1985 |
第631話 ロックとブルース |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
とにかくこの DVD BOX シリーズ高価なもので,ここのところ購入できないでいたのですが,最近(2024年夏)この1985年の Box が比較的安価で売られていたので,
1983年・1984年のものより先に入手するに至りました.1982年春に大学を卒業ご社会人となって TV から再度離れたため,リアルタイムではほとんど観ていなかった時期ですが,21世紀になってからネットで一度ほとんど全作品を観ていました. さてこのエピソードですが.シリーズに度々出てきた『犬シリーズ』の作品で,以前のジュン,ブラックといった犬たちに変わって新人(犬)ロックが登場,8代目新人刑事ブルースとのコンビを組むわけですが,ひねりを効かせたタイトルがいいです.あと,ストーリーの中では医大の教務主任の裏口入学加担に真っ先に気づくのが医学部出身のドックで,もしかしたらこの人も…. |
第632話 恐ろしい |
脚 本:小川 英/倉本 三四郎 |
トシさん主演エピソード.タクシー運転手の事故を装った殺人という事件そのものよりも,その娘の失踪の動機に焦点を当てた,変則的倒徐ミステリーの佳作.犯人役・被害者役で度々ゲスト出演されている井上高志さんが今回は珍しく交通課の刑事を演じています. |
第633話 ホスピタル |
脚 本:古内 一成/小川 栄 |
ドックならではの医学ミステリーの秀作.無職で生活保護を受けて酒ばかり飲んでて肝臓を悪くした要するにア〇コ〇ー〇クの患者を拉致して人体実験に使うという,似たような状況で入院した経験のある人なら身につまされる話で,ラストのドックのセリフに救われた思いをするのでは? ゲスト常連の清水省吾さん,潮哲也さん,上田忠好さん,北條清嗣さんがそれぞれのキャラにぴったりの適役を演じています. |
第634話 パブロフの犬 |
脚 本:金子 裕 |
このマイコンというキャラクター,歴代の刑事の中で一番わけのわからない人物で,その愛用のコンピュータ『ホームズ』も現在の常識から見るとずいぶんおかしな存在なのですが,パソコンが普及する前のこの時代における一般人のコンピュータに関する認識が窺われます.エピソードはマイコンに犯行を追及された容疑者が七曲署に乗り込んで来るところで終ってしまい,その後の展開に全く触れていないのが不完全燃焼か消化不良みたいで気持ち悪いのです. |
第635話 いい加減な女 |
脚 本:小川 英/山中 茉莉 |
ブルース主演エピソード.彼の妻が幼児の世話を押し付けられ,母親は愛人と不倫中でそれを黙認していた父親は失踪後謎の死を遂げていた…というわけのわからん事件ですが,実は被害者を殺害した犯人が逆に被害者に嵌められていたというますます複雑怪奇なエピソード.二転三転するストーリーの展開がテンポよく描かれており,シナリオライターの力量を感じさせます. |
第636話 ラガー倒れる |
脚 本:大川 俊道/小川 英 |
ラガー主演エピソード.今回は作家を脅迫して爆弾を仕掛けた男を,さらに別の粗暴犯が拉致監禁して…といったまたまたいくつもの事件が絡み合った複雑なストーリーで,この時期の番組制作方針がキャラクター描写よりもストーリー性を重視したエピソード作りに重点をおいていたことを窺わせます.また内田朝雄さん,藤岡重慶さん,村田雄浩さんと,メインゲストが豪華な回でした.ラストでラガーが骨肉腫に罹っていることが判明し,殉職への複線化と思わせられますが,実はこの時点ではそのような意図はなかったことが映像特典のインタビューで語られています.このあとしばらくラガーは入院中の設定となりますが,これはこの頃渡辺徹さんのスケジュールが多忙を極めていたためらしいです. |
第637話 模擬訓練 |
脚 本:峯尾基三 |
ドック主演エピソード.強盗の模擬訓練に関するエピソードは確か以前にもあって,確かドックの前任の殿下のエピソードで宝石店ではなく銀行が舞台でした.実行犯の手掛かりとなるポリタンクによるガソリンの購入ですが,この時代は可能だったのね? 危険なので現在はもちろん禁止されています.実行犯役の笹入舟作さんは番組中期からの常連ゲストのおひとりで笹本憲史さんの別名義です. |
