必殺必中仕事屋稼業


第1話 出たとこ勝負

監 督:三隅 研次
脚 本:野上 龍雄/村尾 昭/下飯坂 菊馬
ゲスト :石橋 蓮司/水原 麻記/伊吹 新吾/唐沢 民賢

 キャラクター・状況設定紹介の第1回ながら,博打で負けてばかりいる政吉.そば屋だけでなく女房のお春さんまで借金のカタにしてしまう半兵衛,このへんのキャラ設定はまだ確定していない感じ? 石橋蓮司さんがかっこいい,やっぱり悪役好きです.半兵衛さんのセリフ,「女将さんの貫禄にはキ○タ○が縮みあがっちまいました…」はいまではやっぱり放送はできないのかしらね?


第2話 一発勝負

監 督:三隅 研次
脚 本:村尾 昭
ゲスト :菅 貫太郎/住吉 正博/ジュディ・オング/五味 龍太郎

 シリーズ第3作『助け人走る』でシリーズ初の『殉職』をした住吉正博さんが,また殺される役で登場.このシリーズ全体を通じての『母と子』というテーマのドラマの中で,おせい,政吉それぞれのキャラクターがいきいきと描かれている感じがします.政吉が半兵衛に赤ちゃんを放り投げて渡すシーンは現在だとやはり問題視されそう….


第3話 いかさま大勝負

監 督:工藤 栄一
脚 本:野上 龍雄
ゲスト :穂積 隆信/桃井 かおり/和田 浩治/山口 朱美

 今から見ると,何となくゲスト陣が豪華な感じがしてしまう回.特に桃井かおりさんの好演がやるせないラストを本当にやるせなくしていて素晴しいです.この回では,半兵衛が『坊主そば』の店を得た経緯,そして半兵衛とお春の出合いが明らかにされますが,のちのストーリー展開,特に最終回近くの半兵衛とお春を暗示させるシナリオが書かれているような気がします.


第4話 逆転勝負

監 督:工藤 栄一
脚 本:村尾 昭
ゲスト :今井 健二/菊 容子/高木 均/川村 真樹

 今井健二さんと高木均さんの悪役対決と,それを彩る菊容子さん(同年他界)と川村真樹さんの2人の女性と,第1話に続いて登場するおせいの名台詞「あなたが地獄へ落ちる時は,あたしも一緒です」が印象的な回でした.この回から,実は Della ちゃんがとっても気にいっている大塚吾郎さんのクレジットが『目明かし』から『源五郎』へ,なめくじ扱いされるお春さんとの初カラミが見られます.


第5話 忍んで勝負

監 督:松本 明
脚 本:国弘 威雄
ゲスト :小林 勝彦/松平 純子/多々良 純/原田 あけみ

 牢内博打を仕切る牢名主・もぐらの留三が今回のターゲット.というわけで岡っ引き・源五郎さんの出番が多く,前回お春さんになめくじ扱いされていた源五郎さんが,今回は一転して『親分さん』と頼りにされていたり,「あたしこういうの殺すの大好き・」などというセリフもあったりして,源五郎ファンの Della ちゃんお気に入りの回です.あと,やはりもぐらの留三役の多々良純さんの貫禄は流石でした.


第6話 ぶっつけ勝負

監 督:松野 宏軌
脚 本:野上 龍雄
ゲスト :高峰 圭二/珠 めぐみ/天津 敏/梅津 栄

 鳥追い女・おしんと駆け落ちした越後屋の馬鹿息子・惣太郎を連れ戻すというおせいからの依頼を受け,慰安を兼ねて草津へ旅立つ半兵衛・政吉.今回の仕事は殺しではなかったはずだが,この手の話ではお約束の田舎やくざがからんできて結局は女郎屋に籠城するはめになる二人.ストーリー自体は凡庸ですが,惣太郎役の高峰圭二さん,おしん役の珠めぐみさん,悪役の梅津栄さん・天津敏さんのキャスティングが絶妙でした.


第7話 人質勝負

監 督:松野 宏軌
脚 本:国弘 威雄
ゲスト :神田 隆/織本 順吉/二本柳 俊衣/入江 慎也

 ギャンブル依存の怖さを十分に感じさせてくれる前半の展開,でらちゃんはどういうわけかギャンブルには全く興味がないのてその心情はよくわからんのですが,他のアディクションも周りから見ればこんなものなんでしょうね? 今回,シリーズを通しての大きなテーマでもある,おせいさんの過去がまた少し明らかにされます.また,らしゃめんのおまき役の芹明香さん初登場,アンニュイな魅力がいいです.


