マカロニ刑事編 (1972〜1973) |
第1話 マカロニ刑事登場! |
脚 本:小川 英/長野 洋 |
この作品の放映が始まった1972年という年は私にとっては中学校入学の年で,以後6年間実家を離れて学生寮ならびに下宿で TV のない生活をしていたため,放映時に観ることができるようになったのは1978年の4月大学に入ってからなので,この時期の作品はほとんどリアルタイムでは観ていません.というわけでこの第1回もかなり後になって再放送かもしかしたらインターネットで初めて観たものと思われます. DVD には毎回予告編が先に収録されていますが,この第1回の予告編でも謳われている通り,当初は裕次郎・ショーケンのダブル主演ドラマとして始まった感じで,最初の数回はほとんどショーケンの主演作となっています.ショーケン扮するマカロニ刑事の赴任から始まるこの第1回は,レギュラー・セミレギュラー総出演のキャラクター紹介編でもあります.犯人役の水谷豊さんは新人俳優のトレーナー役を兼任していて,マカロニ編・ジーパン編にそれぞれ2回ずつゲスト出演されていますが,ショーケンとのコンビは後に『傷だらけの天使』で復活したのはご存じの通りです.挿入歌『ブルージンの子守唄』は萩原健一ソロ名義でリリースされた初のシングルで, PYG 及びメンバー名はクレジットされていませんが,ライヴではセットリストに入れていたらしいです. |
第2話 時限爆弾街に消える |
脚 本:小川 英/武末 勝 |
マカロニ主演作として書かれたシナリオだと思いますが,物語中盤における山さん役の露口茂さんの完全にショーケンを喰ってしまう迫力のある演技が印象的な作品.ここでの山さんはほとんど暴力刑事ですが,シリーズ当初は短髪で雀荘に入り浸っているアウトロー的な刑事の設定で,シリーズが進むにつれてそのキャラクターが極端に変化していきました.もう一人キャラが変わっていったのが小野寺昭さん扮する殿下で,この回では捜査をさぼってゴルフの練習に興じたり,暑さ対策かズボンを脱いで電話していたりと,後のイメージとはかなり違った姿を露呈しています.七曲署初代署長役の野口元夫さんは,この回と第4話の2回のみのセミレギュラー出演で,以後は別役でゲスト出演されています.今回犯人役の松山省二さんは円谷プロ『怪奇大作戦』のSRI メンバー野村洋役で記憶に残っていた俳優さんですが,このシリーズではあと第234話『おさな子』と第693話『我が子へ』に出演しており,前者では山さんをつけ狙う殺し屋の役でした. |
第3話 あの命を守れ! |
脚 本:永原 秀一 |
マカロニ単独主演エピソード.ゲストの河原崎健三さんは,この後間隔を置いて第283話,第452・453話,第663話にゲスト出演されていますが,このエピソードで印象的なのはなんといっても『怪優』大辻しろさん.『ザ・ガードマン』や『キイハンター』で度々その存在感を発揮していましたが,この翌年惜しくもこの世を去ってしまい,このシリーズでは唯一の出演作となってしまいました. |
第4話 プールサイドに赤いバラ |
脚 本:田波 靖男/四十物 光男 |
予告編では『あの女を追え!』というタイトルで紹介されています.マカロニ主演エピソードですが,特別出演の浜美枝さん扮する厚生省麻薬捜査官・村岡房江が活躍する『新人刑事教育シリーズ?』の第1弾エピソード.このキャラクター,この後第67話でジーパン,第137話でテキサス,第246話ではボンの各新人刑事と絡んだエピソードに出ています.裕次郎さんと同じく日活出身で石原プロモーションに所属していた深江章喜さんは,このシリーズにも度々出演されています. |
第5話 48時間の青春 |
脚 本:永原 秀一 |
