ますむら ひろし


作品1 (1973〜1985年頃)



青猫島コスモス紀

1976 ブロンズ社

 絵本です.アタゴオル・シリーズの原点ですが,長い間入手困難になっていました.

アタゴオルは猫の森

1978 朝日ソノラマ

 「唐あげ床屋」(『月刊マンガ少年』1977年8月号)・「ブドウの森」(同'77年10月号)・「タヌキが空から落ちてきた」(同'77年3月号)・「ヒデヨシ版宝島」(同'77年4月号)・「猫の目岩の奥で」(同'77年9月号)・「雪待ち草の酒」(同'77年11月号)・「ギルバルス」(同'77年5月号)・「ハサミを持ったギャンブラー」(同'77年12月号)・「キララ貝でひとねむり」(同'77年3月号)・「冬のサーカス団」(同'78年2月号)・「影切り森の銀ハープ」(同'76年11月号)および「ヨネザアド物語」(『月刊ガロ』'75年5月号)収録.
 当時『マンガ少年』連載中の「アタゴオル」シリーズ初の単行本化.単行本化を楽しみにしていた作品だったので発売されてすぐに入手しました.'75年の「ヨネザアド物語」と'76年の連載第1作と'77年以降の一連の作品とでは,明らかに画風が違っています.また「ヨネザアド物語」は作風も違ってますが,ますむら氏独自のファンタジー・ワールドはすでにほぼ完成されております.

ヒデヨシ印の万華鏡

1979 朝日ソノラマ

 「こちらはゴロニャオ」(『月刊マンガ少年』1978年6月号)・「ボテ腹のサンバ」(同'78年7月号)・「水晶箱のくねくね」(同'78年8月号)・「汗っかきかきかき氷」(同'78年9月号)・「しゅるしゅるぱあん」(同'78年10月号)・「流れ星を呼ぶ男」(同'78年11月号)・「魚つりのサンバ」(同'78年12月号)・「ぱるぱらん」(同'79年1月号)・「果てしなき水の旅」(同'79年2月号)・「パロパロ島」(同'79年3月号)・「ぽえぽえぱん」(同'79年4月号)・「左ききの楽園」(同'79年5月号)・「イチゴ森の魚屋さん」(同'79年6月号)・「夕立ち森」(同'79年7月号)収録.
 単行本(愛蔵本)第2册目.前回の「アタゴオルは猫の森」では収録順がバラバラだったので,少々話のつながりが解りづらい部分がありましたが,今回は完全に連載順の収録,また,絵もストーリー構成もさらに完成された感じで,最高です.

アタゴオル旅行記

1980 朝日ソノラマ

 「水晶散歩」(『月刊マンガ少年』1980年5月増刊号)・「連々森の音楽家」(『少年少女SFマンガ競作大全集』'79年3月号)・「仙丹豆」(同'79年8月号)・「花粉谷」(同'79年9月号)・「床屋まつりの夜に」(同'79年10月号)・「赤い牙」(同'79年11月号)・「時間城」(同'79年12月号)・「誕生日」(同'80年1月号)・「手風琴」(同'80年2月号)・「そして新記録」(同'80年3月号)・「シャイコナ」(同'80年4月号)・「アタゴオル気象台」(同'80年7月号)収録.
 単行本(愛蔵本)第3册目.巻末に作者ますむらひろし氏と金井美恵子氏の対談が収録されています.ますむら氏が「アタゴオル」の世界について独自の世界観を語っており,こちらも必読!

アタゴオル・スケッチ

1981 朝日ソノラマ

 イラスト集.




永遠なる瞳の群

1979 朝日ソノラマ

 初期作品集. 「永遠なる瞳の群」(『月刊マンガ少年』1978年11月増刊号)・「自動販売機」(同'76年9月号)・「夏の終りにやって来た春」(同'76年10月号)・「理科室の地下で」(同'76年12月号)・「氷山1977」(同'73年33号)・「ぼくらが地上に帰る時」(同'77年2月号)・「霧にむせぶ夜」(『週間少年ジャンプ』'73年33号)・「1975」(『ガロ』'73年8月号)・「再会」(同'73年11月号)・「母なる大地の子供たち」(同'73年12月号)・「星ふる夜の天使たち」(同'74年5月号)収録.
 何と言ってもデビュー当時の作品が4篇収められているのが嬉しいです.特にデビュー作の「霧にむせぶ夜」は,『'73年SFベスト集成』(筒井康隆編・徳間書店)にも収録されている大傑作で,当時手塚賞の選考委員だった筒井氏が強く推したらしいですが,この作品だけでも一読の価値があると思います.「農協の机のくだりが傑作」(筒井氏).また猫の毛の1本1本を描き込んでいる点に故手塚治虫氏がいたく感心しておられたそ〜です.また「理科室の地下で」も傑作で,特にラストの落ちが秀逸だと思います.

