Final |
第39回 SPECIAL すべて閣下の仕業 |
演 出:河野 圭太 |
前回から5年ぶりの2004年スペシャル単発エピソード.今泉・西園寺が登場しない代わりに花田が最後に登場する他,第32回で未遂犯役を演じた津川雅彦さんが別役で再登場しています.このシリーズ,作者の三谷幸喜さんも認めている通り,大体において犯人側のトリックは大したことがなく,古畑が犯人に仕掛けるトリックがストーリーの骨子となっており,さらにスタッフが視聴者に仕掛けるトリックに最も趣向が凝らされているわけですが,この回は特にそれが顕著な感じです.また,初めて犯人が自殺してしまうエピソードで,後に古畑が犯人の校則に失敗した結果であると説明されていますが,ラストを観る限り,古畑が意識的に見逃がしているような感じがしました.エンドロールで,オーストラリア編,ニューヨーク編では外国人のキャストがアルファベット表記であったのに対し,今回はカタカナ表記となっていて,これはプロデューサーに TBS の矢吹東さんが加わった結果ではないかと邪推しておりますが,個人的に人名は正確に表記すべきだと思っていますので,これはアルファベット表記の方が良かったと思っていたのに残念でした. |
第40回 今,甦る死 |
演 出:河野 圭太 |
オープニングで古畑自身が認めている通り,まさに『完全犯罪』を描いた傑作エピソード.真犯人は全く着手も教唆すらしていないという,古畑が犯行の立証をすることができなかった唯一の事件ですが….個人的にはこのシリーズで最も優れたエピソードだったと思っています.石坂浩二さん怖いです.吉田日出子さんの老婆役はまりすぎていて,最初誰だかわかりませんでした. |
第41回 フェアな殺人者 |
演 出:河野 圭太 |
退職した向島元巡査がイチローの腹違いの弟という設定の,第26回の SMAP に続いて実在の人物が犯人のエピソードですが,エンド・クレジットに古畑以外の役名の表記がなく,また今回はラストに「イチローは実在のイチローではありません」とは表示されませんでした.イチローさんの演技は,田村正和さんも感心されていたといわれていますが,本当にお上手だったと思います.なお,このエピソードの殺害方法は,コナン・ドイル『緋色の研究』のパクリだと思われます. |
第42回 ラスト・ダンス |
演 出:河野 圭太 |
このシリーズ,どちらかというと各エピソードの主役は犯人の方で,探偵役の古畑は狂言回し的な役割を担っていた感じもあったのですが,初めて主人公・古畑の内面的な葛藤を描写したエピソードであるとされており,シリーズ最終回に相応しかったと思います.しかしながら,ラストまで加害者・被害者が明かされていないのですが,これに関してはヒロインが双子という設定が現れたときから簡単に予想されてしまうことなので,そういった意味ではちょっと残念なエピソードでした.犯人役が脚本家というのは,第18回の加藤治子さんが演じた犯人と同様でちょっと珍しいパターンだったのですが,やはり同じように姉妹間での殺人が描かれていました.第34回被害者役の小日向文世さん,第16回家政婦役の松金よね子さん,また近藤芳正さんは第19回と同役でそれぞれ2度目のゲスト出演をされています. |
第43回 古畑中学生 |
演 出:河野 圭太 |
番外編.オープニングに古畑役の田村正和さん,エンディングに向島音吉役の小林隆さんが出演している他,レギュラー・メンバーは一切出演していません.ゲストは教頭先生役の浅野和之さんのみ,第39回に続いて2度目の出演となっています.シャーロック・ホームズ関連のネタがたくさん出てくるので,三谷幸喜さんのオタクぶりがうかがえるという点では楽しいエピソードでした. |