松本 零士

作品1(1956〜1970頃)


宇宙作戦第1号 1956 - 1958 昌和漫画出版社
オススメ度:★★
 松本あきら名義による単行本第1作.原題『別世界の冒険』.1956年に描かれ,1958年に刊行された. 1981年に『松本零士初期作品集(中野書店・限定750セット)』の中の1册として復刻された.
 当時,少女マンガを中心に執筆活動をしていた松本氏の SF 習作を単行本化したものですが,当時の漫画家のほとんどがそうだったように,絵・ストーリー共に手塚治虫氏の影響大です.
青い花びら 1957 - 1958 昌和漫画出版社
オススメ度:★★★
 松本あきら名義による単行本第2作.収録作は『小鳩のひとみ』(原題:『ものいう小鳩』・『少女』57年11月号掲載),『死神のセレナーデ』(原題:『ねらわれた少女』・『少女』57年9月号掲載),『幽霊の足音』(『少女』58年1月号付録)の3篇で,1958年に刊行された.1981年に『松本零士初期作品集』の中の1册として復刻された.
 『小鳩のひとみ』のヒロイン・朝子の監禁される部屋の壁に,零士ファンにはおなじみの『そうだろうか,いやけっしてそうではないよ...ヘチ』という落書が見られます.また,『幽霊の足音』のヒロインを廊下に立たせる先生に後の零士作品おなじみのキャラの原型が見られ,殺されたおねえさんの名前に『美也子』と現夫人の名前が使われています.
星よ消えないで 前編・後編 1958 - 1960 東邦漫画出版社
オススメ度:★★★
 松本あきら名義.原作:島守俊夫.原題:『青い目のマリー』.『少女』58年10月号〜59年3月号に連載, 1960年に刊行された.1981年に『松本零士初期作品集』にて復刻された.
 400ページ以上にわたる長編ですが,今読んでも結構面白く読める作品だと思います.また,すでにこの時期から,美しい女性キャラ作りが見られます.松本氏自身,少女マンガ時代を振り返って,「全てにわたって女の人を描くことが女性のキャラクターの練習になった.メーテルなど,少女ものを描いてなかったら絶対無理だった.」と語っています.
銀の谷のマリア 他2編 1958 - 1960 翠揚社
オススメ度:★★
 松本あきら名義の作品『銀の谷のマリア』(『少女クラブ』58年4月号付録),『化石の森の天使』(『少女クラブ』60年お正月増刊号掲載),『月の光がゆれるとき』(『少女』60年1月号付録)の3篇.79年に翠揚社より『復刻版グランド・コミックス』の1册として復刻された.
 この頃の少女マンガでも手塚治虫の影響は見のがせませんが,『化石の森の天使』あたりでは SF を取り入れた結構シュールなストーリーを展開し,またムチャクチャなギャグも見られ,後の零士作品を髣髴とさせるものがあります.
忍法十番勝負 1964 秋田書店
オススメ度: ―
 10人の作家による連作.松本あきら名義で『第三番勝負』を執筆(『冒険王』64年3月号掲載).単行本は66年に発行.
 持っていませんでしたが,2000年4月12日入手することができました.お譲りくださいました S. O. さま,本当にありがとうございました.


