David Bowie




1
地球に落ちてきた男
The Man Who Fell to the Earth
★★★★
1976年 イギリス カラー 133 min
STAFF
監督:ニコラス・ローグ
脚本:ポール・メイヤーズ・バーグ
原作:ウォルター・デヴィス
製作:マイケル・ディーリー/バリー・スパイキングス
製作総指揮:サイ・リトヴィノフ
音楽:ジョン・フィリップス/ツトム・ヤマシタ
撮影:アンソニー・B・リッチモンド
編集:グレイム・クリフォード
CAST
デヴィッド・ボウイ/リップ・トーン/キャンディ・クラーク/バック・ヘンリー/バーニー・ケイシー
 主演第1作.この役柄,ボウイさんがはまってるというより,ボウイさんが ROCK の世界で演じ続けてきた役柄そのままなので,まさにボウイさんのために作られたキャラクターであり,映画だったといえます.ですからはまっているのは当然で,逆にこの作品以降別のキャラクターを演じるのが難しくなってしまうのでは,という危惧を感じさせられましたが, ボウイさん自身は苦も無くその難題をクリアーしていきます.俳優としても一流の人だったと思います.この作品自体は,少々ストーリーがわかりにくいのが難点ですが,ボウイさんとキャンディ・クラークさんの好演が,その難点をほとんど感じさせないものにしています.

2
ジャスト・ア・ジゴロ
Just a Gigolo
★★★★★
1978年 西ドイツ カラー 95 min
STAFF
監督:デヴィッド・ヘミングス
脚本:ジュシュア・シンクレア
撮影:チャーリー・ステインバーガー
衣装:イングリット・ツォーレ
メイク:アンソニー・クラベット
CAST
デヴィッド・ボウイ/シドニー・ローム/キム・ノヴァク/デヴィッド・ヘミングス/マリア・シェル/クルト・ユルゲンス/マレーネ・ディートリッヒ
 ボウイーさんにとってほとんど反則技だった前作以上のはまり役で,前作を観た後に感じた危惧が嬉しい誤算であったことを証明させてくれた作品であるともいえます.ただ,初のボウイさん映画として騒がれてロードショー公開された前作と異なって,地味な印象の作品であったせいか,なかなか日本では上映されている映画館が見つからなかった記憶があるのです. DVD も早々に入手困難になっていて,結構いいお値段で入手しました.

3
クリスチーネ・F
Christine F.
★★★
1981年 西ドイツ カラー 126 min
STAFF
監督:ウルリッヒ・エデル
脚本:ヘルマン・ヴァイゲル
原作:カイ・ヘルマン/ホルスト・リーク
音楽:デヴィッド・ボウイ
撮影:ユストゥス・パンカウ
CAST
ナーチャ・ブルンクホルスト/トーマス・ハウシュスタイン/イェンス・ターバル/イアン・ゲオルグ・エフレル/クリスチーヌ・ライヒェルト/デヴィッド・ボウイー(カメオ出演)
 公開当時実話をもとにした衝撃的な内容がセンセーショナルな話題を呼んだ作品ですが,30余年を過ぎた現在ではそれほどのものではないのです.ボウイさんは音楽を担当している他,コンサート・シーンに本人役でカメオ出演, "Station to Station" を歌っています.

4
キャット・ピープル
Cat People
★★★★
1982年 アメリカ カラー 126 min
STAFF
監督:ポール・シュレーダー
脚本:アラン・オームズビー
製作:チャールズ・フライズ
製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー
音楽:ジョルジオ・モロダー
主題歌:デヴィッド・ボウイ 「キャット・ピープル」
撮影:ジョン・ベイリ―
特殊効果:アルバート・ホイットロック
CAST
ナスターシャ・キンスキー/マルカム・マクダウェル/ジョン・ハード/アネット・オトゥール/ルビー・ディー/フランキー・フェイソン/スコット・ボーリン/エド・ベグリー・ジュニア/ジョン・ラロケット/ロン・ダイアモンド/レイ・ワイズ
 1944年に製作・公開された怪奇映画のリメイク.ホラーでもあり,近親相姦と獣姦という二つのタブーを『原罪』として持つ哀しい種族のラブストーリーでもあります.ボウイさんは出演はしていませんが,主題曲を音楽担当のジョルジオ・モロダーさんと共作して歌っています.

