ウルトラセブン


TBS 系
1967年 10月 1日 〜 1968年 9月 8日
日曜日 P.M. 7:00 〜 7:30 放映
全49話

監修:円谷 英二
音楽:冬木 透


LD-BOX BELL-565/637


CAST
 

キリヤマ隊長 …

中山 昭二

モロボシ ダン …

森次 浩司(現・森次 晃嗣)

友里 アンヌ …

菱見 百合子(現・ひし美 ゆり子)

フルハシ隊員 …

石井 伊吉(現・毒蝮 三太夫)

ソガ隊員 …

阿知波 信介

アマギ隊員 …

古谷 敏

   

クラタ隊長 …

南 廣

ヤマオカ長官 …

藤田 進

タケナカ参謀 …

佐原 健二

マナベ参謀 …

宮川 洋一

ヤナガワ参謀 …

平田 昭彦

ボガード参謀 …

フランツ・グルーベル

北村博士 …

岡部 正/松尾 文人(第31話)

ウエノ隊員 …

勝部 義夫

   

ウルトラセブン …

上西 浩次/菊地 英一(第14・15話)

ナレーター …

浦野 光



第1話 姿なき挑戦者

監 督:円谷 一
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :丸山 謙一郎/加藤 茂雄
宇宙人・怪獣:クール星人(cv 矢田 耕司)/ウィンダム(春原 貞雄)

 記念すべき新シリーズ第一話ですが,シリーズ全体を通じてのストーリー構成・設定等に無理のあることを露呈してます.これは SF を筆頭とする虚構の世界に現実感を持たせることの難しさを証明する一例.なお,地球防衛軍極東基地の首脳部5人のうち,ヤナガワ参謀役の平田昭彦氏とボガート参謀役のフランツ・グルーベル氏は,残念ながらこの回にしか出演していません.


第2話 緑の恐怖

監 督:野長瀬 三摩地
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :大村 千吉/鈴木 和夫/森 今日子/島田 彰/中 真千子/松本 朝夫
宇宙人・怪獣:ワイアール星人(春原 貞雄・佐々木 考吉)

 やはり脚本面での不自然さが感じられる2作目.石黒隊員役の松本朝夫氏は,『ウルトラマン』第8話『怪獣無法地帯』多々良島での唯一の生き残り(ピグモンに助けられた人).ワイアール星人の第一の犠牲者となる酔っぱらいのオヤジは大村千吉氏(今回は出番が少なく残念).「何故撃ったんだ?」,なぜかハモるソガとアマギ.宇宙物質チルソナイトは『Q』の『ガラダマ』と同名.


第3話 湖のひみつ

監 督:野長瀬 三摩地
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :山本 浩/金井 大/高橋 礼子
宇宙人・怪獣:ピット星人/エレキング(池田 芙美夫・鈴木 邦夫)/ミクラス(西京 利彦)

 娯楽篇として評価の高い作品ですが,あまりピンときません.というのも『美しき侵略者』ピット星人の化けた姿ってあまりキレイじゃないんだもん.「作戦の失敗ね〜?」,「...地球人って可愛い女の娘に弱い...」のセリフのやりとりには苦笑してしまいました.あんたたちよりエレキングの方がかわいい! あまりにも簡単なフルハシ隊員の武器の点検.常連・金井大氏が釣人役で出演.


第4話 マックス号応答せよ

監 督:満田 かずほ
脚 本:山田 正弘/金城 哲夫
ゲスト :水上 竜子/岡村 春彦/尾鼻 隆/幸田 宗丸
宇宙人・怪獣:ゴドラ星人(西京 利彦・cv 小林 恭二)

 簡単にアマギ隊員逃がしちゃったり,せっかくダンから奪ったウルトラアイを落として取り返されちゃったり,作戦のわりにとにかく詰めが甘いゴドラ星人.ラスト,宇宙服を着けたタケナカ参謀以下3名をマックス号から地球へと引っ張って連れてくるという,セブンの救出方法に笑いました.


第5話 消された時間

監 督:円谷 一
脚 本:菅野 昭彦
ゲスト :丸山 謙一郎/緒方 燐作/若山 真樹/加藤 茂雄/山本 耕一
宇宙人・怪獣:ビラ星人(cv 辻村 真人)

 山本耕一氏が天才科学者ユシマ博士役で出演.部下のダンよりも博士の言葉を信じ,ダンを独房に入れてしまうキリヤマ隊長.ウルトラ警備隊の権威主義が垣間見えた話,さすが防衛軍きってのエリート集団!(笑)


第6話 ダーク・ゾーン

監 督:満田 かずほ
脚 本:若槻 文三
ゲスト :岡村 春彦/尾鼻 隆
宇宙人・怪獣:ペガッサ星人(山本 一/cv 日笠 潤一)

 大好きな作品です.『ウルトラセブン』がこれまでの子供向け怪獣路線と一線を画した作品であることを最初に示した作品でした.何も文句はありません.


