Sexuality 1



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異装のセクシャリティ 人は性をこえられるか

石井 達朗 著 1991年7月30日 第1刷発行 新宿書房

 20世紀に発行された古い文献なので,現在では『セクシュアリティ』と表記される "Sexuality" が『セクシャリティ』と表記されています.そう言えば桑名正博さんの曲名も『セクシャルバイオレット No.1』だったわね.
 人が芯からセクシーであるためには,ヘテロ/ホモ/バイのいかんにかかわらず,そして,男性/女性のいかんにかかわらず,個人が個人のままで掛け値なしで生きていて,おたがいにそれを尊重できることだ.それは,最も単純で最も難しいことである.
【はじめに】
 もし,人類が不遜にも21世紀を無事に生き抜きたいと思うのなら,相手が男であれ女であれ,同性愛であれ異性愛であれ,精神や身体の「障害者」であれ「健常者」であれ,どこの国籍であれ,自分と異質の人と共生し,自然と共生してゆくしかない.異質であることを引け目に思うことなく,ダイナミックに居直って表現できる――そしてそれを偏見なく受け入れられる心の余裕と社会の環境をもっていたい.
【おわりに】

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朝日ワンテーママガジン36 ジェンダー・コレクション 性と性差のあいだ

1994年7月15日 初版発行 朝日新聞社

 執筆者:浅田 彰/飴屋 法水/生駒 芳子/岩下 久美子/大竹 秀子/興津 一矢/尾崎 貴行/掛札 悠子/北山 晴一/栗原 知代/佐伯 順子/塩野 七生/柴田 亜美/杉下 守弘/仙石なぎさ/高城 饗/田嶋 陽子/蔦森 樹/中野 翠/橋口 亮輔/原田 大三郎/塩沢 恵子/藤本 由香里/布施 英利/松浦 理英子/宮台 真司/横森 理香/吉田 洋

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トランスジェンダリズム 性別の彼岸 性を越境する人びと

松尾 寿子 著 1997年4月10日 第1刷発行 世織書房

 現在,日本国内のさまざまな地域や職場で,生物学上の自分の性を認められないまま苦悩と対峙して生活している人たちがいる.当然のことだが,性の移行を望んでいるからといって皆がみな風俗の世界で生活することを望んでいる人ばかりではない.あらゆる職場を苦労に苦労を重ねて掴み,この国で,やっとの思いで生活している人もいるのである.
【本文第1部 性自認と性的指向の違い】

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知った気でいるあなたのための セクシュアリティ入門

関 修・木谷 麦子 編 1999年3月25日 初版第1刷発行 夏目書房

 人間の「性」なんて,そう簡単にわかるものじゃぁございません.
【序章 木谷 麦子】

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性同一性障害 ―性転換の朝

吉永 みち子 著
2000年2月22日 第1刷発行 集英社

 20世紀末に出版されたこの本ではまだ『性転換』という言葉が使われていますが.この言葉は元の性から別の性への性別の変更という意味となり,「性同一性障害を抱える者に対し,当事者の性同一性に合わせて外科的手法により形態を変更する手術療法のうちの,内外性器に関する手術」に対して使用するのは不適切であると思われるため,現在では SRS(Sex Reassignment Surgery)の直訳である『性別再判定手術』もしくは『性別適合手術』という言葉を使うのが通例となっており,日本精神神経学会では2002年3月23日より『性別適合手術』を正式な名称として用いています.
 日本では,性的マイノリティーに対して,見てみぬフリをしてきた歴史が長い,その歴史に一石を投じたのが,性転換の手術の公式認可ではないだろうか.この出来事が,性的なマイノリティーがどのように生き,悩み,苦しんできたかを正面から知ろうとするきっかけにならなければ,せっかく開かれた道筋も途中から細くなる.そして,彼らが,その先をしっかり生きていくことが不可能になる.性転換手術を受けられるようになったことと,性的マイノリティーの法的な地位や人権が守られるということは,あきらかに別の問題として存在する.
【本文第4章 性を越境する人々】

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性同一性障害の基礎と臨床

山内 俊雄 著 2001年2月10日 第1版発行 新興医学出版社

 日本のSRSのメッカ(?)埼玉医大教授による本格的な医学専門書みたいな本ですが,2016年現在においてはさすがに内容的に古い感は否めません.
 術後に面接を求めてくるトランス・セクシュアルは少ない.(中略)望む性の身体を手に入れるとこれまでの葛藤が消え,しかももう自分はトランス・セクシュアルではないので,トランス・セクシュアル関連の人達と接触したくない,というのであろうか.
【本文第 II 章 性同一性障害の臨床 − F.性同一性障害の心理的対応】