5 ハンガー
The Hunger
★★★★
1983年 イギリス カラー 96 min
STAFF
監督:トニー・スコット
脚本:ジェームズ・コスティガン/アイヴァン・デイヴィス/マイケル・トーマス
原作:ホイットリー・ストリーバー
製作:リチャード・A・シェファード
音楽:デニー・ジャガー/デヴィッド・ウィルソン/ミシェル・ルビー二
撮影:スティーヴン・ゴールドプラット
編集:パメラ・パワー
CAST
カトリーヌ・ドヌーブ/デヴィッド・ボウイ/スーザン・サランドン/クリフ・デ・ヤング ベス・エラーズ/ダン・ヘダヤ/ルーファス・コリンズ/スザンヌ・バーティッシュ/シェーン・リマー/ダグラス・ランバート/ベッシー・ラヴ/ジョン・パンコウ/ウィレム・デフォー
 カトリーヌ・ドヌーブさん演じる,休息も自由も得られない永遠の生命を持つ哀しい吸血鬼の物語.ドヌーブさんの伴侶役のボウイさんの老人化していくメイクが見事ですが,ストーリー前半で姿を消してしまったのは残念でした.後半は,新たな伴侶として狙われるスーザン・サランドンさんとのレズビアン・シーンが見どころですが,生殖を必要としない吸血鬼がバイセクシュアルであるというのは確かに理屈に合っていて感心してしまいました.ラストはゾンビと化したボウイさんも再登場して,この手の映画のお約束の結末を迎えるのでした.

6
戦場のメリークリスマス
Merry Christmas, Mr. Lawrence
★★★★★
1983年 日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド カラー 123 min
STAFF
監督:大島 渚
脚本:大島 渚/ポール・メイヤーズバーグ
原作:ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
製作:ジェレミー・トーマス
音楽:坂本 龍一
撮影:杉村 博章
撮影監督:成島 東一郎
編集:大島 ともよ
CAST
デヴィッド・ボウイ/トム・コンティ/坂本 龍一/ビートたけし/ジャック・トンプソン/内田 裕也/三上 寛/ジョニー大倉/アリステア・ブラウニング/飯島 大介/本間 優二/室田 日出男/戸浦 六宏/金田 龍之介/内藤 剛志/石倉 民雄/三上 博史/車 邦秀/ジェイムズ・マルコム
 登場人物がすべて男性で,しかも戦闘シーンがないという異色の戦争映画.筒井康隆先生が「この映画の凄さを本当にわかるのか?」というようなことを描いておりましたが,凄さはともかく,戦争映画嫌いの人でも画面に引き込まれるような魅力を感じられる作品です.

7 スノーマン
The Snowman
-
1984年 イギリス カラー 26 min
STAFF
演出:ウルリッヒ・エデル
監修:ジミー・ムラカミ
原作:レイモンドブリッグス
製作:ジョン・コーツ
製作総指揮:イアン・ハーベイ
音楽:ハワード・ブレイク
CAST
ナレーション:デヴィッド・ボウイ
 レイモンド・ブリッグスさん原作絵本のアニメ化なので登場人物の台詞は一切ありません.1982年に製作されその年のクリスマス・イブに初放映されましたが,1984年にボウイさんがナレーションを担当し出演もしているオープニングのバージョンが作られました.

