恐怖劇場 アンバランス


フジテレビ系 1973年 1月 8日 〜1973年 4月 2日
月曜日 P.M.11:15 〜 12:10 放映 全13話

監      修 : 円谷 英二
プロデューサー : 熊谷 健/新藤 善之(フジテレビ)
音      楽 : 冨田 勲
解      説 : 青島 幸男
 

LD BOX JSLT22207


第1話 「木乃伊の恋」
原 作:円地 文子「二世の縁拾遺」より
脚 本:田中 陽造
監 督:鈴木 清順
ゲスト :渡辺 美佐子/浜村 純/大和屋 竺/加藤 真知子/田中 筆子/瀧那 保代/昔々亭 桃太郎/早川 研吉/白田 和男/中原 淑子/中原 成男/相生 千恵子/関 陽子/市来 まさみ/恒吉 雄一/羽鳥 靖子/東京芸術座/川津 祐介

 人間にとって性がどれだけ重大な位置を占めるかを教えてくれる作品,女性も男性も,どんなに悟りを開いて解脱の境地に達した人でも,股間に渦巻く衝動には勝てないのです,というのがこの作品のテーマらしいですが,トランス後Aセクシュアル化したでらちゃんには,性なんてそれほどのものではない,というのが現在の心境です.こどもを作れなくなった時点でそうなるのかも?


第2話 「死を予告する女」

脚 本:小山内 美江子
監 督:藤田 敏八
ゲスト :蜷川 幸雄/財津 一郎/名古屋 章/藤田 佳子/荒砂 ゆき/中原 成男/小林 寛/田中 賤男/中 ひとみ/福田 えみこ/福光 洋子/楠 侑子

 「この子の命が助かるのなら,私の命がどうなってもかまわない」と祈る母の気持ちを聞き入れたのが神様であるなら,何故旦那の命を奪うのか? 神様ってわりと気分屋さんかも? ところで謎の女を演じた楠 侑子さんという女優さん,この当時40歳で蜷川 幸雄さんや財津 一郎さんよりも年上だったというのは驚きでした.


第3話 「殺しのゲーム」

原 作:西村 京太郎
脚 本:若槻 文三
監 督:長谷部 安春
ゲスト :岡田 英次/石橋 蓮司/米岡 雅子/田中 春男/増田 順司/松本 染升/小川 幾太郎/和田 啓/山岡 勢津子/小沢 美知子/永谷 悟一/春川 ますみ

 「死刑を怖がらずに人を殺せるのは私だけなんです.貴方が教えてくれました.」キメの台詞がいいです.ムソルグスキーの『展覧会の絵』が効果的に使われているのに感動しちゃいました♪


第4話 「仮面の墓場」

脚 本:市川 森一
監 督:山際 永三
ゲスト :唐 十郎/早川 保/三谷 昇/星 紀一/小野 千春/高野 浩幸/天野 照子/鶴 ひろみ/橋爪 功/緑 魔子

 TV『コメットさん』で傑作を残した市川=山際コンビが唐 十郎と緑 魔子を招いて贈る快作だそ〜ですが,それほどのもんではないような気がします.ビー玉=義眼のモチーフにそれほどの意味は感じられないし,ストーリー後半の唐氏のひとり芝居は感心しませんでした.でも流石にこの頃の緑 魔子さんは綺麗でした・


第5話 「死骸を呼ぶ女」

脚 本:山崎 忠昭
監 督:神代 辰巳
ゲスト :和田 浩治/穂積 隆信/新井 茂子/鮎川 浩/瀬良 明/二瓶 鮫一/見好 利昭/名川 貞郎/小林 昭二/六本木 誠人/珠 めぐみ

 『幽体離脱』をテーマにした作品.坂井という男の怨念も惨めなら,恵子という女の怨念もタチ悪すぎ.ひどい話です.


第6話 「地方紙を買う女」

原 作:松本 清張
脚 本:小山内 美江子
監 督:森川 時久
監督補:満田 かずほ
ゲスト :夏 圭子/山本 圭/吉野よし子/中村 美代子/中島 葵/横森 久/可知 靖之/飯沼 慧/金井 進二/早川 純一/大林 丈史/松谷 量子/前川 哲男/俳優座/井川 比佐志

 ミステリー・タッチの前半と,ひとりの女の死とひとりの作家の死を描いた後半.ちょっと難解ですが,好きな話のひとつです.


