1981 |
第439話 ボスの告発 |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
久しぶりボス主演エピソード.偶然かもしれませんが,この年から3年連続新春第一話をボスのエピソードが飾っています.また,番組開始時からの「性犯罪を扱わない」というポリシーを初めて破った作品ですが,実はこれ後に社会問題化したセカンドレイプの問題を鋭く指摘した作品だったと思います.ボスの相手役でヒロインの白石まるみさんは第408話『スコッチ誘拐』で,スコッチをおびき出すために誘拐された女子高生でしたが,今回は空手部員行きつけのスナックで引き語りをやっていたり,大学生相手に恐喝をやっていたり,完全に不良化していました.このエピソード自体,現在ではちょっと放映されないと思われるムチャクチャな設定がなされていますが,こういう時代だったのです.もう一人ゲストの根上淳さんは1975年の第153話『モナリザの想い出』以来久々の出演でした. |
第440話 強き者よ,その名は… |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ロッキー主演作.容疑者のヒロインと出産を控えた妻・令子を重ね合わせて,「すべての動物の中で一番強いのは子を持つ母親である」という説を実感させられるようなエピソード.スコッチ刑事はお得意の単独操作で独自の情報を入手,ロッキーとスニーカーに提供しています.ところで被害者の妹で情報を隠蔽していてスコッチに怒られる執行佐智子さんの苗字,何て読むんだろう? あと加藤美月さんってどの女優さんかなって思ったのですが,赤ちゃんの芸名だったのね? |
第441話 カーテン |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
犯人の首つり自殺を止めるためにライフルでロープを撃つシーンが印象的なゴリさん主演作.滝刑事,今回はゴリさんに無線で「こちらスコッチ」,自らニックネームを名乗る習慣が定着したようです.またよじ登ろうとするドックに「気をつけろ」と言ってますが,実際にこの撮影時神田さんは飛び降りた際に脚を捻挫したらしいです.ヒロインの高沢順子さんは第272話『秘密』以来久しぶりの2度目の出演,イカルス星人山本廉さんはこのシリーズ6度目で最後のゲスト出演でした. |
第442話 引金に指はかけない |
脚 本:小川 英/土屋 斗紀雄 |
スニーカー主演作.犯人役は常連の片桐竜次さん.犯人を目撃していたプードルを抱いた宝くじ販売員に対して聞き込みを行った後,2度とも本人に対してではなく犬に対して律義にお礼を言うスニーカー.今回のスコッチ刑事は,刑事部屋の外で立ち聞きしていて「しかしそうなるとボス」と会話に割り込んできますが,やっぱりこの人病死しなかったら山さんみたいな刑事になっていたのかしらね? 販売員を演じた高橋和枝さんはこのシリーズ3度目で最後のゲスト出演でした. |
第443話 あなたは一億円欲しくありませんか |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
史上最大12億円強奪事件を追う七曲署の8人の刑事 VS 8人の容疑者.しかしながら司令塔だった男は事件の前日に死亡していた.という,番組の中でもスケールの大きなミステリーを描いた佳作.スコッチ主演作の中でも大好きなエピソードです.今回スコッチとコンビを組むのはドックで,沖さんと神田さんが『俺天』以来の息の合った共演を見せてくれています.スコッチがドックに言う「捕まえればただの犯罪者」というセリフですが,いつの間にか『俺天』に回帰していた感じでした.ラストシーン,ナーコだけでなくスニーカーもジュース飲んでいるのは今晩の当直だから? |
第444話 ドック刑事のシアワセな日 |
脚 本:長野 洋 |
