セクマイ関連 Comics




FOR DESIRE 女装コミック・アンソロジー

1990年5月30日 初版発行 桜桃書房

 何と1990年発行というから,現在のように性同一性障害などという医学上の疾患名も知られてなかった頃に編纂されたアンソロジーですが,この頃から『女装コミック』って1ジャンルを形成していたのね?

FOR DESIRE Ⅱ 女装コミック・アンソロジー

1991年12月1日 初版発行 桜桃書房

 上記アンソロジー続編.

ありがとう千夏 性同一性障害/競艇選手・安藤大将物語

原作/翔野 塁 漫画/坂井 トオコ 2003年8月8日 第1刷発行 講談社

 実話をもとにした作品ですが,まだ性同一性障害が『病気』としてとらえられていた頃の話ですので,現在読むとちょっと違和感感じます.

G.I.D.(上)

2006年4月21日 第1刷発行 講談社

  GID というテーマに真正面から取り組んだ佳作だと思います.読んだ後,すごく元気を与えられた気がしました.また, FtM の主人公が男性として成長していく姿が本当に見事に描かれていて,コミックスというメディアならではの表現力ならびに作者の画力に感心・感動させられました.

G.I.D.(下)

2006年8月23日 第1刷発行 講談社

【作者のことば】
 G.I.D. というハンディを背負った1人の人間の,人としての生きざまを描きたかった.ただ,そのハンディはあまりに過酷で,法令の矛盾,戸籍の問題,いわれのない差別・偏見で満たされています.確かにマイノリティではあるけれど,その人々にも助けを出すのが国家・国民としての優しさだと思うのです.どうか,自分には関係ないという気持ちで無視などしないで欲しいと思います.偏見・差別のない社会を望みたい.

悲しい人魚姫

井上 きみどり 著 2006年5月24日 第1册発行 集英社

  GID MtF を受け入れてくれるレズビアンの女性って意外と少ないのよ.

フェイクボーイ・リアルボーイ(上)

2007年1月29日 第1刷発行 あおば出版

【作者からのメッセージ】
 この作品は当初,前後編のミステリーものとして描き始めました.ところが『性同一性障害を持った主人公』という設定が重すぎて,後日談を描かないとストーリーもテーマも中途半端になってしまうと考え,続編も描いて一応完結させました.が,資料として性同一性障害関係の本を読み込むうち,このこと自体がミステリーではないかと思い至りました.事件を無理やりに絡めなくても,真正面からこのテーマに取り組むのもいいかもねーと,当時の担当者の後押しもあり,気がつくとこんな長いシリーズに….この漫画の開始と途中からの路線変更は,こういうわけなのです.

フェイクボーイ・リアルボーイ(下)

2007年1月29日 第1刷発行 あおば出版

…というわけで,事件の完結後のストーリーの展開に感心させられてしまいました.作者が当初描こうとしていた部分は長いプロローグとなり,付け加えられた部分が本編となったわけですが,その路線変更があってこそ GID COMIC の大傑作となることができたと思います.



ストップ ‼ ひばりくん! コンプリートエディション①

江口 寿史 著 2009年7月20日 初版第1刷発行 小学館クリエイティブ

 1980年代に『週刊少年ジャンプ』誌上にて連載され,アニメ化もされた,21世紀の『男の娘』ブームの先駆けとなったともいえる傑作.作者の当初の意図は LGBT を茶化すことにあったということらしいのでその点に関してはあまり肯定はできないのですが,ヒロインを才色兼備のスーパー・ウーマンとして描いており,結果として LBGT に対する差別や偏見を排除する役割を担った点に関してはかなり評価できると思います..
ストップ ‼ ひばりくん! コンプリートエディション②

江口 寿史 著 2009年10月19日 初版第1刷発行 小学館クリエイティブ

 同上.
ストップ ‼ ひばりくん! コンプリートエディション③

江口 寿史 著 2010年3月3日 初版第1刷発行 小学館クリエイティブ

 同上.
ぼく,ちょっと前までおんなのこ

西野 とおる 著 2009年8月24日 初版第1册発行 ブックマン社

 この本の著者は,性同一障害者ですが, GID FtM です.『性同一性障害』診断に始まり,ホルモン注射, SRS(性別適合手術),戸籍変更と至る治療の一環を『性転換』と表現しているなど,内容的に少し古さを感じますが, MtF も FtM も社会的には同じ『障害』であることを再確認させていただきました.実際は『障害』ではなく『個性』なんですけどね.

