダイス,「お前さん,あちらに着いたら何をするかわからんからな」,「馬鹿ね」,この後ダイスに幾度となく繰り返されるモンスリーの名セリフの記念すべき第1号.「着陸しても変な真似するんじゃない」,「馬鹿ね」,第2号.「コナン,あなた本当に私を信用してるのね.私,あなたたちと一緒に行くわ」.


第21話 「地下の住民たち」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 「コナンが死んじゃう」,「奴があのくらいの事で死ぬようじゃ,俺も苦労はしてねえよ」,本音のダイス.「何だよ,大人のくせに何にも考えてないのか?」,ダイスに鋭すぎる突っ込みを入れるジムシー.幸運を喜ぶレプカ,物語前半で単なる冷たい野心家として描かれていたレプカの表情が,これ以降ずいぶん人間的になったような気がいたします.怒りは解るが,全く考えなしのジムシーのせいで追われるダイス・ラナ・ジムシー.ルーケ再登場,以前と声が違ってます.第12話では安原義人氏でしたが,この回以降はチート役の田中秀幸氏が二役を演じています.無謀にもレプカを説得しようとするモンスリー,モンスリーの顔面を踏み付けるレプカ,「どうした私の戦闘員は?」,「戦闘員は麦刈りをしています」.心無しか,考え無しに無謀な行動をとるキャラクターが多い今日この頃.... 「局長,武器を捨てましょう」,「その裏切者を銃殺しろ」.連行されるモンスリー,「最後の頼みくらい聞きなさい.コナンに別れをいいます」,もと次長の威厳.... 壁を引き剥がす馬鹿力のコナン,「まったく,あなたって子は....」.撃たれるモンスリー,「インダストリアの弾も当たる事があるのね?」.「モンスリー,きっと戻ってくる,死ぬな」とコナン,『死ぬな』って言われてもね.... 実は私ここでモンスリー死んだと思ってました.死んでて当然.


第22話 「救 出」

脚  本:吉川 惣司
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 小包型の旧式な爆弾と導火線を口で消すコナンが,妙なリアリティーを感じさせておりました.爆弾は1つだけでなく沢山あった(このギャグ,気にいってます)ので,結局爆発.「希望を捨てちゃいけない」,「コナンが言うならともかく,ダイスじゃな」,「お前な,近頃生意気だぞ」,絶好調のダイスとジムシー.「ルーケさん,行かせてください」と健気なラナ,「上にはコナンがいます」.「コナンか,生きているのやら死んだのやら」,「あいつが死ぬもんか」,「どうして解る?」,「お前が言ったじゃないか?」,「俺が....?」,ますます絶好調のダイスとジムシー.この会話のテンポの良さ,宮崎アニメの最大の魅力のひとつだと思います.で生きていたコナン,装甲シャッターを開けるため,コントロール室へ行くのに,「トロックを使うんだ」,凄い発想.「ダイス,あまり空気吸うなよ」,「お前はいいよな,歩かないんだから」,「だって俺の足短いんだもん....」.テレパシーで会話するラナとラオ博士,「あなたは勝てません,決して....」,ラナとレプカの対決.処刑寸前の生きていたモンスリー,「眼かくしを」,「いらない」.助けられ,「ラナちゃんのように軽くないなあ」,「馬鹿ね」第3号.高所恐怖症の私にはつらすぎるレプカのというよりスタッフによるラナいじめ,「コナン,コナン,私もう駄目」.絶対にイケナイと思うコナンの一言,「ラナ,下を見ろ」,シャッターが開いているのを見て気絶するラナ.ロリコン至福の時なんでしょうが,何度も書くように,私ロリコンじゃないもんで.... ラナちゃんより,モンスリーの方が好みだもん.... 


第23話 「太陽塔」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 悲鳴を上げ,だんだん声を小さくする,コナンの落ちたふり,かなりの頭脳プレイ.逃げるレプカがぶちまける荷物,歯ブラシ・着替えのシャツ等がかわいい.「動くなよ,この引金は軽いんでな」,渋いセリフ.「はは,ものわかりのいい小僧だ」,決してものわかりの良くないコナン,フライング・マシンに鉄パイプを突き刺し,墜落するフライング・マシンから跳ぶコナンとラナ,コナンの足の指の力もそうだが,いくらなんでも凄すぎる.爆発するフライング・マシン,「やれやれ,これでやっとうまそうの所へ帰れるぞ」.「ちょっと弁当を使わせてもらおうと思ってな」,正しい日本語でモンスリーを見舞うダイス,「船のことは貴女が一番だわ,しっかりね」,おだてられて,「モンスリー,あのな.... こうして見ると,君はなかなか美人だよ」,「馬鹿ね」第4号.太陽エネルギー復活のシーン,全部開いてしまう自動ドア,あふれ出るハンバーガー,なかなかシュール??? 誰の手にもあまる怪物.... 「太陽エネルギーって疲れるな」,逆方向に走るコナンとジムシー.「もうやだ,この道....」,頭の良くない2人.イリュージョンにおびえるラナ,太陽等の本当の姿を説明するラオ.幻....