第7話 宇宙囚人303

監 督:鈴木 俊継
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :西条 康彦/西 朱実/伊藤 実/越後 憲/久野 征四郎/佐田 豊/キャシー・ホーラン(cv 栗 葉子)/山中 紘
宇宙人・怪獣:キュラソ星人(松原 靖)

 これも好きな作品です.出てくる宇宙人が侵略者でなく,逃亡中の囚人という設定がせこくていいです.泣きながら自爆せざるを得ないキュラソ星人のなさけなさがいいです.事件後,キュラソ星から地球にお礼の電報が届き有効関係が結ばれるというくだり,なんと牧歌的な結末! ^o^ 『Q』の戸川一平役・西条康彦氏がゲスト出演.キュラソ星人の胴体はケムール人と全く同じ?


第8話 狙われた街

監 督:実相寺 昭雄
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :岡本 四郎/草間 璋夫/坪野 鎌之/吉頂寺 晃/橘 正晃/佐渡 絹代/大塚 秀男/伊藤 久哉/穂積 隆信/浅川 みゆ起/鈴木 治夫
宇宙人・怪獣:メトロン星人(荒垣 輝雄・cv 中江 真司)

 シリーズ中の最高傑作とされていますが,その通りだと思います! ちゃぶ台を挟んで対峙するダンとメトロン星人...,もう何も言うことはありません.でも...メトロン星人のあの手,一体どうやって使うのか? 暴れ出すフルハシ隊員をみんなで取り押さえようとするシーンでのアマギ隊員がかわいいです.


第9話 アンドロイド0指令

監 督:満田 かずほ
脚 本:上原 正三
ゲスト :加藤 土代子/坂上 友之/加藤 英作/植村 謙二郎/小林 夕岐子
宇宙人・怪獣:チブル星人/ゼロワン

 第1話(クール星人),第5話(ビラ星人),そしてこの話と『吊り繰演』による宇宙人の話ってそれぞれストーリーはよく出来てると思うんですけど,どうしても印象が弱いのよね... やっぱり宇宙人の外見的な個性が強すぎるせいかしらん... セブンに変身するためにソガを気絶させてしまったダンは,後でどうやって言訳したのだろうか? アンドロイド・ゼロワンを演じた小林夕岐子さんはこの作品と,映画『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』の吸血鬼役で強烈な印象を残しました.


第10話 怪しい隣人

監 督:鈴木 俊継
脚 本:若槻 文三
ゲスト :百合 かほる/中島 洋/山本 廉
宇宙人・怪獣:イカルス星人(鈴木 邦夫)

 ウィンダム・ミクラスに続く第3のカプセル怪獣は,名前も呼ばれないままダンに四次元空間に放り出されてそれっきりになってしまいます...かわいそうです... 円谷作品常連の山本廉氏が『怪しい隣人』(イカルス星人)を演じてます.隣人に疑惑を持つ少年は後に『怪奇』にセミレギュラー出演する中島洋氏.空中で死んでいる鳥がかすかに揺れているのはご愛敬.アンヌのセリフ「キリヤマ隊長,キリヤマ隊長,ダンが大変です」,報告が簡潔すぎます,もっと具体的に.


第11話 魔の山へ飛べ

監 督:満田 かずほ
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :佐竹 弘行/松井 隆之/鈴木 邦夫/松島 映一/春日 章良/鈴木 和夫/島田 太郎/金城 哲夫(カメオ出演)/上原 正三(カメオ出演)/赤井 鬼介(カメオ出演)
宇宙人・怪獣:ワイルド星人(荒垣 輝雄・cv 丸山 詠二)/ナース

 ワイルド星人の生命吸収カメラによって生命を奪われてしまったダン... しかし『ウルトラマン』ではウルトラマンもゾフィーを生命をふたつ持っていたはず... M78星雲人は生命をふたつ以上持っているはずなのだから,別に心配する必要はなかったのか? あるいはM78星雲人でもいろんな人種があって,セブンのようなタイプは生命ひとつしかなかったのか... くだらん事を考えさせられた話でした.上西浩次氏が死体とセブンの二役を演じています.脚本の金城哲夫氏・上原正三氏らがダンの臨終を認める医師役でゲスト出演.


