ルパン三世


EPISODE

第1話 ルパンは燃えているか....?!

1971年10月24日放映
脚 本:山崎 忠明
ゲスト :滝口 順平/峰 恵研/池永 通洋

 実はこのシリーズが放映されていた頃,まだ小学生で作品・番組の存在すら知りませんでした.その後中学・高校時代のテレビのない生活をしていた時期を経て,大学生になった頃,第2シリーズの放映中に第1シリーズも再放送されていて,初めて観ることができました.第1シリーズと第2シリーズを比較してみると,確かにアニメーションとしての出来ならびに脚本も段違いに第1シリーズの方が優れており,その頃まだ子供向けとされていて,『テレビ漫画』と称されていたアニメーションの世界において,初めて大人の鑑賞に堪えうる作品だったと思います.第1話で印象に残ったのはスコーピオンのくすぐりメカ.アニメ史上最高のメカニックだったかも. 『ルパン三世カルトブック』(双葉社)の『編集部が選んだ BEST EPISODE 30』では,第19位に選ばれています.


第2話 魔術師と呼ばれた男

1971年10月31日放映
脚 本:太和屋 竺
ゲスト :江角 英明

 ルパン,不二子,白乾児の三角関係を描いた,まさにアダルトな一作.ルパン最大の敵白乾児を演じた江角英明さんは,どちらかというと声優としてよりも俳優として知られています.またこの作品は,『ルパン三世カルトブック』(双葉社)の『編集部が選んだ BEST EPISODE 30』で,劇場版の『ルパンVS複製人間』,『カリオストロの城』を抑えて,堂々の第1位に選ばれています.

第3話 さらば愛しき魔女

1971年11月7日放映
脚 本:宮田 雪
ゲスト :武藤 礼子/千葉 耕市/小林 修

 この回は,「ごめんね〜.やっぱり乗っちゃった〜」,不二子のこのセリフにつきます(笑). 『ルパン三世カルトブック』(双葉社)の『編集部が選んだ BEST EPISODE 30』では,第23位に選ばれています.


第4話 脱獄のチャンスは1度

1971年11月14日放映
脚 本:佐脇 徹
ゲスト :北川邦彦/山田俊司

 個人的には第1シリーズの中で1番好きな作品.内容的にアニメのカテゴリーを超えたまさに大人の視聴に堪えうる作品だったと思います.劇中で一向にルパンを救出しようとしない次元を不二子が詰りますが,原作ではこれは不二子ではなく五エ門の取った行動でした. 『ルパン三世カルトブック』(双葉社)の『編集部が選んだ BEST EPISODE 30』では,第17位に選ばれています.


第5話 十三代五エ門登場

1971年11月21日放映
脚 本:山崎 忠明
ゲスト :雨森 雅司/松島 みのり

 人気投票ではルパンを抜いて第1位に輝く,日本アニメ史上最大のいじられキャラ五エ門の登場するこのエピソードも大好きな作品です.ラジオで流れる小柳ルミ子,大ヒットしたデビュー曲『わたしの城下町』ではなく2枚目のシングル曲『お祭りの夜』,選曲が渋いです. 『ルパン三世カルトブック』(双葉社)の『編集部が選んだ BEST EPISODE 30』では,第16位に選ばれています.


第6話 雨の午後はヤバイゼ

1971年11月28日放映
脚 本:松岡 清治
ゲスト :大塚 周夫/加藤 修/北村 弘一/富山 敬

 五エ門役でレギュラー入りした大塚周夫氏が,五エ門の登場しないこの作品ではゲストキャラ,アニメに登場するのは珍しいルパン・ファミリーの一員であるハンマーのガン鉄を演じています.


第7話 狼は狼を呼ぶ

1971年12月5日放映
脚 本:太和屋 竺
ゲスト :永井 一郎/村越 伊知郎/北川 国彦/田ノ中 修

 五エ門が仲間入りする話ですが,初期の五エ門,やたらと女に手が早いキャラとして描かれてます.あと,落とし穴という原始的な罠に引っかかってしまうあたり,おマヌケなキャラみたいです.五エ門といえばやはり井上真樹夫さんのイメージが強いのですが,ルパンの敵役として登場した大塚康夫さんの作画による表情の険しい五エ門に関しては,大塚周夫氏の声がハマってました.