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セクシュアリティの心理学 The Psychology of Sexuality

小倉 千加子 著 2001年5月10日 初版第1刷発行 有斐閣

 当事者の立場は尊重するという前提に立って,あえて私が問いたいのは,ジェンダーが不快である場合,改変すべきは身体ではなく,ジェンダー社会の方ではないかということです.性再指定手術における性とは,ジェンダーではなく,(外性器とホルモン上の)セックスを指しています.セックスとは無関係に,自分の性別を自分で選択し自己定義するだけでは足りないで,ジェンダーにセックスを一致させなければ自分のセックスへの違和感から抜けられないというなら,確かにそれは「障害」かもしれません.
【本文第9章 ジェンダー/セクシュアリティの本質主義/構築主義を越えて】

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こころのライブラリー(1) こころとからだの性科学

深津 亮・原科 孝雄・塚田 攻・針間 克己・松本 清一・阿部 輝夫・金子 和子・及川 卓 著
2001年6月27日 初版第1刷発行 星和書店

 でらちゃんは26歳のときに,『アルコール依存症ならびに不安神経症』の診断を受けましたが,それが『性同一性障害の合併症』であったことがわかったのは,20年後の46歳のときでした.さらに2年間のカウンセリングを通じて,実は『アルコール依存症とセックス依存症のクロス・アディクション』であったことに気づかされたのは,トランスを直前に控えた52歳のときでした(恥).
 セックスとジェンダー・アイデンティティが不一致なもの,つまり身体的性別とは逆に心理的性別を認識しているものが性同一性障害である.
【新時代のジェンダー概念 針間 克己】
1.セックス依存症は,セックスをエンジョイしているわけではない
2.セックス依存症は,性的にエネルギッシュではない
3.セックス依存症は,セックスでは満足できない
【セックス依存症―研究状況とトピックス 及川卓】




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多様な「性」がわかる本 性同一性障害・ゲイ・レズビアン

伊藤 悟・虎井 まさ衛 編著 2002年9月10日 第1刷発行 高文研

 私たち当事者は,社会的・歴史的に(特にテレビなどのメディアによって)少数派として勝手なイメージを作られ,勝手に語られてきたために,生きていく過程で,偏見や悪意などさまざまな壁にぶつかります.そうした現実はまだまだ知られていません.私たちが「共に生きよう」と呼びかけても,時としてその意味すら理解されません.存在そのものさえ認識されていないからです.
【はじめに 伊藤 悟】

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セクシュアル マイノリティ
同性愛,性同一性障害,インターセックスの当事者が語る 人間の多様な性

セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク 編著
2003年3月25日 初版第1刷発行 明石書店

 2001年1月にセクシュアルマイノリティ当事者の教職員を中心として結成された『セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク』のメンバーがそれぞれ執筆を担当しています.
 本書の最大の特徴は,執筆者全員がセクシュアルマイノリティの当事者であるという点です.
【はじめに】

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セクシュアル マイノリティ 第2版
同性愛,性同一性障害,インターセックスの当事者が語る 人間の多様な性

セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク 編著
2006年3月20日 第2版第1刷発行 明石書店

 同上.
 第2版への変更点は,第2部で「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の成立と施行に対応して法律関係の記述を刷新したことと,「治療と診断のガイドライン」第3版に応じて記述を改めたことです .
【第2版のために】

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セクシュアル マイノリティ 第3版
同性愛,性同一性障害,インターセックスの当事者が語る 人間の多様な性

セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク 編著
2012年9月30日 第3版第1刷発行 明石書店

 同上.

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プロブレム Q&A 性同一性障害って何?
[一人一人の性のありようを大切にするために]

野宮 亜紀・針間 克己・大島 俊之・原科 孝雄・虎井 まさ衛・内島 豊 著
2003年9月20日 初版第1刷発行 緑風出版

 2003年7月10日「性同一性障害者に関する法令上の取扱いの特例に関する法律」制定.
 でらちゃんは,2006年9月2日に,それまで『アルコール依存症』で繋がっていた精神病院を追い出され,転院先のアルコ−ル・薬物専門のS病院で『性同一性障害』の診断を受けました.最初は抵抗がありましたが,入院中に勉強して,自分が『性同一性障害者』であること,本当は男の子ではなく女の子であったことを受け入れ,以後の人生を女性として生きて行く決心をしました.同年12月25日に退院後治療を開始し,2009年6月6日に専門医Hメンタルクリニックを受診,2年間の精神的治療(カウンセリング),1年間の身体的治療(女性ホルモン注射)を経て,2011年11〜12月にタイにてトランスを完了いたしました.
 結論とすれば,性同一性障害では,脳が体とは反対の方向での性分化を起こしているのが主たる原因ではないかと現在考えられているということです.(針間 克己)
 MTF では,結婚や子供を持ったあとに,性別違和感にはっきり気がつくという例もあります.結婚前にも漠然とした性別違和感があっても,「結婚して子供ができれば男として生きていけるだろう」などと考えて,結婚するのです.しかし,夫,父親というはっきりした男性役割があたえられることで,逆に自分の性別違和感が強いものとなっていくのです.(針間 克己)