第12話 遊星より愛をこめて

監 督:実相寺 昭雄
脚 本:佐々木 守
ゲスト :桜井 浩子/岩下 宏/福田 善之
宇宙人・怪獣:スペル星人(中村 晴吉)


“ひばく星人”・スペル星人

<今回の記事・1998. 9. 5>
 
前回の記事に関しまして,いろいろな御意見をいただき,誠にありがとうございました! まずは,自分の馬鹿さ加減を告白しなければイケナイ...?

 で...実は前回の記事書いた後で気になっていたんですぅっ! ストップ・モーション多用の戦闘シーン... 実は私が『セブン』全作品中最高傑作だと思っている『狙われた街』の戦闘シーンでも,ストップ・モーションが効果的に使われていたもんで... もっとも『狙われた街』では1回だけで多用はされておりませんでしたが... しかしながら...監督に関しては...どうもこの第12話の監督,私が円谷プロ作品の監督の中で一番好きな実相寺監督みたいだったすねっ! で...言訳です.今回入手したビデオテープには英語版と日本語版の両方が収録されていたのですが,この日本語版の方の画像がもろ Punk だった(mikako さんは知っている)ため,スタッフ名が確認できず,また,この第12話に対する私の期待が過剰だったために,最初に見た印象が期待ほどじゃなかったもんで,前回記事のような感想になってしまったのですが...
 で...ここから本題に入ります.その後何度か見直してみたんですが,『セブン』の実相寺監督の他の3作品(『狙われた街』・『第4惑星の悪夢』・『円盤が来た!』)にくらべると,やはり少し見劣りするのは確かです.また,『セブン』の第1クールには他に内容的に傑出した作品が多いため,それらの中でもあまり目立たない出来の作品であることも確かです.しかし,脚本(佐々木守氏だそ〜です...Yuuki 様,情報ありがとうございました)に関しては前回記事に書いたとおり多少未消化・説明不足な点は認められるものの,そんなに悪い出来ではないように思えてきました.
 例の事件に関する私の意見は根本的には変わっておりませんですが,『子供向け番組』である事に関して,「隠すことによって,かえって子供たちに偏見を与えるのではないか?」との御意見を何人かの方からいただきました...その通りだと思います.ありがとうございました.
 最後に...入手したビデオの英語版の方ですが,オープニング・インターミッション・エンディングが当然差し替えられておりました.しかし...エンディングの後のセブンの静止画の片隅に燦然と輝く日本語の『おわり』の文字...何でだ?

<前回の記事・1998. 8.10>
 
おかげさまで Get できました.mikako 様,ありがとうございました!