8 ブレックファスト・クラブ
The Breakfast Club
-
1985年 アメリカ カラー 97 min
STAFF
監督:ジョン・ヒューズ
脚本:ジョン・ヒューズ
製作:ジョン・ヒューズ/ネッド・ターネン
音楽:キース・フォーシイ
撮影:トーマス・デル・リース
編集:デデ・アレン
CAST
エミリオ・エステべス/モリー・リングウォルド/アンソニー・マイケル・ホール/シャド・ネルソン/アリー・シーディ/ポール・グリーソン
 嬉し恥ずかし青春映画.ボウイさんは出演はしていませんが,冒頭部分でボウイさんの楽曲の歌詞が引用されています.



9 眠れぬ夜のために
into the night
★★★
1985年 アメリカ カラー 115 min
STAFF
監督:ジョン・ランディス
脚本:ロン・ロスコ―
製作:ジョージ・フォルシー Jr.
音楽:アイラ・ニューボーン
撮影:ロバート・ペインター
編集:マルコム・キャンベル
CAST
ジェフ・ゴールドブラム/ミシェル・ファイファー/リチャード・ファーンズワース/イレーネ・パパス/キャスリン・ハロルド/ダン・エイクロイド/デヴィッド・ボウイ/ヴェラ・マイルズ/ロジェ・ヴァディム/ポール・マザースキー
 サスペンス・コメディー.ボウイさんは出番は少ないものの,殺し屋さん役をしぶ~く演じていますが,主演のジェフ・ゴールドブラムさんが背の高い方なので小さく見えます.ヒロインのミシェル・ファイファーさんと往年の名女優ヴェラ・マイルズさんの存在感が圧倒的でした.

10
ビギナーズ
Absolute Beginners
★★★
1986年 イギリス カラー 107min
STAFF
監督:ジュリアン・テンプル
音楽監督:ギル・エヴァンス
CAST
エディ・オコーネル/パッツィ・ケンジット/デヴィッド・ボウイ/レイ・デイヴィス/シャーデー/ジェームズ・フォックス
 こちらは1950年代のティーンエイジャーを描いたミュージカル仕立ての青春映画.ボウイさんは広告業界のやり手という役柄で出演している他,主題歌を歌っています.

11
ラビリンス/魔王の迷宮
Labyrinth
★★★★
1986年 アメリカ カラー 101 min
STAFF
監督:ジム・ヘンソン
脚本:テリー・ジョーンズ
製作:エリック・ラトリー
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
音楽:トレヴァ―・ジョーンズ
撮影:アレックス・トムソン
編集:ジョン・グローヴァ―
SFX:ジョージ・ギブス
特殊メイク:ウォリー・シュネイダーマン
美術:ロジャー・ゲイン/マイケル・ホワイト/ピーター・ハウィット
CAST
デヴィッド・ボウイ/ジェニファー・コネリー/ブライアン・ヘンソン/ロン・ミュエク/デヴィッド・ショーネシー/トビ―・フラウド/シェリー・トンプソン/フランク・オズ/ナタリー・フィンランド
 誰が言い出したのか知らないけれど,この映画でゴブリンの王ジャレスを演じているボウイさんは『妖怪しっとるけ』みたいだというので,ファンの間では評判の良くない作品です.でも,ファンタジーとしてよくできた作品だと思います.お人形さんたちもかわいいし.

12
最後の誘惑
The Last Temptation of Christ
★★★★
1988年 アメリカ カラー 164 min
STAFF
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
原作:ニコス・カザンザキス
製作:バーバラ・デ・フィーナ
製作総指揮:ハリー・ウフランド
音楽:ピーター・ガブリエル
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:セルマ・スクーンメイカー
CAST
ウィレム・デフォー/ハーヴェイ・カイテル/バーバラ・ハーシー/ベルナ・ブルーム/アンドレ・グレゴリー/ヴィクター・アルゴ/ハリー・ディーン・スタントン/マイケル・ビーン/ジョン・ル―リー/デヴィッド・ボウイ
 十字架にかけられたキリストに,マグダラのマリアと結婚して子供をもうけ普通の人間としての人生を送る誘惑があったというストーリーの原作を映像化した作品ですが,ユダの裏切りが神の使命として描かれている等の新たな解釈に対して,当然のようにキリスト教関連団体からの抗議や上映反対運動が起こったという問題作.そりゃ怒るよね.でも長いお堅い宗教映画の割には,面白く退屈しないで最後まで観ることができました.ボウイさんは総督ピラト役で1シーンのみの出演ですが,印象に残る演技を見せてくれています.

