傷だらけの天使


第14話 母のない子に浜千鳥を

脚 本:市川 森一
監 督:恩地 日出夫
ゲスト :丘 ゆり子/石山 雄大/芳賀 まり子/大江 徹/正満 卓也/中島 元/大原 譲子/戸川 暁子/浅野 進治郎/小嶋 千代子/桃井 かおり

 ついに『健太』が登場するこの回,健太を巡って千葉の田舎から長野県を舞台に繰り広げられる話はシリーズの中でも異色で,今回は修自身の話なので,綾部さんも辰巳さんも出てきません.しかし,話の内容はあまりにも??? 登場人物すべて,何か変だぞ.だいたい幼児誘拐ってものすご〜い重罪だと思うのですが,それにしては動機がくだらなすぎるし,これだけの事やられて警察ざたにもしないばかりか,亨からお金を借りて,手切金をたてかえてやる(本人はその気はないかもしれませんが,客観的に見るとそ〜ゆ〜事ですよね)修も変.よくわからない話でした.健太の伯母(修の死別した妻の姉)役で,映画『青春の蹉跌』ではショーケンに殺される役だった桃井かおりさんがゲスト出演していますが,萩原氏が出演を熱望したらしいです.


第15話 つよがり女に涙酒を

脚 本:篠崎 好
監 督:恩地 日出夫
ゲスト :熊谷 俊哉/奥野 健明/葉山 裕康/見城 貴信/本多 初生/西脇 洋/八木 和子/稲葉 義男/渡辺 文雄/松尾 和子

 前回に続いて子供がらみの話ですが,はっきり言って訳のわかんなかった前回とは異なり,『親子』・『家族』といった重いテーマに真正面から取り組んだ力作だと思います.孤児だったが故に,伸彦(熊谷俊哉)に同情し,爆走する亨と,それを追う修と辰巳さん.子供がからむと俄然シリアスになる修に向って,貴子が放つ一言,「修ちゃん,いつもの辰巳さんみたい....」.あっけなさすぎるラストに少々不満が残るものの,シリーズの中でも,見ごたえのあるエピソードでした.


第16話 愛の情熱に別れの接吻を

脚 本:鎌田 敏夫
監 督:鈴木 英夫
ゲスト :右京 ちあき/加賀 ちかこ/小林 尚臣/小倉 雄三/上野 綾子/槙 ひろ子/林 光子/田川 勝雄/広田 正光/八木 和子/小海 とよ子/尾崎 八重/川名 美也子/山下 洵一郎/高橋 洋子

 結構異常心理入っているミステリー仕立ての好編.死体を冷蔵庫に入れているホスト(山下洵一郎)もコワイけど,修につきまとう少女(高橋洋子)もコワイ.この頃はまだ,『ストーカー』なる語は一般的ではなかったと思いますが.... 刑務所にいると思われる少女に,「肌着を買っていってやろうか?」と亨に相談するくだり,映画『約束』のラストを思い出しましたが,これって意識的にそうしたのかしら?


第17話 回転木馬に熱いさよならを

脚 本:高畠 久
監 督:渡辺 由自
ゲスト :福田 豊士/遠藤 剛/磯部 勉/鈴木 朗/木村 而呂/伊藤 辰夫/中 寛三/松本 潤子/草間 璋夫/江夏 夕子/橋本 功/中原 早苗

 会社内紛をテーマにしたこの作品,なかなか現実的で楽しんで見る事ができました.こ〜ゆ〜の見ると,会社辞めて良かったとつくづく思う今日この頃です(笑).修や亨もこの頃になるとただ逆らうだけではなくて,辰巳さんを説得して見方に引き入れてしまうあたり,成長したのかも....


第18話 リングサイドに花一輪を

脚 本:柏原 寛司
監 督:児玉 進
ゲスト :朝倉 隆/梅津 栄/和田 文夫/刈谷 俊介/波戸崎 徹/古川 義範/今井 健二/ファイティング 原田/中谷 一郎

 面白いのですが,浪花節臭があまりに強くて,少々興醒めかも....