電光オズマ 全3巻 1961 - 1963 若木書房
オススメ度:★★★
 『ぼくら』61年2月号〜62年12月号に連載.63年の『燃えろ南十字星』(『日の丸』〜『少年ブック』)を併録.
 61〜67年にかけて,少女マンガでは夫人の牧美也子氏との合作が多くなりますが,一方単独で少年マンガの連載もこなすようになります.『電光オズマ』は最初の長期連載もの(全23回678ページ)で,3つのエピソードからなってますが,その第3話がなんと『宇宙戦艦大和の巻』.『燃えろ南十字星』は後の『戦場まんがシリーズ』のはしりとなる作品で,このあたりから人物の絵がだんだん現在のものに近くなってきており,作品の最後にははじめて『巻紙ナレーション』が登場します.
潜水艦スーパー99 全2巻 1964 - 1965 秋田書店
オススメ度:★★
 『冒険王』64年11月号〜65年12月号に連載.70〜72年に秋田書店より単行本刊行.
 絵はますます現在に近づいてきてます.
エスの太陽 1965 - 1967 主婦の友社
オススメ度:★★★
 収録作品:『エスの太陽』(『りぼん』65年10月〜66年2月号),『白夜のリンナ』(『なかよし』67年12月号付録). 78年に『ロマン・コミック自選全集1』として発売.
 松本氏本人が「動物以外の心情が理解できなくなった時期,自分の漫画が暗礁に乗り上げた時期の作品」と言ってます.
その名はテス 1964 - 1969 主婦の友社
オススメ度:★★
 収録作品:『その名はテス』(『りぼん』67年1月〜6月号),『雪のルル』(『少女フレンド』65年11月30日号),『森はみどりに』(『りぼん』69年夏の増刊号),『金色のルナ』(『少女フレンド』66年11月15日〜12月6日号),『雪の花びら』(『なかよし』64年11月号). 79年に『ロマン・コミック自選全集2』として発売.
 確かにこの時期の作品,動物はかわいく描かれてますが,それだけに自虐的な暗さが漂ってます.


光速エスパー 全3巻 1968 - 1970 朝日ソノラマ
オススメ度:(未入手)
 『少年ブック』68年6月〜69年4月(全11回),『少年ジャンプ』69年5月〜70年2月(全13回),『別冊少年ジャンプ』70年3月〜5月(全3回),『少年ジャンプ』70年7月(全2回)連載.83年に単行本刊行.
 買い忘れてて第1巻しか持っていませんでしたが,2000年4月7日やっと第2・3巻を入手することができました.お譲りくださいました S. O. さま,本当にありがとうございました.
セクサロイド 全4巻 1968 - 1970 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★★
 『漫画ゴラク dokuhon』68年4月〜70年11月連載.74年に単行本刊行.『未来盗賊アリババ』(『話のタネ本』70年4月)・『大海賊ハーロック』(『漫画ゴラク dokuhon』70年4月)併録.
 初めての青年誌連載作品で,「メガネでガニマタの男に,いずれその座をゆずる事となる長身細身の男を主人公とした最後の作品」(松本氏).「セクサロイド」ユキこそ男にとっての理想の女性像ではないかと思えるのですが... 松本零士コミックスの出発点となった記念すべき作品だと思います.


