傷だらけの天使


第1話 宝石泥棒に子守唄を

脚 本:柴 英三郎
監 督:深作 欣二
ゲスト :真屋 順子/富田 仲次郎/加藤 和夫/桐生 かほる/相沢 治夫/坂上 忍/団 巌/八名 信夫/舞 砂里/オスマン・ユセフ/イクバル・ハニス/モーリン・ピーコフ/星野 富士雄/西山 健司/石井 麗子/出原 健一/金子 信雄

 シリーズの中でもわかり易い話で,第1回という事もあって,修・亨・綾部貴子・辰巳五郎・海津といったメイン・キャラの人物描写に焦点がおかれている感じで,トップの屋上でドラム缶の風呂からあがった修がフ◯ド◯を身につけるシーンあたりに,番組全体の雰囲気を感じ取る事ができました.この感じが,当時は良かったのです.


第2話 悪女にトラック一杯の幸せを

脚 本:永原 秀一/峯尾 基三
監 督:恩地 日出夫
ゲスト :上野山 功一/北村 総一郎/柏原 巨典/和久井 節夫/矢野 宏/岸井 あや子/高杉 哲平/貫洞 卓史/飯田 高栄/新井 一夫/小幡 利二/江原 達怡/緑 魔子

 私の大好きな女優・緑魔子さんがゲストのこの話,大好きなんですが,今回見直してみても今一つ犯人兄妹の意図がよくわからん.... お兄さんの江原達怡さんは,『ウルトラQ』第1回『ゴメスを倒せ!』にゲスト出演していた俳優さんですが,久しぶりに見てそれに気づきました(最初見た時は気づかなかった....). 亨に「一緒に寝よう」とさそう恵子(緑魔子)とか,恵子とその兄の近親相姦的な雰囲気とか,かなり『大人のドラマ』?を感じさせる内容で,なんとなく '70年代しています.今回は1組50万円の高級食器セット200セットを,辰巳さんが1セット5,000円で全部お買い上げ下さったので,修・亨は100万円の収入? でも,これって完全な不労所得・不当利得だよね....


第3話 ヌードダンサーに愛の炎を

脚 本:市川 森一
監 督:深作 欣二
ゲスト :都家 かつ江/白石 奈緒美/伊達 三郎/大木 正司/伊達 弘/花田 達/城 春樹/鈴木 義幸/佐藤 治吉/稲田 千恵子/川名 美也子/築地 博/八木 和子/宝 京子/宝 ナナ/宝 千波/宝 美津江/宝 ひさえ/室田 日出男/中山 麻理

 ヤーさんの世界を描いたこの作品.辰巳さんが活躍(?)する,好きな作品です.私,『怪奇大作戦』以来の岸田森さんのファンだったもんで,この作品も,どうしても修や亨よりも辰巳さん中心に見てしまうのです.でも,財閥令嬢の気紛れとも見える行動を,「彼女はアンニュイなんだよ」で片付けてしまうってのも,考えて見ればスゴイ事かも.... 


第4話 港町に男涙のブルースを

脚 本:大野 靖子
監 督:神代 辰巳
ゲスト :潤 ますみ/山中 貞則/中野 エリ/山本 精ニ/阿部 徳久次/佐藤 善邦/鹿島 信哉/佐古 雅美/小海 とよ子/田島 義文/二見 忠男/荒砂 ゆき/池部 良

 そ〜言えば,この頃(1970年代半ば)位までは,こういったシリーズ物の中に,必ずっていいほど戦争に関するエピソードって1回は出て来ましたよね? 『怪奇大作戦』の『24年目の復讐』思い出しました.前回ほど目立った活躍はしておりませんが,岸田森氏がすご〜くいい味出してます(ヌード・スタジオの撮影シーン,ホーン・ユキさんとのからみ等).話自体は暗すぎて,あまり好きになれない作品ですが....


第5話 殺人者に怒りの雷光を

脚 本:市川 森一
監 督:工藤 栄一
ゲスト :檜 よしえ/森 みつる/木村 豊幸/谷岡 行二/影山 丈二/竹内 大介/日野 麗子/佐藤 明美/平沢 信夫/原田 君事/保坂 六巳/加藤 嘉/松山 省二

 辰巳さんが大活躍(?)する大好きな話です.何と言っても,あのヤクザさんたちに詫びを入れるシーンは衝撃的でした.また,岸田氏と『怪奇大作戦』で共演していた松山省二氏もゲスト出演でいい味出してます.ストーリー自体もわかり易くかつミステリー・タッチで,しかもテンポ良く進行して行きます.ところどころに入ってくるギャグも秀逸ですし,脚本が良く出来ていると思います.多分,シリーズ中でもベストの作品だと思います.ところで,『ゴキブリ死ヌ死ヌ』のおね〜さんって,あれ誰ですか?


第6話 草原に黒い十字架を

脚 本:山本 邦彦
監 督:神代 辰巳
ゲスト :瀬島 充貴/高木 均/阪 禾斉/大村 千吉/大井 小町/刈谷 俊介/ミッシェル・デュケーネイ/石田 徹/芳賀 まり子/降籏 慶一/正満 卓也

 で,この回ですが,こちらは残念ながらシリーズ中でも,好きになれない話です.最初に見た時に解り辛い話だな〜って思ったんですが,今回見直してみて,やはり良く解りませんでした.これは私の頭が悪いせいかもしれません.


