松本 零士

作品2(1971〜1976頃)




男おいどん 全9巻

1971 - 1973 講談社
オススメ度:★★★★★

 『少年マガジン』71年5月〜73年8月連載,並行して順次単行本刊行.第9巻に番外篇『はるかなる第2前世紀・おいどんの地球』を収録.
 すべてはこの作品から始まりました.以来零士作品の虜となり,いまだに作品を集め続けております.先行していた『大四畳半シリーズ』を少年誌向けに焼き直したものなので,少々おとなしめですがそれでも十分に楽しめる作品です.SEX 描写がないだけに,ラーメンライスとサルマタケのイメージの一番強い作品.『ハーロック』にも出てくるトリさんのキャラクターが確立した作品でもあります.実はこの作品に描かれている下宿生活に憧れて,高校時代の3年間を下宿で過ごしました.




聖凡人伝 全10巻

1971 - 1973 奇想天外社
オススメ度:★★★★

 『漫画ゴラク』71年8月〜73年11月連載,並行して順次単行本刊行.77年に文庫本化.
 『四畳半モノ』第3弾,後半少々マンネリの感がしないこともないですが,最もセクシー・ギャグが光るシリーズです.このシリーズに出てくる「早名さん」も男にとっての理想の女性像でしょうね.




闇夜の鴉の物語

1971 - 1981 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★

 収録作品:『闇夜の鴉の物語』(『漫画ゴラク』81年5月),『四つの瞳』(『ビッグコミック』74年11月),『つるすべき多くの女』(同71年11月),『やけ坂のやけ酒屋』(『カスタム・コミック』81年4月),『先天性充血魔』(『平凡パンチ・夏の増刊』75年8月),『無偉人伝説』(『漫画ゴラク』80年7〜8月連載),『夜あるき猫』(『マンガ奇想天外』80年11月),82年に単行本刊行.
 短編集ですが,残念ながらいまひとつ.

思春期100万年

1972 - 1973 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★

 『高一時代』72年4月〜73年3月連載,83年に単行本刊行.
 珍しく受験雑誌(?)での連載ですが,「眠ると死ぬ」主人公が『ガンフロンティア』等各種松本ワールドを体験する話で結構楽しめます.しかし未成年の主人公が睡眠薬飲んだり大酒くらったりという破天荒な松本ギャグは今じゃこの手の雑誌じゃ掲載不可? なおこの作品は原稿遺失のため,印刷物から単行本化されたらしいです.

大不倫伝

1972 奇想天外社
オススメ度:★★★★

 『平凡パンチ』72年5月〜7月連載,単行本刊行は不明(誰か教えて).76年に文庫本刊行.
 作者の分身である『メガネのガニマタ』が大活躍するお話.シリーズ副題『さすらいのウタマロ君』.『23,4は精力絶倫,30過ぎたらタダの人』(爆).『チャーハン』の好きな『ほたる』がとても可愛いです.

ガンフロンティア 全3巻

1972 - 1975 秋田書店
オススメ度:★★★★★

 『プレイコミック』72年11月〜75年12月連載,76〜77年に文庫本刊行.
 『ハーロック』と『トチロー』が主人公の西部劇.猥褻なギャグ満載の大人の作品,傑作です.『ドクター・マラガマンコビッチ』『スルスキー』『アクメータ』『マスタウン』『イレタウン』等,登場人物や地名のネーミングが秀逸で,爆笑しながら読んでおりました.もちろんギャグだけでなく,作品全体に流れるテーマも訴えかけるものがありますし,ラストシーンも素晴らしいと思います.この作品の『シヌノラ』も松本作品の中で五指に数えられる『理想の女性』キャラクターだと思いまふ.この路線が後の同誌に連載される『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』に引きつがれていくのです.




ひるあんどん 全4巻

1973 奇想天外社
オススメ度:★★★★

 『別冊マンガストーリー』73年4月〜『マンガストーリー』12月連載(本誌と別冊交互に連載),単行本刊行は不明(誰か教えて).77〜78年に文庫本刊行.4巻に『聖凡人伝・番外編』収録.
 一連の『大四畳半モノ』の流れを汲む作品ですが,今回の主人公はサラリーマン.それだけに身につまされる話多いです(苦笑).

ワダチ 全2巻

1973 - 1974 講談社
オススメ度:★★★★★

 『週刊少年マガジン』1973年11月〜74年4月連載.75年に単行本刊行.
 『マガジン』に『男おいどん』に続いて連載された,松本2大ワールドの『大四畳半』と『SF』をミックスした怪作.足立太(『元祖大四畳半大物語』)・大山昇太(『男おいどん』)そっくりの山本轍が主人公のこの作品には,下宿荘のメンバーとして,出戻始(『聖凡人伝』)・敷居高志(『ひるあんどん』)・前川ジュリー(『元祖大四畳半大物語』『恐竜荘物語』)らの顔が見られます.もちろん下宿のおばさんやラ−メン屋のおっさん,トリさんやネコも登場するオールスター・キャスト.内容的にもかなり手ごたえのあるSFです.もちろんギャグも...