 と言う訳で,『ウルトラセブン』第12話『遊星より愛をこめて』の英語バージョンを無事 Get して,約25年ぶりに見る事ができました(いわゆる裏ビデオとゆ〜事になるんでしょ〜か?).
 内容的には『セブン』全49話の中でもそれ程良く出来た作品だとは思えません.特に特撮面は
はっきり言って出来良くありません.まず,冒頭のスペル星爆発のシーンの描写が不自然...何故宇宙空間で煙が一定方向にあがるのか? セブンとスペル星人の戦闘シーンもストップ・モーション多用で不満が残ります(他にもこ〜ゆ〜話あったな? 誰だ? 監督は).
 さて,ストーリーは,狂った科学者の核実験によって爆発してしまったスペル星の生き残りが,地球人に化けて腕時計に似せた装置で地球人の若い女性の血液を採取していたところ,ヒロイン・さなえ(桜井浩子氏)の弟が偶然その腕時計をしたところから,子供の血液の方が新鮮であることに気付き,子供にターゲットをしぼろうとした時点で計画が発覚,ウルトラ警備隊およびセブンに計画を阻止されるのですが,少しストーリーの展開に無理があるような気がします.何故最初のターゲットが若い女性でなければならなかったのか? 何故地球人の血液が必要だったのか? 説明が一切なされておりません.まさか地球人とは全く別の生命体であるスペル星人に地球人と同じ血液が流れているとは思えないのですが...
 事件について,私はあらゆる作品発表の場における『表現の自由』は絶対に侵されるべきではないと考えている人間なので,『セブン』12話や『怪奇』24話のような事件には,心底残念なことだと思うのです.こんなに優しくおとなしい羊さんのよ〜な人間を怒らせる世間って一体何なんでしょう? だいたいが強制にせよ自主規制にせよ現代文化の遺産とも言うべき映像作品を埋もれさせて構わないといった発想自体,非常に恐ろしいものであると思うし,それ以上に『臭いものにはフタをする』・『腫れ物にさわるのを極端に恐れる』態度が,当事者(この場合表現される側である『被爆者』と表現する側の『映像作家』の双方)たちを,かえってどれだけ傷つけるものであるかわかってないおっさんたちが多すぎるのです.
 『子供向け番組』であるという事でやたら大袈裟に取りざたされた事件でありますが,子供を馬鹿にしてはイケナイ.子供は大人以上に何が良くて何が悪いか,本能的に理解できる能力を持っていると思います.子供は決して『大人に悪影響を与えられる』のではなく,『大人に容認される悪を敏感に感じ取り確信犯となる』だけの事ではないかと思うのです. 私の『子供嫌い』はこ〜ゆ〜ところからも来ているのです.
 さて,ここからは少々暴論になるかもしれませんのでごめんなさい,最初にあやまっておきます.私は以前から,学校というところは学問上の知識を与えるだけで良いという考えの持主です.子供の親は子供を社会に出す以前に最低限の躾はおこなっておくべきだと思うし,逆に言えば自分の子供に対してどのような躾をおこなうかは親の自由であると同時に権利でもあると思うのです.実際は自分の義務も責任も権利も放棄して,社会や学校にすべて依存している親が多すぎるのではないかと思うのです.だったら子供つくんなよ,避妊くらいしろよ,と言いたくなります.原因が結果に対して責任をとるのは当然なことで,その責務を全うしている限り他人に文句を言われる筋合いはないのです.それを全て社会まかせ学校まかせにしてしまうから,たとえば生徒の服装や髪型を自分にしばりつける材料にするような,大馬鹿者の教師や学校が横行する社会の存在につながっていくのです.かわいそうなのはあんたの子供だよ.

<以前の記事・1998. 5.31>
 小学校5年生のとき新聞におそろしい記事が載っていました.小学館の学習雑誌『小学ニ年生』の綴じ込み付録の怪獣カード(当時妹がニ年生だったので家にもありました...とっておけばよかった)のスペル星人の説明に「ひばく(被爆)星人」とあったのを見た大学生(当時の記憶ではそうなのですが,後にこの事件について記載した文献には大学生ではなく父親となっていました)が「被爆者を宇宙人扱いするとは何ごとだ!」と抗議したとか... おかげでこの話は円谷プロによって自主的に永久欠番扱いされる事となってしまい,日本では現在まで再放送はおろか,セブン関連の文献にも載せられていません(アメリカでは何の問題もなく放映され続け,ビデオも入手可能らしいです).したがって,初回放映時に見ただけなので,残念ながら話の内容は覚えていませんが,狂った科学者の核実験によって滅びてしまった星の生き残りによる地球侵略ものらしいです.このへんは『マン』におけるバルタン星人と似通った設定なのですが,こちらだけ問題となったのはやはり「被爆星人」という肩書と外見(全身ケロイドだらけ)のせいなのでしょう.当時,子供心にも「何と非常識な大学生だ!」と憤りを感じ,「こんな大人にだけはなりたくないもんだ...」と思ったものでした.


第13話 V3から来た男

監 督:鈴木 俊継
脚 本:市川 森一
ゲスト :山崎 猛/小林 正/大山 修隆/中川 英人/西田 敏明
宇宙人・怪獣:アイロス星人(荒垣 輝雄)

 見かけはかわいいけどとってもつよ〜い宇宙人・アイロス星人が出てくるこの回はV3のクラタ隊長(南廣氏)が登場する最初の話(他に『月世界の戦慄』・『史上最大の侵略』)でもあります.


第14・15話 ウルトラ警備隊西へ

監 督:満田 かずほ
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :リンダ・ハーディスティー(cv 牧野 和子)/テリー・ファンソワーズ(cv 山田 康雄)/エンベル・アルテンバイ/吉原 正皓/佐藤 功一/土屋 嘉男/片山 滉/オスマン・ユセフ(ノンクレジット)
宇宙人・怪獣:ペダン星人(cv 八代 駿・cv 田辺 洋)/キングジョー(中村 晴吉・加藤 芳巳)

 スポンサーの武田薬品の工場がある神戸でロケがおこなわれた作品.セブン初の長編作品(他に『セブン暗殺計画』・『史上最大の侵略』)でもあります.秘密諜報部員の声はルパンの故山田康雄氏.近所でロボット(キングジョーという名前は,後から脚本の金城哲夫の名前から採ってつけられたもの)が暴れてるとゆ〜のに,神戸タワーに観光客がいっぱいいるのは不自然.この前後編の2話のみ,セブンのスーツアクターは上西幸弘次さんではなく菊地栄一さんです.