第19話 街の灯に桜貝の夢を

脚 本:市川 森一
監 督:恩地 日出夫
ゲスト :森 幹太/大口 ひろし/阿藤 海/山口 高光/大出 洋幸/大山 豊/今井 和雄/加藤 茂雄/石川 隆昭/鹿島 信哉/出射 みつ子/石井 麗子/松永 守/団 五郎/塩塚 勝正/関根 恵子

 前半は楽しく,後半はやるせなさが残る,とても良い作品だと思います.かわいそうな亨ちゃん,たまにもてたと思ったら.... 綾部社長(岸田今日子)が留守ということで,仕事の指示をする辰巳さんを裏切り,直接板倉社長をゆすろうとする修と亨ですが,結局それが裏目に出てしまいました.そして,亨の恋人・明美(関根恵子)は板倉によって殺されてしまうのですが,辰巳さんの「男に惚れる遊女はいたが,遊女に惚れる男はいない」という言葉が,真実を物語っているのです.事件は何の解決も見ないまま,ストーリーは終了してしまいますが,それがこの作品を一層印象的なものにしていると思います.ラスト・シーンのショーケンの表情が印象的でした.ちなみに,板倉社長を演じていた森幹太氏は,『怪奇大作戦』の第3話では,『白い顔』の怪人を演じていました.


第20話 兄妹に十日町小唄を

脚 本:篠崎 好
監 督:児玉 進
ゲスト :伊藤 めぐみ/五代 勝也/太田 美緒/倉田 悦之/藤竹修/久田 尚美./倉田 幸子/犬塚 弘/島田 多江/渡辺 篤史

 子供がらみだと俄然シリアスになる修ちゃん.珍しく(多分初めて)修と亨を「わが社の優秀な調査員」と紹介する辰巳さんに,「人は見かけによらない」と小児科医の奥さん,それってあまりにも失礼じゃ.... 正式に捨て子の親探しを依頼された修たちに代って,赤ん坊の子守をする辰巳さんが結構板についていたりして.今回も『綾部のばあさん』は出て来ません.話は代って,仙台の大学をやめて東京に戻り男と暮らす令子(伊藤めぐみ)と,その兄・大谷(渡辺篤史).この大谷が,修と亨の行きつけの寿司屋の主人という設定なのですが,あの2人,あんな生活していて,行きつけの寿司屋があるというのは意外なような.... そう言えば,このシリーズを一緒に見ていた当時のパートナーが,「あの人たち,あんな生活しているのに,いつもいい物着てる....」と不思議がっていましたが,結構高収入なのかも.... 結局,赤ん坊の母親が令子である事がわかったところで,令子は死んでしまうのですが,これって,どう見ても一番かわいそうなのは,大谷ともみあって令子を刺してしまう令子の男だと思うのですが....? だってこの人何も悪い事していないよね....?


第21話 欲ぼけおやじにネムの木を

脚 本:宮内 婦貴子
監 督:工藤 栄一
ゲスト :根岸 一正/笠井 うらら/田中 りよこ/下川 清子/並木 静夫/峰 洋子/八木 和子/武藤 章生/亀渕 友香/内田 朝雄

 綾部社長の留守を預かる辰巳さん,いつもは修や亨より1枚も2枚も上手なのですが,この回では欲ぼけおやじに見事に裏をかかれてしまい,修や亨にまでバカにされる始末.珍しいエピソードではありますが,予告編のナレーションによると,「老人問題に鋭くメスを入れる抱腹絶倒社会派ドラマ」だそうです.話は違いますが,このシリーズでのショーケンが何か食べるシーンって,本当に美味しそうに食べるんですよね....