第8話 全員集合トランプ作戦

1971年12月12日放映
脚 本:宮田 雪
ゲスト :島 宇志夫/川島 ふじ子/峰 恵研/千々松 幸子/山田 俊二

 次元・五エ門・不二子のルパン・ファミリーが勢ぞろいして,銭形警部に勝利を収めた記念すべき作品.結局このパターンが以後半世紀にわたって繰り広げられることになるのです.


第9話 殺し屋はブルースを歌う

1971年12月19日放映
脚 本:佐脇 徹
ゲスト :本郷 淳/新井 和夫

 不二子の知られざる過去の一部が明らかになるエピソード.「俺は降りる.俺は女が仕事に加わるのはごめんだ」,五エ門の女嫌いが始まったエピソードでもあります.しかしながら.「俺は用済みだな」といいつつも,いつまでもとどまって笛など吹いてるのはどういう訳だ? 『ルパン三世カルトブック』(双葉社)の『編集部が選んだ BEST EPISODE 30』では,第4位に選ばれています.


第10話 ニセ札つくりを狙え!

1971年12月26日放映
脚 本:佐脇 徹
ゲスト :中田 浩二/津田 マリ子/細井 直之/峰 恵研/島 俊介

 ストーリーの序盤でセスナからニセ札をばらまくルパンと次元.時計塔に住む隠れているクラリスではなくて元ニセ札作りのイワノフ.のちの名作『カリオストロの城』の原型となったエピソード?相手役はカリオストロ伯爵ではなくウクライナ男爵ですが,なぜか部下に『ルパンVS複製人間』に出てきたフリンチと同名のキャラクターが出て来て,ルパンと殴り合いの喧嘩を繰り広げます.


第11話 7番目の橋が落ちるとき

1972年1月2日放映
脚 本:松岡 清治
ゲスト :辻村 直人/吉田 理保子/池水 通洋/村越 伊知郎

 「き〇が〇だ」,現在では放送コードに引っかかるルパンの台詞.リーサはクラリスの原型?

第12話 誰が最後に笑ったか

1972年1月9日放映
脚 本:鶴見 和一
ゲスト :小林 修/柴田 秀勝/矢田 耕司/池水 通洋

 洞窟の中でのルパンと不二子のからみは,のちの『ルパンVS複製人間』に流用されています.誰が最後に笑ったかは,最初から明らかにされていました.


第13話 タイムマシンに気をつけろ!

1972年1月16日放映
脚 本:宮田 雪
ゲスト :家弓 家正/雨森 雅司

 個人的にはこの話に出てくる魔毛狂介こそが,第2話の白乾児以上のルパンにとっての最大の敵だったと思います.また,タイムマシンをモチーフにしたこの話は,明らかにクローニングをモチーフにした『ルパンVS複製人間』の原案になったものと考えられます.魔毛がマモーになった訳だし.ところでルパンはまた「き〇が〇」なんて口に出していますが,五エ門に対する「せいぜい江戸時代のおめえに何ができる!」は次元大介最高の名セリフだと思います.それにしても摩毛狂介は1932年生まれ,昭和ひとケタだったのね? この手のキャラ,家弓家正さんハマってます.

第14話 エメラルドの秘密

1972年1月23日放映
脚 本:宮田 雪
ゲスト :増山 江威子/山田 俊司/北村 弘一/山本 圭子/阪 脩

 第2シリーズ以降長い間.峰不二子を演じていた増山江威子さんが,ゲストキャラのキャサリン役で出演しています.ネコがケーキなめてるけど,確かネコは甘みを識別できないと本に書いてあった記憶があります.シリーズ後半に入って前半のアダルト指向がなくなり,一番変わったのは銭形警部のキャラでした.ところでこのエピソード,予告編では『猫目石はどこへ?』と言ってますが,それではストーリーのオチがわかってしまうので,『エメラルドの秘密』に改題されています.