第16話 闇に光る目

監 督:鈴木 俊継
脚 本:藤川 桂介
ゲスト :岩本 弘司/堤康久/北川 恭子/稲吉 千春/町田 政則(ノンクレジット)
宇宙人・怪獣:アンノン(中村 晴吉・cv 中江 真司)

 この頃からダンもだんだん図々しくなって来て,先輩で年上のアマギ隊員をさしおいて指揮をとったりしている.『ウルトラマン』の『人間標本5・6』のハヤタもそうだったが,M78星雲人というのはすぐに環境に順応して大きい顔をするのが得意らしい.いじめられっこ役の稲吉千春氏は『ウルトラマン』の『怪獣殿下』を演じていました.ところでこの頃『an-an』と『non-no』ってもう刊行されていたのかしら?


第17話 地底 GO! GO! GO!

監 督:円谷 一
脚 本:上原 正三
ゲスト :国分 秋恵/西田 敏明/松本 染升/田中 淑隆
宇宙人・怪獣:ユートム(中島 春雄)

 ウルトラセブンがいかにしてモロボシ・ダンの姿になったかが判明する重要なエピソードでありながら,一体の着ぐるみを胸のマークを取り替えるだけの事によって何体にも見せ,予算を浮かせたというせこい作品.前回に続いて態度の大きいダン.森次浩二氏がダンと薩摩次郎の二役.


第18話 空間Χ脱出

監 督:円谷 一
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :東 隆明
宇宙人・怪獣:ベル星人(鈴木 邦夫)/グモンガ

 訓練中に遭難したアマギとソガを主人公にした話.なのでゲスト出演者はいません.実はこのふたりの俳優さん(古谷敏氏・阿知波信介氏)すご〜くいい味出していて,このシリーズに対する貢献は大きかったと思います.また,この話は当時劇場でも公開されましたが,スクリーンで見る巨大なベル星人は,あまり動かない宇宙人であるだけにかえって迫力的だった記憶があります.


第19話 プロジェクト・ブルー

監 督:野長瀬 三摩地
脚 本:南川 竜
ゲスト :リンダ・マルソン(cv 栗 葉子)/野村 明司
宇宙人・怪獣:バド星人(中島 晴吉・沖田 幸勝・cv 槐 柳二)

 事件に巻き込まれる宮部博士役の野村明司氏は『Q』の『変身』で巨人に変身する男を演じていました.バド星人はスーツアクター・トランポリン演技・声優さんの3人がかりで演じられてます.


第20話 地震源Χを倒せ

監 督:野長瀬 三摩地
脚 本:若槻 文三
ゲスト :松平 有加/若山 真樹/吉田 義夫/北原 隆
宇宙人・怪獣:シャプレー星人(荒垣 輝雄)/ギラドラス(加藤 芳己・松島 映一)

 岩村博士役の吉田義夫氏は『悪魔くん』の初代メフィスト.「ダン,呼ばれたら返事をせんか?」.ところで,なんで方向音痴の女の子(若山真樹さん)がラリーのナビゲーターやってるのか?


第21話 海底基地を追え

監 督:鈴木 俊継
脚 本:赤井 鬼介
ゲスト :川又 由希夫/今井 和雄/後藤 幸彦/柳谷 寛
宇宙人・怪獣:ミミー星人(cv 村越 伊知郎)/アイアンロックス

 よくわからないストーリー展開と尻切れトンボ的な終わり方が残念... 脚本に不満が残る作品.もしかしてアイアンロックスって,元祖宇宙戦艦ヤマト?


第22話 人間牧場

監 督:鈴木 俊継
脚 本:山浦 弘靖
ゲスト :島 つかさ/小島 岩
宇宙人・怪獣:ブラコ星人(荒垣 輝雄・春原 貞雄)

 好きな作品です.『人間牧場』という発想が斬新だったと思います.しかもその対象となるのが女性だけというのがちょっとエッチでいいです. 「大変なことが起こったんです... すぐに来てください!」と理不尽な事をのたまうアンヌに対して,「よしわかった」とすぐに部下とともに出動する物わかりの良すぎるキリヤマ隊長ですが,行方不明のダンを見捨てておきながら「きっとどこかに生きている」,どういう性格してるんだか.