マカロニ主演ではない最初のエピソードはシンコ主演ストーリーでした.シンコに補導された非行少年を演じの二瓶康一さんは後の火野正平さんで当時23歳,シンコを演ずる関根恵子さんは後の高橋惠子さんで同じく17歳(!)なので,あまりにも老け役すぎてちょっと気の毒な気がいたします.井上孝雄さんはシリーズには計3回出演されていますが,ここでは後の第317話『殺人者に時効はない』,第380話『見込捜査』におけるイメージとは全く違ったキャラクターの教員役を演じていて,ちょっと意外でしたが好演しています.母親役の八木昌子さんは計9回,石原プロモーションに所属していた武藤章生さんも計7回出演されていて,シリーズの常連さんでした.この回で初めて初期七曲署捜査一課の非番制が適用されており,今回は殿下がお休みしていました. |
第6話 手錠と味噌汁 |
脚 本:桜井 康裕 |
マカロニ主演エピソード.セミレギュラーでマカロニの下宿のおばさん役の賀原夏子さんは今回ストーリーに大きく関わる役柄で怪演されていますが,これが最後の出演となってしまいました.後に映画『誘拐報道』では,ショーケン扮する誘拐犯の母親役を演じていたのが印象に残っています.情報屋として初登場の上田忠好さんは今回は山さんとからんでいますが,第52話『13日金曜日マカロニ死す』と第58話『夜明けの青春』では徳さんという名でゴリさんの情報屋という設定となっていて,さらにその後は別役で4回.計7回シリーズに出演している常連俳優さんでした.そして被害者役で初登場の相原巨典さん,多分この方シリーズ最多のゲスト出演者だと思われます. |
第7話 きたない奴 |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
多分この回が再放送で観た一番最初の作品だったと思います.マカロニ主演エピソードとされていますが,ボス主演ともとれるストーリーで,視聴者を欺くトリックを取り入れたシナリオが印象に残っています.日活作品でおなじみだった阿部徹さんはこの回と第329話の『タイムリミット』のわずか2回だけでしたが,『キイハンター』常連の上野山功一さんはこのシリーズにも計7回ゲスト出演されています. |
第8話 真夜中の刑事たち |
脚 本:田波 靖男/四十物 光男/小川 英 |
初の殿下主演エピソード.ですがどちらかといえば,殿下を助ける捜査一課チーム全員の活躍を描いたストーリーだったと思います..ゲストの村井国夫さんはこの回の後第101話と第268話の計3回出演されていますが,松木路子さんは第105話に出演後引退されてしまったらしいです. |
第9話 鬼刑事の子守歌 |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
初のボス単独主演エピソード.ボスの住むマンションの1Fが喫茶店という設定は後のエピソードでも出てきた記憶があるのですが,ママ役の松岡きっこさんはこの回のみの登場でした.また,ボス以外のマンションの住人がほとんどホステスというのも凄い設定ではありますが,ボスをガードするためゴリさん・殿下・マカロニの若手トリオが『悪だくみ』をする初のエピソードでもあります.初期の七曲署捜査一課の刑事たちは,破天荒なキャラクターばかりで,それが魅力でしたが….この回,シンコ役の関根恵子さんはお休みでした. |
第10話 ハマっ子刑事の心意気 |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
一応山さん&ゴリさん主演エピソードということになっていますが,真の主役はゲストの沖雅也さん扮する久保刑事であることに異論はないと思います.沖さんはご存じの通り後にスコッチ刑事としてレギュラー入りされますが,ここではスコッチの落ち着いた大人の魅力とは違った『マカロニそっくり』と言われる横浜署の若手刑事を好演しています.最後には他署で辞表を出すゴリさんと付き合おうとする山さんに横浜の刑事たちも意気投合するアウトロー刑事の群れ.ここで共演していた山さん・ゴリさんがスコッチ最終話の第293話『スコッチよ静かに眠れ』でスコッチの最期を看取ったのは,シナリオ製作陣のちょっとしたサービスではなかったのでは,と思っているのです.今回は殿下,長さん,シンコが欠席,ボスとマカロニは最初とトップとラストだけの出番でした.後に七曲署鑑識課・高田助手役でセミレギュラー出演している北川陽一郎さんが,今回はノンクレジットですがやはり鑑識課員役で出演されています. |