ドック刑事・神田正輝さんとこの番組では常連ゲストの峰竜太さんの石原プロモーション同門対決.残念ながら峰さんと社長である石原さんとのからみは見られません.石原プロ製作の『西部警察』では峰さんが刑事役で,神田さんは特番かなんかにテロリスト役でゲスト出演したことがあるそうですが,残念ながらそのエピソードは未見です.あと,やはり常連ゲストの木田三千雄さんがストーリーの要所要所でドック刑事の脚をひっぱる役どころを流石に上手に演じています. |
第445話 人質を返せ! |
脚 本:峯尾 基三 |
ゴリさん主演エピソード.前回に引き続き『西部警察』メンバーの五代高之さんがゴリさんの後輩で妹を誘拐されてしまうゲスト出演しています.この妹役の平野真理さん,気になったので調べたら五代さんの奥さんらしいのですが,この当時すでに結婚していたのでしょうか? もう一人の笹入舟作さんはこのシリーズ常連の俳優さんで,今回は覚醒剤密造グループの元薬剤師・古賀という役柄ですが,逮捕時スコッチ刑事に「動いたら撃つ!」といきなり撃たれて逮捕された挙句,人質救出のために泳がされ,逃げる際に殴ったドックとロッキーに再逮捕時にボコボコにされるという悲惨な目にあっています.これって完全な私怨でしょ? スコッチ刑事は先述の逮捕シーン以外に,取り調べ室で逆上するゴリさんを羽交い絞めにして制したり,夜間の招集時に自家用車でドックをお迎えに行ったり,ストーリーの要所要所で見せ場を演じていてなかなかよろしいです. |
第446話 光る紙幣 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
執念の山さんエピソードであると同時に,山さんをサポートして5千円札に付着した指紋の持ち主をしらみつぶしに探していく七曲署捜査一課メンバーの地道な捜査,前回同様チームワークを描いた作品.宝くじ売り場のおばさん役の野村昭子さんが印象的な演技を見せてくれています. |
第447話 侵入者 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ロッキー夫妻宅に志賀勝さん扮するム所帰りの男・矢沢が泊まり込んで,ロッキーが捜査の傍ら矢沢の職探しを手伝うというストーリーは,第239話『挑発』での殿下のエピソードを思い出しましたが,殿下が結局裏切られ利用されていたのに対し,こちらはロッキーが矢沢の心を動かすというハートフルな結末に終わっています.七曲署の刑事さんたちって本当に面倒見がいいのね? |
第448話 風船爆弾 |
脚 本:古内 一成/小川 英 |
スニーカー主演エピソード.ゲスト常連の野瀬哲男さんは,以前の第247話『家出』では殿下相手に他人のアパートに籠城する家出少年,後には第493話『スコッチよ静かに眠れ』でスコッチをつけ狙い結局死に追いやる執念深い復讐鬼を演じていますが,今回はスニーカーに一方的に絡む爆弾男の区役所苦情係職員というこれまたとんでもない奴で,とにかく印象に残る役が多いです.その後引退してしまったのはちょっと残念かも.ビル街に浮遊する風船爆弾を発見するや否や即座に「風船50個にダイナマイト3本」と報告するスコッチ,目も良くて数えるのも早いのね? |
第449話 ドック刑事 雪山に舞う |
脚 本:長野 洋 |
放映450回記念作品として作られたドック刑事主演の前編.神田さんに関しては俳優デビュー以前にスキーのテスターだったとのことなので流石に上手いな〜って感心して観てましたが,今回ゲストの西沢利明さんも北海道出身でスキーの達人だということを後で知って納得.設定で沖縄出身のスニーカーと北海道出身のロッキーが応援に駆け付けますが,2人ともテニス同様スキーはダメということで,スニーカーはともかくロッキーはミスキャストでは? |
第450話 ドック刑事 雪山に斗う |
脚 本:長野 洋 |
同じく後編.飛行機嫌いのためこれまでロケに参加したことのなかった露口茂さんがついに初参加.留守番組のスコッチは,共犯の娘(里見和香さん)を単独で逮捕というおいしい役回りですが,プロフィールに『スポーツは万能』と書かれていることの多かった沖雅也さん,スキーはどうだったのでしょう? あと,前編の伊東しず子さんと後編の伊藤しづこさん,同一人物ですよね? ドック刑事と殺し屋・都築(西沢利明さん)の対決シーンは,シリーズ中でも印象に残っている名場面だったと思います. |
