宇宙海賊 キャプテン ハーロック




第15話 悲恋!北極オーロラ

脚   本:上原 正三
演   出:松浦 錠平

 前回は砂漠,今回は北極と忙しいアルカディア号.「副長,地球へ戻れ,ニシンを仕入れにな」,気のきいたハーロックの台詞.「おーろらナンテ嫌イ」といいつつも,出動をしぶるヤッタランに替わって,「私ガ行キマス....ツイテ行キタイ,はーろっくニ」とミーメ.そのミーメが止めるのにも関わらず,「俺をブリザードに巻き込んだという事は,俺に用があるという事だ」などと言って,単身乗り込むハーロック.結局,ハーロックは危機一髪のところをミーメに助けられるわけで,この辺,男の馬鹿さ加減を露呈しております.ミーメからして見れば,ダメな弟を助けに言ったようなモノかも.... スノーラとミーメの戦い,下世話な見方をすれば,ハーロックをめぐる2人の女の戦いなわけで,何とも生々しいモノがあります.「命ガケデ戦エバ,女モ強イ戦士ニナリマス」,精神的にはいつだって,女の方が強いと思うよ.... 『男』であることをふりかざしているハーロックが,いつもミーメに助けられるというのは,松本流『男の美学』におけるアンチテーゼかも.... 「こちら,切田長官」というセリフが少々間抜け,自分に役職名つけるなよ〜.マゾーン側ゲスト・スノーラの声は,後に『1000年女王』で雪野弥生を演じる藩恵子さんでした.


第16話 螢・わかれうた

脚   本:上原 正三
演   出:蕪木 登喜司

 初放映当時,この回の予告編を見た友人が,『演歌ひとすじ』と言って爆笑しておりました.それはともかく,物語も中盤に入り,ハーロック・台羽以外のキャラを主人公としたエピソードが,この回以降続々と出てきます.今回主役の有紀螢の両親の名前は,秀一郎と文ですが,これはもちろん,このエピソード自体も原作には登場いたしません.冒頭のシーン,コートに六角形のファッション・グラス(笑)という姿で登場する有紀螢.モチーフとなる三味線の『別れじょんがら節』(爆)といい,アナクロっぽい雰囲気が漂った一編ですが,それなりに面白い回ではありました.かつての婚約者・片桐一也の実験に協力するにあたって,さりげなく,『母もよく実験台にされていたわ』と恐ろしい台詞を口にする螢,ど〜ゆ〜一家じゃ? ミーメによって,片桐の妹・サキの正体がマゾーンであることを知るわけですが,ここで,マゾーンの肌の色が地球の大気にふれると『白くなる』のではなく,『白くしている』ものであることが明らかになります(第3話).ここで素朴な疑問,ハーロックは片桐一也がマゾーンのスパイである事を確認するため,第8海賊島に停泊するのですが,何でわざわざそんな危険な状況にまゆを呼んでいるのか? 次回第17話のエピソードとも矛盾しているし,変ダ.マゾーン側ゲスト・サキの声は,野村道子さんでした.


第17話 白骨の勇者

脚   本:山崎 晴哉
演   出:生頼 昭憲

 『夏休みになったらアルカディア号に載せる約束』で,遊びに来ているまゆ.前回の第8海賊島のくだりは何だったのか? 今回・次回は魔地機関長に関するエピソードですが,エンディングのキャスティングに,メイン・キャラ以外のアルカディア号の乗組員(キッドッド・海太郎)が表記された珍しい回でもあります.この前編の中では,ハーロックの「死してなお舵を執る,これぞ真の海の男」という大時代的なセリフが,また五右衛門みたいで印象に残ってます.


第18話 魔の幻影戦士

脚   本:山崎 晴哉
演   出:明比 正行

 首に鈴をつけているマゾーン・パトラスを見て,魔地は娘のミドリだと確信するのですが,ちょっと待て猫じゃあるまいし,それにパリの蚤の市じゃあんな鈴は売ってないと思うよ.さらに,いつの間にか成人しているミドリを見て,疑問を抱かない魔地機関長って,やっぱり変.台羽に対するハーロックの台詞,「下手な同情はよせ,これは魔地機関長一人の問題だ」.第16話でも螢について同じような事言ってましたが,この人冷たいのか,個人主義に徹しているのか,単に面倒くさいだけなのか,よく解りません.でも,物語が佳境に入ると,「魔地機関長ともあろう者が,まだ目が覚めんのか?」などとお決まりの台詞で,おいしいとこ持って行ってるし.... マゾーン側ゲスト・パトラスの声は,以前に『宇宙戦艦ヤマト』で森雪を演じた麻上洋子さんでした.