第11話 愛すればこそ |
脚 本:永原 秀一/峯尾 基三 |
山さん主演エピソード.山さんの奥さん役でセミレギュラーの町田祥子さん初出演ですが,マカロニの妄想や夢に出てくるデートシーンは,このシリーズで最もシュールな画像だったと思います.ゲストの太地喜和子さんは実生活さながらの『恋多き女』を好演していますがこれが唯一の出演作,相手役の郷^治さんはもう一度第62話『プロフェッショナル』に出演されていますが,共に同じ1992年に早逝されています.殿下とシンコはこの回もお休みでした.LD Box 『山村刑事プロデューサーセレクション』収録エピソードです. |
第12話 彼は立派な刑事だった |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
ボス主演エピソード.ゲストで七曲署捜査二課係長を演じている平田昭彦さんは後に,三代目の七曲署署長役で長期間のセミレギュラー出演を果たしました.でらちゃんお気に入りの名優・大村千吉さんはこのシリーズに計11回出演している常連さんですが,これが初の登場回です.ボスの『舎弟』を演じている寺田誠さんは後の麦人さんですが,このシリーズ唯一の出演作でした. |
第13話 殺したいあいつ |
脚 本:小川 英/武末 勝 |
一応マカロニ主演エピソードとされてますが,シンコの父親で元刑事の内田宗吉がメインのストーリーで,その過去が明らかにされるエピソードです.『嫌な奴』ぶりがハマっていた小林勝彦さんは,ず〜っと後になって第635話『いい加減な女』に出演しています.また.多分この頃『笑点』大喜利で座布団運びやってた松崎真さんが用心棒役でゲスト出演していたのには驚きました. |
第14話 そして拳銃に弾をこめた |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
ゴリさん主演エピソード.普段は拳銃に弾を込めないというゴリさんの拳銃哲学に対するアンチテーゼともとれるストーリーで,これ以降必要に応じて弾を1発だけ装填するようになります.ゲストの鳥居恵子さんは,かなり後になって第682話『揺れる生命』にも出演しています.また,その恋人役の渡辺篤史さんはこのシリーズへの出演はこれ一度だけですが,後にスコッチ刑事・沖雅也さんと『必殺仕置屋稼業』,『俺たちは天使だ!』で共演,実生活でも仲が良かったらしいです. |
第15話 拳銃とトランペット |
脚 本:小川 英/中野 顕彰 |
マカロニ主演エピソード.ゲストのチコ・ローランドさんは,主に日本で活躍していた黒人俳優さんですが,でらちゃんはボス石原裕次郎さんとスコッチ沖雅也さんの初共演日活映画『男の世界』にピアニスト役で出ていたのと,キイハンターにゲスト出演していたのが記憶に残っていました.多々良純さんはこの後,第92話『シンデレラ刑事』と第562話『ブルース刑事登場!』にストーリー上かなり重要な役で出演されています.また,後に七曲署鑑識課・高田助手役でセミレギュラー入りする北川陽一郎さんが,今回はバーの客役で出演されています. |
第16話 15年目の疑惑 |
脚 本:鴨井 達比古 |
このエピソード,主演者がシンコ,山さん,マカロニ,もしくはその3人のどれともとることができ,また資料によって記載が異なっているのですが,でらちゃんはボス主演エピソードとして捉えています.ゲストの竹内亨さんと本山可久子さんはこのシリーズに何度か出演されていますがこれが第1回目,やはり常連の武藤章生さんは早くも2度目の出演を果たしています. |