第451話 ゴリ,危機一発! |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
プロの殺し屋死亡でゴリさんをつけ狙う危険な男を演じている古城和孝さんって方,実はスニーカー刑事の後の新人刑事候補の一人で,このエピソード収録時は竜さんや沖さんに拳銃の撃ち方の指導を受けたらしいですが,結局採用されたのはラガー刑事となった渡辺徹さんで,その後姿を消してしまいました.ストーリー中盤ではゴリさんとスコッチのコンビでの捜査場面が見られますが,この二人,殿下亡き後は最も仲良しさんになったみたいです. |
第452話 山さんがボスを撃つ !? |
脚 本:小川 英/加藤 宏美 |
当時女子高生だった加藤宏美さんから応募されたシナリオを元に作られたエピソードで,視聴者から送られたシナリオをもとに作られたストーリーとしては第79話『鶴が飛んだ日』に次いで2作目ということですが,どちらの作品も素人が作ったとは思えない素晴らしいプロットを持ったドラマで,シリーズ中でも傑作と言える作品だったと思います.ゴリさんとスコッチがドックを挟んで説明する場面ですが,七曲署メンバーのボスと山さんに対する無条件の信頼を感じさせられて好きなシーンです.犯人役の河原崎健三さんは番組黎明期の第3話『あの命を守れ!』でのマカロニ刑事とのからみが印象的でしたが,その後第283話『激突』以来久々のゲスト出演です. |
第453話 俺を撃て!山さん |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
視聴者から寄せられたシナリオをもとに作られたエピソードの後編で,こちらはほとんどプロの手によるものらしいですが,正直言ってちょっとがっかりしました.前編で提示されたプロットと犯人のキャラクター設定が素晴らしかったのに対して,後半のストーリー展開ではいとも簡単にだらしなく犯人が改心してしまうので,前半を観て後のストーリー展開に対して膨らんでいた期待がものの見事に崩れ去ってしまった感じです.この前後編の放映された頃,沖さんは自殺未遂とも言われた交通事故を起こして療養のため番組を離れることになりますが,確かに顔色が悪く,眼に力もなくやつれている感じで,本人もそれを自覚していたのか,ラストの爆弾撤去シーンではサングラスをかけているのがかえって不自然な感じでした.可哀そうに具合悪かったのね? |
第454話 スコッチ,市民を撃つ |
脚 本:古内 一成/小川 英 |
第415話『ドクター刑事登場!』で,犬が苦手であることを告白していたはずのスコッチ刑事が,どういうわけか犬がらみの事件で活躍.この頃実生活で交通事故を起こした沖さんは第457話から番組を欠場,第463話から復帰しますが,やはり犬にまつわる主演作の第474話『ロボは知っていた』のあと第477話から再び欠場してしまいます.やっぱり犬は鬼門だったのかも? 猫にすればよかったのにね.ゲストの深水三章さんの「売れない」ロック・シンガーという設定は説得力ありますが,個人的には動物を凶器に使う殺人というのは最も許せないので,このエピソードの犯人が一番凶悪で,それを追い詰めるスコッチ刑事は最も偉大なヒーローだったのです. |
第455話 死ぬなスニーカー |
脚 本:高際 和雄 |
殿下殉職前に思わせぶりなタイトルのエピソードを連発して視聴率を稼ごうとしたのと同じようなことをやっていて,このあと第460話では『スニーカーよどこに行く』というタイトルで暗にスニーカーの辞職が近いことをほのめかしているみたいです.ゲスト常連の沖田駿一さん,今回はチンピラではなく『大物』麻薬ブローカーの役ですが,はったりの効いた設定のわりにあっさりと死んでしまいました.井上高志さんは第431話『誰が彼を殺したか』の奇癖を持つ被害者役が印象的でしたが,今回は被害者と思わせておいて実は加害者の役で,後に第632話『恐ろしい』では七曲署交通課捜査員役を演じているので,被害者・加害者・警察官のすべてを演じている常連さんの一人です.その妹役でこのエピソードの主役とも言える東啓子さんは今回が初のゲスト出演ですが,その印象が強烈だったためか,この後だいたい100話おきに3度起用されています. |