第638話 危険なふたり |
脚 本:尾西 兼一/小川 英 |
マイコン主演エピソード.冒頭のブルース&マイコンの過激なカーチェイスが凄まじいです.このマイコンというキャラ,コンピューターおたくのおぼっちゃまという感じの設定ですが,ブルースとのコンビを重ねていくことによってだんだん過激になっている感じで,今回も容疑者でもなんでもない組員を急に殴って気絶させちゃったり,遊園地という人の集まる場所で銃撃戦を行ったりもうムチャクチャなのですが,どういうわけか以前のゴリさんやボンやスニーカーのように始末書・辞表に至らないのが不思議です.マイコンと友情を育む『バクダン』役の小沢仁志さんは第558話で俳優デビューを飾ってから2度目のゲスト出演,この後もっかいやはりマイコン主演エピソードの第716話『マイコン,疾走また疾走』に出演,その母親役の絵沢萌子さんも意外とゲスト出演少なく,第389話『心の重荷』とこの回の2回だけでした. |
第639話 春なのに… |
脚 本:古内 一成 |
マミー主演エピソード.中島みゆきさんが作って柏原よしえさんが歌ってヒットした同名曲をタイトルにしたエピソードですが,個人的にはみゆきさんヴァージョンを使ってほしかったような気がします.『小悪党の代名詞』江幡高志さんは今回はホームレス役,これ以上ないくらいの適役でした.この回からボスがハワイに出張中という設定で劇中に一部ハワイ・ロケのシーンが組み込まれていますが,これは石原裕次郎さんが実際にハワイの別荘で休養中だったためらしいです. |
第640話 妻への疑惑 |
脚 本:金子 裕 |
トシさん主演エピソード.トシさんにまつわる二つの事件が同時進行する中別れた奧さんと娘との関係を描いたストーリーで,この巡査部長,かつての長さん同様ホームドラマ的なエピソードの多いキャラクターでした.「間違ってなければよ,犯罪者にならないんだよ」,ブルースの名セリフ. |
第641話 二度死んだ女 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
この年初の山さん主演エピソード.この人のエピソードはストーリー性を重視した高質のミステリーが多いのですが,今回は途中でトリックと共犯者がわかってしまい,ちょっと残念でした. |
第642話 ハワイアン・コネクション |
脚 本:柏原 寛司 |
石原裕次郎さんのプライベートでのハワイ滞在を利用した感じのドック主演エピソード.ハワイ・ロケのシーンでは微妙に音声が違っていてちょっと耳障りで不自然な感じがしたのが残念でした.また急遽作られたエピソードだったためか,ストーリーの展開もちょっと凡庸な感じがしました. |
第643話 走れブルース |
脚 本:小川 英/大川 俊道 |
タイトル通り拉致された子供と犯人を追って走りまくるブルース.番組初期の『走る刑事』という原点に帰ったようなエピソードですが,やっと救出した子供が人違いだったというオチが秀逸で,ラストに山さんがブルースに対して放つ『むくわれない仕事=刑事』というセリフが心に残ります. |
第644話 太陽にほえろ!スペシャル 七曲署全員出動・狙われたコンピューター |
脚 本:小川 英/古内 一成/大川 俊道 |
2時間スペシャル.骨肉腫で入院していたラガーが復帰,ハワイに出張していたボスも帰国という設定の下で繰り広げられるエピソードですが,骨肉腫なんてそう簡単に治るもんなのかしらね? コンピューター(当時まだ日本語表記が統一されておらず,『コンピュータ』に統一されたのはこのしばらく後だったと思われます)へのハッキングを扱った,後の情報化社会を予見したような作品ですが,ラストに明らかになる『ついでの犯罪』のアイデアが秀逸でした.マカロニ刑事時代の第47話『俺の拳銃を返せ!』以来12ぶりの出演の森本レオさんをはじめ,情報屋『有田』役でセミレギュラー出演をしていた石橋蓮司さん,常連の保積ぺぺさん,藍とも子さんと超個性的な面々が実行犯グループを演じています.また,過去に犯人,刑事,被害者の全てを演じたことのある中井啓輔さんは,今回も狙われた銀行の支店長という珍しい役を演じています. |
