日本テレビ 系 1974年10月 5日 〜1975年 3月29日 土曜日 P.M. 10:00 〜 10:55 放映 全26話 制 作 :東宝 ・ 渡辺企画 プロデューサー :清水 欣也 ・ 工藤 英博 ・ 磯野 理 音 楽 :井上 尭之 ・ 大野 克夫 |
LD-BOX VPLX-70315 |
CAST |
|
木暮 修 … |
萩原 健一 |
乾 亨 … |
水谷 豊 |
綾部 貴子 … |
岸田 今日子 |
辰巳 五郎 … |
岸田 森 |
朝川 京子 … |
ホーン・ユキ |
松下刑事 … |
船戸 順 |
海津 隆 … |
西村 晃 |
第1話 宝石泥棒に子守唄を |
脚 本:柴 英三郎 |
シリーズの中でもわかり易い話で,第1回という事もあって,修・亨・綾部貴子・辰巳五郎・海津といったメイン・キャラの人物描写に焦点がおかれている感じで,トップの屋上でドラム缶の風呂からあがった修がフ◯ド◯を身につけるシーンあたりに,番組全体の雰囲気を感じ取る事ができました.この感じが,当時は良かったのです. |
第2話 悪女にトラック一杯の幸せを |
脚 本:永原 秀一/峯尾 基三 |
私の大好きな女優・緑魔子さんがゲストのこの話,大好きなんですが,今回見直してみても今一つ犯人兄妹の意図がよくわからん.... お兄さんの江原達怡さんは,『ウルトラQ』第1回『ゴメスを倒せ!』にゲスト出演していた俳優さんですが,久しぶりに見てそれに気づきました(最初見た時は気づかなかった....). 亨に「一緒に寝よう」とさそう恵子(緑魔子)とか,恵子とその兄の近親相姦的な雰囲気とか,かなり『大人のドラマ』?を感じさせる内容で,なんとなく '70年代しています.今回は1組50万円の高級食器セット200セットを,辰巳さんが1セット5,000円で全部お買い上げ下さったので,修・亨は100万円の収入? でも,これって完全な不労所得・不当利得だよね.... |
第3話 ヌードダンサーに愛の炎を |
脚 本:市川 森一 |
ヤーさんの世界を描いたこの作品.辰巳さんが活躍(?)する,好きな作品です.私,『怪奇大作戦』以来の岸田森さんのファンだったもんで,この作品も,どうしても修や亨よりも辰巳さん中心に見てしまうのです.でも,財閥令嬢の気紛れとも見える行動を,「彼女はアンニュイなんだよ」で片付けてしまうってのも,考えて見ればスゴイ事かも.... |
第4話 港町に男涙のブルースを |
脚 本:大野 靖子 |
そ〜言えば,この頃(1970年代半ば)位までは,こういったシリーズ物の中に,必ずっていいほど戦争に関するエピソードって1回は出て来ましたよね? 『怪奇大作戦』の『24年目の復讐』思い出しました.前回ほど目立った活躍はしておりませんが,岸田森氏がすご〜くいい味出してます(ヌード・スタジオの撮影シーン,ホーン・ユキさんとのからみ等).話自体は暗すぎて,あまり好きになれない作品ですが.... |
第5話 殺人者に怒りの雷光を |
脚 本:市川 森一 |
辰巳さんが大活躍(?)する大好きな話です.何と言っても,あのヤクザさんたちに詫びを入れるシーンは衝撃的でした.また,岸田氏と『怪奇大作戦』で共演していた松山省二氏もゲスト出演でいい味出してます.ストーリー自体もわかり易くかつミステリー・タッチで,しかもテンポ良く進行して行きます.ところどころに入ってくるギャグも秀逸ですし,脚本が良く出来ていると思います.多分,シリーズ中でもベストの作品だと思います.ところで,『ゴキブリ死ヌ死ヌ』のおね〜さんって,あれ誰ですか? |
第6話 草原に黒い十字架を |
脚 本:山本 邦彦 |
