宇宙海賊 キャプテン ハーロック


EPISODE



第1話 宇宙にはためく海賊旗

脚   本:上原 正三
演   出:りん・たろう

 記念すべき第1話.初回放映時の1978年3月,私は丁度高校を卒業した春休みで,大学入学を目前に控えておりました.というわけで,それからアニメ三昧の大学生活を送ることになるのですが,初めてこの第1話を見ての感想としては,それまでのアニメ番組にはなかったスケールの大きさを感じさせる音楽の素晴らしさにつきます.この交響組曲,アニメ史上いや日本 TV 史上に残る傑作だと思います.ストーリー的には,冒頭の部分,アルカディア号をあざむいて降伏旗を出したドリーム号が,あまりにも早く攻撃に転じてしまう必要性が感じられない点に,ややシナリオの不備を感じたのと,積荷に『SAKE』・『OZAKE』・『BRADY』とあったのに,スペルの誤りを見つけたくらいで,ほぼ原作に忠実,かつオリジナル・キャラの設定等も「こんなもんかな?」といった感じで,悪くはなかったと思います.原作にないキャラとして,まゆ・切田長官・学長・首相等,地球側の人物が登場していますが,これはストーリー構築上,やむを得ない処置だったのかもしれません.ちなみに,これらのキャラの声は,メイン・キャラならびにナレーターの声優さんが,二役で演じています.大山トチロー(ハーロックの親友・まゆの父親)の墓碑に,『2948 - 2970』と彫られておりましたが,ハーロックの推定年齢が28歳で,ストーリー上の年代が2978年(放映時の丁度1000年後という設定にも笑えましたが)という事を考慮に入れると,トチローはハーロックより1〜2歳年上だったのだろ〜か?などと考えてしまいましたが,ハーロックの年齢はあくまで推定という設定なので.... ラスト,アルカディア号によるハーロックの救出方法があまりにも荒唐無稽,自動的にはずれてしまうハーロックの手錠....?


第2話 未知からのメッセージ  

脚   本:上原 正三
演   出:蕪木 登喜司

 オカリナによる『まゆのテーマ』(当初,『赤とんぼ』を使いたかったが,著作権上の問題で,『グリーンスリーブス』もどきの曲に変更になったらしいです)をいつの間にか覚えて演奏しているまゆと,遠く離れた宇宙空間でハープで伴奏をつけるミーメ(爆).ハーロックは,ミーメとまゆの事を『君』と呼んでいますが,これってらしくないかも.この『まゆ』というキャラクターに関しては,放映当時賛否両論がありまして,どちらかというと松本零士ファンの間では否定的な意見が多かったのですが,アニメ番組としてのストーリー展開には必要悪だったのかもしれません.原作の『ハーロック』,そのままじゃアニメ番組としてはあまりにも盛り上がりにかけるかも,もっとも原作は,その平坦にも感じられる静けさもまた魅力的だったんだけどね.コスモ・ウィングやボレットに関しては,これは玩具会社の意向を尊重したのでしょうね? この第2回,ハーロックのセリフに少々「らしくない」表現が聴かれますが,シナリオ・ライターが原作のハーロックを適格に把握していなかったのかも.「私はこの地球を命にかけても....」 - ハーロックはやはり『俺』でしょう? 「そりゃ〜違うぜ」 - 首相官邸のシーン,ハーロックのセリフとは思えん.... 「母なる大地の中で」 - ヘンな表現だと思います.最後に,野犬に襲われるまゆの前にハーロック登場 - アニメならではの御都合主義で納得.あと,この回,礼拝堂の床磨きのシーンといい,爆風で吹き飛ばされるシーンといい,まゆちゃんの下着がやたらと描写され,世のロリ・アニおたの共感を呼びましたが,わたしロリコンじゃないもんで....


第3話 紙のように燃える女

脚   本:上原 正三
演   出:福島 和美

 この回のハイライトは,台羽博士暗殺シーン.福島和美氏の演出がすご〜く印象に残ってます.台羽正役の神谷明氏,わたしこの声優さん演技過剰な感じが少々鼻についていたのですが,このキャラに関しては,ハーロック役の井上真樹夫氏とのコントラストという点で,適役だったかも? ところで,マゾーンの肌の色,有紀螢のセリフでは,「地球の大気にふれると何故だか白くなる」のだそ〜ですが,「白くなる」のか,「白くする」のか? ....素朴な疑問だと思うのですが.... 第16話などから判断するに,やっぱり『白くしている』んでしょうね.


第4話 自由の旗の下に!

脚   本:山崎 晴哉
演   出:川田 武範

 ストーリー導入部におけるハーロックと台羽正のからみ,原作でも最も重要なエピソードでしたが,これに関して以前から考えている事があります.松本作品における沖田十三と古代進,メーテルと星野哲郎,そして,ハーロックと台羽正.これらの関係ってどう見ても『師弟』の関係だと思うのですが,その中でも,このハーロックというキャラ,松本先生におけるところの『理想の教師像』だと思うのです.で,推定年齢28歳という設定のハーロックですが,実は40歳でもおかしくないんではないかと,つい余分な事まで考えてしまうのでした.設定と言えば,アルカディア号の40人の乗組員1人1人に名前がついていたというのには,笑ってしまいましたが.... クスコ教授暗殺シーン,台羽博士暗殺シーンほどではありませんが,やはり印象に残るシーンだと言えます.台羽正の逃走シーン,土砂降りの雨の中で舞っている紙屑,凝っているようで実は不自然....


第5話 はるかなる星の涯に....

脚   本:上原 正三
演   出:生頼 昭憲

 あまりにもずさんな切田長官のハーロック暗殺計画,「可愛いお人形ちゃんありがとう」.「私は無益な殺戮は好まない」,ハーロックのというより,五右衛門のセリフみたいです,井上さん.台羽のノイローゼ,ヌレームの自爆,何となくですが,アニメ脚本が原作を離れて一人歩きをしているような印象を与えられた回でした.