第645話 ラガーの華麗なプレー |
脚 本:小川 英/四十物 光男 |
この時期の作品の中では初回放映時にリアルタイムで観た記憶のある数少ないエピソードの一つ.間違って持ち去られた時限爆弾というプロットが秀逸ですが,はたして時限爆弾なんてものが簡単に旅客機に持ち込めるものなのか?疑問が残ります.ラストのマミーのセリフ「見たくないわよ,お相撲さんのラグビーなんて」とボスの力士ジェスチャーがしっかりと記憶に残ってます. |
第646話 うそ |
脚 本:金子 裕 |
マミー主演エピソード.ヒロインの上原ゆかりさんは第494話『ジプシー刑事登場!』,第575話『向い風』に続いて3度目で最後のゲスト出演でしたが,毎回印象に残る役柄を好演していました.そして富川激夫さん,第71話『眠りの中の殺意』で初出演後,第118話『信じあう仲間』ではゴリさんの友人,第239話『挑発』では殿下にまとわりつく前科者,第257話『山男』ではロッキーに共感される山男,とゲスト常連の俳優さんの中でも特に印象的な役を演じていますが,今回も被害者でありながら最後には逮捕されるという複雑な役柄を見事に演じ切っています. |
第647話 護送車強奪 |
脚 本:柏原 寛司 |
ブルース&マイコン主演エピソード.このお二人,ボン&ロッキーのコンビで確立されたコメディ・リリーフを継承した感じですが,なかなかいい味出しています.それにしても,脚を撃たれたブルースが全力疾走するマイコンと犯人に遅れずに追いついていくのはいくらなんでも不自然では? 樋浦勉さんも印象的な役柄の多いゲスト常連俳優さんでしたが,これが最後の出演作品となりました. |
第648話 検視官ドック |
脚 本:古内一成 |
ドック主演エピソード.今回も一応は医学ミステリーですが,決め手となるのは完全な引っ掛けで,これってほとんどサギじゃん.「今度から見習うことしよう」って,見習ってはいけません.検視官で警視役の高松英郎さんは『必殺仕置人』セミレギュラーの天神の小六役でしたが,このシリーズでは唯一のゲスト出演でした.ヒロインの牧れいさんはやはり『バーディー大作戦』ではセミレギュラーの婦警さんでしたが,このシリーズは2度目のゲスト出演で今回は悪いことしています. |
第649話 ラストダンス |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
トシさん主演エピソード.ラストの『ラストダンス』がイミフ.なんで刑事がこんなことするの? |
第650話 山村刑事左遷命令 |
脚 本:長野洋 |
シリーズで度々出てくる山さんの降格・左遷エピソードですが,今回の辞令では山さんの職階が警部補ではなく巡査部長となっています,いつの間にかすでに降格していたみたいです.メインゲストの船戸順さんは『傷だらけの天使』ではセミレギュラーの松下刑事役でしたが,このシリーズでは第90話『非情の一発』以来11年ぶり2度目の出演でした.織本順吉さんは5度目のゲスト出演でしたが,今回の悪徳弁護士役はこの方にしては珍しいキャスティングだったと思います. |
第651話 号泣 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ラガー主演エピソード.5回も殺人を犯していることがわかっていながら,まだ捕まっていないシリアル・キラーなんて日本ではちょっと考えられないような設定ですが,戦火による戸籍焼失という史実を上手に絡めて説得力あるような説明をしています.演じている内藤武敏さんはこのシリーズにも4回ゲスト出演しているベテランにも関わらずあまり印象に残っていない俳優さんでした. |
第652話 相続ゲーム |
脚 本:小川 英/亜槍 文代 |
ドック主演のよくできたフーダニット・ミステリー・エピソード.物語ラスト,神田正輝さんの歌う『思いでのキーラルゴ』が挿入されていますが,歌ヘタかも.今回姉妹役を演じている常連の根岸明美さんと川口敦子さんですが,実は長女役の根岸さんより次女役の川口さんの方が年上でした.お二人とも今回がシリーズ最後のゲスト出演となりました. |