第456話 ボス,俺が行きます! |
脚 本:長野 洋 |
ゴリさんが佐藤晟也さんとスーパー・リキさんにリンチを受けるシーンが壮絶ですが,ストーリー自体はほとんどマンガです.そのほとんどマンガのキャラを演じる早坂直家さんはこれが最初の出演ですが,この後4回のゲスト出演を果たしています.この頃から番組自体の雰囲気が変わってきたのと並行して,ゲスト陣も徐々に入れ替えが行われてきた感じです.七曲署長役の平田昭彦さんが久しぶりの出演で,ゴリさん・ドック・スニーカーの暴走トリオ相手にいい味出してます. |
第457話 長さんが刑事をやめたくなった |
脚 本:小川 英/亜土 久 |
この回からスコッチ刑事=沖雅也さんが番組欠場.駅のコインロッカーと女性トイレを利用した現金強奪の鮮やかさが印象に残っているエピソードです.犯人(小坂一也さん)の奥さん役の信沢三恵子さんはシリーズゲスト出演の多い声優さんの一人で,第383話ではロッキー刑事の義姉を演じていますが,この当時『未来少年コナン』ラナ役,『母を訪ねて三千里』フィオリーナ役等でアニメファンに人気があった方だったので,クレジットに名前が出ると一生懸命探してました. |
第458話 おやじの海 |
脚 本:小川 英・古内 一成 |
ロッキー主演エピソード.サブタイトルは当時ヒットした演歌の曲名からとられたものと思われます.殺人事件の犯人を目撃したと思われる少女に優しくアプローチするロッキーと厳しく証言を急がせようとするスニーカー,最終的にはゴリさんも少女に直接説得しようとしますが,結局ロッキーが少女の心に訴えかけ…,というストーリーの流れを観ていて,もしこのエピソードにスコッチ刑事が出演していたら…?,と思わず考えてしまいました.欠場していても存在感ありましたね. |
第459話 サギ師入門 |
脚 本:古内 一成/小川 英 |
第432話『スリ学入門』に続くドック刑事『入門シリーズ』第2弾.コメディー・タッチのエピソードですが,ゲストの穂積隆信さんと江幡高志さんはまさに適役でいい味だしてます.しかし最高なのはラストの長さん.今回からスコッチに次いでボスも欠場.司令塔としての山さんとの役割が大きくなるとともに,今回は出演していませんが署長役の平田昭彦さんの出番が多くなっていきます. |
第460話 スニーカーよ,どこへゆく |
脚 本:尾西 兼一/小川 英 |
劇中で長さんが「2度目」と言ってますが,第378話『優しい棘』,第401話『紙飛行機』以来スニーカー3度目の辞職.しかも今回はボス不在の時期に容疑者を脱走幇助というムチャクチャな設定ですが,免職は必至という状況の中で刑事としての自分にジレンマを感じるスニーカーの心情と,警察機構に対する一種のアンチテーゼを現した好編となっています.ゴリさんの聞き込みの相手役で,後にスニーカーに替わってレギュラーとなるラガー刑事役の渡辺徹さんがテスト出演してますが,これまでの松田優作さん,勝野洋さん,宮内淳さん,木之元亮さん,そして2度もテストされた山下真司さんがエピソードに関わる重要な役割だったのに対して,顔見せ程度の出演です. |
第461話 ドックのつぶやき |
脚 本:高際 和雄/小川 英 |
前回のスニーカーに続いてチンピラ(飯山弘章さん)との友情が芽生えるドック.ボスとスコッチの休演が番組のおこちゃま化に拍車をかけている感じですが,後にゴリさんの跡を継いで新人刑事の教育係となるドックの成長過程を描いた最初のエピソードで.やはり好編だったと思います. |
第462話 あなたにその声が聞こえるか |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ゴリさんの二人目の恋人となる耳の不自由な女性・麻生晴子.演じる水沢アキさんは第185話『虹』では別役でゲスト出演していますが,今回以降セミレギュラーとしてゴリさん主演エピソードに度々姿を現します.聾者という難しい役柄を見事にこなしていましたが,特に今回の初登場エピソードは印象的な熱演でした.いま観るとボス不在時にスニーカーの辞職そしてゴリさんの殉職への伏線が次々と貼られていっているような感じがするのですが,考えすぎ? また彼女の上司の戸田教授を演じている草薙幸二郎さんは以前はボスの友人のジャーナリストだったはずなのに,このエピソードからかなり後の第601話『アイドル』からは平田昭彦さん演じる西山署長の後任として,第4代七曲署長・大和田所長に転身しています. |