第6話 幻のマゾーン

脚   本:上原 正三
演   出:明比 正行

 ハーロックのセリフ「よく寝る男は大物になる」,松本零士的ではあります.ハーロックは,この時代でも手紙を書くのに羽根ペンを使っている,しぶすぎる.略奪の度に,食糧のみを貯蔵し,酒や宝石類は捨ててしまうハーロック,酒はミーメにとっては食糧なのに.... 少し冷たいんじゃないですか?と余計な心配をしてしまうのでした.首相をメッセンジャー・ボーイ代わりに使うハーロック,「まゆ君へ」と書かれたほとんど平仮名だけの手紙がかわいいのですが,このとき使われた郵便ロケットの経費はいくらくらいで,どこから捻出されたモノなのか? 原作では描かれていなかったミーメとの出会い,核戦争で滅亡した星って,バルタン星人やスペル星人と似たシチュエーションでは? さすが上原正三? この回からエンディングのキャストの順に変更があって,有紀螢に代わってミーメが3番目に表示されるようになりました,お気付きになりました?


第7話 海底のピラミッド

脚   本:上原 正三
演   出:松浦 錠平

 切田長官と首相,「ゴルフは嫌いです」,「不幸せな男」,上原氏の脚本が冴えてます.海底ピラミッド探索時のハーロックのセリフ「副長と台羽がはぐれた」,はぐれたのはあんたの方じゃないのか? 一般市民の中に紛れ込んでいるマゾーンの選別を迫るハーロック,この頃になると堂々(?)と首相と面談しております.聖ジョバンナ学園の舎監,唯一美しくないマゾーンかも....?


第8話 女王の宇宙艦隊  

脚   本:上原 正三
演   出:明比 正行

 「まゆを守るため....」,初めて自らの『戦う理由』を明らかにし,学長に一礼し,悠然と立ち去るハーロック,これじゃ単なるロリコン・オヤジみたいで,原作の持つ雰囲気ぶちこわしてて,良くないのです.高官ヒステリアスを,復讐の鬼となって追いかける台羽,ヤッタラン副長の「鬼の台羽」という表現が笑えました.記憶喪失にかかり,トリさんに『赤ずきんちゃん』を話して聞かせ,ヤッタランのヤマト(爆)で遊ぶ台羽,ミーメがやさしくてかわいい♪ 「本来戦う事には地球人が一番向いているんじゃないでしょうか?」,有紀螢のセリフが印象的でした.


第9話 戦慄の植物生命体

脚   本:山崎 晴哉
演   出:大関 雅幸/松浦 錠平

 この回と次回は,ハーロックの声を井上真樹夫さんではなく徳丸完さんが演じています.井上氏の病気のため(声帯ポリープの手術のため?)らしいですが,放映時は何の予告もなくハーロックの声が変わったので,怒りを感じました.徳丸氏の声は,やはり井上氏に比べて少々軽い感じで,かなり井上氏の声を意識した演技をしてはいるのですが,やはりちょっとね.... 『植物生命体』などというと,世代的にジュランやグリーンモンスやスフランやケロニアやワイアール星人なんかを連想してしまうのですが,マゾーンはどちらかと言えばケロニアに一番近い? 火焔土器奪取の際,はじめて役に立つヤッタランのプラモ,原作にはないエピソードですが,いいかも.... 「はーろっくガアブナイ!」,興奮して金色に輝くミーメがかわいい♪ ハーロックと台羽の危機を救うスポット降雪機,これってたしか原作ではとんでもない欠陥品だったはず.


第10話 謎の惑星に迫れ

脚   本:山崎 晴哉
演   出:蕪木 登喜司

 前回に続いて,この回も徳丸完氏がハーロックを演じていますが,放映時,これで完全にキャスティングが替わってしまったものと思い,非常にガッカリしたものでした.それとは別に,何故かハーロックのセリフに印象に残ったものが多かった回でした.「全体を見る目」,言ってるそばから,ラフレシアによるマゾーン総決起命令の取り消しがあったりするなど,これまたアニメ特有の御都合主義? 「マゾーンは美しい」,はいそのとおりです.ローラに0.3秒の遅れをとった台羽,『ウルトラセブン』の第36話『必殺の0.1秒』を思い出しましたが,あの話もこの回も脚本は上原正三氏じゃないし,無関係か? そして何よりもきわめつけだったのが,
「見事な編隊だ」,大爆笑してしまいました.アルカディア号のラム戦,アニメの作り方によっては,もっと迫力的なシーンになったかもしれないのに,残念でした.... でも,・・・・マークみたいなマゾーン艦にラムで突っ込んで行くアルカディア号,何か猥褻....?


第11話 ローラが金色に輝く時

脚   本:山崎 晴哉
演   出:生頼 昭憲

 ハーロックの声が元に戻っている,嬉しかったです,ハーロックにはやはり井上氏の声がぴったりくるのです.また,この回から台羽正がユニフォームを着用しています.この制服についてのエピソードが原作にはあったのですが,アニメでは省略されていました.捕虜として捕えられたローラを前に「自爆スルダケ」と恐ろしい事を平然と言ってのけるミーメ,ローラを預けられた台羽をドクター・ゼロが心配する際の螢の表情,ハーロックのセリフ「マゾーンは人の心を弄ぶ.その恐ろしさを忘れた時,我々は戦わずしてマゾーンに破れる」,等印象的なシーンが多い回でした.この番組,マゾーン側のゲスト・キャラにも,主役級の声優さんを起用しておりますが,ローラの声は小山まみ(現・茉美)さんでした.