第22話 くちなしの花に別れのバラードを

脚 本:篠崎 好
監 督:児玉 進
ゲスト :家弓 家正/浅倉 一/記平 佳枝/川口 節子/柏木 良司/河合 良子/尾崎 八重/小梅 とよこ/佐古 雅美/栗原 希世子/久保 明/篠 ヒロ子

 第12話同様,辰巳さんというキャラクターが良く描かれている,好きな作品です.特に演じている岸田氏とショーケンのからみが秀逸だと思います.「1千万は3じゃ割り切れない」,「細かすぎる....」(笑).ストーリーも,華道界を舞台に描かれるミステリー・タッチの作品でかなり面白いですし,家元を演じる篠ヒロ子さんや,ワルを演じる久保明・家弓家正のお2人もいい味出してます.ラスト,『オクラホマ・ミキサー』を男3人で踊る修・亨・辰巳さんの姿に,そこはかとない哀愁が漂ってて,印象に残るエピソードでした.この回,久しぶりに岸田今日子さんが出演しています.


第23話 母の胸に悲しみの眠りを

脚 本:田上 雄
監 督:工藤 栄一
ゲスト :西尾 三枝子/本山 可久子/加藤 土代子/村上 幹夫/鈴木 英介/瞳 恵子/有栖川 ゆうこ/野口 すみえ/石川 隆生/根上 淳/下條 アトム

 物語の最初の方で,襲われた修と亨に辰巳さんが放つ一言,「原始的な動物ほど,肉体的な回復は早い」.このフレーズ気にいっていて,良く使ってました.ところで,よくありそうなこの話で,典型的な出世バカの父親(根上淳)も,母親のため父親をかばって死んで行くバカ息子(下條アトム)もヘンと言えばヘンですが,一番解らんのは,全てを知りつつも夫から離れようとしない母親(本山可久子),謎です....


第24話 渡辺綱に小指の思い出を

脚 本:市川 森一
監 督:児玉 進
ゲスト :真山 知子/天本 英世/長谷川 弘/津路 清子/永谷 悟一/泉 芙美子/霞 涼二/吉田 義夫/富田 仲次郎/坂口 良子/前田 吟

 修に「気持ち悪い,あのマユゲのハゲ」と言われるヤクザの幹部(前田吟)はじめ,両組長(吉田義夫・富田仲次郎),彫士(天本英世)等,脇役陣が豪華なこの回,イカサマ・バクチをめぐるストーリーの方が面白すぎて,ショーケンと坂口良子のラヴ・ロマンスがかすんでしまっているような感じでした.バクチのシーンでの辰巳さんのファッションがやはり目をひきます.


第25話 虫けらどもに寂しい春を

脚 本:宮内 婦貴子・大野 武雄
監 督:工藤 栄一
ゲスト :本田 みちこ/中川 三穂子/桜井 とし子/里美 たかし/笠井 ひろ/しば 早苗/野村 光絵/大島 光明/北浜 昇/今井 和雄/石川 隆昭/中西 江美子/根岸 明美/小松 方正

 ラストの修の暴行は,捕まらないのが不思議.小松方正氏がしぶ〜く2役を演じ分けています.


第26話 祭りのあとにさすらいの日々を

脚 本:市川 森一
監 督:工藤 栄一
ゲスト :柴田 美保子/石田 太郎/畠山 麦/竹田 将二/松尾 文人/杵淵 正美/浅野 謙次郎/佐古 雅美/丘 広樹/村山 憲三/森本 レオ/村田 ゆき子/中原 伊緒/西 雅美/土井 淳/小林 和美/水本 ルミ/下川 辰平

 死んじゃう亨もかわいそうだけど,ただ1人逮捕されてしまう辰巳さんが気の毒.岸田森さんのメイクはやり過ぎのような気もするけど.... 最後まで,ハッピー・エンド否定のシリーズでしたが,この感覚,好きです.ゲストの4人(柴田 美保子/石田 太郎/森本 レオ/下川 辰平)が,チョイ役ながら重要な役どころを,それぞれうまく演じています.