第23話 明日を探せ

監 督:野長瀬 三摩地
脚 本:南川 竜/上原 正三
ゲスト :木田 三千夫
宇宙人・怪獣:シャドー星人(上田 耕一・佐藤 千枝子・cv 大島 マリ子)/ガブラ(鈴木 邦夫)

 占師・安田役の木田三千夫氏は『怪奇大作戦』の第一話『壁ぬけ男』では奇術師役でゲスト出演してます.


第24話 北へ還れ!

監 督:満田 かずほ
脚 本:市川 森一
ゲスト :市川 春代/山口 奈々/矢野 陽子/ブルーノ・ルシケ/小島 岩/小沢 直平
宇宙人・怪獣:カナン星人(酒井 久美子・浜田 ひろ子・山田 みどり・cv 矢野 陽子)/ウィンダム(鈴木 邦夫)

 戦前の大女優・市川春代氏の最後の出演作らしいです.


第25話 零下140度の対決

監 督:満田 かずほ
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :幸田 宗丸/山本 廉/金城 哲夫(カメオ出演)
宇宙人・怪獣:ポール星人(cv 矢田 耕司)/ガンダー(山村 哲夫)/ミクラス(鈴木 邦夫)

 脚本の金城哲夫氏がアンヌに「起きなさい ! !」と怒鳴られる隊員役で2度目のゲスト出演.また,円谷作品では悪役で常連の山本廉氏が珍しくムカイ班長役でいい役を演じてます.



第26話 超兵器R1号

監 督:鈴木 俊継
脚 本:若槻 文三
ゲスト :田村 奈己/向井 淳一郎
宇宙人・怪獣:ギエロン星獣(鈴木 邦夫)

 『Q』の『ペギラが来た』の女性隊員,『マン』の『怪獣墓場』の助手役に続いて田村奈己氏が『セブン』にも出演.シリーズに対するアンチテーゼが感じられる作品でした.


第27話 サイボーグ作戦

監 督:鈴木 俊継
脚 本:藤川 桂介
ゲスト :近藤 征矢/小西 良夫/木之内 ゆみ/宮内 恵子/広瀬 明
宇宙人・怪獣:ボーグ星人(鈴木 邦夫)

 ボーグ星人の『ボーグ』は『サイボーグ』の『ボーグ』ではなく『vogue』で,流行に敏感な女性の宇宙人だそうです.それでいつもより戦闘場面が長く,くんずほぐれつの大熱戦,セブンの攻め方もしつこいのでした...(おげれつでごめんなさい).


第28話 700キロを突っ走れ!

監 督:満田 かずほ
脚 本:上原 正三
ゲスト :三上 左京/野島 昭生/峯 千鶴子/瀬里 ナツル
宇宙人・怪獣:キル星人/恐竜戦車(鈴木 邦夫)

 アマギ隊員物語.好きな話ですが,脚本に疑問を感じる点がいくつかありました.アマギ隊員の臆病を治すために爆薬『スパイナー(実はダミー)』を700km ラリーで運ばせるキリヤマ隊長,ここまでは納得がいきます.が... しかけられた時限爆弾を「おまえがやれ」とアマギ隊員に取り外しを命じるに至っては納得いきません.もし失敗したらどう責任を取るつもりでいたのでしょうか? ソガ隊員のマンドリン・マシンガン,一体どんな意味があったのでしょうか?


第29話 ひとりぼっちの地球人

監 督:満田 かずほ
脚 本:市川 森一
ゲスト :北林 早苗/剣持 伴紀/成瀬 昌彦
宇宙人・怪獣:プロテ星人(山本 一・山村 哲夫)

 仁羽教授(実はプロテ星人)役の成瀬昌彦氏は,第43話では何と『ロボット長官』... まともな役をもらえない人でした.


第30話 栄光は誰れのために

監 督:鈴木 俊継
脚 本:藤川 桂介
ゲスト :山口 曉/小倉 雄三
宇宙人・怪獣:プラチク星人(鈴木 邦夫)

 瀕死の青木をはりたおすダン.その直後,蘇生したプラチク星人を倒して息たえる青木.状況から見て,青木にとどめの一発を与えたダンは,殺人の正犯ではないのか?