第8話 寝取られ勝負

監 督:三隅 研次
脚 本:下飯坂 菊馬
ゲスト :林 ゆたか/小野 恵子/山田 吾一/島村 昌子

 ろくでなしの亭主・忠太郎に離縁状を書かせるというのが今回の仕事.酒や女を使って何とか離縁状を書かせようとする半兵衛・政吉.実はこの話には裏があって…というおきまりのストーリー展開ですが今回もキャスティングが素晴しく,特に馬鹿息子役の林ゆたかさんの演技は絶妙だと思います.殺しのシーンも美しく,半兵衛さんの「おまえは罪深い女だ」の台詞も印象的でした.


第9話 からくり勝負

監 督:松野 宏軌
脚 本:松原 佳成
ゲスト :田辺 靖雄/高城 容子/山城 新伍/谷口 完

 『寒さ』ゆえに殺しに失敗してしまった半兵衛に,2度目の殺しの前に手袋を貸す政吉.仕事人同士の友情を息の合った緒形さんと林さんが見事に演じています.どちらかというとストーリーそのものよりも,キャラクター描写が印象的な回でした.この作品,各キャラクターの設定と描写が丁寧に行われている点が,『必殺シリーズ』における最高傑作であるという評価が与えられている理由のひとつではないかと思われます.


第10話 売られて勝負

監 督:三隅 研次
脚 本:播磨 幸治
ゲスト :山村 弘三/早川 保/真木 洋子/近江 輝子

 第8話と同様,三隅研次監督の描く本当に救われない話.この2作における残酷なまでの『悪』の描写はこの監督ならではのものだと思います.前作同様,半兵衛さんの怒りを緒形さんが見事に演じていますが,今回では『仕事』ではなく単なる私的な感情から殺しを行うという特殊なストーリー展開になっており,三隅監督の演出も冴え渡っているように感じれられました.


第11話 表を裏で勝負

監 督:松野 宏軌
脚 本:石川 孝人
ゲスト :浜田 寅彦/草薙 幸二郎/北川 美佳/多川 美智子

 飛脚が襲われる事件が相次ぎ,窮地に立たされる嶋屋.表稼業の問題に裏の仕事屋を巻き込むべきではないと主張するおせいと,嶋屋のためおせいに内密で政吉を雇う利助.実はこの事件の裏には大掛かりなからくりが…と,ストーリー自体はありふれているのですが,今回は殺す相手が多いため,それぞれの殺しのシーンに趣向が凝らされているのが特色.必殺シリーズ悪役の常連・浜田寅彦さんの存在感はやはり大きいです.


第12話 いろはで勝負

監 督:松本 明
脚 本:素 一路
ゲスト :小笠原 良知/東野 孝彦/長谷川 明男/泉 晶子/森崎 由紀

 冒頭のシーンから依頼人の正体を視聴者に伏せていたり,ストーリー自体も3人の容疑者からの犯人捜しという,シリーズ中ミステリー色が最も濃いお話.しかしながら,それ以上に面白いのが,いろは通りに潜入した半兵衛・政吉の仕事ぶり.意外なストーリー展開といい,おかしなシチュエーションといい,シリーズ中異色の作品であると思いますが.それでいて傑作.ヘンな魅力を持った回でした.


第13話 度胸で勝負

監 督:松野 宏軌
脚 本:猪又 憲吾
ゲスト :美川 陽一郎/藤岡 重慶/岡田 英次/堀内 一市

 TBS と朝日放送が1975年4月から両者の提携ネットワークを解消した,いわゆる『腸捻転解消』のため,このシリーズはこの回まで TBS 系で土曜日22時より,次回の第14話からは NET 系で金曜日22時間よりと放映時間が変更されました.しかも,この第13・14話は別個の話でありながら,シリーズ最強の悪役・岡田英次氏扮する板倉屋藤兵衛にまつわるストーリーという意味では前・後編という,少々複雑な状況な構成になってしまっています.この第13話で面白かったのは,何と言ってももう一人の悪役・藤岡重慶氏扮する脇坂兵部の殺しに使われた半兵衛・政吉のトリックだったと思います.