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プロブレム Q&A 性同一性障害って何? [増補改訂版]
[一人一人の性のありようを大切にするために]

野宮 亜紀・針間 克己・大島 俊之・原科 孝雄・虎井 まさ衛・内島 豊 著
2011年3月5日 初版第1刷発行 緑風出版

 原版で39タイトルだった Q&A に,「性同一性障害という病気はなくなるのでしょうか?」,「改名はどうしたらいいのですか?」,「FTM の妻が人工受精で子を産んだ場合には,その子は嫡出子なの?」の3タイトルを追加,また,2008年の「性同一性障害者に関する法令上の取扱いの特例に関する法律」改正に伴い内容を一部変更した『増補改訂版』.
 でらちゃんは2011年に裁判所に戸籍上の名の変更の申し立てをしたのですが,この時は「女性名の使用実績が少ない」という理由で申し立て取り下げを勧告されて一旦取り下げ,1年後に再度申し立てをして,無事戸籍上の本名を変更することができました.その際に,前出の「改名はどうしたらいいのですか?」を,かなり参考にさせていただきました.
 改名のために必要なのは「改名しようという名前での使用実績」と「性同一性障害という診断書」です.(中略)使用実績の期間ですが,性同一性障害の診断が有れば,およそ一年の使用実績で認められるようです.(中略)なお,カタカナ名など日本人らしくない名前の改名は困難な場合があります.(針間 克己)

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プロブレム Q&A 性同一性障害と戸籍
[性別変更と特例法を考える]

針間 克己・大島 俊之・野宮 亜紀・虎井 まさ衛・上川 あや 著
2007年12月31日 初版第1刷発行 緑風出版

 でらちゃんは2006年に『性同一性障害』の診断を受け, 2009年に第1ステップの精神的治療(カウンセリング), 2010年に第2ステップの身体的治療(女性ホルモン注射)を開始し, 2011年に第3ステップの SRS (性別適合手術)を受けトランスを完了, 2012年には本名を女性名に変更する事できましたが,戸籍上の性別の変更については未成年の子どもがいるため, 2022年までできません.
 医学的概念の「性同一性障害」と法律概念の「性同一性障害者」は重なる部分も多いが別概念である,ということがポイントです.(針間 克己)

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一人ひとりの性を大切にして生きる
〜インターセックス,性同一性障害,同性愛,性暴力への視点〜

針間 克己 著 2003年4月20日 第1刷発行 少年写真新聞社

 初めて『性同一性障害』の診断を受けた時,でらちゃんもやはり一般社会における障害者に対する偏見のようなものを持っていたので,『自分は同性愛者ではないし,結婚も2度しているし,子供もいるので性同一性障害者ではない』という否認の気持ちをもっていました.しかし,その後入院中に勉強し,性同一性障害は性自認の問題であって性指向の問題ではないことを知り,また自分のジェンダー・アイデンティティがまぎれもなく女性であることを自覚し受け入れ,治療を始める決心をしました.
 あなたの性は,ほかの誰のものでもありません.たった一つの自分の性なのです.ですから,他人と比較して,むやみなコンプレックスを持たず,自分の性に誇りを持つべきなのです.また,他者から求められるままに,いたずらに性行動の応じるのではなく,自分の性を大切にし,自分で十分に判断した上で,性行動をする必要があるのです.これらのことが,自分の性を慈しみ生きていくということなのです.
【本文第11章 性を大切にして生きる】




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性同一性障害30人のカミングアウト

針間 克己 監修 + 相馬 佐江子 編著 2004年7月30日 第1刷発行 双葉社

 2006年12月25日に退院したでらちゃんは,その日のうちにまずアルコール依存症者の自助グループに繋がって,それは現在も継続しています.翌年には,東京と静岡の性同一性障害者の自助グループの定例会にも1度ずつ出席しましたが,その頃まだ身体のトランスまで考えていなかったでらちゃんは,グループの方たちとはそこはかとなく考え方の違いを感じてしまったため,その後は顔を出していません.