第31話 悪魔の住む花

監 督:鈴木 俊継
脚 本:上原 正三
ゲスト :松坂 慶子/矢野 陽子/斉藤 陽子/若山 真樹/伊藤 実
宇宙人・怪獣:ダリー(山村 哲夫)

 子役時代の松坂慶子氏って,お世辞にも綺麗とも可愛いともいえないと思う....


第32話 散歩する惑星

監 督:野長瀬 三摩地
脚 本:山田 正弘/上原 正三
ゲスト :
宇宙人・怪獣:リッガー(加藤 芳巳)/アギラ(鈴木 邦夫)

 アギラ登場! 個人的にカプセル怪獣の中では一番好きです.行方不明のダンを置き去りにしたまま脱出するウルトラ警備隊.それにしても,この話に限らず地球防衛軍って隊員の生命を軽視しすぎてるんじゃない? いくら公務員だからって... とても未来の話とは思えません.


第33話 侵略する死者たち

監 督:円谷 一
脚 本:上原 正三
ゲスト :笹川 恵三/中川 秀人.
宇宙人・怪獣:シャドウマン(滝川 浩・東 龍明・武村 暢芳)

 コップの中に閉じ込められてしまうセブン.セブンの力はその時の身体の大きさに比例するという事が良くわかりました.ラスト,行方不明のダンをだ〜れも心配していない,戻ってくると「この野郎!」で片づけられてしまうあたり,すごいものがあると思いません?


第34話 蒸発都市

監 督:円谷 一
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :春江 ふかみ/山本 武士/伊藤 健雄/吉原 正皓/真理 アンヌ
宇宙人・怪獣:ダンカン(西京 利彦)

 「ずいぶん冷たいのね...」,「うん,良く冷えてるだろ?」 フルハシ隊員のボケがみょ〜に心に残った作品でした.失神して硬直した人々が瞬きしてます(笑).


第35話 月世界の戦慄

監 督:鈴木 俊継
脚 本:市川 森一
ゲスト :鶴賀 二郎
宇宙人・怪獣:ザンパ星人(鈴木 邦夫)/ペテロ(松島 映一)

 クラタ隊長登場2作目,しかしこの人の部下ってみんな殺されちゃうんですね... シラハマ(実はザンパ星人)役の鶴賀二郎氏は,『Q』の『クモ男爵』ではただ熱出して震えているだけの役でしたが,『怪奇』の『散歩する首』では立派な狂気の科学者演じてます.


第36話 必殺の0.1秒

監 督:野長瀬 三摩地
脚 本:山浦 弘靖
ゲスト :大橋 一元/ピェール・デューカス
宇宙人・怪獣:ペガ星人(鈴木 邦夫・cv 辻村 真人)

 う〜ん... この時代でもやはり拳銃はリボルバー? ペガ星人,地球の環境に耐えられないんなら来るなよ〜.


第37話 盗まれたウルトラアイ

監 督:鈴木 俊継
脚 本:市川 森一
ゲスト :星野 寿彦/大川 義幸/佐々倉 英雄
宇宙人・怪獣:マゼラン星人マヤ(吉田 ゆり)

 ウルトラアイをかけた若者の大群に襲われるダン,設定がシュールです.でもただそれだけ... はっきり言ってこの時期,駄作多いです.


第38話 勇気ある戦い

監 督:飯島 敏宏
脚 本:佐々木 守
ゲスト :吉田 継明/渡辺 晃三/ピーター・ウィリアムズ/川口 恵子
宇宙人・怪獣:クレージーゴン(松島 映一)

 この話嫌いです.もういい加減この路線から脱却しても良かったんじゃないかと悔やまれます.


第39・40話 セブン暗殺計画

監 督:飯島 敏宏
脚 本:藤川 桂介
ゲスト :岡田 敏宏/新井 茂子/平 浩一
宇宙人・怪獣:ガッツ星人(西京 利彦・池島 美樹)/アロン(西京 利彦)/ウィンダム(西京 利彦)

 娯楽巨篇として良くできているとは思いますが,アフリカ産ダイモード鉱石(捕らわれたセブンが身体を動かすために必要なエメリューム・エネルギーを合成するのに必要)をめぐる御都合主義には笑えました.こわされてしまうウィンダムがかわいそう.フルハシ隊員の自己批判「軽薄でした」.「ダメダメ」のアンヌ.