四次元世界 全2巻 1968 - 1970 小学館
オススメ度:★★★★★
 『四次元世界シリーズ』(『COM』69年4月〜12月),『無元世界シリーズ』(同70年1月〜9月),『未完成世界シリーズ』(同70年10月〜12月),プラス同時期の短編6編,77年に文庫本刊行.
 はっきり言って傑作です.どれもこれも素晴らしい話ですが,個人的に一番好きなのは『古本屋古本堂』こういう死に方できたら最高に幸福だと思います.
ダイナソア・ゾーン(恐龍帯) 1968 - 1970 日本文芸社
オススメ度:★★★
 収録作品:『ダイナソア・ゾーン(恐龍帯)』(『漫画ゴラク dokuhon』68年9月),『コスモレディSS』(同69年1月),『ミユから来た女』(同69年6月),『大魔女境』(同69年11月),『グレート・ウェスタン』(同69年12月),『L夫人漂流記』(『話のタネ本』70年3月),『未来盗賊アリババ』(同70年4月),『妖女セレスト』(『漫画ゴラク dokuhon』70年6月),78年に単行本刊行.
 この辺の短編から,メガネとガニマタ中心の『松本零士の世界』らしくなっていきます.『男のロマン』と言っても,結局はコンプレックスと『美女と野獣』的願望なのですが,ミョ〜に共感させられるモノがあるのです.
火星令嬢 1968 - 1974 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★
 収録作品:『ゼスラス第3紀』(『別冊漫画アクション』69年6月),『太陽系狙撃兵』(同69年7月),『天地創造第2番』(同69年8月),『オルバース』(同69年9月),『幽霊夫人』(同69年10月),『ネアンデルタール』(『プレイコミック』69年1月),『マシンナー・バン』(『少年サンデー』69年夏休み増刊号),『冬眠惑星』(『プレイコミック』68年9月),『大魔女王第3紀』(『プレイボーイ』74年11月),『火星令嬢』(『別冊漫画アクション』69年10月),84年に単行本刊行.
 SF短編集.個人的には『オルバース』と『大魔女王第3紀』の2篇が好きです.
トラジマのミーめ 1968 - 1977 秋田書店
オススメ度:★★★★
 収録作品:『トラジマのミーめ』(『プリンセス』75年9月〜77年12月号),『アイアム・ミーくん!』(『りぼん』 67年夏休み増刊号),『サムライ・ミーくん!』(『りぼん』68年7月号付録),『レッツゴー・ミーくん!』(『りぼん』 68年冬の増刊号),『OK・ミーくん!』(『りぼん』 68年夏休み増刊号). 78年に秋田書店より単行本刊行.
 猫マニアにはこたえられない1册ですが...やはり60年代の作品は暗いです... 表題作は動物と暮らしたことのある人なら,誰でも感じたことがあると思う気持ちを代弁してくれる傑作だと思います.
マシンナーズ・シティ 1969 - 1970 双葉社
オススメ度:★★★★
 『別冊漫画アクション』69年11月〜70年6月に『マシンナーシリーズ』として連載,76年単行本刊行の際『機械化人都市(マシンナーズ・シティ)』と改題された.
 零士作品としては珍しく,非常に暗いやりきれない結末の作品ですが,最初に入手した単行本という事もあって,個人的には好きな作品です.
魔境惑星の恋人 1969 - 1980 朝日ソノラマ
オススメ度:★★
 収録作品:『魔境惑星の恋人』(『漫画ゴラク dokuhon』69年9月),『シティD60001年愛するレイ』(『別冊漫画アクション』69年10月),『インパルス・ドーム』(同69年3月),『猿人1470号』(『漫画ゴラク』75年10月),『空白帯のひとりむすこ』(『少年チャンピオン』72年6月),『地底潜水艦』(『少年サンデー』77年2月),『サケザン雷帝』(『少年マガジン増刊』80年),83年に単行本刊行.
 SF短編集.少年誌掲載のものが多く,残念ながらあまりこれといった作品はありません.


戦場まんがシリーズ 全9巻 1969 - 1978 小学館
オススメ度:★★★★
 各雑誌に読切りまたは不定期連載されていたものをシリ−ズ化し,1974〜80年に単行本化したもの.内訳は,『COM』69年1話,『プレイコミック』69年2話,『週刊少年サンデー』73〜78年16話,『ビッグコミックオリジナル』75〜78年31話(『ザ・コクピット』).
 どの作品も傑作ぞろいで,十分星5つに値するシリーズだとは思うのですが,あたし戦争モノって好きくないもんで1つマイナス.