第463話 六月の鯉のぼり |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
各刑事の職業観をちりばめて描かれるドック成長物語第2弾とも言える作品で,一応長さん・ドック主演エピソードですが,どうしてもスコッチ復帰エピソードとしての印象の方が強いのです.約1ヵ月半ぶりに番組に復帰した沖さんはこの時5kg肥っていたそうですが,今回改めて拝見したところ,髪も短くなっていて少々やつれた感じで,ラストで見せる笑顔にも力がなかったような感じがしました.義父の故・日景忠男氏によると実はこの交通事故がきっかけで休場していた1ヵ月半の間に精神科に入院していたということですが,だとしたらやはり向精神薬の影響だと思います. |
第464話 我がいとしき子よ |
脚 本:塩田 千種/小川 英 |
妻・令子の出産を間近に控えたロッキー刑事主演の誘拐事件エピソード.まもなく父親になろうとするロッキーが誘拐されたこどもの証言から真犯人を見破るわけですが,犯罪の動機ならびにその実行過程を考えた場合,ちょっと設定に無理があるような気がしました.まずこんな犯罪を計画し実行するする人間はいないっしょ? そしてこの場合のこどもの証言は証拠になるのか? |
第465話 裏の裏 |
脚 本:古内 一成/小川 英 |
ドック主演エピソード.一つの犯罪(銀行強盗)の陰に別の犯罪(収賄)が存在いていて,さらにはその犯人側には恐喝,被害者側には文書偽造・証拠捏造という,それぞれに別の犯罪が誘発されるという『犯罪の連鎖』を表現した秀作.よくできたシナリオだと思いました. |
第466話 ひとりぼっちの死 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
第462話『あなたのその声が聞こえるか』で初登場の二人目の恋人・麻生晴子にプロポーズするゴリさん.知り合ってから1ヵ月ですが,意外と手が早いのね.ボス不在中に始まったこの一連のエピソード,実はボス復帰後の『激動の1982年』の大きな伏線となっていたような気がします.復讐鬼の樋浦勉さんは計6回ゲスト出演していて,うち第173話『一発で射殺せよ』,第265話『ゴリ,爆発』,そしてこの回と3回連続ゴリさんがらみで印象的な役柄を演じていますが,役のイメージとは違って意外に小柄な方であることを知ってちょっと驚きました. |
第467話 スコッチ非情 |
脚 本:長野 洋 |
ボス不在の七曲署管内で起きたひき逃げ事故を装った計画殺人に取り組むスコッチ刑事.このエピソード,スコッチのエピソードの中でも最もハードボイルド・タッチですが,それ以上に,登場時からスコッチを信頼していたボス同様,留守を預かる山さんとの信頼関係が感じられたのが印象的なエピソードでもありました.クライマックスで生命の尊さを説くスコッチの姿は感動的ですが,演じた沖さんは後に残念ながら自ら生命を絶ってしまい,いま観るとちょっと痛々しいです.ところで,このエピソードの中でスコッチ刑事は2回トラックの運転手に協力を依頼しているようなのですが,公僕が民間人の協力に対して「ごくろうさん」って,ちょっと横柄な感じでイケナイと思うな. |
第468話 殴られたスニーカー |
脚 本:古内 一成/小川 英 |
第426話『愛の終局』,第430話『東京大追跡』の流れをくむスニーカー主演のサイコ・サスペンス.この人,精神に異常をきたした犯人との相性が良いみたいです.容疑者役の森田順平さんはヒッチコック『サイコ』のアンソー・パーキンスさんを彷彿とさせる役柄で,やはりきまっていました.ところで,スニーカーが容疑者をテニスに誘うシーンがあるのですが,スニーカーのテニスの腕前は以前ドックにダメ出しされていたはずですが,いつの間に上達したのかしら? |
