a
1979 |
第336話 ドジな二人 |
脚 本:田波 靖男/安斉 あゆ子/小川 英 |
ボン&ロッキー時代になってやたら多くなったような気がするコミカルなエピソードの一篇.またこの頃からボスに替わって現場での陣頭指揮を執ることが多くなった山さんがカッコいいです.『キイハンター』常連俳優さんでしたがこのシリーズでは意外と出番の少なかった宮口二郎さんが,第13話,第61話に続いて久しぶり3度目で最後のゲスト出演を飾っています. |
第337話 偽装 |
脚 本:小川 英/中村 勝行 |
長さん主演の本格的ミステリー.『死者のアリバイ』から事件を解決に導く執念の捜査が見事でした.容疑者役の戸浦六宏さんはシリーズ唯一の出演作ですが,長さんの好敵手を上手に演じています.井上博一さん,福岡正剛さんら常連俳優さんたちが脇を固めていますが,本庁の幹部を演じることの多かった西田昭市さんが今回は珍しく千葉県警刑事という地味な役を演じてます. |
第338話 愛と殺人 |
脚 本:小川 英/畑 嶺明 |
ロッキー主演エピソード.ヒロインの結城美栄子さんは第202話『手紙』に続いて2度目のゲスト出演ですが,今回は同時期に『俺たちは天使だ!』にセミレギュラー出演しており,そちらのコミカルな演技と,このエピソードにおける狂いっぷりのギャップが激しく,強烈な印象を残しました.被害者役の河原崎次郎さんは,あと1度かなり後になって第671話『野獣』にゲスト出演しています. |
第339話 暴発 |
脚 本:柏原 寛治 |
第336話に続いて,今回は横浜を舞台に繰り広げられるボン&ロッキーのコミカルなエピソード.ヒロインの森下愛子さんは後の吉田拓郎夫人としてのイメージが強い女優さんですが,この頃は映画『十八歳,海へ』に主演等最もその魅力を発揮していた時期で,このエピソードでも可愛いおバカさんを元気よく演じています.それにしても,容疑者に逃げられたりそのドジっぷりが目立つボン&ロッキーのお二人,容疑者のカップルを甲州の面前で手錠につないだまま報知してドブさらいに励んだりしておりますが,いくらなんでもこれは道義的に人権上問題になるのでは? |
第340話 勝利者 |
脚 本:小川 英/高橋 紀子 |
長さん主演エピソード.ゲストの山西道広さん,ジーパン刑事・松田優作さんの盟友だった方で,第65話『マカロニを殺したやつ』で初登場,ジーパン編に3話出演後,シリーズの常連俳優さんとなりましたが,最初はチョイ役だったのにだんだん犯人役が多くなり,さらにはキャラクターがだんだん凶悪化していき,ついにはボギー刑事を刺殺する実行犯にまで出世されました. |
第341話 同期生 |
脚 本:小川 英/長野 洋 |
ゴリさん主演エピソード.ゲストの久富惟晴さん,この頃は野沢那智さんと並んでアラン・ドロンさんの吹き替え声優のイメージが強かったのですが,このシリーズでは常連俳優さんのおひとりで中でも初期はゴリさん主演エピソードへの出演が多かったような記憶があります.今回はゴリさんの同期生・八坂刑事役を好演しています.また.後のスニーカー刑事・山下真司さんが第324話『愛よさらば」に続いて2度目のテスト出演,今回は八坂刑事に替わってゴリさんとコンビを組む城北所刑事役でかなり長時間にわたって出演しています.ところで殿下の台詞によれば,逮捕術ではゴリさんに勝っていたはずの八坂刑事が,簡単に脱獄囚に反撃されてしまって身動きがとれなくなってしまったのはちょっと?でしたが.腹部に2発�も銃弾を受けても死なない不死身のロッキー刑事. |
第342話 何故 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
殿下主演エピソード.日活ロマンポルノのスターだった片桐夕子さんは大竹しのぶさんと共演した第276話『初恋』に続いて2度目の出演ですが,このシリーズには計5回出演していて,いずれのエピソードでも記憶に残るヒロインを演じていました.また,その夫役の富川激夫さんもこれがシリーズ出演6度目の常連俳優さんで,一癖も二癖もある役柄を度々好演していますが,今回の壊れっぷりも見事でした.お二人ともその出演作は名エピソードが多く印象に残っています. |