第19話 女王ラフレシアの罠

脚   本:山崎 晴哉
演   出:松浦 錠平

 アルカディア号42人目の乗組員の存在確認のため,センサーをかけられたハーロックたち.「やだわ,私何を考えていたのかしら?」と有紀螢,ごもっともな疑問ですが,マゾーンのコンピューターには,「酒が」,「御飯が」と騒々しい.いかにも松本零士的なエピソードではあります.センサーのくだりは,原作にもありましたが,そこではハーロックがトリさんに向かって,「お前のガイコツハ案外面白い形をしているな」などと言っておりました.「罠にはまってみるのも,また面白い」と,懲りないハーロック.「全員睡眠を取れ」との命令に,「この船では一斉に全員が眠ってしまうんだからなあ」と台羽正.この変は原作に忠実でしたが,台羽正も有紀螢もちゃんと着替えて寝てました.螢に「アルカディア号とデスシャドウの舵を直結しろ」と命令するハーロック,ちょっと待て,そんな事簡単にできるのか? 少し御都合主義っぽいです.「影に俺の相手をする資格はない」とのたまうハーロックに対し,「蒔いた種に挑戦されるとは悲しいこと」とラフレシア,中盤の山場となるエピソードでした.


第20話 死滅のジュラ星

脚   本:山崎 晴哉
演   出:大関 雅幸/蕪木 登喜司

 今回の主役はミーメ.ミーメ・ファンの私といたしましては,待ちに待っていた回で,放映当時友人に頼んでビデオにとってもらったりしていたのですが,その後その友人と付き合いなくなってしまったもんで, LD 手に入れるまで見る事ができなくなってしまいました.それはともかくとして,冒頭のシーン,悪夢に目覚めるミーメ.前回の台羽正や有紀螢と違って,ミーメは寝るとき着替えないという事が明らかになりました(笑).「ミンナ生キテイルカモシレナイ」,流石のミーメも自分の星の事となると,冷静ではいられないようでした.花粉病に倒れるアルカディア号乗組員,無事だったのは飲んでいたドクター・ゼロとミーメだけ,「アルコールが効く病気らしい」,これってすご〜く松本零士的なエピソードで好きです.台羽を介抱するミーメが,同じフトンにミーくんを寝かせていたのも良かったです.ところで,ジュラ星人の無気力化と核戦争と植物の巨大化がどうやって結びつくのか疑問だったのですが,全てミーメのかつての親友フーレ,実はマゾーンのジョジベルによる仕業,しかも目的はラフレシアのための花園作り(???)ということで,ミーメの怒りが爆発.ミーメとフーレの対決となる訳ですが,ここで素朴な疑問が.... どう見たって,ジュラ星人って,地球人やマゾーンよりも強いと思うのですが,何で簡単に滅亡させられちゃったんだろうね? ラスト,ミーメの「ヒトリニナッテハイケナイ」という台詞が感動的でした.マゾーン側ゲスト・ジョジベルの声は信沢三恵子氏,実はコナン VS ラナの対決だったのでした.


第21話 ゴーラム!悲劇の戦士

脚   本:山崎 晴哉
演   出:明比 正行

 ゾルがアルカディア号に突っ込んだ小型艇で逃げる際,有紀螢が宇宙空間に放り出されないのは不自然ですが,マンガだから仕方がない?です.歴戦の勇士ゾルに敬意をはらって,酒を勧めるハーロック.訝るゾルに向かって,「アルカディア号は自由の艦だ」というのでは,説明になっていない気もしますが,「自由とは,信念の為だけに戦うという事か?」と勝手に納得してしまうゾルも凄い.このエピソードは,原作の中にも見られますが,松本零士流『男の美学』を表現した,名場面であるとも言えます.ただ,ラスト,単身マゾーン艦隊に単身突っ込んで行くゾル,これって必然性がないというか,ほとんど自殺とも犬死にともとれる最期だと思うのですが.... ゾルの声は山田俊司(現・キートン山田)氏.