空間機甲団 1969 - 1977 奇想天外社
オススメ度:★★★★
 収録作品:『空間機甲団』(『COM』71年8月号),『マシンナー・バン』(『少年サンデー』69年夏休み増刊号),『大宇宙番外地』(『漫画ゴラク増刊』70年9月),『ダフィン』(『SFマガジン臨時増刊』69年10月),『大野蛮人帯』(『マントップ』70年12月),『妄想園消滅』(『奇想天外』76年7月号),『大個人戦争』(『SFファンタジア2』77年3月),『模型の時代』(原作:小松左京・『少年マガジン』71年2月),78年に単行本刊行.
 SF短編集.傑作がそろってます.
ヤマビコ13号 1969 - 1977 奇想天外社
オススメ度:★★★
 収録作品:『銀河鉄道の夜』(原作:宮沢賢治・『希望の友』71年4月号),『ネアンデルタール』(『プレイコミック』69年1月),『大魔女王第3紀』(『週間プレイボーイ』74年11月),『大サルマタケ博物史』(同77年1月),『ヤマビコ13号』(『少年マガジン』71年4月),79年に単行本刊行.
 同上.この時期の短編,水準高いと思います.
妄想鬼 1970 奇想天外社
オススメ度:★★
 70年6月『少年マガジン』に掲載,原作:サキ『スレドニ・ヴァシュタール』,79年にオムニバス『妄想鬼・サキ短編傑作集』に収録されて単行本化.
 この作品集には,真崎守・上村一夫ら計7人の作品が収録されてますが,残念ながら零士氏の作品あんまり出来良くないです.
ミステリー・イブ 全2巻 1970 - 1971 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★
 70年11月〜71年8月『漫画ゴラク dokuhon』連載,78年に単行本刊行.
 ストーリーも作品の雰囲気もいいんだけど,何かひとつ決め手に欠けるような気が...
パニック ワールド 1970 - 1973 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★★
 収録作品:『パニック ワールド』(『少年キング』71年2月〜3月),『夜光都市のミライ』(『COM』71年4月),『黒死鳥4444』(『少年マガジン』73年7月),『黄色い兎』(同70年12月),75年に単行本刊行.
 少年誌掲載のSF作品集ですが,秀作・佳作がそろってます.個人的には『黄色い兎』好きです.
近眼人類詩集 1970- 1976 朝日ソノラマ
オススメ度:★★
 収録作品:『近代人類詩集』(『高三コース』73年4〜10月号),『風化荘博物記』(発表年度・掲載誌不明),『化石女』(『漫画ゴラク dokuhon』70年11月増刊号),『赤い霧のローレライ』(原作 : R・ブラッドベリ,L・ブラケット『SFマガジン』70年11月臨時増刊号),『シンバ』(『週間少年サンデー』76年11月),83年に単行本刊行.
 やっぱり近眼の人にとってはそれもコンプレックスになるもんなのでしょ〜か?


元祖大四畳半大物語 全6巻 1970 - 1974 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★★★
 『別冊漫画アクション』70年6月〜74年2月に『大四畳半シリーズ』として連載,74年単行本刊行の際『元祖大四畳半代物語』と改題された.『西部長屋人別帖』(『少年サンデー』72年8月)・『大サムライ伝』(『COMコミックス』72年3月)を併録.
 松本零士氏のもうひとつの大宇宙・四畳半ものの原点.最高です.脇役キャラの豊富さといい,ストーリーのおもしろさといい,四畳半モノではやはりこの作品が最高でしょう.個人的には特にジュリー氏とジュンさんのキャラ好きです.
螢の泣く島 1970 - 1974 大都社
オススメ度:★★★★
 収録作品:『螢の泣く島』(『ビッグコミックオリジナル』74年1月),『魔女に白い血』(『ビッグコミック』73年8月),『皮の影159』(同73年11月),『さらばロマンの時よ』(同74年4月),『下宿荘偉人伝』(『COM』71年1月号),『聖サルマタ伝』(『週刊少年マガジン』70年11月連載),『雨月物語』(『ビッグコミック』72年7月),『秘本絵師無芸』(同72年8〜9月連載),『サケザン』(『ビッグコミックオリジナル』74年5月),77年に単行本刊行.
 全盛期の短編集で,傑作・快作が揃っています.個人的には『さらばロマンの時よ』の主人公のつぶやく「男の誇りの前には法などとるに足りない,役人の作文だ」とゆ〜セリフが気にいっておりまして,法を侵したり,道徳を無視したり,イケナイことをする言訳にしております...^^;