第343話 希望のサンバ |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ボン主演エピソード.容疑者と手錠で繋がれ行動を共にするボン刑事.この設定はマカロニ編でも同じようなストーリーがあって,その焼き直しみたいでした.シリーズ初出演の森田順平さんは,この後計6話に登場,常連さんの仲間入りを果たしました.その恋人役の三東ルシアさんはこれが唯一のシリーズ出演作となりました.「リオのカーニバルに行きさえすれば新しい人生が開ける」というイミフな考えに囚われたおバカさんのカップルを好演しています.ラスト,ボンの気障な台詞に対する長さんの爆笑がよかったです. |
第344話 射程距離 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
ロッキー主演エピソード.ロッキーが七曲署赴任前の三ノ輪署時代の事件の後日談という形のエピソードですが,この人七曲署赴任時には拳銃恐怖症だったはずなので,キャラクターの設定に食い違いが見られます.ゲストの三浦浩一さんはシリーズに何度か出演されていますが,ほとんど印象に残っていない俳優さんでした. |
第345話 告発 |
脚 本:小川 英/長野 洋 |
山さん主演エピソード.卑劣な殺人犯である容疑者に対して啖呵を切る山さんがカッコよく,『黄色いコート』のトリックが印象に残る良質のミステリーでした.初出演でヒロインの秋野暢子さんは5年後の第600話『七曲署事件 No.600』で再登場されています.ラスト,参謀役の山さんにまで後始末を押し付けられるボスが気の毒でした. |
第346話 華麗なる証人 |
脚 本:小川 英/中村 勝行 |
ゴリさん主演の本格ミステリー.ゲストの山本亘さんは,第277話『身代り』では父親に身代りさせる殺人放火犯でしたが,今回は証人として生命を狙われる状況に便乗しての殺人犯とせこい役柄ばかりで気の毒でした. |
第347話 謹慎処分 |
脚 本:小川 英/杉村 のぼる |
ボン主演エピソード.今回の田口刑事の行為は,明らかに被疑者に対する拷問であり,とても謹慎3日間で済む不祥事ではないと思います.シリーズ初期から常連の剛達人さんがこのエピソードではついにもう一人の主役といえる役柄を見事に演じてます.メインゲストで悪役の滝田裕介さんは,のちに第665話『殉職刑事たちよ安らかに』でh移転して警視総監役を演じています. |
第348話 ジュンとキング |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
ロッキー主演ボン助演の警察犬エピソード.そういえばロッキー刑事の木之元亮さんは,テスト出演の第245話『警察犬対ギャング犬』では,警察犬調教師の役を演じていました.動物を犯罪に使ってはいけません.メインゲストの山谷初男さんはかれが初出演で以後計5回出演されていますが,もう一人の武藤章生さんはすでにこれが5回目の出演となっています. |
第349話 見知らぬ乗客 |
脚 本:中村 勝行 |
山さん主演エピソード.被疑者も言っている通り,ひっかけを得意とする山さんの特にダーティさが目立つエピソードですが,開き直るその言い分もまた正鵠を射ています.ちょっと気の毒だった容疑者役の大出俊さんは,これが3度目で最後のゲスト出演でした. |
第350話 高校時代 |
脚 本:小川 英/畑 嶺明/皆川 隆之 |
ゴリさん主演エピソード.TV シリーズ『これが青春だ』,『でっかい青春』で売り出した竜雷太さんと岡田晋吉プロデューサーならではのエピソードといった感じですが,教師役の山本圭さんはこれがこのシリーズ唯一の出演回でした.不良生徒役にはアイドル・グループだった『ずうとるび』のお二人が扮しています.ヤクザに憧れて全く考えなしで犯行を重ねる不良生徒と,それを一旦見放していたはずなのにこれまた考えをころころ変えて説得しようとする教師が,ラストは抱き合って…というおバカさんたちのステレオタイプ青春ドラマですが,こんなのが視聴者に好意的に受け入れられていた平和な時代でした. |
第351話 密室殺人 |
脚 本:小川 英/柏原 敏之 |
殿下主演エピソード.連続殺人に対する4人の容疑者という本格的ミステリーなのですが,密室トリックの解明等,せっかくの推理ドラマが,クライマックスでの殿下の台詞『我々警察官にとって一番大切なのは物理的なトリックやアリバイよりもその人間の性格です』で一挙に台無しに….推理構築よりも主観を優先して事件を解決に導けるならばこんなに簡単なことはないし,またそれを簡単に受け入れて犯行を認めてしまう容疑者も容疑者だし,何よりもヘンなのはせっかくの作品を自ら壊してしまった脚本陣だと思うのですが,一体何だったんだろうね? この作品. |