第469話 東京・鹿児島・大捜査線 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
番組10年目突入記念作品の前編で,鹿児島ロケは6年ぶりでしたとか.警察側のゲストが豪華で,鹿児島県警・相馬警部に倉田保昭さん,同捜査本部長に宮川洋一さん,警察庁長官に藤田進さんが扮している他,第415話『ドクター刑事登場』では警視,第453話『俺を撃て!山さん』では警視監だった稲葉義男さんが今回は警視総監に出世して出演していますが,この方6年前の鹿児島ロケ作品の第141話『無実の叫び』・第142話『真実はどこに?』の前後編では実は鹿児島県警捜査部長を演じていたというおまけつき?のキャスティングとなっています. |
第470話 鹿児島・東京・大捜査線 |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
倉田保昭さんは『Gメン'75』以来2年ぶりの現代劇出演だったらしいですが,その前番組『バーディー大作戦』では沖雅也さんとほぼ入れ違いの形でキャスト入りしていたため共演が見られず,今回七曲署から鹿児島に出張するのはドック・ロッキー・スニーカーの若手トリオに,前編で長さん,後編でゴリさんがヘルプに駆け付けるというストーリー展開で,スコッチは山さんと東京でお留守番という設定のため,またしても倉田さんとのからみは観られませんでした. |
第471話 山さんに任せろ! |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
ボス不在の七曲署一係の指揮を執る大沢警視監にザ・ガードマン神山繁さんが扮していますが,この方第221話『刑事失格』では本庁査問委員長,第713話『エスパー少女・愛』,第715話『山さんからの伝言』,PART2第7話『逃げる』では監査官としてほとんどセミレギュラー出演しています,逆に事件のカギを握る老金貸し・江尻に扮するのがかつて七曲署初代署長としてセミレギュラー(といっても2回だけですが)出演していた野口元夫さん.新旧のセミレギュラー共演による,山村刑事を中心とした七曲署捜査一課刑事たちの団結を描いたエピソードですが,本当の主役は山さんではなく不在のボスだったといえると思います. |
第472話 鮫やんの大暴走 |
脚 本:畑 嶺明 |
ボス不在時に元刑事でボスの同僚だったという設定の鮫島勘五郎(藤岡琢也さん)が久しぶりに登場,ドックとからんで騒動を引きおこすコメディー・タッチのエピソード.この鮫やんというキャラクター,番組初期は主に殿下と,以後は登場時の新人刑事とからんでいたのですが,どういうわけかこれまでスコッチ在籍時には出番がなく,今回初めて沖さんと藤岡さんの共演が観られたわけですが,一人だけ初対面で浮いてしまっている感じがそこはかとなく漂っていました. |
第473話 ダーティなゴリ |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ゴリさんによる囮捜査とその苦悩を描いたエピソードですが,いくらなんでもこれはひどすぎでしょ? 下手するとこれまでの『太陽』のアンチテーゼになってしまいそうな作品で,面白いけど好きになれないエピソードでした.ボス不在のこの時期,番組の方向性が迷走していた感じです. |
第474話 ロボは知っていた |
脚 本:古内 一成/小川 英 |
今回もボス不在.前回の山さんに続いてゴリさんのスコッチに対する信頼感を感じさせてくれるエピソードでした.LD Box の解説書には,『スコッチ主演による犬シリーズ第2弾』などと書かれておりますが,「スコッチは確か犬が苦手だったはず」などとも書かれており,キャラクター設定に矛盾があったことを指摘しています.ここまでのエピソードを観て来て,スコッチ刑事主演のエピソードはアクションよりもストーリー重視の,よくできたミステリーが多かったような感じがしました.ところで,ゲストの仲谷昇さんと沖さんの共演ですが,『キイハンター』では実現してたのかしら? |