第653話 一枚のシール |
脚 本:大川 俊道/小川 英 |
マミー主演エピソード.麻薬取引の売人と目された容疑者の不可解な行動の謎を,母親としての目を通して解明していくというストーリーはよくできていると思いますが,ラストに至るまでの最も肝心な部分が省略されてしまっているのは,脚本構成上ちょっとアンフェアな感じがしました. |
第654話 二度泣いた男 |
脚 本:小川 英/丸岡 ひさし |
トシさん主演エピソード.動機・トリック等は刑事たちの推理によって解明できているものの証拠が何もない…,これってこのシリーズでは度々提示されるパターンではありますが,今回のように浪花節的に犯人の心情に訴えて墜とすケース,ミステリーとしてはアンフェアな感じがしてあまり好きではないです. |
第655話 左ききのラガー |
脚 本:古内 一成 |
ラガーと同じ骨肉腫に侵された少年との心の交流を描いたヒューマン・タッチのエピソードですが,テーマそのものよりもここに登場するライフル魔の犯人が全くき〇が〇で,その動機等が全く謎に包まれており妙な余韻を残す作品で,『怪奇大作戦』の傑作エピソード『果てしなき暴走』を思い出させていただきました. |
第656話 いじめ |
脚 本:小川 英/鬼塚 幸一 |
マイコン&ブルース主演エピソード.担任教師役の小野武彦さんはいつもと違う情けない役柄だったので,最初気づきませんでした.母親役の青木和代さんは声優として有名な方ですが,このシリーズに度々ゲスト出演されています.おふたりとも共に今回が最後の出演回となりました. |
第657話 ドックの敵は白バイ |
脚 本:大川 俊道/小川 英 |
ドック主演,ニセ白バイ警官が単なるマニアで,サラリーマン4人組の銀行強盗に利用されるという,実は全員素人による複雑な犯罪を描いた,ひねくれたストーリー展開が印象的なエピソード.ヒロインの吉田光希(みき)さんはファッション雑誌の専属モデルだった方で,映画監督の吉田光希(こうき)さんとは全くの別人で,すでに故人となられているらしいです.ジーパン松田優作さんの盟友でシリーズ常連だった山西道弘さんはボギー刑事殉職編の第597・598話以来の出演でしたが,これが最後のゲスト出演となりました.また,やはり常連で第274話『帰ってきたスコッチ刑事』での覚醒剤中毒犯役が印象的だった遠藤征慈さんが,今回は犯行グループのリーダー役で全く印象の違うキャラクターを好演しています. |
第658話 ラガーよ,俺たちはおまえがなぜ死んだか知っている |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
ラガー殉職エピソード.通常殉職シーンではしんみりした雰囲気になるのが,撮影時に渡辺徹さんのズボンが破れてしまって下着が見えてしまったため.ぶち壊しにになってしまったらしいですが,個人的には2人の殺し屋との相撃ちによるこの殉職シーン,かなり感動的だったと思います.また,偶然起きたバスジャックを要人暗殺に利用するというストーリー自体も屈指の出来でした. |
第659話 夏の光 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
ブルース主演エピソード.このシリーズにおいて以前は殉職エピソードの次の回に新メンバー登場エピソードとなるのが恒例でしたが,今回は冒頭でブルースによるラガー回想シーンが挿入されているだけで,新人刑事の登場は次回に持ち越されました.これは,この回の前に1回野球中継が挿入されシリーズの放映が休止となったためらしいです.ブルース刑事にしては珍しい女性がらみのエピソードですが,今回からんでくる保険外交員こそ度々別件逮捕に使われる公務執行妨害だと思うのですが,前任者のボギー刑事といいブルースといい女性に甘いのです.演じる山内絵美子さんはシリーズ唯一のゲスト出演ですが,強烈な印象を残しました.あと犯人役の早坂直家さんは,シリーズ後期の常連ゲストとしてやはり印象的な役柄を多数演じています. |
第660話 デューク刑事登場! |
脚 本:長野 洋 |