第22話 宇宙の墓場・デスシャドウ

脚   本:山崎 晴哉
演   出:神山  香

 ゾルの残したコスモグラフ記憶器によって,ついにその全貌を現わすマゾーン大キャラバンと女王ラフレシアの旗艦ドクラス.ところで,マゾーンって『姿は女だけど,女ではない』というのが本当なら,『女王』ラフレシアって言い切ってしまうのは,いかがなモノかと....? それはともかく,物語はいよいよ佳境に入るのでした.デスシャドウに囚われ,なす術もないアルカディア号,「男には何をしても全くダメだという時がある」とハーロック.原作ではこの台詞の後,「そういう時男はな,ふふ,酒でも飲んで寝ていれば良いのだ」と続き,余裕のあるハーロックですが,ここでは少々あせりの色を隠せないものの,「何もできない苦しさ,それに耐えぬくのも男だ」などとカッコつけた挙句,最終的には「友よ」(爆).


第23話 ヤッタラン・プラモ狂の詩

脚   本:山崎 晴哉
演   出:生頼 昭憲

 第10話に続いて,ハーロックきわめつけの台詞「見事な編隊だ」,2度目の登場.マゾーンのZ型編隊を逆V字型編隊で破る台羽,でも編隊が崩れる事とその攻撃・防御力と何の関係があるのか,よくわからんのですが....? アルカディア号の秘密を探り出すため,ヤッタランにプラモ勝負を挑むエルザ,ちょっと待て,いくら何でもこじつけがひどすぎるストーリー展開だと思うよ.有紀螢・魔地機関長・ミーメに続く,サブ・キャラ・エピソードですが,少々シナリオに乱暴さが目立つ作品だったと思います.あと,上記のストーリー紹介には誤りがあって,エルザを撃つのは台羽ではなく,ミーメです.エルザの声は,ジョジベルに続いて2度目の登場の信沢三恵子さんでした.


第24話 純愛流れ星

脚   本:上原 正三
演   出:大関 雅幸

 全く原作にはないエピソードで,ゾルの妻ルマーン,息子ゾルバ,マゾーン・ルシアはアニメ独自のキャラクターです.というわけで,ルマーン・ゾルバ共に,トカーガ人にも関わらず地球人的なキャラクターで,違和感感じてしまうのです.ゾルバ・ルシアが乗ってきた小型艇の名前が『流星号』(爆),『スーパー・ジェッター』思い出してしまいました.父親同様,無意味な死に方をするゾルバ.トカーガ人というのは,死にたがっているとしか思えん.... ゾルバの声は井上和彦さん,ルシアの声は小山まみさんで,共に2度目の登場でした.


第25話 ドクターゼロとミー

脚   本:山崎 晴哉
演   出:明比 正行

 「怪我人なんてくそくらえ」と医者らしからぬ事をのたまうドクター・ゼロと,「私だって注射の2・3本くらい....」とさらに乱暴な事を言うますさん,脚本がかなり遊んでいる.... ドクターゼロ回想シーン,『HOSPITAL』と何故か横文字標記の診療所.... 第23話によると,ヤッタランとドクターゼロは子供の頃からの知り合いらしいですが,この2人の国籍はどこなのか?素朴な疑問.第23話のヤッタランの初恋の相手はセーラー服だったので,日本人であると思われるのですが.... それはともかく,サブ・キャラ・エピソードのこの回,ドクターゼロとミーくんの話は中途半端に終ってしまい,途中からマゾーン客船の発見,種族の大移動というところに視点が移っていってしまいます.脚本の出来に?が残る回でした.マゾーン側ゲスト・カサンドラの声は千々松幸子氏.


