セクマイ関連 Comics



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FOR DESIRE 女装コミック・アンソロジー

1990年5月30日 初版発行 桜桃書房

 何と1990年発行というから,現在のように性同一性障害などという医学上の疾患名も知られてなかった頃に編纂されたアンソロジーですが,この頃から『女装コミック』って1ジャンルを形成していたのね? でらちゃんは2006年に性同一性障害の診断を受けるまで,「自分は女性である」というはっきりした自覚はなかったんだけど,昔から『レズビアン』と『女装もの』に対する関心高かったです.

2

G.I.D.(上)

2006年4月21日 第1刷発行 講談社

 こちらは,でらちゃんが性同一性障害の診断を受けた2006年に発行されたコミックスですが, GID というテーマに真正面から取り組んだ佳作だと思います.読んだ後,すごく勇気を与えられた気がしました.また, FtM の主人公が男性として成長していく姿が本当に見事に描かれていて,コミックスというメディアならではの表現力ならびに作者の画力に感心・感動させられました.

3

G.I.D.(下)

2006年8月23日 第1刷発行 講談社

 G.I.D. というハンディを背負った1人の人間の,人としての生きざまを描きたかった.ただ,そのハンディはあまりに過酷で,法令の矛盾,戸籍の問題,いわれのない差別・偏見で満たされています.確かにマイノリティではあるけれど,その人々にも助けを出すのが国家・国民としての優しさだと思うのです.どうか,自分には関係ないという気持ちで無視などしないで欲しいと思います.偏見・差別のない社会を望みたい.
【作者のことば】

4

悲しい人魚姫

井上 きみどり 著 2006年5月24日 第1册発行 集英社

 同じくでらちゃんの GID 元年に発行されたコミックスなのですごく身近に感じているのですが,でらちゃんの場合は自分が GID であることがわかってからは,この作品の主人公ほどつらい思いをしなかったのは,やはりセクシュアルオリエンテーションが女性指向で,自分が女性であることに気づくことが遅れたせいだと思います.そのかわりこのこの作品のようなハッピーエンドはまだやってこないのは残念です. GID MtF を受け入れてくれるレズビアンの女性って意外と少ないのよ.

5

フェイクボーイ・リアルボーイ(上)

2007年1月29日 第1刷発行 あおば出版

 この作品は当初,前後編のミステリーものとして描き始めました.ところが『性同一性障害を持った主人公』という設定が重すぎて,後日談を描かないとストーリーもテーマも中途半端になってしまうと考え,続編も描いて一応完結させました.が,資料として性同一性障害関係の本を読み込むうち,このこと自体がミステリーではないかと思い至りました.事件を無理やりに絡めなくても,真正面からこのテーマに取り組むのもいいかもねーと,当時の担当者の後押しもあり,気がつくとこんな長いシリーズに….この漫画の開始と途中からの路線変更は,こういうわけなのです.
【作者からのメッセージ】

6

フェイクボーイ・リアルボーイ(下)

2007年1月29日 第1刷発行 あおば出版

…というわけで,でらちゃんも読み始めは,性同一性障害を深く掘り下げるどころかテーマとしての取り扱いすらも不十分な印象を受けたのですが,事件の完結後のストーリーの展開に感心させられてしまいました.作者が当初描こうとしていた部分は長いプロローグとなり,付け加えられた部分が本編となったわけですが,その路線変更があってこそ GID COMIC の大傑作となることができたと思います.

7

ぼく,ちょっと前までおんなのこ

西野 とおる 著 2009年8月24日 初版第1册発行 ブックマン社

 この本の著者は,性同一障害者ですが,でらちゃんとは逆の GID FtM です.『性同一性障害』診断に始まり,ホルモン注射, SRS(性別適合手術),戸籍変更と至る治療の一環を『性転換』と表現しているなど,内容的に少し古さを感じますが, MtF も FtM も社会的には同じ『障害』であることを再確認させていただきました.実際は『障害』ではなく『個性』です.
 生まれてはじめて「差別」という単語を音できいた




8

性別なんて決められない!

矢吹 レオ 著 2012年7月2日 初版発行 竹書房

 この本の著者も,性分化疾患(インターセックス)ということですが,作品の終わりの方の主人公のセリフを読んで,性同一性障害者もインターセックスの方も,ジェンダー・アイデンティティが本人にとっての性別を決定するという点では同じなんだということに気づかせていただきました.
 「私は出会った時からレオたんを女性として好きになったけど,レオたんはそうじゃないでしょ? 私が女性として見てるの…,本当は嫌だったんじゃない?」
 「私はずっと…,男としてなっちゃんのことが好きだった.女じゃなくて,本当は男として見て欲しかった」

9

男になりたい!

山岸 ヒカル 著 2013年5月23日第1刷発行 中経出版

 この本の著者も,84と同じFtMで,しかもストレートの方です.でらちゃんは性自認(Gender Identity)が女性で性指向(Sexual Orientation)も女性といういわゆる MtF レズビアンなのですが,性自認が男性である FtM の方は性指向は女性といういわゆる FtM ストレートの方が多いような気がするのは,気のせいかしら....?
 「同性愛者なの?」と,聞かれることがありますが,答えは「NO」です.
 恋愛対象は女性であり,傍目から見ると同性愛者と判断されがちですが,私自身の性自認は「男性」なので「異性愛」になります.とてもややこしい.

10

花嫁は元男子

ちぃ 著 2016年2月24日 第1刷発行 飛鳥新社

 この本の著者はでらちゃんと同じ GID MtF ですが,性指向が男性指向であったため,トランス完了後男性とめでたくご結婚されました.しかしながら,でらちゃんの場合は性指向が女性指向ですから,この国で同性婚が認められていない現状ではトランスが完了すると結婚することが不可能になってしまい,もし結婚したければ戸籍を男性のままにしておかなくてはならないことになります.これは現行の法制度の抱える大きな矛盾点なのですが,でらちゃんは婚姻制度そのものが現代社会にはすでに不要のものになっていると思ってます.
 男子時代は自分が結婚なんて夢のまた夢で,誰かと「夫婦」になるなんて全く思いませんでした.世間とか法律とか制度とか,いろいろあるけれどとりあえず,私たちは「夫婦」になりました.
【第9章 「夫婦」のこと】

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僕が私になるために

平沢 ゆうな 著 2016年6月23日 第1刷発行 講談社

 でらちゃんと同じ GID MtF の作者によるトランス・ SRS 体験記.この手の作品読むと,みんな共通して「痛かった」って言っているのですが,でらちゃん全然痛くなかったよ....?
 きっと…大丈夫!
【episode 8】

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生まれる性別をまちがえた!

小西 真冬 著 2017年2月4日 初版発行 KADOKAWA

 この方もでらちゃんと同じで,タイでSRSを受けてきた GID MtF の方ですが,同じ体験をしていながら,かなり違った部分が感じられました.それ以上に,この方の場合, MtF の方の中には嫌う人がいる『性転換』,『もと男』,『女になる』といった表現を平気でされているところにかなりの違和感を感じました.言っちゃ悪いけど,「本当に GID なの? 単なるトランスセクシュアルなんじゃないの?」って疑問を感じてしまいました.この方は間違えて男性として生まれたとお考えのようですが,でらちゃんは女性として生まれたのに身体の性が違っていたと感じています.その違いなんでしょうね? タイトルがすべてを物語っています.