俺たちは天使だ!


第1話 運が悪けりゃ死ぬだけさ

脚 本:長野 洋
監 督:木下 亮
ゲスト :橋爪 功/久米 明/村上 幹夫/樋口 のり子/新海 百合子

 第1話ということで,各キャラクターの紹介が丁寧に行われていますが,たんなる顔見せの回にとどまらずストーリー自体かなり良くできたサスペンス・ミステリーでした.脚本の長野洋氏,監督の木ノ下亮氏の功績大で,流石だと思います.またゲストでは麻生探偵事務所の依頼人で田舎刑事役の橋爪功氏がすごくいい味出していたと思います.それにしても, Della ちゃんここ10年以上全く TV を見ないで,昔の番組の DVD や LD ・ビデオばかり見ているのですが,本当にこの時代の TV 番組って丁寧に作られていたと思うのです.


第2話 運が良ければ五千万

脚 本:柏原 寛司/小川 英
監 督:木下 亮
ゲスト :浅野 温子/渥美 國泰/江角 英明/桑原 大輔/内田 昌宏

 後にブレイクする女優浅野温子さんがゲスト出演の第2話.それにしても浅野さんだけじゃなく,多岐川さんも長谷さんも柴田さんも神田さんも若いですね,この頃はまだあまり演技上手とは言えないけど.唯一,以前からスターだった沖さんは亡くなってしまいましたが….いわゆる『スピン・オフ』ではありませんが,『傷だらけの天使』と同じく『太陽にほえろ』から派生して作られた作品なので,共通するキャスティングが多い中,この作品以前に『太陽』で共演していた小野寺さんと沖さん,この作品以後に『太陽』で共演した神田さんと沖さんの呼吸のあったところはやはりという感じなのですが,特筆すべきは『太陽』では共演のなかった勝野さんと沖さんの共演の実現でしょうね.第1話・第2話共に2人だけのシーンではとても息のあった演技を見せてくれていると思います.また,最近渡辺さんと沖さんが共演していた『必殺仕置屋稼業』を見る機会に恵まれたのですが,こちらもなかなか.ところで,最近鉄条網ってあまり見かけなくりましたよね.


第3話 運が悪けりゃ殺人犯

脚 本:小川 英/四十物 光男
監 督:土屋 統吾郎
ゲスト:梅津 栄/高橋 恵子/柿沼 大介

 何と『私を殺したあなたが憎い』という歌を歌う歌手・坂上ルミ(高橋恵子さん)を殺した容疑で逮捕されてしまう DARTS.他人のためのアリバイ作りが自分のアリバイを証明できなくしてしまうという,探偵稼業ならではのパラドックスを素材にしたストーリー展開は脚本陣の力量を感じさせてくれます.珍しく麻生探偵がマネージャー松川を脅迫するシーンがありますが,チンピラが全く板についていない麻生探偵って,これ逆に沖さんの演技の上手さを感じました.ゲストの梅津栄さんは,相変わらずの存在感ある演技をしています.


第4話 運が良ければボロもうけ

脚 本:田波 靖男/安斉 あゆ子/小川 英
監 督:土屋 統吾郎
ゲスト :佐藤 万里/関川 慎二/小林 重四郎/三角 八郎/芹沢 洋三/北川 欽三/古川 がん/柴田 聡/竹田 寿郎/松沢 千恵/黒沢 明美/船渡 伸二/船場 牡丹

 今回の依頼人は藤波弁護士…というわけで調査を開始するのは麻生探偵と藤波の助手の久美ちゃん.これって『太陽』ではスコッチ刑事とマミー刑事なんだけど,確かこの組み合わせも実現はしていないはず.聞き込みの映画館のシーンのアラン・ドロンのポスターとアイスクリームの販売容器(あれって何て言うんだる)が時代を感じさせてくれます.また,チョイ役ながら重要な役どころで出演の三角八郎さんがいい味出しています.セリフで面白かったのは,喚き散らすゴリラに対する藤波弁護士の『人の家に来て怒鳴るな!』,まさに至言です.ストーリーが後半に入って,例によってヤクザがらみの事件の真相が浮き彫りにされてくるんだけど,この『紅興業』が以後シリーズを通じて麻生探偵事務所の宿敵として登場することになります.そして,クライマックスではキャプテンの巨大ブーメランが初登場.