第26話 はるかなる長い旅

脚   本:山崎 晴哉
演   出:川田 武範

 前回・今回を見てまず感じた事ですが,マゾーン市民の中には明らかに女の姿をしていない者も見られます.これは,『紙のように燃える女』として登場し,「女の姿をしているけれども女ではない」というマゾーンの設定と矛盾するのではありますまいか? それともマゾーンは地球人と同じく雌雄の別のある生命体なのか,だとしたらその種族の中では女の姿をした者のみが優れた素質を持っているのか,マゾーンの設定そのものがあやふやである事を感じさせられました.どうも,あまり深く考えないでキャラ設定をしているような気がします.何度見てもマゾーン艦相手だと猥褻な印象を与えられるアルカディア号のラム戦,考え過ぎ? テシウスのセリフ「市民を銃弾よけの盾にするようでは,どんな戦いにも勝てない」が印象的ですが,結局ラフレシアの意向のもと,自ら生命を断つテシウス他反逆市民(ストーリー紹介にあるようにクレオに葬られるのではなく,クレオは単なるラフレシアのお使いです).アルカディア号に再度現れるラフレシアの幻影に,「幻影に令をつくす必要はない」と,相変わらずのハーロック.ミーメには,「〜です」と,丁寧な言葉使いのラフレシア.「お前の誇りなどしょせん女の誇り」などと,問題発言のハーロック.興味深い会話が続く中,「奪うのではない,守るのだ」というハーロックの台詞で,物語は新たな展開を迎えるのでした.クレオの声は坪井章子さん,テシウスの声は山口奈々さんで,このお2人は,共に何度目かのゲスト出演です.


第27話 アルカディア号の意志

脚   本:上原 正三
演   出:松浦 錠平

 この回からオープニングが変り,それと共に物語も新たな展開を迎えます.宇宙風邪(過労?)のため次々倒れるアルカディア号乗組員と,介抱に忙しいミーメ・ますさん.従軍看護婦姿が眩しい(?)ますさん.すると,ミーメは従軍慰安婦? 馬鹿な事を考えておりますが.... 「ハーロックが命がけで地球を守るその訳」を探るため,マゾーンに襲われる切田長官.アルカディア号に関する資料の中に『大山まゆ』が出てくると,必死に隠そうとする,不可解とも言える切田の行動,ひょっとしてあんたもロリコン? マゾーンの存在に目覚める切田,この人,第14話に出てくるマゾーンの超兵器を若い頃に見つけたとき,何も疑問を感じなかったのかね? 脳天気すぎると思うよ.... まゆが胸にかかえる『えほん』,よく見ると『ほ』の字がおかしいです.ハーロックに卑怯者呼ばわりされたくないばかりに,まゆの誘拐を逡巡していたラフレシアですが,結局一部兵士の反乱によって,まゆの誘拐に着手してしまいますが,これ,プライドを捨てた敵のおそろしさ.何かと言えば『男の誇り』をふりかざすハーロックですが,そんなもの何の役にもたたない事が露呈してしまいます.これって.松本流『男の美学』に対するアンチテーゼかも.... 苦悩するハーロックに決断をせまる『鬼の台羽』(爆).「艦の進路はこの艦が決める」と,困った時には他人まかせのハーロック,考えてみればこのキャラ,すご〜く決断力のない人間像かも....?


第28話 ユリシーズの星雲

脚   本:上原 正三
演   出:大関 雅幸

 拉致されてしまったまゆを探し求めて,ユリシーズ星雲の7つの星を目指すアルカディア号.大宇宙を舞台にした壮大な迷子探しの始まりですが,このエピソード,まゆというキャラクターの出てこない原作には当然描かれておらず,ここからアニメが原作を離れてしまいます.独自のストーリー展開を狙ったものなのか,単なる回数消化の為の措置だったのか解りませんが,原作とはあまりに違った雰囲気を持ったこの部分,個人的には不必要だったと思います.この回にしたって,ストーリー的にもあまり印象の残る回じゃなかったしね.... ヤッタランの提言により当初『氷の星』を目指そうとしながらも,トリさんによって『人間の星』に進路を変えるハーロック,やっぱりこの人,意志薄弱というか,気紛れというか,行き当たりばったりというか.... ラスト,むやみに発砲するマゾーン戦士と台羽正,後先も考えてないような気が.... 「大丈夫でしょうか,子供たち2人だけで....?」と心配する台羽に,「人類は2人から始まったのだ」と無責任なハーロック.この人,他人の事になるとすご〜く冷たい....