第12話 母よ,永遠なれ

脚   本:山崎 晴哉
演   出:明比 正行

 この物語を少年の成長の物語としてとらえるならば,主人公はハーロックではなく台羽正であり,この回あたりが前編の山場となるエピソードだと思います.それにしても.『999』における星野哲郎といい,この台羽正といい,松本作品における少年像は常に母への思慕を引きずっているキャラが多いのですが,もしかしたら松本零士という人, John Lennon 氏と並ぶマザコンかも? 次々と解きあかされるマゾーンの謎,生きていた司令アレルギアス,と物語は佳境に入ってゆきますが,その中で中心となるのはやはり台羽正,「これで三度目だぞ」とあくまで教師に徹するハーロック?


第13話 死の海の魔城

脚   本:上原 正三
演   出:りん・たろう

 「あの大昔の火薬か?」,「ディーゼル? 我が友が見たら涙を喜ぶだろう.あいつはそういったモノが好きだった」,原作にわりと忠実なハーロックのセリフ.切田長官「ハーロックめ,幽霊船まで味方にしおって」(爆).またこの回,ミーメのセリフが多くて非常に嬉しかったのです.ミーメ役の小原乃梨子さん,ハーロックの井上氏と並んでぴったりのキャスティングだと思います.このキャラに関しては原作以上にアニメの印象が強烈で,この番組見てミーメ・ファンになってしまった私は,まねしてアルコールを主食にしようとして肝臓こわしました(爆).ただし,マリンスノーに関する知識を披露する台羽に対するセリフ,「台羽クン,イロイロ知ッテイルノネ」に関しては,ちょっと違うな?って感じ,ミーメに『君づけ』は似合わないような気がしました.あとセリフといえば,台羽の「父さんのカタキだ」,ハーロックの「友よ!」,偉大なるワン・パターンではあります.アマンのエピソードに『浦島太郎』を結び付けてしまっているのには,いささか強引な感じがいたしましたが....?


第14話 スフィンクスの墓標

脚   本:上原 正三
演   出:生頼 昭憲

 この回,切田長官中心ということもあり,原作にはまったくないエピソードで,作品全体から見てちょっと異質な感じのする回でした.この切田長官,まゆと同様,原作には登場しないキャラで,かなり精神分裂入ってますが,ストーリー進行上,必要なキャラではあったと思います.しかし,放映回によって,『キルタ』になったり『キルダ』になったりして,製作スタッフもあまり重視していなかったのか,よく把握していなかったのか....? 印象に残ったセリフとしては,首相の「乱暴はいかんぞ,ハーロック」,何とはなく笑えました.ハーロックを救出しようといきりたつ台羽たちに対して,「砂漠デ埋モレテシマウヨウナ男デハアリマセン」と冷たいミーメ(笑).サソリを素手ではらい刺されてしまうお馬鹿な切田と,いきだおれのハーロックを救ったのは,弱冠7歳のまゆちゃんでした.はじめて語られる切田長官の過去と,スフィンクスに隠されたマゾーンの兵器,ちょっと待て,これを知ってて隠してた切田って,防衛庁長官として不適格なのでは.... 結局,『困ったときの友だのみ』で,無事救出されたハーロックと,精神分裂進んでしまった切田長官.この回,エンディングのキャスティングに,初めて『切田長官…柴田秀勝』とクレジットされてました.




第15話 悲恋!北極オーロラ

脚   本:上原 正三
演   出:松浦 錠平

 前回は砂漠,今回は北極と忙しいアルカディア号.「副長,地球へ戻れ,ニシンを仕入れにな」,気のきいたハーロックの台詞.「おーろらナンテ嫌イ」といいつつも,出動をしぶるヤッタランに替わって,「私ガ行キマス....ツイテ行キタイ,はーろっくニ」とミーメ.そのミーメが止めるのにも関わらず,「俺をブリザードに巻き込んだという事は,俺に用があるという事だ」などと言って,単身乗り込むハーロック.結局,ハーロックは危機一髪のところをミーメに助けられるわけで,この辺,男の馬鹿さ加減を露呈しております.ミーメからして見れば,ダメな弟を助けに言ったようなモノかも.... スノーラとミーメの戦い,下世話な見方をすれば,ハーロックをめぐる2人の女の戦いなわけで,何とも生々しいモノがあります.「命ガケデ戦エバ,女モ強イ戦士ニナリマス」,精神的にはいつだって,女の方が強いと思うよ.... 『男』であることをふりかざしているハーロックが,いつもミーメに助けられるというのは,松本流『男の美学』におけるアンチテーゼかも.... 「こちら,切田長官」というセリフが少々間抜け,自分に役職名つけるなよ〜.マゾーン側ゲスト・スノーラの声は,後に『1000年女王』で雪野弥生を演じる藩恵子さんでした.


第16話 螢・わかれうた

脚   本:上原 正三
演   出:蕪木 登喜司

 初放映当時,この回の予告編を見た友人が,『演歌ひとすじ』と言って爆笑しておりました.それはともかく,物語も中盤に入り,ハーロック・台羽以外のキャラを主人公としたエピソードが,この回以降続々と出てきます.今回主役の有紀螢の両親の名前は,秀一郎と文ですが,これはもちろん,このエピソード自体も原作には登場いたしません.冒頭のシーン,コートに六角形のファッション・グラス(笑)という姿で登場する有紀螢.モチーフとなる三味線の『別れじょんがら節』(爆)といい,アナクロっぽい雰囲気が漂った一編ですが,それなりに面白い回ではありました.かつての婚約者・片桐一也の実験に協力するにあたって,さりげなく,『母もよく実験台にされていたわ』と恐ろしい台詞を口にする螢,ど〜ゆ〜一家じゃ? ミーメによって,片桐の妹・サキの正体がマゾーンであることを知るわけですが,ここで,マゾーンの肌の色が地球の大気にふれると『白くなる』のではなく,『白くしている』ものであることが明らかになります(第3話).ここで素朴な疑問,ハーロックは片桐一也がマゾーンのスパイである事を確認するため,第8海賊島に停泊するのですが,何でわざわざそんな危険な状況にまゆを呼んでいるのか? 次回第17話のエピソードとも矛盾しているし,変ダ.マゾーン側ゲスト・サキの声は,野村道子さんでした.