第7話 「夜が明けたら」

原 作:山田 風太郎「黒幕」より
脚 本:滝沢 真里
監 督:黒木 和雄
ゲスト :西村 晃/山本 燐一/夏 珠美/根岸 一正/矢野間 啓治/吉田 潔/山本 一栄/木下 桂子/栗田 幸子/福光 洋子/新田 喜美江/三田 登喜子/浅川 マキ/花沢 徳衛

 「刑務所に入れたって、人間は決してマトモにはなりゃしませんよ」,作品全体を流れるけだるさせつなさやるせなさ.この雰囲気こそ'70年代前半.最高です.


第8話 「猫は知っていた」

原 作:仁木 悦子
脚 本:満田 かずほ
監 督:満田 かずほ
ゲスト :島 かおり/水木 譲/吉川 満子/春江 ふかみ/渚 健二/金井 大/花柳 幻舟/山田 神二/江村 奈美/工藤 和子/相良 孝子/田川 恒夫/水村 繁子/松浪 志保/原 保美

 全13話中,最も知名度の高い作品でしょうね.この第6〜8話,原作がしっかりしている事もあって,シリーズの中核をなす,佳作揃いだと思います.


第9話 「死体置場の殺人者」   

脚 本:山浦 弘靖
監 督:長谷部 安春
ゲスト :久富 惟晴/西尾 三枝子/向 精七/渥美 国泰/柳川 慶子/高杉 哲平/熊倉 重之/鈴木 勇作/小池 泰光/酒井 郷博/宮島 邦継/斉藤 リカ/倉石 和旺/野坂 昭如(特別出演)/中原 早苗

 蘇る死体…最も『恐怖劇場』らしいテーマの作品ではありますが,解剖されて脳と内臓を取られちゃってから復活したときってどんなんだったんだろうね? 素朴な疑問です. LD では何故かこの回だけ青島幸男さんの解説が収録されていません.


第10話 「サラリーマンの勲章」

原 作:樹下 太郎「消失計画」より
脚 本:上原 正三
監 督:満田 かずほ
ゲスト :梅津 栄/冨士 真奈美/中丸 忠雄/南 広/神田 隆/二瓶 正也/横山 リエ/向井 精七/鶴賀 二郎/中村 上治/香 忍/伊東 潤一/広田 直美/伊藤 静江/野島 ひとみ/津島 恵子

 大好きな話です.第9話とは全く別の意味で『恐怖劇場』らしいテーマの作品.『ウルトラQ』の『あけてくれ!』もそうだったのですが,この時代,『人間消失』ネタって印象に残る作品多いです.ところで,第9話では向 清七,第10話では向井 精七となっていますが同一人物ですよね?


第11話 「吸血鬼の絶叫」

脚 本:若槻 文三
監 督:鈴木 英夫
ゲスト :勝呂 誉/谷口 香/中井 啓輔/河村 弘二/森本 景武/ジョー・デコーネング/長岡 初恵/藤田 章子/富田 浩太郎/弓 恵子

 『怪奇大作戦』の『吸血地獄』に続く吸血鬼ネタですが,岸田森氏ではなく勝呂誉氏が出演しています.相変わらず大根さんです.画面も暗いし,ストーリーもわかりにくいです.ごめんなさい.


第12話 「墓場から呪いの手」

脚 本:若槻 文三
監 督:満田 かずほ
ゲスト :山本 耕一/松本 留美/牧 紀子/藤 あきみ/渚 健二/上田 忠孝/村上 不二夫/内藤 綱男/依田 英助/川村 依久子/和久井 節緒/溝呂木 但/磯野 のり子/小林 千枝子/矢野 宏/田辺 和佳子/入川 保則

 バナナは冷蔵庫に入れておかない方がいいと思うよ.すぐ黒くなっちゃうよ.この作品,『アダムス・ファミリー』よりかなり前だよね?


第13話 「蜘蛛の女」

脚 本:滝沢 真里
監 督:井田 探
ゲスト :八代 万智子/集 三枝子/真理 アンヌ/今井 健二/滝川 早苗/山口 勲/相良 孝子/高品 格/大泉 滉/若水 ヤエ子/佐々木 功

 そ〜いえば『蜘蛛女』って映画あったわね.女性の怨念を描いたこの第12・13話,『恐怖劇場』のラストを飾るにふさわしい秀作だと思います.