第17話 俺たちはプロだ |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
ボス主演エピソード.メインゲストの成田三樹夫さんは,第193話『二人の刑事』では刑事役を演じています.その他,常連の中井啓輔さん,平泉征さん,中村俊男(ブン)さんが初登場ですが,中でも中井さんはこのシリーズ中全12話に出演,犯人,被害者,刑事の全てを演じています. |
第18話 つかみそこねた夢 |
脚 本:永原 秀一 |
マカロニ主演エピソード.ゴリさんの変装になっていない変装が笑えます.Part 2 を含めると全17話に出演している常連中の常連の沖田駿一さんが初登場.無名時代の竹下景子さんが社長令嬢のフーテン娘役でラストにクレジットされていますが,後に第187話『愛』にも出演しています. |
第19話 ライフルが叫ぶとき |
脚 本:石森 史郎 |
欠番作品. |
第20話 そして,愛は終わった |
脚 本:市川 森一 |
ジュリー VS ショーケンの2大 GS スターの共演で話題になったエピソードであると同時に,マカロニが初めて人を撃ち殺してしまう,新人刑事の成長にある意味欠かせない試練を描いた,シリーズ中でも重要な位置を占める作品です.産婦人科医の木田三千雄さんは円谷作品に何度か顔を見せていたので記憶に残っていた俳優さんでしたが,このシリーズにも計9回出演しています.『嫌なババア』を演じさせたら超一級の千石規子さんは,このシリーズ唯一の出演作でした.しかしこの頃,第10話の横浜もこの話の川越も東京近郊というよりも,かなり離れた地方都市として描かれていたのが時代を感じさせられます.クライマックス直前に流れる曲は『不良時代』,ジュリーの 4th Album 『今僕は倖せです』に収録されている,本人作詞・作曲のナンバーです. |
第21話 バスに乗ってたグーな人 |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
マカロニ主演エピソード.特別出演の星由里子さん,会社社長役の江見俊太郎さん共にこのシリーズ唯一の出演作ですが,勝部演之さんは第237話『あやまち』では七曲署捜査四課係長役を演じている他,計6話に出演しています.ところでこの頃の路線バスって自動精算機はおろか,両替機さえついてなかったのね? |
第22話 刑事の娘 |
脚 本:長野 洋 |
長さん主演エピソード.長さんの家庭が描かれた最初のエピソードで,長女・良子役の井岡文代さん初登場.ボスにウソついてすぐにバレてる長さんとゴリさん. |
第23話 愛あるかぎり |
脚 本:永原 秀一/峯尾 基造 |
山さん主演エピソード.第11話『愛すればこそ』に続いて,山さんと妻・高子の愛情エピソードで,無表情で泥まみれのリンゴを食べる露口さんの演技がい印象的でした.前回の長さんエピソードに続いて,事情を知って協力するのがゴリさん.隠し事したけど,またすぐにボスにバレてるし.ところで冒頭でヤクザの賭場に踏み込んで殿下が負傷しますが,なんで暴力団関係なのに捜査一課がメインで捜査をしているのか? ちょっと疑問に感じました. |
第24話 ジュンのお手柄 |
脚 本:田波 靖男/四十物 光男 |
ゴリさん主演エピソード.三億円事件をまねた犯行で,七曲署職員の給料が盗まれてしまうというコメディタッチの作品.セミレギュラーの世界タイムズ記者・美山優子が準主役級の活躍をする回ですが,演じた山東昭子さんはこの後政界進出を果たし,これが最後の出演となっていましました.同時に東西新聞記者・竹内六郎も姿を消し,演じていた片岡五郎さんは後年別役でゲスト出演されています.その代わり,新たに警察犬・ジュンがセミレギュラー入りしたのかしら? |
第25話 手錠が朝日に光った |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