性別なんて決められない!

矢吹 レオ 著 2012年7月2日 初版発行 竹書房

 この本の著者は,性分化疾患(インターセックス)ということですが,作品の終わりの方の主人公のセリフを読んで,性同一性障害者もインターセックスの方も,ジェンダー・アイデンティティが本人にとっての性別を決定するという点では同じなんだということに気づかせていただきました.

男になりたい!

山岸 ヒカル 著 2013年5月23日 第1刷発行 中経出版

 この本の著者は FtMで,しかもストレートの方です.性自認が男性である FtM の方は性指向は女性といういわゆる FtM ストレートの方が多いような気がするのは,気のせいかしら?

花嫁は元男子

ちぃ 著 2016年2月24日 第1刷発行 飛鳥新社

 この本の著者は GID MtF ですが,性指向が男性指向であったため,トランス完了後男性とめでたくご結婚されました.しかしながら,私は婚姻制度そのものが現代社会にはすでに不要のものになっていると思います.

僕が私になるために

平沢 ゆうな 著 2016年6月23日 第1刷発行 講談社

 この手の作品読むと,みんな共通して「痛かった」って書いているのですが?




生まれる性別をまちがえた!

小西 真冬 著 2017年2月4日 初版発行 KADOKAWA

 この方の場合, MtF の方の中には嫌う人がいる『性転換』,『もと男』,『女になる』といった表現を平気でされているところにかなりの違和感を感じました.言っちゃ悪いけど,「本当に GID なの? 単なるトランスセクシュアルなんじゃないの?」って疑問を感じてしまいました.この方は間違えて男性として生まれたとお考えのようですが,タイトルがすべてを物語っています.

性転換から知る保健体育

小西 真冬 著 2018年3月2日 初版発行 KADOKAWA

 上記の続編.今度は主にトランス後の作者の経験が語られていますが,やはりこの人ご自分の体験を『性転換』,ご自身のことを『元男』ととらえている点が,正直あまり共感できませんでした.

今日から 女 ,はじめました.

高宮 はいり 著 2017年9月29日 初版第1刷発行 ジーウォーク

 この作品は LGBT とも GID とも無関係の単なるフィクションですが, いわゆる性別適合が本人の意思とは関わりなく行われた場合を想定して創られた作品なのでここで取り上げました. Gender Identity Disorder が先天的なものでなく後天的に生じた場合を想像すると,こういう状況になるのだと思います.何度も言うようですが,性別適合と性転換は明らかに違うものなのです.

今日から 女 ,はじめました.えくすとら

高宮 はいり 著 2018年4月27日 初版第1刷発行 ジーウォーク

 上記の続編+特別収録3篇.

快感💛女の体になったオレ

樋口 あや 著 2013年5月23日 第1刷発行 大都社

 この作品もタイトル見て,トランスを描いた作品だと思い込んで購入したのですが,やはり単なるフィクションで,セクシュアル・マイノリティーを描いた作品ではありません.ただし逆に,セクシュアリティに全く違和感を感じてない人が自分の意に反してトランスしてしまった場合を想定して描かれているので,現実にはトランスを行ってしまった方で自殺してしまう場合も多々あるという事実に対して感じていた疑問が,一部解明したような気がそこはかとなくですがいたしました.

発情ループ~快感💛女の体になったオレ~

樋口 あや 著 2014年1月24日 第1刷発行 大都社

 上記の続編.
らぶチェンジ~快感💛女の体になったオレ~

樋口 あや 著 2014年8月24日 第1刷発行 大都社

 さらに続編.
お兄ちゃんはじめました 透明になってやってみた

樋口 あや 著 2015年3月23日 第1刷発行 大都社

 上記3部作と同じ作者による,やはりセクシュアリティ・トランス関連のフィクション・ファンタジー.