第15話 ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう

1972年1月30日放映
脚 本:松岡 清治
ゲスト :永井 一郎/吉見 佑子/塩見 龍介/佐奈田 恒夫/斎藤 信

 前回に続いて銭形警部のキャラクターが変化したことがよくわかるエピソード.このシリーズの前半のアダルト指向によるクオリティの高さが失われてしまったのは非常に残念なことですが,この『お子様ランチ化』があって,その後の半世紀にわたる寿命の長さが得られたのも確かです.


第16話 宝石横取り作戦

1972年2月6日放映
脚 本:七條 門
ゲスト :木村 晃/福原 圭一/鎗田 順吉/宮本 満里子

 「来週こそは捕まえてやるぞ」,露骨に番組を意識した銭形の台詞.


第17話 罠にかかったルパン

1972年2月13日放映
脚 本:七條 門
ゲスト :平井 道子/峰 恵研/作間 功/青野 武士

 第10話に続くニセ札にまつわるエピソード.一人だけ星影銀子の罠にかからなかった五右エ門が女嫌いになったのは,もとはと言えば不二子のおかげ.「やってみなくちゃわからねえか.プロフェッショナルの言葉じゃねえなあ」,次元の名セリフ.

第18話 美人コンテストをマークせよ

1972年2月20日放映
脚 本:松岡 清治
ゲスト :新井 和夫/木村 晃/阪 脩/永井 一郎/本田 普

 美人コンテストにカムフラージュして行われた盗品の名画の取引から名画を盗み出すにエピソード.五エ門が超人的な活躍をしますが,設定資料によると,五右エ門の身体能力はルパンを遥かに超えるとか.それにしてもだいたい宇宙中継にアルバイトなんか使うのか? ラスト,船の帆に並べられた世界の名画の中に,なぜかアイドル(栗田ひろみさんらしいです)のポスターが?


第19話 どっちが勝つか三代目!

1972年2月27日放映
脚 本:小山 峻一郎
ゲスト :伊藤 克/根上 忠/永井 一郎/福原 圭一

 ルパン三世VSガニマール三代目.この第1シリーズ,路線変更のため後半はやはり作品のクオリティもテンションも下降気味でしたが,このエピソードに関しては,シリーズの中でもかなりよくできた作品だと思います.ルパンが最も得意とする『変装』の作品中での使い方が秀逸でした.不二子「機動隊との乱闘に参加したことのある人,手を挙げて」,時代を感じさせるセリフです.

第20話 ニセルパンを捕えろ!

1972年3月5日放映
脚 本:七條 門
ゲスト :中田 浩二/千葉 順二/北浜 晴子/岩田 安生/飯田 和平/渡辺 晃三

 アルセーヌ・ルパン著『盗術書』をドロボウ部落から取り返すエピソード.珍しくわりと原作に忠実に作られています.またも銭形,「来週こそは捕まえてやるぞ」.

第21話 ジャジャ馬娘を助けだせ!

1972年2月12日放映
脚 本:松岡 清治
ゲスト :作間 功/青野 武士/富田 耕生/平井 道子/藤田 久

 のちの『カリオストロの城』につながる,『少女とおじさん』の心の交流を描いたロリ好みの一作.平井道子さんの演技が印象に残りました.

第22話 先手必勝コンピュータ作戦!

1972年3月19日放映
脚 本:宮田 雪
ゲスト :兼本 新吾/新井 和夫/鎗田 順吉/渡辺晃三

 ルパンVSコンピュータ.第2シリーズ以降度々作られたエピソードの先駆的作品.出てくる書物に『コンピューター』と記載されているのが時代を感じさせます.「コンピュータの裏をかくには気まぐれが一番なのさ」.なぜかこのエピソードの冒頭では,五エ門の衣装の色が変わっています.

第23話 黄金の大勝負!

1972年3月26日放映
脚 本:田村 多津夫
ゲスト :永井 一郎/山田 俊司/作間 功/石川 修

 最終回.エピソードの冒頭での珍しい帽子を取った次元の姿.そして今回も五エ門の衣装の色が違ってます.車が落下した家の主人は宮崎駿さんがモデルだとか.警視庁御用達『だるま弁当』.地下鉄の駅の表示,霞が関の次が所沢? 「まさに『策士策に溺れる』だな」.『ルパン三世カルトブック』(双葉社)の『編集部が選んだ BEST EPISODE 30』では,第28位に選ばれています.