第352話 ボン・絶体絶命 |
脚 本:畑 嶺明 |
ボン主演エピソード.殺人機械と化す元本庁特殊部隊の警備員ってモノすごい設定ですが.このシリーズには1回のみのゲスト出演だった佐藤允さんならではのはまり役でした.もっともこの方,個人的にはそれまでサントリービールの CM キャラとしてしか記憶になかったのですが…? |
第353話 ラスト・チャンス |
脚 本:小川 英/渡辺 由自 |
長さん主演エピソード.メインゲストの柳生博さんと深江章喜さんはシリーズ初期からの常連俳優さんですので今回は省略.それよりもこのシリーズ,テアトル・エコー関連のどちらかというと声優さんとして有名だった俳優さんの起用が多かったのですが,今回は阪脩さん,槐柳二さん,信沢三恵子さん,辻村真人さん,八代駿さん,峰恵研さんと当時でも有名な声優だった方が多数出演されています.当時アニおただった人間にとっては嬉しいエピソードでした. |
第354話 交番爆破 |
脚 本:小川 英/杉村 のぼる |
ロッキー主演エピソード.ボンとロッキーの制服姿が見られる珍しい作品.このシリーズが放映されていた頃,実社会でも長髪の警察官は時折みっられましたが,ヒゲ面のおまわりさんを見た記憶はありませんでした.ゲストの牟田悌三さんの老巡査と蟹江敬三さんの爆破犯と二見忠男さんの酔っぱらいはいずれも役だったと思います.あと,前回の阪脩さんに続いて今度は奥様の太田淑子さんが交番にワンちゃんを預けに来る女性の役で出演されているのを見つけて,なんとなく嬉しい気持ちになりました.『クレクレタコラ』,ご存じかな? |
第355話 ボス |
脚 本:鎌田 敏夫 |
久々のボス主演エピソード.とにかく石原裕次郎さんがカッコいい,『太陽にほえろ!』シリーズ全エピソードの中でもベストに挙げられる1本だと思います.七曲署捜査一課のレギュラー陣もそれぞれのキャラを生かしたフォローをしており,また,ゲストの北村和夫さん,睦五朗さん,三浦真弓さん,井上博一さん,遠藤征慈さんもそれぞれ重要な役柄を見事にこなしているのですが,何といっても印象に残っているのが事件解決の決め手となる中田博久さんのスター俳優役でした.確かこの方,シリーズ初登場の第158話『顔』でも俳優役で出演されていましたが,他のエピソードにおける悪役よりもそれらがハマっていたような気がしていて,まさに適役だったと思っています. |
第356話 制服を狙え! |
脚 本:杉村 のぼる/小川 英/原 隆仁 |
第352話に続いてまたしても絶体絶命の窮地に立たされるボンの殉職が近いことを覗わせるエピソード.シリーズ初期に七曲署鑑識課高田助手役でセミレギュラー出演していた北川陽一郎さんが国際映画撮影所員役で顔を見せている他,後に少年課吉野巡査役でセミレギュラー入りする横谷雄二さんが物語ラストで初登場しており.新旧セミレギュラーの顔見世回となっています. |
第357話 犯罪スケジュール |
脚 本:中村 勝行/小川 英 |
殿下主演エピソード.悪役常連の田口計さんが七曲署捜査一課に防犯訓練を依頼する管理部長役で出てくるので,ぜ~ったいこの人が犯罪の黒幕ダな~んて思っていると,見事に騙されます.複数の犯人による犯行がからみあった複雑な犯罪の背後には…,その動機も含めて『意外な真犯人の意外な犯行』を見事に描いた,高度で良質のミステリー・エピソードでした.実行犯リーダー役の片岡五郎さんは,シリーズ初期に新聞記者役でセミレギュラー出演されていました. |
第358話 愛の暴走 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ロッキー主演エピソード,雑誌のペンフレンド・コーナーにインベーダー・ゲームに暴走族,昭和の時代をこれでもかって感じさせてくれるエピソードです.登場人物が,みんな何を考えているんだかわからんおバカさんなキャラクターばっかりで,こんなドラマが当たり前のように放映されているところなど,ある意味メチャクチャだけど面白い時代でした. |
第359話 ジョギングコース |
脚 本:小川 英/渡辺 由自 |