第475話 さらば!スニーカー |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
6代目新人刑事スニーカーがこの回でチームを去りますが,新人刑事で殉職しなかったのはこの人が初めてで,ボス不在時の殉職という形を避けたためこういうストーリーになったみたいです.かわりに殺されてしまった妹・早苗役の山下幹子さんがかわいそうでした. |
第476話 ラガー刑事 登場! |
脚 本:長野 洋 |
というわけで7代目新人刑事ラガー登場エピソード.それにしてもこのストーリー,犯人も刑事も完全なおバカさんで,ほとんどこどものケンカ見ているみたいでした.ゲストの早坂直家さんは第456話『ボス,俺が行きます!』に続いてステレオタイプのおバカキャラを見事に演じています.ラガーにしても,犯人逮捕の直前に足になじんでいない新品のスニーカーを履くというのはちょっと危険では? 多分初放映時リアルタイムで観ていた最後のエピソードで,『ラガー』の命名者がスコッチだったのはよく覚えていたのですが,明らかに視聴者のターゲットが低年齢層に変わってきているのを感じました. |
第477話 俺は誘拐犯だ! |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
新人刑事ラガー主演の誘拐エピソード.第473話『ダーティなゴリ』におけるゴリさんの囮捜査など問題にならない違法捜査で,いくらなんでもこんなことをしてはいけません.この時期,番組が完全に迷走している感じで,.「署長に何と言い訳しようか」悩んでいる山さんが気の毒でした.スコッチ刑事の沖雅也さんはこの回からまたお休みです. |
第478話 汚れた警察 |
脚 本:峯尾 基三 |
ゴリさん主演エピソード.もともとはスコッチ主演で用意されていたシナリオだったといわれている作品ですが,冒頭の刑事たちが土方に変装して張り込みをするシーンはどう考えてもスコッチには似合わないので,もしかしたらこれがイヤで番組を休んだのでは?などと考えてしまいました.ゲスト常連の片桐竜二さん,西田健さん,二見忠男さんが安定した演技を見せてくれていますが,特に今回の片桐さんのこうおいう役柄は珍しいので印象に残っています. |
第479話 怒りのラガー |
脚 本:畑 嶺明/小川 英 |
ラガー・長さんの師弟物語.ところで長さんの「刑事なんかやめてしまえ!」はボスのパロディ? ゲストの北条清嗣さんは第227話『スコッチ刑事登場!』での印象が強かった俳優さんなので,以来出てくるとなんとなく注目していたのですが,やっぱり犯人役がよく似合います. |
第480話 年月 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
久しぶりに『太陽にほえろ!』番組のメイン・テーマのひとつである『生命の大切さ』を真正面から取り扱った秀作.ゲスト常連の山西道広さんは,ジーパン松田優作さんの盟友だった方で,水原ゆう紀さんとは第419話『禁じられた怒り』に続いての共演ですが,それぞれの回で異なったキャラクターを見事に演じているのに感心させられました.それにしても気になったのは,山さんはこのエピソードの間中みかん持って歩き回っていたのかしら? |
第481話 闇の中の殺人者 |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
ロッキー主演エピソード.犯人が『ファミレス・チェーンの店長研修会場』に参加しているという妙な設定が珍しくて印象に残っているエピソードです. |
第482話 ラッサ熱 |
脚 本:小川 英/土屋 斗紀雄 |
第197話『ペスト』に続く伝染病エピソード.爆弾コンビの森下哲夫さんと森大河さんはやはりゲスト常連.ラスト,鉄骨に車を体当たりさせるスタント・シーンが迫力的で見事でした. |
第483話 落し穴 |
脚 本:長野 洋 |