第24話 「ギガント」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 いよいよクライマックス.「エネルギーの一部が漏れているみたい」,あまりに視覚的なディスプレイ.生きていた,戦闘服を着ると肥満体も露わなレプカ.いつの間にか死んでいた,かわいそうな点取り虫テリット.「パジャマの飛行服たぁ粋だねぇ」,「馬鹿ね」第5号.重厚感あふれるギガント発進シーン,日本アニメ史上最強のメカではないかと思います.「モンスリー,そのパジャマ似合うぜ」,「馬鹿ね」第6号.一緒だと言っておきながら,土壇場でラナをファルコに押し込むコナン,ウソつきです.迫って来る毒ガスから逃れようと懸命のダイス,やけになってたたくとハッチが開くご都合主義.「ガスはどうした?」,「ガスは....ガス漏れです」,なんとなく間抜けなレプカと部下の会話.ギガントの羽の上を疾走するコナン,風圧無視のアクション・シーン.


第25話 「インダストリアの最期」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 ギガントに載って戦っているコナンたちを心配するルーケたち,「コナンも船長もジムシーも帰って来ます」とラナ,希望的観測.「ダイス,動かせんの?」,「こんなもんはな,たたきゃ動くんだよ」,大雑把なダイス・ジムシー.「レプカ,降参しろ」,降参するわけがない,「コナンだ,振り落せ」.あわてふためく部下達と,「うろたえるな」を連発するレプカ,破壊活動に励むコナンたち.「見ろ,このでかいソケット」,「そんなのこっちにもあるぞ」,「やるか」,「やるか」.メイン・エンジンを切り離すレプカ,仕方なく2手に別れて再び破壊活動に入るコナンとダイス・ジムシー.尾翼からギガント本体を砲撃するダイス・ジムシー,尾翼を切り離すレプカ,「助けてくれ〜」,呆然とするコナン.脱出しようとするレプカ,結局,コナンと入れ替わったレプカはギガントもろとも墜落.一方,「出発しましょう」,サルベージ船の出航.ラオ博士に別れを告げる委員たち.「おじいさん,まさかあの人たち.... 知ってて何故止めないの?」「待ちなさい,あの人たちの好きにさせなさい」,「違うわ,コナンなら止めるわ」,でも結局引き返さないラナ・モンスリー.沈むインダストリア.


第26話 「大団円」

脚  本:中野 顕彰
演  出:宮崎  駿/早川 啓二

 それにしても凄いサブ・タイトル,開き直りとしか思えません.... 漂流しながら釣りをするダイスとジムシー,「糸」,「ちぇっ,自分の使えばいいのに」,「俺のは短いんだよ」,「いてっ」.脱出船に拾い上げられ,「モンスリー」,抱きつき,「馬鹿ね」第7号.コナンが見つからない.... 不安なラナに,「今度はラナが行ってあげる番じゃないか?」,「ラナ,コナンの声が聞こえないんだね?」,「もう我慢しなくていいんだよ」,「さあ,ラナ,飛んでごらん」とラナを励ますラオ博士.「飛べたわ!」,テキィの眼を通してコナンを発見するラナ.「みんなありがとう,ラナただいま」,「さっきテキィと一緒に来てくれたね?」,「私飛んだの」,再会を喜びあうコナンとラナ,「俺も」,「ヤボはよせ」.「これからは君たちの時代が始まるのだ.力を合わせて素晴らしい世界を作っておくれ.ラナ,飛べたね.コナン,ラナを頼む.私は疲れた.... しかしこれほど安らかな気持ちになれた事はない.眠らせておくれ」,ラオ博士御臨終.水葬に付されるラオ.数日後,何時の間にかコナンに替わってガルの助手になっているオーロ,最も危険物を取り扱わせてはいけない人物なのに.... ダイスとモンスリーの結婚式に向かうパスコ・グッチ・ドンゴロス,『うまそう』に乗るジムシーとテラ,「これ全部うまそうの子か?」,「そうだよ,うまそうだろ」.「コナン,俺はとんでもない事をしてしまったんじゃないかな? 頼む,見のがしてくれ」,「船長,男だろ」.結婚式ならびにバラクーダ号進水式,そんなもん1度にやるものなのだろうか? 「美しい,綺麗だ,本当に綺麗だ」,「馬鹿ね」第8号.残され島に向かうコナン・ラナ・ジムシー・ダイス・モンスリーたち,「爆弾が必要だったら何時でも....」と相変わらずのガル.「陸だ,陸が見えるぞ」,大変動で大陸となっていた残され島.山頂のロケット小屋,「帰ってきた....」.「上陸用意! 新大陸に錨を降ろせ」,この台詞,有名ですが,永井一郎さんのアドリブです.