ラガーの後任として赴任したデューク刑事,3代目クール刑事という位置づけで,先輩刑事であるドックやブルースとの対立がかつてのスコッチとゴリさんの対立を彷彿とさせるエピソードですが,演じている金田賢一さん自体,かつての沖雅也さんや三田村邦彦さんのような強烈なイメージを持っていなかったため,シリーズの中でもあまり印象に残らないキャラクターでした.また,かつての新任刑事は必ずと言っていいほど先輩刑事の鉄拳制裁の洗礼を受けていたのですが,ラガー刑事登場の頃からそういった描写は影をひそめ,今回に至ってはラストでボスが「デュークちゃん」と呼ぶなど,シリーズ自体の持つ雰囲気が時代とともに変わってきた感じがしています.常連ゲスト俳優で,シリーズ中期ではスコッチやゴリさんの殉職エピソードでは医師役が印象的だった渥美国泰さんが,今回からデューク刑事の義父役でセミレギュラー出演しています.またこの回では珍しくカースタントのマエダ・オートクラブのクレジットがありませんでしたが,これ以降あったりなかったりの状態になっていきました. |
第661話 マミーが怒った |
脚 本:小川 英/大川 俊道 |
一般人しかも容疑者として連行される女性をおとりとして使った検事を怒ったマミーがはり倒すというムチャクチャな現実には全くありえない設定のストーリーで,こうなるとほとんどマンガです.ヒロインの熊谷真実さんは実はこの頃すでにジーパン松田優作さんの義姉でした.西沢利明さんがマミーに殴られる検事役を好演している他,ヒロインの母親役に文野朋子さん,郷里山梨の警官役で梅津栄さんが顔を見せています. |
第662話 制服よさらば |
脚 本:小川 英/金子 裕 |
山さん主演エピソード.第221話『刑事失格』では本庁査問委員長,第471話『山さんに任せろ!』では警視庁第4面方面管理官と警察のお偉いさんを演じてきた『ザ・ガードマン』神山繁さんが珍しくメインゲストですでに警察を退官した山さんの元同僚を演じていますが,この後神山さんは再度警視監というお偉いさん役でシリーズにセミレギュラー入りしました.それにしても退官した警察官が制服を返却しないで私物化することは現実的には可能なのでしょうか?疑問が残ります.病院受付役で声優の藩恵子さんが2回顔を見せています. |
第663話 1970年9月13日 |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
トシさん主演エピソード.劇中で15年前の犯罪の物証となる記念切手をトシさんは『月と雁』と言ってますが,これは正確には『月に雁』だったと思います.大阪万博が開催された1970年小学生だったのですが,確かにこの切手は評価額¥10,000 で,また『タイム・カプセル』ごっこも流行っていた記憶があり懐かしい感じがしましたが,それにしても幼女殺人の証拠となる切手を保存しておいたのが決め手となったわけで,この犯人,肝心な部分でせこくて迂闊すぎると思うのです. |
第664話 マイコンがトシさんを撃った! |
脚 本:小川 英/富岡 美恵子 |
多分シリーズ初ではないかと思われる新人刑事によるベテラン刑事の誤射エピソード.珍しくドックのブルースに対する鉄拳制裁シーンもあったりして,後期シリーズの中ではかなりシリアスな雰囲気を持つ回でした.また,この回デューク刑事が姿を見せていないのですが,これもシリーズ初期に見られたレギュラー・メンバーの非番ピソードを踏襲している…わけではないですよね? |
第665話 太陽にほえろ!スペシャル 殉職刑事たちよやすらかに |
脚 本:小川 英/蔵元 三四郎 |