第41話 水中からの挑戦

監 督:満田 かずほ
脚 本:若槻 文三
ゲスト :上田 忠孝/梅津 栄/大村 千吉/佐藤 正/田浦 正巳/宮川 和子
宇宙人・怪獣:テペト星人(池島 美樹・春原 貞雄)/テペト(松島 映一・西京 利彦)

 コミカル・タッチの作品.大村千吉氏(目撃者)とカッパ・クラブの面々がいい味出してます.


第42話 ノンマルトの使者

監 督:満田 かずほ
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :二瓶 正也/野中 マリ/町田 勝紀/佐竹 弘行/毛利 幸子/天草 四郎
宇宙人・怪獣:ノンマルト/ガイロス(西京 利彦)

 傑作と言われてますが,今考えるとそれほどの作品じゃないと思います.設定もストーリーも陳腐だし...やっぱり時代の成せる業か?


第43話 第4惑星の悪夢

監 督:実相寺 昭雄
脚 本:川崎 高/上原 正三
ゲスト :森塚 敏/愛 まち子/小野川 公三郎/川田 勝明
宇宙人・怪獣:ロボット長官(成瀬 昌彦)

 地味なようですが,これこそ傑作.しかし,第11話で『13日の金曜日』を気にしたり,今回は占星術にのめりこんだり,ソガ隊員ってゆ〜のもヘンなキャラクターですが,それがかえって『らしい』性格描写になってはいました.


第44話 円盤が来た

監 督:実相寺 昭雄
脚 本:川崎 高/上原 正三
ゲスト :金井 大/冷泉 公裕/和久井 節緒/中原 成男/田辺 和香子/高野 浩幸/渡辺 文雄/ミッキー 安川
宇宙人・怪獣:ペロリンガ星人(鈴木 邦夫・西京 利彦・cv 浦野 光)

 個人的に,第8話『狙われた街』,前作『第4惑星の悪夢』とこの話が『セブン』の3大傑作だと思います.やはり実相寺監督あっての『ウルトラセブン』だったと心から思います.この話よくある「狼がきた!」パターンの話ですが,それを逆手に取ってペロリンガ星人にしゃべらせてしまうあたり,脚本の組み立ての斬新さが感じられ,結果非常に効果をあげていると思います.また,戦闘シーンの光学処理も見事で効果的でした.


第45話 恐怖の超猿人

監 督:鈴木 俊継
脚 本:上原 正三/市川 森一
ゲスト :増田 順司/西 朱実
宇宙人・怪獣:ゴーロン星人(西京 利彦・cv 矢田 耕司)/ゴリー(滝 恵一)

 どちらかというと駄作ですが,脱出に川下りを利用するアンヌに笑えました.


第46話 ダン対セブンの決闘

監 督:鈴木 俊継
脚 本:上原 正三/市川 森一
ゲスト :
宇宙人・怪獣:サロメ星人(嘉手納 清美・高橋 正夫)/にせウルトラセブン(西京 利彦・渋谷 哲也)/アギラ(西京 利彦)

 にせセブンに攻撃されて考え込むアギラがかわいい!


第47話 あなたはだあれ?

監 督:安藤 達己
脚 本:上原 正三
ゲスト :寄山 弘/大山 デブ子/聖 恵子/松本 敏男/藤本 高司/小林 昭二/三條 美紀
宇宙人・怪獣:フック星人

 夜中に団地の住人が建物ごと入れ替わるアイディアが秀逸.『マン』のマラマツ隊長・小林昭二氏が中年サラリーマン『佐藤さん』役でゲスト出演,深夜ウルトラ警備隊に電話をかけてきて,かつての部下(石井伊吉氏)に怒鳴られます.


第48・49話 史上最大の侵略

監 督:満田 かずほ
脚 本:金城 哲夫
ゲスト :益田 愛子/篠原 大作/劇団いろは
宇宙人・怪獣:ゴース星人(池島 美樹)/パンドン(西京 利彦)/セブン上司(上西 弘次・cv 和田 文夫)

 『マン』と『セブン』のストーリーの性格の違いを最も明確に現しているのがこの最終回だったと思います.くだくだ解説してもつまらんし,すでにいろんな人によって語られ尽くしている感があるので省略しますが,『セブン』が巨大ヒーロー物を逸脱した最高傑作であると評価される要因がこの最終回に凝縮されていると思います.しかし監督の満田かずほ氏,『かずほ』は『のぎへん』に『斉』という字を書くのですが,どうしてもみつからなかったので他のサイトを見たところみ〜んなひらがなになってました.コンピュータの世界には存在しない漢字らしいです.近所迷惑な話です?