ゴリさん主演エピソード.ヒロインの岸本佳代子さんの中学生という設定はちょっと無理があるような気がしたので調べてみたところ,1960年12月生まれということなので当時18歳でした.また,劇中の写真店のセットにやたらと『フジカラー』の看板やのぼりが写っているので,当時岸本さんが出演していたCMの関連かと思ったのですが,そのCMは実は1980年代になってから放映されていたそうなので,このエピソードの放映の方が実は先だったみたいです.あと常連の山本紀彦さん,大村千吉さんのほか,元セミレギュラーの北川陽一郎さんが第356話に続いてゲスト出演されています. |
第360話 ボンは泣かない |
脚 本:小川 英/畑 嶺明 |
ボン主演エピソード.ヒロインの紀比呂子さんは第237話『あやまち』での谷隼人さん扮する刑事の婚約者役に続いて2度目のゲスト出演.初出演の木原正二郎さんは以後ゲスト常連となってヤクザさんばかり演じており,今回は戸川組幹部役だったのが第461話では同じ戸川組組長となっている他,響組や竜神会の幹部役を演じており,ヤクザ社会での転職が激しかった模様です? |
第361話 殺人鬼 |
脚 本:小川 英/杉村 のぼる |
殿下主演エピソード.メインゲストの名古屋章さんはシリーズ唯一の出演作.その息子役の氏家修さんはこの後第411話『長さんが人を撃った』や『俺たちは天使だ!』にもゲスト出演されており気になっていた俳優さんだったのですが,いつの間にか姿を消してしまいました.調べてみたところ,映画『サーキットの狼』で風吹真矢という名前でデビューした後改名し, NHK 大河ドラマにも出演していたそうですが,現在は引退して新宿でバーを経営されているとのことでした.今回ストーリー展開上重要な役柄を演じている青木和代さんは,どちらかというと声優さんとして活躍されていた方ですが,このシリーズのゲスト常連のおひとりでした. |
第362話 デイト・ヨコハマ |
脚 本:柏原 寛治 |
ロッキー主演エピソード.後に結婚する早瀬婦警とのデートがらみの合同捜査って,これ公私混同じゃん.だからバチが当たったのです.自動車泥棒役の中村ブンさんは6回目のゲスト出演で今回は主役をはっていますが,これが最後になってしまいました.相手役のナンシー・チェニーさんは樹れい子さん(ファンでした)の後任の『11PM』カバー・ガールを勤めていたモデルさんです.ヤクザさんの中村孝雄さんは常連さんでしたが,木村元さんはこのシリーズ意外と出演が少なく,今回が3度目で最後の出演でした. |
第363話 13日金曜日ボン最期の日 |
脚 本:長野 洋 |
マカロニ,ジーパン,テキサスに次いで4人目となった,ボン殉職エピソード.前回のテキサスから3年ぶりの殉職ということですが,これは何度もファンから延命嘆願があったためで,当時の宮内淳さんの人気の高さを伺わせます.個人的には,これが初放映時に観ることができた初の刑事殉職エピソードだったので,かなり印象に残っています.実は,初放映時に観ることができた殉職エピソードは,大学在学中に放映されたこのエピソードと翌年の殿下殉職編の2本だけだったりするのでした.ヒロインの根岸とし江(現・季江)さんは第295話『二つの顔の男』での共演を経て,宮内さん自身のご指名によって,再度の共演となったらしいです.ところで,ボスは預かったボンへのお礼のシャツを机の引き出しから取り出すのですが,他にしまうところなかったのかしら? |
第364話 スニーカー刑事登場! |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
ボン殉職編と前・後編をなすスニーカー登場編.しかしながら,共通のゲスト出演者は,ヒロインの根岸とし江さんと犯人役の望月太郎さんのみという,ちょっと珍しい趣向のキャスティングです.このエピソードも初放映時に観たはずなのですが,スニーカーというニックネームがボス直々の命名だったのを今回 DVD で観るまで,失念していました. |
第365話 その一瞬…! |
脚 本:中村 勝之 |
ゴリさん主演エピソード.本シリーズ恒例の刑事殉職エピソードの前後には,このシリーズのメインテーマでもある『生命の大切さ』を強調したエピソードが多いように感じられますが,その中でも秀逸な一話だと思います.但し,ガソリンスタンドではポリ容器にガソリンを売ってはくれません.警察学校教官 OB 役の近藤洋介さんは,このエピソードのみの出演だと思っていたのですが,6年後の第677話『あなたを告訴する』にも出演されていました. |