第17話 白骨の勇者

脚   本:山崎 晴哉
演   出:生頼 昭憲

 『夏休みになったらアルカディア号に載せる約束』で,遊びに来ているまゆ.前回の第8海賊島のくだりは何だったのか? 今回・次回は魔地機関長に関するエピソードですが,エンディングのキャスティングに,メイン・キャラ以外のアルカディア号の乗組員(キッドッド・海太郎)が表記された珍しい回でもあります.この前編の中では,ハーロックの「死してなお舵を執る,これぞ真の海の男」という大時代的なセリフが,また五右衛門みたいで印象に残ってます.


第18話 魔の幻影戦士

脚   本:山崎 晴哉
演   出:明比 正行

 首に鈴をつけているマゾーン・パトラスを見て,魔地は娘のミドリだと確信するのですが,ちょっと待て猫じゃあるまいし,それにパリの蚤の市じゃあんな鈴は売ってないと思うよ.さらに,いつの間にか成人しているミドリを見て,疑問を抱かない魔地機関長って,やっぱり変.台羽に対するハーロックの台詞,「下手な同情はよせ,これは魔地機関長一人の問題だ」.第16話でも螢について同じような事言ってましたが,この人冷たいのか,個人主義に徹しているのか,単に面倒くさいだけなのか,よく解りません.でも,物語が佳境に入ると,「魔地機関長ともあろう者が,まだ目が覚めんのか?」などとお決まりの台詞で,おいしいとこ持って行ってるし.... マゾーン側ゲスト・パトラスの声は,以前に『宇宙戦艦ヤマト』で森雪を演じた麻上洋子さんでした.


第19話 女王ラフレシアの罠

脚   本:山崎 晴哉
演   出:松浦 錠平

 アルカディア号42人目の乗組員の存在確認のため,センサーをかけられたハーロックたち.「やだわ,私何を考えていたのかしら?」と有紀螢,ごもっともな疑問ですが,マゾーンのコンピューターには,「酒が」,「御飯が」と騒々しい.いかにも松本零士的なエピソードではあります.センサーのくだりは,原作にもありましたが,そこではハーロックがトリさんに向かって,「お前のガイコツハ案外面白い形をしているな」などと言っておりました.「罠にはまってみるのも,また面白い」と,懲りないハーロック.「全員睡眠を取れ」との命令に,「この船では一斉に全員が眠ってしまうんだからなあ」と台羽正.この変は原作に忠実でしたが,台羽正も有紀螢もちゃんと着替えて寝てました.螢に「アルカディア号とデスシャドウの舵を直結しろ」と命令するハーロック,ちょっと待て,そんな事簡単にできるのか? 少し御都合主義っぽいです.「影に俺の相手をする資格はない」とのたまうハーロックに対し,「蒔いた種に挑戦されるとは悲しいこと」とラフレシア,中盤の山場となるエピソードでした.


第20話 死滅のジュラ星

脚   本:山崎 晴哉
演   出:大関 雅幸/蕪木 登喜司

 今回の主役はミーメ.ミーメ・ファンの私といたしましては,待ちに待っていた回で,放映当時友人に頼んでビデオにとってもらったりしていたのですが,その後その友人と付き合いなくなってしまったもんで, LD 手に入れるまで見る事ができなくなってしまいました.それはともかくとして,冒頭のシーン,悪夢に目覚めるミーメ.前回の台羽正や有紀螢と違って,ミーメは寝るとき着替えないという事が明らかになりました(笑).「ミンナ生キテイルカモシレナイ」,流石のミーメも自分の星の事となると,冷静ではいられないようでした.花粉病に倒れるアルカディア号乗組員,無事だったのは飲んでいたドクター・ゼロとミーメだけ,「アルコールが効く病気らしい」,これってすご〜く松本零士的なエピソードで好きです.台羽を介抱するミーメが,同じフトンにミーくんを寝かせていたのも良かったです.ところで,ジュラ星人の無気力化と核戦争と植物の巨大化がどうやって結びつくのか疑問だったのですが,全てミーメのかつての親友フーレ,実はマゾーンのジョジベルによる仕業,しかも目的はラフレシアのための花園作り(???)ということで,ミーメの怒りが爆発.ミーメとフーレの対決となる訳ですが,ここで素朴な疑問が.... どう見たって,ジュラ星人って,地球人やマゾーンよりも強いと思うのですが,何で簡単に滅亡させられちゃったんだろうね? ラスト,ミーメの「ヒトリニナッテハイケナイ」という台詞が感動的でした.マゾーン側ゲスト・ジョジベルの声は信沢三恵子氏,実はコナン VS ラナの対決だったのでした.


第21話 ゴーラム!悲劇の戦士

脚   本:山崎 晴哉
演   出:明比 正行

 ゾルがアルカディア号に突っ込んだ小型艇で逃げる際,有紀螢が宇宙空間に放り出されないのは不自然ですが,マンガだから仕方がない?です.歴戦の勇士ゾルに敬意をはらって,酒を勧めるハーロック.訝るゾルに向かって,「アルカディア号は自由の艦だ」というのでは,説明になっていない気もしますが,「自由とは,信念の為だけに戦うという事か?」と勝手に納得してしまうゾルも凄い.このエピソードは,原作の中にも見られますが,松本零士流『男の美学』を表現した,名場面であるとも言えます.ただ,ラスト,単身マゾーン艦隊に単身突っ込んで行くゾル,これって必然性がないというか,ほとんど自殺とも犬死にともとれる最期だと思うのですが.... ゾルの声は山田俊司(現・キートン山田)氏.