マカロニ主演エピソード.長崎・佐世保における初めての地方ロケ作品.マカロニと手錠で繋がれる多分このシリーズ始まって以来のおバカなヒロインを演じる土田早苗さんはこの回のみのゲスト出演.逃亡するカップルをつけ狙う不気味な存在感あふれる浜田晃さんは,このシリーズ初期は第4話とこの回のみのゲスト出演ですが,番組後期には常連さんのおひとりとなりました. |
第26話 みんな死んでしまった |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
前回に引き続き長崎を舞台に繰り広げられる,今回はゴリさん主演エピソードで,このシリーズでは珍しいクローズド・サークル・ミステリーの秀作です.ゲストの菅井一郎さんという俳優さんは実は知らなかったのですが,サイレント期から戦後にかけて300本以上の映画に出演していた名脇役だった方だったということで,このシリーズ唯一の出演作です.他に円谷作品でプロテ星人,ロボット長官,ナックル星人といったキャラの印象が強かった成瀬昌彦さん,やはり名脇役だった山本麟一さん等,ゲストが豪華な回ですが,何といってもこのシリーズ初登場で,この後度々印象に残るエピソードにゲスト出演している倉野章子さんの存在感溢れる演技が圧倒的でした. |
第27話 殺し屋の詩 |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
欠番作品. |
第28話 目には目を |
脚 本:永原 秀一/武田 宏一 |
ボス主演エピソード.第9話『鬼刑事の子守歌』に続く赤ちゃんがらみのストーリーでした. |
第29話 奪われたマイホーム |
脚 本:石松 愛弘 |
山さん主演エピソード.ラストでゲストの両名優,下条正巳さんと高品格さんの殴り合いが見られる貴重な回で,七曲署の面々も上野山功一さんもちょっと影が薄いです.下条さんはもう一回ゲストの後ゴリさんの父親役で2回,高品さんはゴリさんの先輩巡査役で1回出演されています. |
第30話 また若者が死んだ |
脚 本:長野 洋/永岡 忍 |
マカロニ主演エピソード.新人俳優のトレーナー役を兼任していた水谷豊さん2度目のゲスト出演.また,後のシンコ刑事就任,マカロニ殉職(厳密には殉職ではないのですが)の伏線となっているエピソードでもありました.劇中に出てくる通り,この時期ハイライト80円,セブンスターは100円,マールボロ150円で,猫も杓子も高校生もみんなタバコ吸っているのどかな時代でした. |
第31話 お母さんと呼んで |
脚 本:田辺 靖男/四十物 光男 |
マカロニ&ボス主演エピソード.ゲストの赤座美代子さんはこのシリーズに計4回ゲスト出演されていますが,ショーケンとは映画『青春の蹉跌』でも共演されていました.その娘を演じている青木英美さんは後の初代内勤員クミ役に抜擢されますが,これがテスト出演というわけではなかったようです.ラスト近くのマカロニと誘拐犯人の乱闘シーンが凄まじいですが,ショーケンはまだ演技が未熟だったため,相手役の俳優さんは本当に殴られていて大変だったみたいです.この時期,都内のバスの運賃は一律40円だったのね? |
第32話 ボスを殺しに来た女 |
脚 本:鎌田 敏夫 |
ボス&マカロニ主演エピソード.ウルトラセブン第9話『アンドロイド0指令』でアンドロイド少女ゼロワンを無表情で演じていて強烈な印象を残していた小林夕岐子さんという女優さんが出ていたのでびっくりしたのですが,この方この後しばらくして1974年に引退されてしまい,残念でした.ボスの前任の七曲署捜査一課係長を演じている佐藤慶さんも憎々し気なキャラクターを好演していますが,この後第297話『ゴリ,爆走!』にも別役でゲスト出演されています.北川陽一郎さんが七曲署鑑識課・北川助手役で初のセミレギュラー出演.もう一人,ヤクザさんの高橋明さんは日活ロマンポルノの常連男優さんでしたが,このシリーズにもチョイ役で度々出演されています. |
第33話 刑事の指に小鳥が.... |