第366話 真夜中の殺意 |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
ロッキー主演.『都会の孤独』を描いた秀逸なエピソード.この1979年頃,東小金井の『岩戸荘』というアパートの2Fの部屋に住んでいたのですが,窓の下を西武多摩川線が走っていて.,時々線路を通路代わりに利用していました.昔は現在ほど『線路内立ち入り』について警察も鉄道会社もうるさくなかったのです.昭和って良くも悪くもおおらかな時代だったと思います.ヒロインの坪田直子さんって加川良さんの『十月は黄昏の国』でデビューされた方で,わりと好きなタイプの女優さんでした.ほとんど他では拝見したことがなかったのですが,このシリーズでは4回ゲスト出演されています.犯人役の森田順平さんはシリーズに6回ゲスト出演されていますが,2年後の第468話『殴られたスニーカー』でもちょっとアブナイ犯人役を上手に演じていました. |
第367話 跳べ!スニーカー |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
スニーカー主演エピソード.ゴリさんに対する不信感を抑えられないスニーカー.これ今観ると,翌年のスコッチ復帰時のプロトタイプみたいなエピソードだったようにも思えるのですが…? メインゲストの今福将雄さんはこのシリーズ5回のうち3度目の出演ですが,いずれのエピソードでもストーリーのキーポイントとなる重要で印象的な役柄を演じています.ヤクザさんの江角英明さんと椎谷建治さんはおなじみの顔ぶれです. |
第368話 事件の背景 |
脚 本:小川 英/柏倉 敏之 |
長さん主演エピソード.天才的な知能犯とたたき上げ刑事の対決を描いたありがちなパターンですが,中でも今回の犯人は最も優秀だったかもしれません.しかしながら決定的な証拠もないのに,長さんの脅し(?)に簡単に屈してしまうあたり,見掛け倒しでヘタレな容疑者でした.演ずる米倉斉加年さんは第320話『翔べないカナリア』に続く2度目の出演ですが, Part 2 の最終話『さらば七曲署』では篁係長の元旦那様を演じてました. |
第369話 その一言 |
脚 本:長野 洋 |
殿下・スニーカー主演エピソード.前回長さんの直感の鋭さに感服していたはずのスニーカーが今回はさっさと尊敬の対象を殿下に替えて,軽薄ぶりを発揮しています.この新人刑事,これまでの誰よりも思い込みの激しいキャラクターがよく描かれていました.この頃『サザエさん』磯野カツオ役の声優さんだった高橋和枝さんは初のゲスト出演ですが,この後も2回出演されています. |
第370話 恐怖の食卓 |
脚 本:小川 英/畑 嶺明 |
ロッキー主演エピソード.各刑事のボンの殉職を引きずった最後のエピソード.自分の誕生日に放映されたこともあって印象に残っているエピソードですが,人質に取られる家族のお父さんとお母さんがスナフキンとジムシイだったのには後で気が付きました.犯人役の峰竜太さんはこの時期石原プロ所属俳優で『西部警察』ではレギュラー刑事役だったのですが,このシリーズでは犯人役が多く,そのギャップがちょっと楽しかったです. |
第371話 愛するもののために |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
山さん主演エピソード.この回から七曲署捜査一課のデスクチェア等内装がリニューアルされています.今回の山さん,私情にかられて無抵抗の容疑者を殴っていますが,こういうことをしているから度々降格処分を受けて万年警部補となっているのです.ヒロインの松本留美さん,犯人役の有川博さん,ともにゲスト初登場ですが,この後にも4~5回出演されています. |
第372話 最後の審判 |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
ボクシングの世界タイトルマッチのレフェリーに八百長を要求する誘拐事件をめぐって捜査一課チームの面々が活躍するエピソード.誘拐事件としては非常に珍しいケースですが,このような場合,営利誘拐ではないので単純誘拐ということになるのでしょうか? 素朴な疑問です.レフェリー役の菅貫太郎さんは,このシリーズ唯一のゲスト出演でした. |
第373話 疑わしきは |
脚 本:中村 勝行 |