第22話 宇宙の墓場・デスシャドウ

脚   本:山崎 晴哉
演   出:神山  香

 ゾルの残したコスモグラフ記憶器によって,ついにその全貌を現わすマゾーン大キャラバンと女王ラフレシアの旗艦ドクラス.ところで,マゾーンって『姿は女だけど,女ではない』というのが本当なら,『女王』ラフレシアって言い切ってしまうのは,いかがなモノかと....? それはともかく,物語はいよいよ佳境に入るのでした.デスシャドウに囚われ,なす術もないアルカディア号,「男には何をしても全くダメだという時がある」とハーロック.原作ではこの台詞の後,「そういう時男はな,ふふ,酒でも飲んで寝ていれば良いのだ」と続き,余裕のあるハーロックですが,ここでは少々あせりの色を隠せないものの,「何もできない苦しさ,それに耐えぬくのも男だ」などとカッコつけた挙句,最終的には「友よ」(爆).


第23話 ヤッタラン・プラモ狂の詩

脚   本:山崎 晴哉
演   出:生頼 昭憲

 第10話に続いて,ハーロックきわめつけの台詞「見事な編隊だ」,2度目の登場.マゾーンのZ型編隊を逆V字型編隊で破る台羽,でも編隊が崩れる事とその攻撃・防御力と何の関係があるのか,よくわからんのですが....? アルカディア号の秘密を探り出すため,ヤッタランにプラモ勝負を挑むエルザ,ちょっと待て,いくら何でもこじつけがひどすぎるストーリー展開だと思うよ.有紀螢・魔地機関長・ミーメに続く,サブ・キャラ・エピソードですが,少々シナリオに乱暴さが目立つ作品だったと思います.あと,上記のストーリー紹介には誤りがあって,エルザを撃つのは台羽ではなく,ミーメです.エルザの声は,ジョジベルに続いて2度目の登場の信沢三恵子さんでした.


第24話 純愛流れ星

脚   本:上原 正三
演   出:大関 雅幸

 全く原作にはないエピソードで,ゾルの妻ルマーン,息子ゾルバ,マゾーン・ルシアはアニメ独自のキャラクターです.というわけで,ルマーン・ゾルバ共に,トカーガ人にも関わらず地球人的なキャラクターで,違和感感じてしまうのです.ゾルバ・ルシアが乗ってきた小型艇の名前が『流星号』(爆),『スーパー・ジェッター』思い出してしまいました.父親同様,無意味な死に方をするゾルバ.トカーガ人というのは,死にたがっているとしか思えん.... ゾルバの声は井上和彦さん,ルシアの声は小山まみさんで,共に2度目の登場でした.


第25話 ドクターゼロとミー

脚   本:山崎 晴哉
演   出:明比 正行

 「怪我人なんてくそくらえ」と医者らしからぬ事をのたまうドクター・ゼロと,「私だって注射の2・3本くらい....」とさらに乱暴な事を言うますさん,脚本がかなり遊んでいる.... ドクターゼロ回想シーン,『HOSPITAL』と何故か横文字標記の診療所.... 第23話によると,ヤッタランとドクターゼロは子供の頃からの知り合いらしいですが,この2人の国籍はどこなのか?素朴な疑問.第23話のヤッタランの初恋の相手はセーラー服だったので,日本人であると思われるのですが.... それはともかく,サブ・キャラ・エピソードのこの回,ドクターゼロとミーくんの話は中途半端に終ってしまい,途中からマゾーン客船の発見,種族の大移動というところに視点が移っていってしまいます.脚本の出来に?が残る回でした.マゾーン側ゲスト・カサンドラの声は千々松幸子氏.


第26話 はるかなる長い旅

脚   本:山崎 晴哉
演   出:川田 武範

 前回・今回を見てまず感じた事ですが,マゾーン市民の中には明らかに女の姿をしていない者も見られます.これは,『紙のように燃える女』として登場し,「女の姿をしているけれども女ではない」というマゾーンの設定と矛盾するのではありますまいか? それともマゾーンは地球人と同じく雌雄の別のある生命体なのか,だとしたらその種族の中では女の姿をした者のみが優れた素質を持っているのか,マゾーンの設定そのものがあやふやである事を感じさせられました.どうも,あまり深く考えないでキャラ設定をしているような気がします.何度見てもマゾーン艦相手だと猥褻な印象を与えられるアルカディア号のラム戦,考え過ぎ? テシウスのセリフ「市民を銃弾よけの盾にするようでは,どんな戦いにも勝てない」が印象的ですが,結局ラフレシアの意向のもと,自ら生命を断つテシウス他反逆市民(ストーリー紹介にあるようにクレオに葬られるのではなく,クレオは単なるラフレシアのお使いです).アルカディア号に再度現れるラフレシアの幻影に,「幻影に令をつくす必要はない」と,相変わらずのハーロック.ミーメには,「〜です」と,丁寧な言葉使いのラフレシア.「お前の誇りなどしょせん女の誇り」などと,問題発言のハーロック.興味深い会話が続く中,「奪うのではない,守るのだ」というハーロックの台詞で,物語は新たな展開を迎えるのでした.クレオの声は坪井章子さん,テシウスの声は山口奈々さんで,このお2人は,共に何度目かのゲスト出演です.