第7話 自動車泥棒にラブソングを

脚 本:市川 森一
監 督:恩地 日出夫
ゲスト :蟹江 敬三/奥村 公延/如月 寛多/小暮 省三/今井 耐介/木浦 スミ江/川口 晶/高橋 昌也

 前回に続き,今回も3人組で『逃げ』に入る修と亨,ラストもやっぱり.... ただ,このパターン,どうもストーリー展開といい,話のテンポといい,少々かったるいような気が....


第8話 偽札造りに愛のメロディーを

脚 本:柴 英三郎
監 督:工藤 栄一
ゲスト :田辺 節子/木島 進介/沢 りつ男/杉 義一/戸塚 孝/ピーター・ウィリアムス/萩原 信二/近藤 宏/有島 一郎

 この話,かなり攻撃的で面白いです.やはりこのシリーズ,『逃げ』のパターンより,『攻め』に入った方が,話が活性化するみたいです.それにしても,この話に出てくる組織,やってる事がデカいわりに,老人の偽札使用を見のがしたり,修たちに簡単に逃げられたり,計画はずさんだし,おバカさんばっかりみたいです.ラスト近く,あまりにもタイミング良く現れた辰巳さんは,「修ちゃん,10%,10%」と騒いでましたが,最終的には警察が来ちゃったので,儲けはなしだったんだろうね....?


第9話 ピエロに結婚行進曲を

脚 本:市川 森一
監 督:児玉 進
ゲスト :志摩 みずえ/水上 竜子/奥山 正勝/滝田 裕介

 それにしても,こんなつまらん動機で殺人依頼する男っているのかしらね? 謝礼が100万円ってのもせこいし.... 女(愛人)の方の行動は何となく理解というか同情できるけど.... 社長の恋愛に嫉妬する辰巳さんが可愛い? ところで,修と亨が今回受け取った謝礼金の行方はどうなったのでしょう? 気になる....


第10話 金庫破りに赤いバラを

脚 本:渡辺 由自
監 督:鈴木 英夫
ゲスト :松下 達夫/田村 孝司/浜田 寅彦/川崎 あかね/加納 典明/小松 政夫

 何と言っても加納典明氏の殺し屋さんが,演技は下手ですが,いい味出してます.浜田寅彦氏は流石って感じ.あとはやはり,亨と一平(小松政夫氏)の間に芽生える友情がこの話のメインでしょう.ドロンとブロンソンの『さらば友よ』を思い出させるようなラストですが,地下足袋が育む友情? 渋すぎる.... このシーン,『太陽にほえろ!』の七曲署のセットを流用しているらしいです.


第11話 シンデレラの死に母の歌を

脚 本:渡辺 由自
監 督:土屋 統吾郎
ゲスト :服部 妙子/上月 淳/山口 萌/大山 いづみ/夏木 順平/島岡 淳/小宮 和枝/浦辺 粂子/川村 真樹/平田 昭彦

 修にボコボコにされる亨,修の代わりに敵の罠に単身乗り込んでボコボコにされる辰巳さん,ラスト,沢山の敵を相手に大立ち回りを演じるやたらと強い修,しかしやはりボコボコに.... まさに傷だらけの天使たち.ところで,このビデオを一緒に見ていた当時のパートナーが一言,「死ななくてもいい人間が死にすぎる」.確かにそうなんですが,この暗さこそ70年代,ハッピー・エンドが否定されていた時代を感じさせてくれるのでした.


第12話 非情の街に狼の歌を

脚 本:鎌田 敏夫
監 督:児玉 進
ゲスト :清川 新吾/高橋 ひとみ/佐藤 京一/鈴木 和夫/畠山 麦/神山 卓三/水原 麻記/土屋 嘉男

 交通事故で身動きが出来ない修に代って辰巳さんが亨と仕事をすることになるこの話,『傷天』の中でも好きな話です.修に向って「何で私の仕事を邪魔するの?」と訴え,ラストではせっかく準備した台詞が思うように言えず,亨に代わりに言われてしまうなど,辰巳さんというキャラクターの魅力が良く出ていた回でした.ゲストの土屋嘉男氏は,岸田氏同様,円谷プロ作品でおなじみの俳優さん.


第13話 可愛い女に愛の別れを

脚 本:高畠 久/山本 邦彦
監 督:土屋 統吾郎
ゲスト :田口 計/加賀 邦男/山田 禅二/東大 二朗/加茂 さくら/加藤 茂雄/伊藤 よし子/邦 創典/吉田 日出子

 お嬢様役の吉田日出子さんがいい味出してますが,それにしても若い....年月を感じさせます.もう少しで殺人罪を押し付けられそうになる修と亨ですが,辰巳さんに助けられます.田口計氏の演技は相変わらず渋いです.あと,この話のラスト,何とも言えないやるせなさが感じられて好きなのですが,この感じもやはり '70年代という時代を感じさせてくれます.