スニーカー主演エピソード.第358話『制服を狙え』のラストシーンに顔を見せていた制服巡査が今回は五代刑事の後輩という設定で,吉野巡査というキャラクター名も与えられていますが,演じる横谷雄二さんは,この頃『俺たちは天使だ!』にゴリラこと神保刑事役でレギュラー出演しており,そちらからのシフトでこちらにもセミレギュラー入りを果たしたように思われました. |
第374話 直感 |
脚 本:小川 英/畑 嶺明 |
ゴリさん主演エピソード.重傷を負った殿下が実は自分の身代わりに狙撃されたことを知り怒りに燃えるゴリさんの執念の追跡…というお話ですが,よくわからんのがこの犯人のキャラクターで,逮捕につながるほどの証拠も見つかっていないのに何故か逃げまどい,挙句の果てにゴリさんとロッキーに追いつかれ,ライフルを手にしていながらロクな抵抗もできずにあっけなく逮捕されてしまうという,狙撃による暗殺という手段を弄したわりには,計画性も何もあったものではないという不思議ちゃんでした. |
第375話 護送 |
脚 本:長野 洋 |
殿下主演エピソード.予告編が病院のベッドに寝ている殿下のシーンから始まるので,前回ゴリさんの代わりに狙撃されて重傷を負った殿下のその後の話かと思ったのですがそうではなく,全く別のえぴそーどですが,かわいそうに護送中の犯人に殴られて負傷して入院してしまうというご難続きの島刑事ですが,優しすぎる刑事・殿下の真骨頂ともいうべきハートウォーミングストーリー.犯人役の平泉征さんは第17話『俺たちはプロだ』以来久しぶりのゲスト出演でしたが,この後シリーズ後半にかけて常連俳優さんのおひとりとなりました.第205話・第247話では七曲署巡査を演じていた石田太郎さんは,今回は館山署の刑事役ですが,部下に「係長」と呼ばれています. |
第376話 右往左往 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
スニーカー主演エピソード.犯人役の多い佐々木勝彦さんが珍しく脅迫される被害者を演じていると思ったらやはり悪い人でした.やはり犯人役の多い磯村健治さんは今回も恐喝の犯人だと思われましたが実は殺されていて珍しく被害者でした.ところで.このスニーカーという新人刑事,これまでのどの新人刑事よりも思い込みの激しいキャラクターで,当初誤認逮捕や先輩刑事との衝突も多く,ほとんど性格破綻者気味だったので,あまり感情移入できませんでした. |
第377話 秋深く |
脚 本:小川 英/渡辺 由自 |
ロッキー主演エピソード.渥美国泰さんが娘の犯罪を隠蔽するために偽装誘拐を計画する父親役を好演しています.娘役の森田あけみさんは綺麗な方でしたが,この後姿が見られませんでした.ところで,捜査に当たり犯人を逮捕した刑事が,仮釈放嘆願書の発起人になれるのかしら? |
第378話 やさしい棘 |
脚 本:小川 英/畑 嶺明 |
スニーカー主演エピソード.前々回の第376話『右往左往』で初の始末書を書くハメになったスニーカーが,今回は早くも最初の辞表を提出.このキャラ,すぐに辞表を提出し,第401話『紙飛行機』では実際に辞めて工事現場で働いたりした挙句,最後は殉職ではなく退職という形で番組から姿を消す珍しいケースでした.但し,ゴリさんをはじめ捜査一課の面々はすぐに辞表を出すのが恒例のようで,ボスの引き出しは預かった辞表で一杯というオチ.責任を取って辞めるというのは,潔いようでいて実際は責任を放棄していることに他ならないので,無責任集団ですね. |
第379話 旅の夢 |
脚 本:小川 英/中村 勝之 |
殿下主演.旅行に行ったふりして部屋にこもっているという妄想女子の印象が強烈で,記憶に残っていたエピソードでした.ヒロインの光丘真理さんていう方,他で拝見したことがないので気になって調べてみたところ,女優は早々に引退して児童文学作家に転身されていたみたいです. |
第380話 見込捜査 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
山さん主演エピソード.『山村刑事プロデューサーセレクション』収録作品.犯罪そのものよりも,いかにして証言は覆されるのかに主眼を置いたシリアスな法廷劇.弁護士役の岡田英次さん,検事役の早川保さん,そして証人役の井上孝雄さん.すべて適役でした. |