第27話 アルカディア号の意志

脚   本:上原 正三
演   出:松浦 錠平

 この回からオープニングが変り,それと共に物語も新たな展開を迎えます.宇宙風邪(過労?)のため次々倒れるアルカディア号乗組員と,介抱に忙しいミーメ・ますさん.従軍看護婦姿が眩しい(?)ますさん.すると,ミーメは従軍慰安婦? 馬鹿な事を考えておりますが.... 「ハーロックが命がけで地球を守るその訳」を探るため,マゾーンに襲われる切田長官.アルカディア号に関する資料の中に『大山まゆ』が出てくると,必死に隠そうとする,不可解とも言える切田の行動,ひょっとしてあんたもロリコン? マゾーンの存在に目覚める切田,この人,第14話に出てくるマゾーンの超兵器を若い頃に見つけたとき,何も疑問を感じなかったのかね? 脳天気すぎると思うよ.... まゆが胸にかかえる『えほん』,よく見ると『ほ』の字がおかしいです.ハーロックに卑怯者呼ばわりされたくないばかりに,まゆの誘拐を逡巡していたラフレシアですが,結局一部兵士の反乱によって,まゆの誘拐に着手してしまいますが,これ,プライドを捨てた敵のおそろしさ.何かと言えば『男の誇り』をふりかざすハーロックですが,そんなもの何の役にもたたない事が露呈してしまいます.これって.松本流『男の美学』に対するアンチテーゼかも.... 苦悩するハーロックに決断をせまる『鬼の台羽』(爆).「艦の進路はこの艦が決める」と,困った時には他人まかせのハーロック,考えてみればこのキャラ,すご〜く決断力のない人間像かも....?


第28話 ユリシーズの星雲

脚   本:上原 正三
演   出:大関 雅幸

 拉致されてしまったまゆを探し求めて,ユリシーズ星雲の7つの星を目指すアルカディア号.大宇宙を舞台にした壮大な迷子探しの始まりですが,このエピソード,まゆというキャラクターの出てこない原作には当然描かれておらず,ここからアニメが原作を離れてしまいます.独自のストーリー展開を狙ったものなのか,単なる回数消化の為の措置だったのか解りませんが,原作とはあまりに違った雰囲気を持ったこの部分,個人的には不必要だったと思います.この回にしたって,ストーリー的にもあまり印象の残る回じゃなかったしね.... ヤッタランの提言により当初『氷の星』を目指そうとしながらも,トリさんによって『人間の星』に進路を変えるハーロック,やっぱりこの人,意志薄弱というか,気紛れというか,行き当たりばったりというか.... ラスト,むやみに発砲するマゾーン戦士と台羽正,後先も考えてないような気が.... 「大丈夫でしょうか,子供たち2人だけで....?」と心配する台羽に,「人類は2人から始まったのだ」と無責任なハーロック.この人,他人の事になるとすご〜く冷たい....




第29話 虹の星の死闘

脚   本:山崎 晴哉
演   出:福島 和美

 ミーメ,「退屈ダカラ,きすシテアゲマショウカ?」,このセリフ,原作では「きすシテアゲヨウカ?」でしたが,とりあえずアニメでもしっかり使われたのは,嬉しかったです.ドクターゼロ,「何もする事がないと,人間盲腸にかかりやすいらしい」,そんな馬鹿な.突如としてまゆ探索に一所懸命になる,お調子者の台羽正.キャプテン不在のアルカディア号で,「ワイが代理のキャプテン,ヤッタランや」と,これまた突如としてリーダーシップを発揮するヤッタラン.罠にかかってしまった台羽に対して,「男は戦いを通して,ひとつひとつ覚えていく」などと,余裕のハーロック.マゾーンの少女グリンカの声は,小山まみさんでした.


第30話 わが友わが青春

脚   本:上原 正三
演   出:生頼 昭憲

 「疲レテイマス,コノオ艦」,海賊島へドック入りするアルカディア号とまゆ救出をあせる中枢大コンピュータ(笑).トリさんがトチローのメガネを発見した事に端を発し,物語は突如回想モードへ.「幼稚園の時から一緒だった」トチローとハーロック,二人の園児姿見てみたいかも.... 「自由と夢さえあれば,金なんていらない」,そうか....? 処刑されようとするハーロックに,「この大ドロボーめ」と罵声が飛んでいるのには,ど〜ゆ〜訳だか解りませんが何か笑えました.「鉱山はこりごりであります.それにお腹もすきますし」,若き日のハーロックの声をきっちり演じわけている井上真樹夫さん.エベレスト爆破に使用される,『宇宙戦艦ヤマト』で使われていたのと似た形の爆弾(笑).トチローの歌う『あんたがたどこさ』,流石九州男児(?).


第31話 アルカディア建造秘話

脚   本:上原 正三
演   出:大関 雅幸

 前回に続いてハーロックの回想モード,惑星ヘビーメルダーを舞台に繰り広げられるアルカディア号建造秘話.切田長官の指名により颯爽と登場,何ごとかやらかすのかと思ったら,結局何も出来ないで終ってしまう,見かけ倒しの『星野隊』.ハーロックを始めとする宇宙海賊打倒のための戦艦を作るため,ハーロックの親友である大山トチローの頭脳が必要,という何が何だか訳のわからん切田長官のトチロー探索.トチロー逮捕と思いきや,突如現れおいしいところを持って行くハーロックのご都合主義.トチローの死に際して,「あの人のそばについていてあげたい」と,母より女を選び,まゆをハーロックのもとに置いていってしまうエメラーダ,おいおい,ちょっとハーロックが気の毒すぎるような気がするのですが....? エンディングのキャスティングで,この回初めて『まゆ…川島千代子」のクレジットが見られます.