歴代殉職刑事の10名の殉職シーンを織り交ぜ,その関係者たちをゲストに,そして犯人役に当時石原プロで『西部警察』レギュラーだった峰竜太さんを迎えた,スタッフによるサービス精神あふれた超スペシャル・エピソード.殉職シーンはゴリさん→殿下→ロッキー→ボン→ジーパン→ラガー→ボギー→マカロニ→テキサス→スコッチの順で,殉職回が同じくスペシャル扱いだったゴリさんがトップに,この時期既に故人となっていた沖雅也さんのスコッチがラストに配されています.ところでボンに関して,沢田雅美さん扮するお姉さんがボンを知らないトシさんに対して,また後輩であるロッキーの妻だったマミーが『ボン』と仲間内のニックネームで呼んでいるのにちょっと違和感を感じました.また,劇中で犯人からボスに送られたのと同じスクラップ・ブックがマカロニの後の新人刑事ジーパンの母・柴田たきも所有しているという矛盾が見られます.更にはゴリさんの父親の部屋にある奥さんの遺影が第146話でに登場した野村昭子さんのものではなかったような気がするのですが…? ところでシリーズ中期以降の各刑事の生年設定について,ドックとロッキーが1952年,スニーカーとボギーが1955年.ジプシーが1956年,ラガーとブルースが1959年,デュークとマイコンが1960年ということになっていますが,ドックが着任時にロッキーやスニーカーの先輩であることを言明していたり,ボギーとジプシーが警察学校で同期であること,ラガーを先輩・マイコンを後輩扱いしていたブルースがこの回ではデュークと互いにタメ口で話していることなどから,ドック・ジプシー・ラガー・デュークの4名は早生まれだったのではないかなどと勝手に想像しています.また,今回劇中に出てくる新聞記事には山さんが『警部補』となっており,第650話の辞令では『巡査部長』だったはずなのですが,いつのまに再度昇格したんでしょうね? |
第666話 父親ブルース |
脚 本:金子 裕 |
せんだみつおさんが絵にかいたようなダメおやじを地のまま好演しています.沖田峻一郎さんはチンピラ・組員役の常連俳優さんでしたが,今回はついに幹部に出世しています.あと好きな女優さんの船場牡丹さんが銭湯の番台に座る女将さん役で出演していたのが嬉しかったです. |
第667話 デュークという名の刑事 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
このエピソードにおけるデュークの捜査はかつてのクール刑事スコッチやジプシー以上に過激というか,ほとんど犯罪に近い一般人に対する人権侵害なので,それこそ謹慎・免職モノなのですが,やはりボスはこの子には甘いのでした.この回初めてカースタントがマエダ・オートクラブではなく,竹内雅俊・海藤幸広のお二人が個人名でクレジットされています. |
第668話 絆 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
マミー主演エピソード.久しぶりに本格的なミステリー・タッチの作品で,二転三転するストーリーの展開も素晴らしかったです.ヒロインの白木真理さんはご存じ『必殺シリーズ』の中村りつ役で有名ですが,日活アクション映画のスター女優さんで石原裕次郎さんとの共演も多かった方でした.他にこの超売れっ子声優さんだった小山茉美さんがその娘役で,常連の姫ゆり子さんが事件にまつわる過去の証言をするスナックのママ役で重要な役を演じています.事件の真相を追求するシリアスなマミーと,すぐに余分な口をはさんで顰蹙を買うチャラいマイコン,対照的なそれぞれのキャラクターを演じる長谷直美さんと石原良純さんの好演も印象に残りました. |
第669話 刑事にだって秘密はある! |
脚 本:小川 英/大川 俊道 |
そのチャラい軽薄男マイコンの恥ずかしくもコミカルなエピソード.思わせぶりなタイトルですが,真相は….このシリーズ,過去にも立〇シ〇ンにまつわるエピソードって結構あって,マカロニ殉職編がそうでしたし,スニーカーもしようとしてゴリさんに止められたことがありました.おまわりさんが軽犯罪法に触れてはいけません. |
第670話 ドック潜入! 泥棒株式会社 |
脚 本:小川 英/古内 一成 |
ドック金庫破り入門エピソードの第580話『名人』以来2年ぶりに殿山泰司さんが登場,今回は潜入捜査エピソード.七曲署捜査一課というところは昔からおとり捜査・潜入捜査といった違法捜査を得意とするイケナイ部署で,殉職率 No.1 であるのもうなづけます.対する『泥棒株式会社』の面々は常連悪役の富川激夫さん,根岸一正さん,片岡吾郎さんですが,今回は簡単に逮捕されてしまいました.あと山谷初男さんの刑事役ってちょっと珍しい気がしました. |