第381話 ともしび |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ゴリさん主演エピソード.受刑囚と図書館に勤める独身中年女性の文通を通じての心の交流を描いた人情ドラマじみた作品で,この2人に好意的にストーリーは展開していますが,黙って写真を利用された挙句襲われた若い同僚女性や,それを阻止しようとして殴られて拳銃を奪われた吉野巡査からしてみればえらい迷惑な話で,納得のいかないストーリーでした.この場合,他人の写真を勝手に利用したこの女性の法的,道義的な責任はいかなるものか? また,無期懲役の仮保釈中に警官襲撃とい重罪を犯したこの受刑囚は今度こそ一生刑務所から出すべきではないのか? などと考えていくと,ラストで簡単にゴリさんの浪花節に説得されてしまうのではなく,目を離したすきに無理心中というのが,ふさわしい結末のような気がしてしまうのですが? |
第382話 甘ったれ |
脚 本:長野洋 |
長さん主演エピソード.自動車窃盗,死体遺棄,恐喝の3連荘累犯では,情状酌量や執行猶予はおろか,かなりの長い間懲役となると思うのですが,そんな容疑者を「まだ若いのだからきっと立ち直れる」などとのたまう長さんの方が甘いのではないか? 素朴な疑問でした.ところで劇中に身障者の運動会の風景が出てきますが,現在だったらクレームつきそうな映像だと思います. |
第383話 兄貴 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
ロッキー主演エピソード.ロッキーの兄・岩城雅也役の浜畑賢吉さんは第261話『偽証』に続いて2度目で最後の登場ですが,今回は被疑者としてロッキーと対決する姿が描かれています.その妻・静子役はラナちゃん信沢三恵子さんが演じていますが,ロッキー刑事殉職後の第665話では別人が雅也の妻として登場しており,今回のラストでエリート商社マンだった雅也は会社を辞めてしまっているみたいなので,愛想をつかして離婚したものと思われます.ラナちゃん冷たいです. |
第384話 命 |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
スニーカー主演エピソード.『太陽にほえろ!』シリーズの一大テーマともいえる『生命の大切さ・尊さ』を前面に打ち出したエピソードですが,せっかくそれぞれ被害者・容疑者と目される梅野泰靖さん,梅野栄さんの好演が目立つ半面,ヒロインの処遇に不満が残るストーリー展開が残念な一篇でした.どんな理由があろうとも証拠の捏造というのは大罪であり,不問に付されてはいけません.そんな未消化なエピソードの中,スニーカーの煩悶に対するボスの一喝が印象的でした. |
第385話 死 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
殿下主演エピソード.前回を対をなす『死』という重大テーマを取り扱い,子どもという題材を必要以上に美化することの多い日本のテレビドラマの中で,その無邪気さ故の恐ろしさ,純粋さ故の狂気にメスを入れた,辛口のストーリーが際立った傑作エピソードだったと思います.当時実際に起きた小学生の殺人事件の報道に触発された岡田プロデューサーの問題提起の一篇でした. |
第386話 信頼 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ゴリさん主演エピソード.山本紀彦さんが犯罪を犯してしまうゴリさんの友人を好演していますが,七曲署捜査一課歴代刑事の中で,その係累が犯罪を犯してしまうケースは,ゴリさんが圧倒的に多かったような気がします.刑事になる前の本人の経歴ならびに交友関係に問題あり? |
第387話 雨の中の女 |
脚 本:小川 英/石川 孝人 |
ロッキー主演エピソード.登場時拳銃恐怖症だったロッキー刑事が初めて犯人を射殺してしまうエピソードで,ロッキーの成長と共に長かった新人刑事時代の終焉,そして可哀そうな女性の復讐物語を描いた好篇ですが,ラスト,激情にかられて被害者の方を殴ってしまう蛮行はやっぱりいくらなんでもまずいのでは…? 一般人に対する暴行は刑事でなくても重罪なので,免職程度ではすまないと思うのですが? マカロニはじめ代々の先輩新人刑事の行ってきた七曲署捜査一課の伝統? 「どうにもならないことがあるんだ」,ボス,正しいけど慰めになっていませんが? |