で,この回ですが,こちらは残念ながらシリーズ中でも,好きになれない話です.最初に見た時に解り辛い話だな〜って思ったんですが,今回見直してみて,やはり良く解りませんでした.これは私の頭が悪いせいかもしれません. |
第7話 自動車泥棒にラブソングを |
脚 本:市川 森一 |
前回に続き,今回も3人組で『逃げ』に入る修と亨,ラストもやっぱり.... ただ,このパターン,どうもストーリー展開といい,話のテンポといい,少々かったるいような気が.... |
第8話 偽札造りに愛のメロディーを |
脚 本:柴 英三郎 |
この話,かなり攻撃的で面白いです.やはりこのシリーズ,『逃げ』のパターンより,『攻め』に入った方が,話が活性化するみたいです.それにしても,この話に出てくる組織,やってる事がデカいわりに,老人の偽札使用を見のがしたり,修たちに簡単に逃げられたり,計画はずさんだし,おバカさんばっかりみたいです.ラスト近く,あまりにもタイミング良く現れた辰巳さんは,「修ちゃん,10%,10%」と騒いでましたが,最終的には警察が来ちゃったので,儲けはなしだったんだろうね....? |
第9話 ピエロに結婚行進曲を |
脚 本:市川 森一 |
それにしても,こんなつまらん動機で殺人依頼する男っているのかしらね? 謝礼が100万円ってのもせこいし.... 女(愛人)の方の行動は何となく理解というか同情できるけど.... 社長の恋愛に嫉妬する辰巳さんが可愛い? ところで,修と亨が今回受け取った謝礼金の行方はどうなったのでしょう? 気になる.... |
第10話 金庫破りに赤いバラを |
脚 本:渡辺 由自 |
何と言っても加納典明氏の殺し屋さんが,演技は下手ですが,いい味出してます.浜田寅彦氏は流石って感じ.あとはやはり,亨と一平(小松政夫氏)の間に芽生える友情がこの話のメインでしょう.ドロンとブロンソンの『さらば友よ』を思い出させるようなラストですが,地下足袋が育む友情? 渋すぎる.... このシーン,『太陽にほえろ!』の七曲署のセットを流用しているらしいです. |
第11話 シンデレラの死に母の歌を |
脚 本:渡辺 由自 |
修にボコボコにされる亨,修の代わりに敵の罠に単身乗り込んでボコボコにされる辰巳さん,ラスト,沢山の敵を相手に大立ち回りを演じるやたらと強い修,しかしやはりボコボコに.... まさに傷だらけの天使たち.ところで,このビデオを一緒に見ていた当時のパートナーが一言,「死ななくてもいい人間が死にすぎる」.確かにそうなんですが,この暗さこそ70年代,ハッピー・エンドが否定されていた時代を感じさせてくれるのでした. |
第12話 非情の街に狼の歌を |
脚 本:鎌田 敏夫 |
交通事故で身動きが出来ない修に代って辰巳さんが亨と仕事をすることになるこの話,『傷天』の中でも好きな話です.修に向って「何で私の仕事を邪魔するの?」と訴え,ラストではせっかく準備した台詞が思うように言えず,亨に代わりに言われてしまうなど,辰巳さんというキャラクターの魅力が良く出ていた回でした.ゲストの土屋嘉男氏は,岸田氏同様,円谷プロ作品でおなじみの俳優さん. |
第13話 可愛い女に愛の別れを |
脚 本:高畠 久/山本 邦彦 |
お嬢様役の吉田日出子さんがいい味出してますが,それにしても若い....年月を感じさせます.もう少しで殺人罪を押し付けられそうになる修と亨ですが,辰巳さんに助けられます.田口計氏の演技は相変わらず渋いです.あと,この話のラスト,何とも言えないやるせなさが感じられて好きなのですが,この感じもやはり '70年代という時代を感じさせてくれます. |
第14話 母のない子に浜千鳥を |
脚 本:市川 森一 |