脚 本:市川 森一 |
殿下主演エピソード.ヒロインの吉行和子さんは表情ひとつで女性の恐さ,哀しさを見事に演じ分けていて強烈な印象を残しますが,このシリーズでは後に第144話『タレコミ屋』にゲスト出演されています.某クイズ番組司会者の印象があまりにも強い柳生博さんは,若かりし頃このシリーズに度々ゲスト出演されていたのを知ったのは,ずいぶん後になってからでした.『優しすぎる刑事』殿下のキャラクターを確立した佳作エピソードですが,初登場の殿下の妹・京子を演じていた三谷文乃さんはこの回のみの出演で,京子役は第194話・第282話では中田喜子さんが演じています. |
第34話 想い出だけが残った |
脚 本:鴨井 達比古 |
ボス主演エピソード.ボスの元カノ役の江波杏子さんは,実生活ではショーケンの元カノだったですとか? ボスの大学時代の友人役の早川保さんは,このシリーズに計7回ゲスト出演していますが,今回以外はいずれも警察・検察関係の役柄を演じています. |
第35話 愛するものの叫び |
脚 本:鎌田 敏夫 |
マカロニ主演エピソード.ヒロインの小泉一十三はこの共演がきっかけとなってショーケンの最初の奥さんとなりましたが,わずか3年で離婚してしまいました.モデルが本職で女優さんではないので,はっきり言って演技ヘタです.2代目新人刑事ジーパン役の松田優作さんのテスト出演回ですが,こちらは施設職員役でショーケンを食ってしまうほどの演技を観せてくれています. |
第36話 危険な約束 |
脚 本:市川 森一/山田 正弘 |
マカロニ主演エピソード.犯罪者が複数の人質を取って籠城し,その中に…という,『ザ・ガードマン』とか『キイハンター』とかいったドラマでも度々見られたシチュエーションのストーリーですが,このシリーズマカロニ編の中でも屈指の傑作回だったと思います.また私にとってはゲスト常連の沖田駿一さんと中井啓輔さんのお二人の俳優さんに関心を持つきっかけとなった作品でした. |
第37話 男のつぐない |
脚 本:永原 秀一 |
欠番作品. |
第38話 オシンコ刑事誕生 |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
少年課巡査という設定だったシンコが晴れて七曲署捜査一課メンバーに昇格するエピソード.演じている関根恵子さんは当時17歳で,ドラマの中では年齢不詳という設定となっています.シンコを刑事に昇格させたのは欠番となった前回初登場の二代目七曲署署長ですが,この歴代署長の中でも最もユニークなキャラクターを南原宏治さんが楽しそうに演じていたのが良かったです. |
第39話 帰って来た裏切者 |
脚 本:石松 愛弘 |
ボス主演エピソード.ゲストの宍戸錠さんは石原裕次郎さんの日活時代の盟友ですが,この後第117話『父と子の再会』とボス復帰回の第489話『帰って来たボス−クリスマスプレゼント』にも出演されています.その母親役の菅井きんさんは,後にジーパン刑事の母親役でセミレギュラー入りしています.あと『宇宙戦艦ヤマト』のスターシャ・平井道子さんがかなり重要な役を演じていたのは驚きでしたが,他にも悪役常連の川辺久造さん,内田勝正さん,刑事役常連の玉川伊佐男さんとゲストが豪華な回でした. |
第40話 淋しがり屋の小猫ちゃん |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
長さん主演エピソード.四方正美さん,残念ながら『小猫ちゃん』ってイメージじゃないです.この回,マカロニは初の非番で不在でした.また,オープニング・クレジットに野崎良子役の井岡文世さんがキャスティングされていますが,実際には出演されていないのでカットされたと思われます. |
第41話 ある日,女が燃えた |
