Night Gallery


日本語タイトル:四次元への招待

製作総指揮:ポール・フリーマン
プロデューサー:ジャック・レアード/ウィリアム・ザックハイム
製作:ユニヴァーサル・テレビジョン
配給:スタジオズ USA テレビジョン

原案・司会者:ロッド・サーリング
テーマ曲作者:ギル・メレ

 

DVD-BOX
HPBR-448


THE PILOT USA-1969/11/8 JPN-1972/7/29 DELLA-2020/8/24

復讐の絵画 THE CAMETERY

監督:ポリス・セイガル
脚本:ロッド・サーリング
ゲスト:ロディ・マクドウォール/オジー・デイヴィス/ジョージ・マクレディ/バリー・アトウォーター/トム・バシャム/リチャード・ヘイル
 実はこのシリーズ TV では観たことなくて,偶然 Amazon で DVD を見つけたときに『主演:ロディ・マクドウォール』と記載があったので関心を持ち,しばらくしてヤフオクで出品されていたのを発見して落札,入手して初めて観ました.日本の『世にも奇妙な物語』みたいなオムニバス形式の TV シリーズで,お目当てのロディ・マクドウォールさんはこの PILOT 版第1話に出演していました.この方,元子役でエリザベス・テーラーさんの親友だった方で,日本では『猿の惑星』シリーズの猿の役ばかりが有名になってしまっていましたが,でらちゃんが映画を最もよく観ていた1970年代に『ヘルハウス』,『ポセイドン・アドベンチャー』,『ロイ・ビーン』,『ダーティー・メリー クレイジー・ラリー』等の作品や TV シリーズ『刑事コロンボ』ゲスト出演で印象に残る演技を見せてくれていて,大好きな俳優さんのおひとりなのですが,ここでも遺産目当てで叔父さんを死に追いやってしまう『嫌な奴』を憎々しげに演じています.吹き替えの山田康雄さんもピッタリのはまり役でした.あと執事役のオジー・デイヴィスさん,どっかで見たことある方だと思ったら, TV シリーズ『Lの世界』でジェニファー・ビールスさんとパム・グリアさんのお父さんを演じていた方でした.

アイズ EYES
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ロッド・サーリング
原作:ロッド・サーリング
ゲスト:ジョーン・クロフォード/バリー・サリヴァン/トム・ボスレー/ギャリー・グッドロウ/バイロン・モロー/シャノン・ファーノン
 このシリーズのパイロット版が日本で1972年に『土曜映画劇場』で放映された際に,スピルバーグ監督のこのエピソードだけカットされてしまったため, DVD に吹き替えが収録されていません.ネタが途中でなんとなくわかってしまうシナリオはちょっと二線級の感じがしますが.スピルバーグ監督の演出がそれを十分カバーしていると思います.また,晩年ホラー・ムービーへの出演が多かったという大女優ジョーン・クロフォードさんが鬼気迫る名演を見せてくれています.

絵になった男 ESCAPE ROUTE
監督:バリー・シア―
脚本:ロッド・サーリング
原作:ロッド・サーリング
ゲスト:リチャード・カイリー/サム・ジャッフェ/ノーマ・クレーン/ジョージ・マードック/ベン・フローマー/マイク・モレッリ
 この時期のアメリカの映画とか TV ドラマにはいわゆる『ナチネタ』って非常に多かった記憶があるのですが,そんな作品のひとつです.ここまでの観て思ったのですが,『絵』をモチーフにしたこのオムニバス・シリーズ,『四次元への招待』ではなく『二次元への招待』が正しいのでは?

EPSODE 1 USA-1970/12/16 JPA-1973/11/20 DELLA-2020/8/25 

生と死 DEAD MAN
監督:ダグラス・ヘイズ
脚本:ダグラス・ヘイズ
原作:フリッツ・ライバー
ゲスト:カール・ベッツ/ジェフ・コーリイ/ヴェルダ・レッドフォード/ジョン・フィアリング/グレン・ディクソン
 人間の生死という神の領域に抵触しようとするマッド・サイエンティストを描いた,現代医学に対するアンチテーゼともいえる作品.このシリーズが日本で放映された頃の声優さんの多くは後の第1次アニメ・ブームを支えたわけですが,このエピソードでも家弓家正さん,北村弘一さん,池田昌子さん,井上真樹夫さんといった,おなじみの声優さんたちの吹き替えが DVD に収録されていてとても懐かしかったのでした.