第32話 星笛が呼ぶ

脚   本:山崎 晴哉
演   出:福島 和美

 まゆのオカリナの音に導かれて『風の星』に辿り着いたアルカディア号.台羽の「どこに行きますか?」との問いに,「今は俺にもわからん」とハーロック,結構主体性のないキャラクターだと思う.... 先遣部隊を地球に向けるマゾーン,地球へ向かえとハーロックにせまる魔地機関長たち.「ハーロックが何を考え,何を思っているのか?」というラフレシアの疑問は,ここに「俺にとってまゆあっての地球」というハーロック自身の台詞によって解明されるわけですが,これって少々個人主義的すぎないかい? 「自由の旗の下で,自由に生き,共に死ぬ」って言えばカッコいいけど,それが幼女1人のためというのもね.... ところが,「まゆちゃんは自由のシンボルだ!」などとまたしてもお調子者やってる台羽によって,ハーロックの考えは正当化されてしまうのでした.この回,珍しくコスモガンを乱射するミーメの姿が見られます.


第33話 たった一人の突撃

脚   本:山崎 晴哉
演   出:神山  香

 女子プロ野球の TV 中継,「ベンチのサインは敬遠ですが,マウンドのサウスポー,嫌よ嫌よと首を振っております」(笑),そ〜言えば,ピンクレディーが一世を風靡していたのって,この頃でしたっけ? 首相秘書・波野静香登場,声は山口奈々さん.原作にも出て来たキャラクターですが,原作では物語の冒頭から出ていたのに,アニメでは物語後半から登場,役割も少々違うみたいです.首相,「選挙に勝てば,後は野となれ山となれ」,現在も未来も為政者なんてこんなもん.切田長官のかつての上官・大田原長官(声は台羽博士もやっていた北川国彦氏)はマスさんのかつての恋人,世の中は狭い.... 「男が死に場所を求めてゆく時,余計な口出しをするな」,相変わらず他人事には冷たいハーロック.運命を決定したのは,綱島マス&大田原の大いなる勘違い.ラスト,大宇宙にこだまする『大漁唄い込み』(爆).


第34話 銀河子守唄

脚   本:上原 正三
演   出:りん・たろう

 冒頭,恐怖におののくまゆの描写.まゆ誘拐以来,ますます過激になるスタッフによるまゆいじめ,こうして TV 史上輝く金字塔となったロリコン・アニメ『ハーロック』(爆).またもや,まゆのオカリナに遠くから伴奏するミーメ,このミーメとハープという組み合わせを考えた人,天才的なセンスの持ち主だと私は思うよ.... ミーメってこれによって,原作よりも強烈な個性をもったキャラクターになったと思います.「何故,まぞーんノ戦艦ハ自由ニ飛ベルノデスカ?」,ミーメの素朴な疑問から,人工引力に気付くハーロックたち.「マユサンヲ助ケルナラ今デス」,突入するハーロックたちを,何故か叫び声を上げながら襲うので,逆にやっつけられてしまうマゾーンたち(笑).ラフレシアに抱かれるまゆ登場,「消え失せろ!」一喝するハーロック,そんでもってマゾーンと地球人の命運をかけた誘拐事件の割には,あまりにも簡単なまゆの救出.眠らないまゆからオカリナを取り上げるハーロック,「返してください」とまゆ,またまたロリコン泣かせの場面ではあります.結局,最終的には「友よ!」,この人困るとホントこればっかり....


第35話 美しき謎の女

脚   本:上原 正三
演   出:生頼 昭憲

 マゾーンに呼び出される切田長官,名前が『ミツル』である事がこの回明らかにされますが,どういう字を書くのか? 波野静香のマンションにあるディスク再生装置ですが,いちいち再生後のディスクが燃えるんじゃ,そ〜じが大変だろうね? 切田を脱走させた静香に対して首相,「息子のお嫁さんにぜひ欲しいと思っとったのに....」,一方ではドクターゼロ,「酒こそわが命」,二役を演じている八奈見乗児氏がいい味出しています.「おりるもんか,べーっだ」,「大嫌い! ハーロックなんか」,初めて『良い子』ではなく,悪態をつくまゆちゃん,これもロリコン泣かせ?


第36話 決戦前夜

脚   本:山崎 晴哉
演   出:大関 雅幸

 「アノ波野静香トイウ女」,怪しむミーメ,でも『異星人としての本能』って一体どんな本能? それに対し,「俺は切田長官に約束した.恥をしのんで俺に頼んできたその頼みをきいた以上,無事に切田に返す義務がある」,義理がたいハーロック.ラフレシア,「見知らぬ女に艦のすみずみまで見せて平気な男ハーロック,私にはハーロックという男がわからなくなってきた」,素朴な疑問だと思いますが,それは単にハーロックが想像を絶したお馬鹿さんという事かもしれません.あまりに露骨な静香の色仕掛けと,嫉妬に燃え黄色くなったままのミーメ(笑),いくら子供向けの番組だからって,もしもこんな色仕掛けが成功したとしても,子供だって納得しないと思うよ.「どんな考えも,ましてや信念などない」,自分が考えなしに行動している事をついに白状するハーロック(爆).ハーロックに憐れまれ,逆上するラフレシア,そしてついに明らかにされるアルカディア号42人目の乗組員.


第37話 赤いセーターの涙

脚   本:上原 正三
演   出:松浦 錠平

 ラフレシアから静香への指令,「叩き起こして聞き出してやる」と単純馬鹿の台羽と,「明日になればわかる」と余裕のハーロック.「まだ解らぬか? お前はハーロックに悟られてしまっているのが」,と静香を一喝するラフレシア.ラフレシアに見離された静香に,「小型艇を1機くれてやれ」とハーロック,背後で「女は恐ろしい」とドクターゼロの声,ここでもマゾーンが『女の姿をした宇宙生命体』ではなく,単に『女』として捕えられている事から,設定の不徹底が感じられます.「波野静香を援護しろ」,だったら最初っから放り出すような事するなよ.眠りもせずに赤いセーターを編み,ハーロックに撃たれて死にたがる静香,子供向けアニメでマゾヒスティックな愛を表現していいものか? 静香の遺書をミーメに読ませるハーロック,やはりミーメの嫉妬が怖かったのだろ〜か? ハーロックに赤いセーターは似合うのだろうか?と素朴な疑問を感じていたところ,やはりそのセーターは静香の遺体に着せられていて,何とはなく納得???