第5話 運が悪けりゃ女にモテる

脚 本:和久田 正明
監 督:木下 亮
ゲスト :緑 魔子/ホーン・ユキ/岸田 森/片岡 五郎/門脇 三郎

 『傷だらけの天使』のレギュラー.岸田森さんにホーン・ユキさん,そして緑魔子さんという豪華なゲスト陣が魅力的な回で,他のところにも書きましたが,この岸田さんと緑さんは Della ちゃん最もお気に入りの日本の男優さんと女優さんなのです.また.ストーリーの方もシリーズ中最もマンガチックな展開をもつ内容でお気に入りの1話です.さらにすでに共に故人となってからかなりの年月を経てしまった岸田さんと沖さんの貴重なからみのシーンが見られる, Della ちゃんにとっては感涙モノの映像なのでした.


第6話 運が良ければ痛み分け

脚 本:長野 洋
監 督:木下 亮
ゲスト :宇佐美 淳/森田 順平/立枝 歩/阿籐 海/三上 剛

 このシリーズの主人公・麻生雅人が警察を辞める原因となった政財界のフィクサー・大滝剛三が登場する話で,前回とはうってかわってこのシリーズとしてはシリアスなストーリー展開となっています.話の性格上,登場するキャラクター相互の関係が説明されており,原案ではシリーズ最終回に大滝剛三が逮捕される予定だったらしいのですが,結局この回だけで終わってしまってます.大滝剛三を演ずるのは,宇佐美淳氏でした.


第7話 運が悪けりゃ現行犯

脚 本:柏原 寛司
監 督:土屋 統吾郎
ゲスト :佐山 泰三/小池 雄介/草薙 幸二郎/氏家 修

 麻薬とヤクザと暴走族がからんでの大乱痴気騒ぎ,このシリーズの真骨頂とでもいうべき作品です.多分, TV 放映時に最初に見たのがこの話で,話の中に出てくるDARTSのアイデアに爆笑させていただきました.また,この回初めて悠子の読唇術が披露されますが,結構間違っているのがご愛嬌と共にリアリズム.


第8話 運が良ければ相続人

脚 本:杉村 のぼる/小川 英
監 督:土屋 統吾郎
ゲスト :清水 めぐみ/古代 一平/森 幹太/石田 純/監物 房子/山田 禅二/上野 綾子/照内 敏晴/安田 憲司

 第4話に続いて2度目の藤波弁護士の依頼は,20億円の大仕事ならむ遺産相続人捜し.相続を巡って群がるハイエナを次々駆逐していく中,何とかして探偵料だけは手に入れようと苦心した麻生探偵事務所でしたが,結果は….信頼関係で結ばれていると思われていた麻生と藤波の人間関係でしたが,実はそれほどのものでもなく,お金がからむとやはりシビアである事が判ったりして,何となく???が残る話でした.


第9話 運が悪けりゃワンパターン

脚 本:柏原 寛司
監 督:木下 亮
ゲスト :内田 稔/吉田 豊明/山西 道広/田中 筆子/大矢 兼臣/町田 幸夫/麻生 淳子

 今回は DARTS と久美ちゃんのコンビが前半活躍するお話.5年前に起きた銀行強盗の犯人達の仲間割れにまつわる話ですが,ストーリーの出来自体はシリーズ中では凡庸だと思います.また設定では『格闘に関しては全くダメ』なはずの JUN がヤクザ相手に結構立派に闘っていたりして,前回同様初期設定との食い違いが感じられる回でした.


第10話 運が良ければ特ダネだ

脚 本:石川 孝人,小川 英
監 督:木下 亮
ゲスト :笵 文雀/加藤 和夫/北村 総一朗/河村 弘二/簗 正昭/小山 武宏/池田 史比古/平田 弘美

 麻生探偵のライバルで,ゆすり・たかりを常習とする悪徳女探偵を演じるのがゲストの笵文雀さんですが,共に若くして故人となってしまいました.魅力的な俳優・女優さんだっただけに残念です.今回もダ−ツが中心となって活躍するストーリーですが,この DARTS というキャラクター,シリーズ全体を通じて最も良く書き込まれているキャラクターで,演じている柴田さんも他のキャストに比べて目立っていたような気がします.