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性的マイノリティの基礎知識 SEXUAL DIVERSITY

ヴァネッサ・ベアード 著 町口 哲生 訳 2005年9月25日 初版第1刷発行 作品社

 場所と状況によって程度こそさまざまだが,これらの人々はみな,その差異により,しばしば迫害や差別の対象となっている.彼等の闘争とは,人権を求める闘争である.ここで言う人権とは,暴力や嫌がらせから逃れ,ありのままの自分でいる権利のことだ.生命,自由,生活を失うことなく,他者との合意に基づく性的関係を結ぶ権利,そして,平等な市民として認められ,すべての人々に約束された当然の敬意をもって遇される権利である.
【はじめに】

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トランスジェンダーとして生きる

真木 柾鷹・山田 正行 編著 2006年6月30日 初版第1刷発行 同時代社

 『性同一性障害』の診断を受けたでらちゃんは,当初は否認していましたが,入院中に自分が実は女の子であったことを受け入れられるようになり,これからは女性として生きる決心をして退院します.したがって Della としての誕生日は,2006年12月25日ということになります.この時点では,精神的・社会的に女性として生きる(狭義のトランスジェンダー)決心はしていましたが,身体的に女性になる治療を受ける(トランスセクシュアル)ことまでは考えてはいませんでした. 2007年はアルコール依存症の自助グループで,自分にとって最も大きな問題であったアルコール依存症からの回復に専念していましたが, 2008年に当時つき合っていた女性と母親とグループの仲間たちにカミングアウトしたところ非常に楽になり,性同一性障害の治療を受けて心身共に女性として生きて行く決心を固めました.そして, 2009年にカウンセリング(第1段階), 2010年にホルモン療法(第2段階), 2011年に性別適合手術(第3段階)とトランスを進めていくことになります.

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NHK「ハートをつなごう」 LGBT BOOK 多様な性をポップに考える

NHK「ハートをつなごう」制作班 監修 2010年8月14日 第1刷発行 太田出版

 男性から女性へのトランスを進めていく中で,アルコールを始めとする様々なアディクションから自由になっていくとともに,自分のこれからの人生において必要なものと不必要なものとを見分けることができるようになり,それまでこだわり続けてきたいろいろなものを手放すことができました.でらちゃんの性自認(Gender Identity)は女性で,性指向(Sexual Orientation)も女性なので,いわゆる MtF ビアンなのですが,トランスが進むと共に次第に非性愛(Nonsexual)化していったみたい.

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科学でわかる男と女の心と脳

麻生 一枝 著 2010年12月25日 初版第1刷発行 ソフトバンク クリエイティブ

 ヒトの外性器の性・性自認の性・性指向の性の3つの組み合わせはもっとバラエティに富んでいても不思議はない,と思えてくる.体は男で,心は女で,好きなのは女っていう人も,きっといるだろうなあ,と思えてくる.そして,そういう人々は実際にいる.
【本文第5章 恋とからだ―5.性分化の仕組みと,性同一性障害・同性愛】

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科学でわかる男と女になるしくみ

麻生 一枝 著 2011年12月25日 初版第1刷発行 ソフトバンク クリエイティブ

 ヒトの心の性は,「男の心」か「女の心」かという二者択一的な範疇に心地よく収まるとはかぎらない.「男でも女でもない存在,それが自分だ」と認識する人もいる.
【本文第2章 心の性の発達のしくみ―8.男でも女でもない心】

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セクシュアルマイノリティの心理的支援 ―同性愛,性同一性障害を理解する―

針間 克己・平田 俊明 編著 2014年8月28日 第1刷発行 岩崎学術出版社

 カミングアウトして,他者から自分のありようを承認されていくことは,自尊感情の回復に役立つとともに,望みの性別で暮らすことの第一歩となる.
 性同一性障害は,抑うつ,摂食障害,アルコール依存,不眠等の精神症状を伴うことがある.二次的な症状としてこれらの精神症状が出現する場合には,性別違和に焦点を当てた対応で,これらの症状は軽減していく.
【第15章 性同一性障害の精神療法 ―針間 克己】

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LGBTって何だろう? からだの性・こころの性・好きになる性

藥師 実芳・笹原 千奈未・古堂 達也・小川 奈津己 著 2014年9月25日 第1刷発行 合同出版

 LGBT の子どものこころに寄り添うための本ですとか.おとなたちにぜひ読んでもらいたい本です.
 LGBT への理解がある大人の存在は,子どもたちの安心につながります.
【この本を読まれるみなさまへ】