ついに『健太』が登場するこの回,健太を巡って千葉の田舎から長野県を舞台に繰り広げられる話はシリーズの中でも異色で,今回は修自身の話なので,綾部さんも辰巳さんも出てきません.しかし,話の内容はあまりにも??? 登場人物すべて,何か変だぞ.だいたい幼児誘拐ってものすご〜い重罪だと思うのですが,それにしては動機がくだらなすぎるし,これだけの事やられて警察ざたにもしないばかりか,亨からお金を借りて,手切金をたてかえてやる(本人はその気はないかもしれませんが,客観的に見るとそ〜ゆ〜事ですよね)修も変.よくわからない話でした.健太の伯母(修の死別した妻の姉)役で,映画『青春の蹉跌』ではショーケンに殺される役だった桃井かおりさんがゲスト出演していますが,萩原氏が出演を熱望したらしいです. |
第15話 つよがり女に涙酒を |
脚 本:篠崎 好 |
前回に続いて子供がらみの話ですが,はっきり言って訳のわかんなかった前回とは異なり,『親子』・『家族』といった重いテーマに真正面から取り組んだ力作だと思います.孤児だったが故に,伸彦(熊谷俊哉)に同情し,爆走する亨と,それを追う修と辰巳さん.子供がからむと俄然シリアスになる修に向って,貴子が放つ一言,「修ちゃん,いつもの辰巳さんみたい....」.あっけなさすぎるラストに少々不満が残るものの,シリーズの中でも,見ごたえのあるエピソードでした. |
第16話 愛の情熱に別れの接吻を |
脚 本:鎌田 敏夫 |
結構異常心理入っているミステリー仕立ての好編.死体を冷蔵庫に入れているホスト(山下洵一郎)もコワイけど,修につきまとう少女(高橋洋子)もコワイ.この頃はまだ,『ストーカー』なる語は一般的ではなかったと思いますが.... 刑務所にいると思われる少女に,「肌着を買っていってやろうか?」と亨に相談するくだり,映画『約束』のラストを思い出しましたが,これって意識的にそうしたのかしら? |
第17話 回転木馬に熱いさよならを |
脚 本:高畠 久 |
会社内紛をテーマにしたこの作品,なかなか現実的で楽しんで見る事ができました.こ〜ゆ〜の見ると,会社辞めて良かったとつくづく思う今日この頃です(笑).修や亨もこの頃になるとただ逆らうだけではなくて,辰巳さんを説得して見方に引き入れてしまうあたり,成長したのかも.... |
第18話 リングサイドに花一輪を |
脚 本:柏原 寛司 |
面白いのですが,浪花節臭があまりに強くて,少々興醒めかも.... |
第19話 街の灯に桜貝の夢を |
脚 本:市川 森一 |
前半は楽しく,後半はやるせなさが残る,とても良い作品だと思います.かわいそうな亨ちゃん,たまにもてたと思ったら.... 綾部社長(岸田今日子)が留守ということで,仕事の指示をする辰巳さんを裏切り,直接板倉社長をゆすろうとする修と亨ですが,結局それが裏目に出てしまいました.そして,亨の恋人・明美(関根恵子)は板倉によって殺されてしまうのですが,辰巳さんの「男に惚れる遊女はいたが,遊女に惚れる男はいない」という言葉が,真実を物語っているのです.事件は何の解決も見ないまま,ストーリーは終了してしまいますが,それがこの作品を一層印象的なものにしていると思います.ラスト・シーンのショーケンの表情が印象的でした.ちなみに,板倉社長を演じていた森幹太氏は,『怪奇大作戦』の第3話では,『白い顔』の怪人を演じていました. |
第20話 兄妹に十日町小唄を |
脚 本:篠崎 好 |