ジャングル・ブギ 全2巻

1982 朝日ソノラマ

 『月刊 DUO』1981年12月号〜'82年11月号に連載(全8話). 第1巻に「アタゴオル間奏曲・いえろうぶっく」(『月刊マンガ少年』1980年6月増刊号)・「前夜」(『月刊 DUO』'81年10月号)・エッセイ「緑一色に向かって運命の階段をゆっくりと」(同'81年9月号),第2巻に「SUNNY AFTER NOON」(『マンガ奇想天外』'82年10月号)・「水晶島見聞録・博士の好きな猫の目時計」(『モノンクル』'81年11月号)・「人間が人間でなくなった日」(『明日では遅すぎる』'76年創刊号)・「バルトの森」(原作・村松友視『モノンクル』'81年創刊号)併録.
 『アタゴオル物語』に登場した猫キャラ・ギルバルスが活躍する表題作...ど〜してもこの作者の場合,登場人物が人間メインになると少々テンション落ちるような気がしてしまうのですが,それはやはり猫キャラの印象が強烈すぎるせいでしょうか? またその他の収録作の中では,初期の作品に通ずるテーマを持つ「人間が人間でなくなった日」が好きです...ラストの「いただきま〜す」が最高に気に入ってます(変か?).

ラビット・タウン

1985 朝日ソノラマ

 初期作品集. 「ラビット・タウン」・「腕時計収集家」・「水晶島見聞録・砂版魚のうろこ」 ・「水晶島見聞録・月下水仙」・「セロ弾きのゴーシュ」(原作・宮沢賢治)・「アタゴオル・ゴロナオ通信」・「がんばれコンタ」収録.
 後の『夢降るラビット・タウン』につながる「ラビット・タウン」・「腕時計収集家」,一連の宮沢賢治原作シリーズの第1作「セロ弾きのゴーシュ」等,注目すべき作品が収録されていますが,残念ながら現在入手困難になっています.「アタゴオル・ゴロナオ通信」は全9話収録.

アタゴオル・ゴロナオ通信

1985 たざわ書房

  「金色の葡萄酒」(『宝島』1977年11月)・「猫の目時計」(同'76年9月号)・「夏の終りにやって来た春」(同'76年10月号)・「理科室の地下で」(『猫の手帳』'79年4月)・「水イチゴ」(同'79年6月)・「腰の葉」(同'79年8月)・「星笛」(同'79年10月)・「欠食ドラネコ団」(同'80年1月)・「モリカンモ」(同'80年3月号)・「月の響き」(『月刊マンガ少年』'80年5月)・「ギルドマ・ジャングル」(『怪物』'79年3月)・「青猫島雨床通り」(『自由時間』'76年1月)の全12話収録.
 ますむら氏がイラストと文章で綴るもうひとつの「アタゴオル」の世界.これ最初は'80年にいずみ出版から出版されたらしいんですが,それはまだ持ってません...誰か譲ってくださいな




アタゴオル物語 全6巻

1981 朝日ソノラマ

 『月刊マンガ少年』に連載された「アタゴオル」シリーズの完全単行本化. 1976年11月号の「影切り森の銀ハープ」から1981年3月号の「乾杯」までの全話および『少年少女SFマンガ競作大全集』'79年3月号の「連々森の音楽家」の全46話を,発表順に収録.
 何と言っても作者の名を一躍メジャーにした出世作で,しかも力作揃いです.




アタゴオル物語 全9巻

(1989 - 90) スコラ

 スコラ社から復刻された作者の大傑作ですが,表題作だけではなく『ヨネザアド物語』や『アタゴオル・ゴロナオ通信』,及びサン・コミックスの『永遠なる瞳の群れ』・『ラビット・タウン』・『ジャングル・ブギ』に収録されていた初期の短篇も収録しているため,ヴォリュームがふえているのです.