家政婦 HOUSEKEEPER
監督:ジョン・メレディス・ルーカス
脚本:マシュー・ハワード(ダグラス・ヘイズ)
ゲスト:ラリーハグマン/スージー・パーカー/ジャネット・ノーラン/キャスリーン・コーデル/ハワード・モートン/ボビー・ギルバート
 『人格の移植』をテーマにしたコミカル:タッチのエピソード.移植とはちょっと違うかもしれませんが,でらちゃんが経験したセクシュアリティのトランスもやはり人格の変化といえる性質のものなので,登場人物の心理がよくわかりました.家政婦役を演じているジャネット・ノーランさんは声優としても有名な方で,ヒッチコック監督の『サイコ』の主人公ノーマン・ベイツの母親の声を担当しているそうです.またこのエピソードでも,青野武さん,平井道子さん,京田尚子さん,そして井上真樹夫さんといった有名声優さんの吹き替えが DVD に収録されていたのが印象に残っています.

EPSODE 2

窓からの景色 ROOM WITH A VIEW
監督:シャロルド・フリーマン
脚本:ハル・ドレスナー
原作:ハル・ドレスナー
ゲスト:ジョセフ・ワイズマン/ダイアン・キートン/エンジェル・トンプキンス/モーガン・ファーリー/ラリー・ワトソン
 ヒッチコック監督の『裏窓』を思い起こさせるエピソード.嫉妬に狂ったおっさんの計画殺人? あっけないラストが印象的です.デビュー直後のダイアン・キートンさんがかわいいです.

小さい鞄 THE LITTLE BLACK BAG
監督:ヤノット・シュワルツ
脚本:ロッド・サーリング
原作:C・M・コーンブルース
ゲスト:バージェス・メレディス/チル・ウィルス/ジョージ・ファース/ユーニス・スアレス/ジョニー・シルヴァー/E・J・アンドレ/アーサー・マレット/ロバート・テリー
 バージェス・メレディスさんのア〇コ〇ー〇クの元医者という設定がはまっている最も SF タッチの作品.でも,眼の焦点が合っていないチコ・ウィルスさんの演技の方が一枚上だったかも?

見えざる敵 THE NATURE OF THE ENEMY
監督:アレン・レイズナー
脚本:ロッド・サーリング
ゲスト:ジョセフ・キャンパネラ/ジェリー・ストリックラー/ジェームズ・シッキング/ジェイソン・ウィングリーン/アルバート・ポップウェル
 月面に着陸した宇宙飛行士が何者かに襲われた.意外と言えば意外だけど馬鹿馬鹿しいラストが気に入っています.そーいえばアポロ11号の月面初着陸ってこの頃だったのよね?

EPSODE 3

夢に見た家 THE HOUSE
監督:ジョン・アスティン
脚本:ロッド・サーリング
原作:アンドレ・モーロワ
ゲスト:ジョアンナ・ペティット/ポール・リチャーズ/スティーヴ・フランケン/ジャン・バレル/アルミラ・セッションズ
 ストーリー的にちょっとわかりにくいのが難ですが,『夢』を一種のパラレル・ワールドとして捉えた,日本語タイトルの『四次元』を感じさせるエピソードだったと思います.

影を残すもの CERTAIN SHADOWS ON THE WALL
監督:ジェフ・コーリイ
脚本:ロッド・サーリング
原作:メアリー・エレナ―・ウィルキンス=フリーマン
ゲスト:ルイス・ヘイワード/アグネス・ムーアヘッド/グレイソン・ホール/レイチェル・ロバーツ
 大好きなエピソードです.シナリオ的にはストーリーも良いのですが,それ以上に4人の姉弟のキャラクター設定がユニークで,それぞれの個性的なキャラを演じるキャストの演技が素晴らしかったと思います.とくに3人の女優さんたちが老婆であるにも関わらず魅力的に感じられました.