第671話 野獣 |
脚 本:小川 英/柏原 寛司 |
トシさん主演エピソード.メインゲストの河原崎次郎さんは地井武男さんと俳優座養成所同期生だった方で,このシリーズには第338話『愛と殺人』以来久しぶり2度目で最後の出演でした.前主演回の第863話『1970年9月13日』のメインゲストが河原崎健三さん4度目最後の出演で,今回がその兄の次郎さんだったので,次回は長一郎さんかしら?と思ったのですがやはり違いました.ちなみに長一郎さんもこのシリーズには3度出演されています.常連ゲストの久富惟晴さんもこれがこのシリーズでは最後の出演でしたが,続編の Part 2 にも1回出演されています. |
第672話 再開の時 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
デューク主演エピソード.父親役の北村和夫さんは,金田賢一さん自身の要望によるキャスティングですとか? でもこの実父に関するエピソードはこれ以上展開することもなく,うやむやの内に終ってしまいました.いつもはスナックのママや飲み屋の女将さん役が多い藤江リカさんが,今回は廃品回収業のおばちゃんという珍しい役を演じていました. |
第673話 狼の挽歌 |
脚 本:小川 英/大川 俊道 |
ブルース主演エピソード.メインゲストの伊藤孝雄さんは,第97話『その子に罪はない!』,第399話『密偵』に続いて3度目の刑事役での出演でしたが,以前も悪徳警官役で山さんに逮捕されたりしていました,懲りない人です.ラストシーンでブルースが2犯人とこの刑事の2人を逮捕しますが,この人いくつ手錠携帯しているのかしら? |
第674話 友よ,君が犯人なのか |
脚 本:古内 一成 |
マイコン主演エピソード.情報漏洩がテーマのこのエピソード,ある意味現代を予見していると言えますが, 8 inch フロッピーディスクが時代を感じさせます.昔仕事で使ってました.ブルドックのお二人に「吐け!」とほとんど容疑者扱いされるマイコンがちょっと気の毒でした. |
第675話 死にゆく女のために |
脚 本:柏原 寛司 |
マミー主演エピソード.マミーさん,容疑者じゃなくて被害者のアパートの部屋を令状もなしで探し回っているけど,こんなことしてもいいのかな? それこそ違法捜査でプライバシーの侵害なのでは? また,常連の佐藤仁哉さんがプレイボーイのチャラ男を好演していますが,マミーさん,今回も容疑者でもないこの人をはり倒して暴力刑事ぶりを発揮しています.今回のカースタントは,久しぶりのマエダ・オートクラブと竹内・海藤のお二人が初めて共にクレジットされています. |
第676話 地図にない道 |
脚 本:小川 英/尾西 兼一 |
山さん主演エピソード.このシリーズ,初期からテアトル・エコー所属の声優さんとしても有名な俳優さんが大勢ゲスト出演していて,熊倉一雄さん(第162話『したたかな目撃者』)や納谷悟朗さん(第178話『リスと刑事』)のように主演をはっている回もありましたが,今回の安原義人さんも4回目のゲスト出演でエピソードの主人公である記憶喪失男を好演しています.この方,シリーズの後番組の『ジャングル』では明石警部補役でレギュラー出演していました.また相手役の伊佐山ひろ子さんも度々印象的な役柄で出演しているシリーズ常連のバイ・プレーヤーでした.他にも常連の木田三千雄さん,相原巨典さんがバックを固めています. |
第677話 あなたを告訴する |
脚 本:小川 英/北川 哲史 |
デューク主演エピソード.元祖クール刑事スコッチ主演の第404話『鍵のかゝった引出し』の焼き直しのようなエピソードですが,スコッチ篇と比較するとちょっと地味な印象を与えられました.それにしてもこの刑事,謹慎がらみのエピソード多すぎ.『始末書のゴリ』,『辞表のスニーカー』と並んで『謹慎のデューク』というキャラクターが早くも確立された感じです.メイン・ゲストの近藤洋介さんは第355話『その一瞬……』以来6年ぶり2度目の出演でしたが,前回と全く違ったキャラクターを見事に演じていて最初全く気づかず,そのキャラづくりと演技に感心させられました.凄い俳優さんだったと思います. |