ボス・スコッチ不在の捜査一課に助っ人として配属された吉野巡査(横谷雄二さん)とのからみが,『俺たちは天使だ!』を思い出させるドック主演のエピソードですが,言ってしまえば余分なことをしすぎる犯人(清水章吾さん)が勝手に自滅していくだけの話で,無理やり作り上げたシナリオのような気がしてしまいました.また,年末に石原裕次郎さんが復帰したため,横谷さんはレギュラー入りはできずちょっと気の毒でした. |
第484話 青ひげ |
脚 本:小川英/四十物光男 |
ゴリさん主演エピソード.ゲストの今福将雄さんはシリーズに計5回出演していますが,特にこのエピソードと第514話『ドックの苦手』が印象に残っています.もう一人,『青ひげ』役の藤木さんは『嫌な奴』を演じさせたらこの人の右に出る人はいない,でらちゃんお気に入りの名バイ・プレーヤーでしたが,今年(2020年)惜しくもこの世を去ってしまいました.ご冥福をお祈りいたします.ところで「老人の幸せのため」殺害を繰り返していたこの『青ひげ』って,いわゆる『確信犯』ですよね? だからといって,取調室で殴ってはいけません.当局からクレームはつかなかったのかしら? |
第485話 ウサギとカメ |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
久々の長さん主演エピソードですが,この時期の下川達平さんの眼が真っ赤に充血していて,どうもこれは持病の糖尿病が悪化していたためらしいです.長さんは,翌年ロッキー殉職と共にレギュラーを外れますが,下川さんの健康状態も関係していたのではないかと現在は思われます.実は事件を解決に導いたのは長さんのねばりではなく,コンプレックスだったというちょっと情けないエピソードでした. |
第486話 赤い財布 |
脚 本:亜鎗 文代/小川 英 |
ラガー主演エピソード.ゲストの鈴鹿景子さんは第252話『鮫島結婚相談所』に続いての出演ですが,この後第572話『雨の降る街』,第563話『たすけて!』でも印象に残る役を演じています.もう一人の氏家修さんも何度かこのシリーズにはゲスト出演していて記憶に残っている俳優さんだったのですが,以後姿を消してしまいました.現在はどうなさっているのでしょう? |
第487話 ケガの功名 |
脚 本:鴨井 達比古/小川 進 |
ラガー主演エピソードが続きます.元アイドルの早乙女愛さんはこの後第527話『芝浜』でもゲスト出演していますが,2010年に51歳の若さで亡くなってしまいました.やはり元アイドルの本郷直樹さんはこのシリーズではこの回のみの出演ですが,『はぐれ刑事』等の他の刑事ドラマにゲスト出演していてやはり犯人役でなさけない役柄が多く,ちょっと気の毒でした. |
第488話 過去 |
脚 本:小川 英/田部 俊行 |
ロッキー主演エピソード.ゲストの矢吹二朗さんは第312話『凶器』に続いて2度目の出演でしたが,この翌年俳優業を引退されてしまいました.有吉ひとみさんはシリーズ初期に殿下(小野寺昭さん)の最初の恋人・柚木麻江87役でセミレギュラー出演していましたが,第87話『島刑事,その恋人の死』で姿を消し,久しぶりの今回のゲスト出演を経て,第『521話『ボギー刑事登場!』でボギー(世良公則さん)の姉・春日部正子役で再度セミレギュラー入りしました.もうひとりの牧れいさんは沖さんが去った後の『バーディー大作戦』に婦警役でセミレギュラー出演していました. |
第489話 帰って来たボス ―クリスマス プレゼント― |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
石原裕次郎さんの日活時代の盟友・長門裕之さんと宍戸錠さんをゲストに迎えてのボス復帰エピソード.岡田プロヂューサーによれば代役を立てる気は全くなかったとのことで,石原さんあっての『太陽』だったことが DVD BOX 特典映像の中で証言されています.ボス不在中に番組を去ったスニーカー・山下真司さんも戻ってきて番組ボスとの再会を果たしたのはやっぱりけじめ? 復帰後の最初の台詞が『お前たち,それでも刑事か?』,続く『刑事なんかやめちまえ』と定番台詞のオンパレードはやっぱりファンサービスだったのでしょうね.スコッチ不在が残念でした. |