脚 本:鎌田 敏夫 監 督:土屋 統吾郎 ゲスト :芦田 昌子/池田 生二/土屋 靖雄/石井 宏明/杉浦 千江子/西川 敬三郎/北川 陽一郎/佐野 哲也/向井 順一郎/今井 和雄/森本 景武/佐野 禎男/牧 紀子/浅香 春彦 セミレギュラー:南原 宏治(七曲署署長)/北川 陽一郎(高田鑑識課助手) |
初期山村刑事のアウトロー的性格が最もよく描かれているエピソードで,南原宏治さん演じる二代目署長に嫌われているという設定ですが,この署長の初登場エピソードの第37話『男のつぐない』が現在欠番になっているので,そのいきさつは確認できないのですが気になっています.結局違法な捜査の責任を取らされて降格されてしまうのですが,それよりもこのケースの場合,犯人の傷痕にどれほどの証拠能力があるのかの方が疑問で,不起訴に終わってしまう危険性大だと思われます.LD Box 『山村刑事プロデューサーセレクション』収録エピソードです. |
第42話 知らない街で.... |
脚 本:小川 英/中野 顕彰 |
ゴリさん主演エピソード.管轄外での潜入捜査って,前回の山さんもそうでしたが,警察組織を無視した行動が目立つ,七曲署捜査一課アウトロー軍団.署長に嫌われるわけだわ.ゲストの小栗和也さん,神田隆さん,久富惟晴さんそろって初登場エピソードですが,中でも久富さんは警察側・犯人側それぞれの役を複数回演じている常連俳優さんでした.あと,神田さん演じる社長の愛人役の戸部夕子さんは,このシリーズには計3回出演されていますが, TBS 系の『キイハンター』,『アイフル大作戦』,『バーディ大作戦』にも度々印象的な役柄で出演されていました.今回もマカロニ刑事は二度目の非番で姿を見せませんでした. |
第43話 きれいな花にはトゲがある |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
今回はなんとゴリさんが結婚詐欺・暴行傷害の嫌疑をかけられ,捜査一課の面々がその取り調べにあたるというこの上なくシュールなストーリー展開.このなると捜査一課を快く思っていない南原宏治さん扮する二代目署長が出てくるのは当然の流れで,今度はゴリさんの処遇を巡ってボスとの丁々発止のやり取りが見ものでした.演ずる南原さんは前々回では露口茂さん,今回は石原裕次郎さんを相手にコミカルな演技を披露していて,歴代署長の中でも最も個性的なキャラクターを好演していたのですが,わずか5回と出演回数が少なかったのがとても残念でした. |
第44話 闇に向って撃て |
脚 本:市川 森一 |
藤岡琢也さん演じる,ボスの盟友で・北署刑事の鮫島勘五郎初登場,元刑事役のハナ肇演じる内田宗吉をはるかに超える強烈なキャラクターで,今回は殿下と絡んでいますが,以後番組末期に至るまで,各時期の新人刑事と絡む形で度々登場しています.相手役の殿下は,今回貧血持ちという設定が明らかになりますが,鮫島刑事の個性の前にちょっと影が薄い感じでした.『ウルトラセブン』のウルトラ警備隊通信班員役でセミレギュラーだった勝部義夫さんが歯科医役で出演しているのを見つけてちょっと嬉しかったです.マカロニ刑事は三度目の非番で姿を見せませんでした. |
第45話 怒れ!マカロニ |
脚 本:永原 秀一/峯尾 基三 |
マカロニ刑事の中学の同級生という設定のチンピラ・早川清が故郷へ帰るというくだりがありますが,マカロニって確か東京出身という設定だったのでは? 演じている高岡健二さんは,かなりシリーズ後期になって,第516話,第674話にゲスト出演しており.後者は何と警部補役でが,この方の場合何といっても『刑事スタスキー&ハッチ』ハッチ役声優のイメージが強いです.悪役常連の田中浩さんもこのシリーズ初登場ですが,この方の場合もやはり『丸大ハム』CMのイメージが強すぎて,ヤクザの幹部役がしっくりこないのです. |
第46話 黒幕は誰だ |
脚 本:鎌田 敏夫 |