EPSODE 4

笑いを売る男 MAKE ME LAUGH
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ロッド・サーリング
ゲスト:ゴッドフリー・ケンブリッジ/トム・ボスレー/ジャッキー・ヴァ―ノン/アル・ルイス/ジーン・キア二―/シドニー・クルート/トニー・ラッセル/ミシェル・ハート
 パイロット版『アイズ』に続いてスピルバーグ監督再登場.キャストの中ではトム・ボスレーさんが今回もマネージャー役で存在感を示していますが,気になったので調べてみたところ,『トム・ボズリ』さんと発音するのが正しいらしいです.エピソード自体はよくあるパターンのストーリーですが,ラストの演出が流石に冴えています.

追う者と追われる者 CLEAN KILLS AND OTHER TROPHIES
監督:ウォルター・ドニガー
脚本:ロッド・サーリング
ゲスト:レイモンド・マッセイ/トム・トゥループ/ハリー・ブラウン/ハーバート・ジェファーソン Jr.
 こちらもやはりこの手のストーリーではこの手の結末しかありえないと予想できてしまうものの,それでもやはり衝撃を与えられてしまうのは,スタッフとキャストの力量によるところ大だと思います.

EPSODE 5

死してのち PAMELA'S VOICE
監督:リチャード・ベネディクト
脚本:ロッド・サーリング
ゲスト:フィリス・ディラー/ジョン・アスティン
 これ傑作です.15分出演者も2人だけというミニ・ドラマですが,殺された妻と殺した夫が死んだ後それぞれ天国と地獄行きになるわけですが,行きつく先は....? アイロニーの効いたラストが秀逸でした.

ただ一人の生存者 LONE SURVIVOUR
監督:ジーン・レヴィット
脚本:ロッド・サーリング
ゲスト:ジョン・コリコス/トリン・サッチャー/ヘドレー・マッティングリー/チャールズ・ディヴィス/ブレンダン・ディロン/ウィリアム・ベックリー/エドワード・コルマンズ/ピエール・ジャベール
 面白かったのですが,タイタニック号はともかくルシタニア号,アンドレア・ドニア号に関する知識がほとんどなくてよくわからない部分があったので,観終わった後で調べてみました.歴史のお勉強になりました.

呪いの人形 THE DOLL
監督:ルーディ・ドルン
脚本:ロッド・サーリング
原作:アルジャーノン・ブラックウッド
ゲスト:ジョン・ウィリアムズ/ジャニ・ウォリス/ヘンリー・シルヴァ/ザン・ウェン/ジョエル・ブランチ/ジョン・バークレイ
 前回の『追う者と追われる者』同様,このエピソードもよくあるパターンのストーリーで,結末が容易に予想できてしまうにも関わらず,ひとひねりしたラストシーンが超印象的な作品となっています.人形の造形がいいです.

EPSODE 6

過去からの歌声 THEY'RE TEARING DOWN TIM RILEY'S BAR
監督:ドン・テイラー
脚本:ロッド・サーリング
ゲスト:ウィリアム・ウィンダム/ダイアン・ベイカー/バート・コンヴィ/ジョン・ランドルフ/ヘンリー・ベックマン/デヴィッド・アスター/ロバート・ハーマン/フレデリック・ダウンズ/デヴィッド・フランク/ジョン・S・レーギン/スザンナ・ダロウ/メアリー・ゲイル・ホッブス/ドン・メルボワン
 これってアルコホーリクの幻覚なのですが,『過ぎ去った時間』をモチーフにしているあたり,最も『四次元からの招待』という日本語タイトルが偶然にも合致したエピソードだと思います.ストーリーは面白いのですが,でらちゃんの好みから言えばラストがちょっと甘すぎるような気がします.

あやまち THE LAST LAUREL
監督:ダリル・デューク
脚本:ロッド・サーリング
原作:デイヴィス・グラップ
ゲスト:ジャック・キャシディ/マルティーヌ・ベズウィック/マーティン・E・ブルックス
 こちらは超短編エピソードですが,ラストの主人公のセリフが秀逸な,シリーズの最期を飾るにふさわしい傑作だと思います.主人公のジャック・キャシディさんはデヴィッド・キャシディさんのお父さんで,『刑事コロンボ』シリーズでも3回犯人役を演じている名優さんですが,実はアルコホーリクだったらしいです.