子供がらみだと俄然シリアスになる修ちゃん.珍しく(多分初めて)修と亨を「わが社の優秀な調査員」と紹介する辰巳さんに,「人は見かけによらない」と小児科医の奥さん,それってあまりにも失礼じゃ.... 正式に捨て子の親探しを依頼された修たちに代って,赤ん坊の子守をする辰巳さんが結構板についていたりして.今回も『綾部のばあさん』は出て来ません.話は代って,仙台の大学をやめて東京に戻り男と暮らす令子(伊藤めぐみ)と,その兄・大谷(渡辺篤史).この大谷が,修と亨の行きつけの寿司屋の主人という設定なのですが,あの2人,あんな生活していて,行きつけの寿司屋があるというのは意外なような.... そう言えば,このシリーズを一緒に見ていた当時のパートナーが,「あの人たち,あんな生活しているのに,いつもいい物着てる....」と不思議がっていましたが,結構高収入なのかも.... 結局,赤ん坊の母親が令子である事がわかったところで,令子は死んでしまうのですが,これって,どう見ても一番かわいそうなのは,大谷ともみあって令子を刺してしまう令子の男だと思うのですが....? だってこの人何も悪い事していないよね....? |
第21話 欲ぼけおやじにネムの木を |
脚 本:宮内 婦貴子 |
綾部社長の留守を預かる辰巳さん,いつもは修や亨より1枚も2枚も上手なのですが,この回では欲ぼけおやじに見事に裏をかかれてしまい,修や亨にまでバカにされる始末.珍しいエピソードではありますが,予告編のナレーションによると,「老人問題に鋭くメスを入れる抱腹絶倒社会派ドラマ」だそうです.話は違いますが,このシリーズでのショーケンが何か食べるシーンって,本当に美味しそうに食べるんですよね.... |
第22話 くちなしの花に別れのバラードを |
脚 本:篠崎 好 |
第12話同様,辰巳さんというキャラクターが良く描かれている,好きな作品です.特に演じている岸田氏とショーケンのからみが秀逸だと思います.「1千万は3じゃ割り切れない」,「細かすぎる....」(笑).ストーリーも,華道界を舞台に描かれるミステリー・タッチの作品でかなり面白いですし,家元を演じる篠ヒロ子さんや,ワルを演じる久保明・家弓家正のお2人もいい味出してます.ラスト,『オクラホマ・ミキサー』を男3人で踊る修・亨・辰巳さんの姿に,そこはかとない哀愁が漂ってて,印象に残るエピソードでした.この回,久しぶりに岸田今日子さんが出演しています. |
第23話 母の胸に悲しみの眠りを |
脚 本:田上 雄 |
物語の最初の方で,襲われた修と亨に辰巳さんが放つ一言,「原始的な動物ほど,肉体的な回復は早い」.このフレーズ気にいっていて,良く使ってました.ところで,よくありそうなこの話で,典型的な出世バカの父親(根上淳)も,母親のため父親をかばって死んで行くバカ息子(下條アトム)もヘンと言えばヘンですが,一番解らんのは,全てを知りつつも夫から離れようとしない母親(本山可久子),謎です.... |
第24話 渡辺綱に小指の思い出を |
脚 本:市川 森一 |
修に「気持ち悪い,あのマユゲのハゲ」と言われるヤクザの幹部(前田吟)はじめ,両組長(吉田義夫・富田仲次郎),彫士(天本英世)等,脇役陣が豪華なこの回,イカサマ・バクチをめぐるストーリーの方が面白すぎて,ショーケンと坂口良子のラヴ・ロマンスがかすんでしまっているような感じでした.バクチのシーンでの辰巳さんのファッションがやはり目をひきます. |
第25話 虫けらどもに寂しい春を |
脚 本:宮内 婦貴子・大野 武雄 |
ラストの修の暴行は,捕まらないのが不思議.小松方正氏がしぶ〜く2役を演じ分けています. |
第26話 祭りのあとにさすらいの日々を |
脚 本:市川 森一 |
死んじゃう亨もかわいそうだけど,ただ1人逮捕されてしまう辰巳さんが気の毒.岸田森さんのメイクはやり過ぎのような気もするけど.... 最後まで,ハッピー・エンド否定のシリーズでしたが,この感覚,好きです.ゲストの4名の方々(柴田 美保子 さん/石田 太郎 さん/森本 レオ さん/下川 辰平 さん)が,チョイ役ながら重要な役どころを,それぞれうまく演じています. |