第38話 さらば!まゆ

脚   本:山崎 晴哉
演   出:箕ノ口 克巳

 遊軍を隠していたマゾーン,「やるな,ラフレシア」とハーロック,「艦の重力中心を前に移せ」などと指示してますが,そんな事簡単にできるんだろ〜か? 指名手配されているはずなのに,堂々と戦車に乗って現れる切田長官.切田にまゆをハッシ老人に預けるよう提言されたハーロック,「俺は男の約束を信ずる」,ちょっと待て,結果的にはこの人切田長官との約束果たせなかったわけで,それって自分の事は棚に上げてるのでは....? ようやくエジプトにたどりつき,不時着しても平気な切田とまゆ.そして,アルカディア号におけるまゆと中枢大コンピュータのご対面と話は続くのですが,ちょっと待て,始めっからアルカディア号でまゆを運んでいれば,切田だって負傷しなくてすんだのでは? さらには,マゾーンがすでに用ずみのまゆを追っかけ回す理由が不可解です.


第39話 壮絶!長官死す

脚   本:山崎 晴哉
演   出:生頼 昭憲

 傷ついた切田長官の前で,「猫は死ぬ時姿を消すというが,その時は儂と一緒だよ,ミーくん」とドクターゼロ,医者が怪我人の前でそんな事言っていいのか? 「飲みたまえ,そして話すがいい.人は時として饒舌を必要とするものだ」とハーロック,怪我人にあまり酒を勧めてはいけません.マゾーンの物量作戦・白兵戦に苦戦するアルカディア号,コンピュータ・ルームを守る切田長官・ヤッタラン・台羽,おいしいところに現れるハーロック,後半のヤマ場ではあります.


第40話 その時天使は歌った

脚   本:上原 正三
演   出:福島 和美

 「こんな髪型,私には似合わない」,「女王兵火は比類なき美貌のお方....」,かなり笑えるマゾーンの会話.決戦を前に,やたらと乗組員に声をかけるハーロック.中枢大コンピューターに,「俺が楽しみにしている事がわかるか,戦いが終って,お前と飲みたい」と胸の内を明かすハーロック,かなりアルコール依存度強いです.マゾーンのゲリラ戦法,特別工作隊による第3レーダー破壊,偽装病院船による攻撃,負けるわけにいかないラフレシア(笑)とトカーガ族のお産を手伝うハーロック(爆).生まれた子どもは男の子だったそうですが,その股間には地球人のモノと同じ性器が....?


第41話 決闘!女王対ハーロック

脚   本:上原 正三
演   出:大関 雅幸

 ついに姿を現わしたドクラス.騒ぐミーくんとトリさん.エネルギー吸収装置に守られているドクラス.体当たりしてくるマゾーンの特攻隊.ちょっと待て,いくらなんでも原始的すぎない? 前回の第3レーダーに続き(?),第2レーダー使用不能.「一撃でカタをつけるには,俺達はどうも憎まれすぎているようだなあ」,原作・松本零士的なハーロックのセリフ.艦をヤッタランにまかせ,ボレットで乗り込むハーロック達,「炊事場はどこ?」,いくら全員といってもマスさんまで乗り込んでどうするのか? ナイフ片手にラフレシアに突っ込む,直情径行バカ台羽とあっけないクレオの最期.「誰か怪我は?」,「1人もおらんよ」,....凄すぎる御都合主義.白装束で石を積むサイの河原の怒りのラフレシア(笑).「地球人に絶望したお前が何故?」,「花を咲かせたいと思ってな.... 未来の芽を摘む事は絶対に許さん」.何時の間にか着替えているラフレシア(爆).「勝った者があの星を」.ハーロックの刃に衣服を切り裂かれ,負けて何故か裸になるラフレシア,赤い血.... 「お前の市民たちを連れて去れ」,「私は去る」.


第42話 さらば宇宙の無法者

脚   本:上原 正三
演   出:りん・たろう

 行方不明のまゆ,その割に心配していないハーロック達,もっと心配しろよ〜(哀).「マゾーンがいなくなった,したがって用心棒は必要無い」,論理的な首相の論理.アルカディア号乗組員は全員Ζナンバー,「1人のナンバーを変えるためには,全国民のナンバーを記憶させ直さなければならない」,そんなバカな,あまりにも進歩がない2970年代のコンピュータ・テクノロジー.「コンピュータなんかに管理されてたまるか」,「1杯イカガ,台羽クン」,お怒りはごもっともの台羽と,優しい酌婦ミーメ.マゾーン地球潜入部隊の決起により,「私は去る」というラフレシアの言葉の意味が明らかに.... 「頼む,マゾーンを倒してくれ」,懇願する首相.「今さらよくそんな事が言えたもんだ....」.「お父さん!」,まゆの声に反応して動き出すアルカディア号.「何故?」,納得のいかないラフレシア.結局,このアニメ版『ハーロック』の原作とのもっとも大きな違いは,『まゆ』というキャラクターを通して『親子愛・家族愛の物語』として描かれていた点だったと思います.ラスト,まゆと台羽に,「まゆには大事な仕事がある.この大地に花を植えなさい」,「台羽,歴史を作れ,お前たちのな」と言い残し,トリさんとミーメをしたがえて再び大宇宙へ旅立つハーロック,やはりこれって教師的なキャラクターだと思います.「ミーメさん」,「私ハはーろっくニ命ヲ捧ゲタ女」,まさに『決め』のセリフです.何故か最後は太宰治(誰の意図?)と海賊マークに『おわり』の文字でした.