出戻社員伝

1974 奇想天外社
オススメ度:★★★

 『週間大衆』73年1月〜3月連載,単行本刊行は不明(誰か教えて).78年に文庫本刊行.
 『聖凡人伝』の主人公・出戻始の兄・俊郎が主人公のサラリーマン物.そろそろお疲れかマンネリ気味? でも水準以上の面白さを保っているのは流石です.

螢の宿

1974 双葉社
オススメ度:★★★

 『別冊漫画アクション』1974年2〜12月連載,78年に単行本刊行.
 『鬼才・松本零士が描く大メルヘン・ポルノ』だそ〜です(^o^)かなり笑えます.

不滅のアレグレット

1974 - 1978 小学館
オススメ度:★★★★

 『FMレコパル』74〜78年に不定期掲載された12編の作品,79年に『レコパル・ライブコミック集・1』として単行本化.
 このシリーズ単行本未収録の作品が多く残念です.

宇宙戦艦ヤマト 全3巻

1974 - 1979 秋田書店
オススメ度:★★

 1974年にTVアニメ放映と共に『冒険王』74年11月号〜75年4月号に連載されたものが75年に単行本化(第1巻).アニメ初回放映時は裏番組に当時の人気番組『アルプスの少女ハイジ』が放映されていたため,一部で話題となっただけだったが,後に映画化されブームを巻き起こす.で,当然のごとく劇場用新作『さらば宇宙戦艦ヤマト〜愛の戦士たち』及びTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2』が作られる事となり,漫画の方も『宇宙戦艦ヤマト・Part 2』として『増刊冒険王・まんが特集 Vol.1』で発表(Vol.2 が出版されたかどうかは不明ですが,多分出たんでしょう),79〜80年に単行本化(第2・3巻).Part 2 に関しては「第一部・完」となっており未完のまま.単行本第3巻には番外編『宇宙戦艦ヤマト・死滅のジュラ編』(『プレイコミック』76年8月)を併録.
 アニメの原作というよりアニメと同時進行で描かれた作品です.Part.1 についてはアニメ版のダイジェスト,Part.2 については未完成ということで,この作品自体あまり評価はできません.




帰らざる時の物語 全2巻

1975 秋田書店
オススメ度:★★★★★

 『プレイコミック』75年1〜12月に隔号連載,77〜78年に文庫本刊行.
 零士作品の最高傑作!

インセクト

1975 朝日ソノラマ
オススメ度:★★★★

 『ビッグコミックオリジナル』75年1〜6月連載,76年に単行本刊行.
 松本氏自身が機械と共にこよなく愛す昆虫の世界と,人間の社会とをオーバーラップさせて描いた意欲作.傑作多いです.

ダイバー0

1975 - 1976
朝日ソノラマ オススメ度:★★★

 『少年サンデー増刊号』1975年6月〜76年6月連載,83年に単行本刊行.
 キャプテン・ハーロックとミーメが登場.後の『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』の台羽正とハーロックとの出会いのシチュエーションへとつながる作品ですね.アンドロイドの感情をテーマにしていますが,話数が少なく未消化な感があるのが残念です.

親不知讃歌

1976 - 1977 青林堂
オススメ度:★★★

 『毎日中学生新聞』76年4月3日〜77年3月26日連載(全51回).『昆虫国漂流記』を併録.
 中学生向けということもあって,ややギャグは控えめですが,第19話に出てくる「ふるさとだ ふるさとだ」のセリフなどに作者の意地(?)を感じます.




3000年の春 1976 - 1977 日本文芸社
オススメ度:★★★★
 収録作品:『3000年の春』(『漫画ゴラク』76年1月),『第3仮面帝国』(同76年4月),『ストラトワールド』(同76年6月),『四次元時計』(『漫画アクション』76年9月),『セレンの沼』(『漫画ゴラク』76年5月),『ギャラクサークィーン』(『ヤングコミック』76年7月),『幽霊聖女』(『漫画ゴラク』76年3月),『冷血第3生物帯』(『漫画ゴラク』77年3月),『ブラックホール帝国』(同76年7月),78年に単行本刊行.
 SF 短編集.傑作が揃ってます.
恐竜荘物語 1976 - 1977 日本文芸社
オススメ度:★★★★
 『漫画ゴラク』76年9月〜77年5月連載,77年に単行本刊行.
 『大四畳半シリーズ』のサブ・キャラクター『ジュリー』(モデルは前川清氏だそ〜です)を主人公にしたシリーズ.この時期の零士氏のギャグ,かなり冴えわたってます.個人的にはジュリーのキャラ,足立太より好きでした.ジュンさんに限っては,出番が少なく残念.
ミライザー・バン 全3巻 1976 - 1978 朝日ソノラマ
オススメ度:★★
 『マンガ少年』76年9月〜78年10月連載,並行して単行本刊行.
 時間と記憶をテーマにした本格 SF 作品ですが,テーマが重すぎるのか未消化のまま終ってしまった感があります.残念ながら,松本作品の中では駄作の部類に入るとおもいます.