石原裕次郎さんの日活時代の盟友・藤竜也さんがゲスト.というわけで全編昔の日活アクション映画のような雰囲気をたたえた,超ハードボイルドなエピソードで,ボスが大活躍するストーリーですが,でも最後の犯人の射殺は単なる殺人ではないのか? という疑問が残ってしまいます.七曲署幹部役で,幸田宗丸さん,入江正徳さん等が出演されてますが,何故か二代目署長の南原宏治さんは非番だったのかお休みでした.ヒロインの奈美悦子さんは計6話このシリーズに出演していますが,今回は劇中何曲か歌唱を披露しており,かなり強力にフィ―チュアされています.初期のこのシリーズ,小道具のウィスキーは必ず J&B だったのですが,ここでも出てきてます. |
第47話 俺の拳銃を返せ! |
脚 本:小川 英/武末 勝 |
マカロニ主演エピソード.ゲストの森本レオさんは,このシリーズにはかなり後のスぺシャル第644話『七曲署全員出動・狙われたコンピュータ』に出演されていますが,映画『青春の蹉跌』やTV『傷だらけの天使』最終回等,初期のショーケンとの共演が多い俳優さんでした.酔っぱらい悪戯グル―プの柳生博さん,中村孝雄さん,福岡正剛さんはこのシリーズおなじみの常連俳優さんでした. |
第48話 影への挑戦 |
脚 本:小川 英/鴨井 達比古 |
シンコ主演エピソード.シンコのかつての恋人でルポ・カメラマン役の村野武則さんはシリーズ唯一のゲスト出演.常連ゲストの幸田宗丸さんが,第46話に続いて七曲署幹部役で出演されていますが,どうもこれは気の毒ですが,不在の署長(南原宏治さん)に替わってボスに恥をかかされる役として作られた役柄っぽいです.シリーズ初期にしか見られなかった,珍しく国際的な政治犯罪を取り扱った作品でした.ちょっと『キイハンター』ぽいです. |
第49話 そのとき,時計は止まった |
脚 本:長野 洋/小川 英 |
山さん主演エピソード.このあたりから,山さんのキャラクターが変わってきたような気がします.ヒロインの川口晶さんは後に第145話『決定的瞬間』に出演している他,『傷だらけの天使』第7話『自動車泥棒にラブソングを』でショーケンと共演しています.七曲署初代署長役で2回だけ出演していた野口元夫さんが,早くも別役台詞なしで出演されています.シリーズ初登場の剛達人(後の剛たつひと)さんも,常連俳優さんのおひとりでした. |
第50話 俺の故郷は東京だ! |
脚 本:小川 英/中野 顕彰 |
マカロニ主演エピソード.ヒロインの坂口良子さんは後に第189話『人形の部屋』に出演している他,『傷だらけの天使』第24話『渡辺綱に小指の思い出を』でショーケンと共演していますが,その頃ショーケン・水谷豊さん双方との噂があったり,沖雅也さん逝去の頃も関係を噂されたり,スキャンダラスなイメージの強い女優さんでした.常連の木田三千雄さんは早くも2度目の出演ですが,今回ちょっと演技過剰かも.やはり2度目の出演の中村俊男(後の中村ブン)さんも,常連俳優さんのおひとりでした. |
第51話 危険を盗んだ女 |
脚 本:田波 靖男/四十物 光男 |
殿下主演エピソード.ヒロインの大原麗子さんはシリーズ唯一のゲスト出演でしたが,殿下・マカロニを翻弄する女スリ役が見事にハマっていました.ところで2人前で¥7,000 の中華料理の出前って何だったのかしら? 北京ダックとかフカひれとか燕の巣とか…? |
第52話 13日金曜日マカロニ死す |
脚 本:小川 英 |
番組名物となった刑事殉職シーン第1弾.ショーケンはすでに半年前にシリーズからの離脱を希望していたらしいですが,華々しい殉職ではなく犬死を希望.以後,殉職エピソードではある程度本人の希望に沿ったシチュエーションが取り入れられるようになったらしいですが,個人的には本来の意味での殉職ではなかったマカロニ,殿下,スコッチの殉職エピソードが印象に残っているのです.ゴリさんの情報屋・トクさんを演じた上田忠孝さんは,第6話『手錠と味噌汁』では山さんと絡んでいたので別の情報屋役だったと思われますが,このあと第58話『夜明けの青春』では同じ徳岡役を演じた後,4回ほど別役でのゲスト出演されてました. |