13
ニューヨーク恋泥棒
The Linguini Incident
★★★★
1991年 アメリカ カラー 98 min
STAFF
監督:リチャード・シェパード
脚本:タマ―ル・ブロット/リチャード・シェパード
製作:アーノルド・オルゴリーニ
製作総指揮:リチャード・J・ギャグノン
音楽:トーマス・ニューマン
撮影:ロバート・ヨーマン
編集:ソーニャ・ポロンスキー
CAST
ロザンナ・アークエット/デヴィッド・ボウイ/エスター・バリント/マーリー・マトリン/バック・ヘンリー/アンドレ・グレゴリー/キャシー・キニ―/ヴィヴィカ・リンドフォース
 ニューヨークを舞台にしたコメディー・タッチのラブ・ロマンス.ボウイさんの歯並びの悪さが目立つ作品ですが,異なるタイプの作品で異なるタイプの役柄にチャレンジしているのはすごいと思まいます.個人的には,相手役のロザンナ・アークエットさん(実はこの人の方がトップ・クレジット)よりも,エスター・バリントさんの方が存在感大きかったと思います.

14
ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間
TWIN PEAKS FIRE WALK WITH ME
★★
1992年 アメリカ カラー 135 min
STAFF
監督:デイヴィッド・リンチ
脚本:デイヴィッド・リンチ/ロバート・エンゲルス
製作:グレッグ・フィーンバーグ
製作総指揮:マーク・フロスト/デイヴィッド・リンチ
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
撮影:ロン・ガルシア
編集:メアリー・スウィーニー
CAST
シェリル・リー/モイラ・ケリー/デヴィッド・ボウイ/クリス・アイザック/ハリー・ディーン・スタントン/レイ・ワイズ/キーファー・サザーランド/カイル・マクラクラン/メッチェン・アミック/ダナ・アシュブルック/フィービー・オーガスティン/エリック・ダ・レー/ミゲル・フェラー/パメラ・ギドリー/ヘザー・グラハム/ペギー・リプトン/デイヴィッド・リンチ/ジェームズ・マーシャル/ユルゲン・プロホノフ/レニー・フォン・ドーレン/グレイス・ザブリスキー/ゲイリー・ハーシュバーガー
 1990~91年にアメリカで放映され,その後世界的なブームを巻き起こした TV シリーズの劇場用新作として製作され,当時はその難解さゆえにあまり評価されなかったものの,後に2017年新作シリーズ『リミテッド・イベント・シリーズ』の放映とともに再評価されたというお話.実はそのヒットした TV シリーズを全く観たことなくて,何雄予備知識もないままこの作品を観たので,やっぱり難解でよくわかりませんでした.また,お目当てのボウイさんは1シーンのみの出演で,その点に関しても全く期待外れだったので,この評価になります.ただ,『マルホランド・ドライブ』を観たときにも感じたのですが,現実と幻想が交互に絶え間なく表現されるストーリーは難解でありながらも,それなりに画面から目を離せない魅力を感じさせる作風に,この監督の力量が示されていると思います.

15
セブン
SE7EN
-
1995年 アメリカ カラー 127 min
STAFF
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
製作:アーノルド・コぺルソン/フィリス・カーライル
製作総指揮:ジャン二・ヌナリ/ダン・コルスルッド/アン・コぺルソン
音楽:ハワード・ショア
主題歌:デヴィッド.ボウイ 「ハーツ・フィルシー・レッスン」
撮影:ダリウス・コンジ
編集:リチャード・フランシス・ブルース
CAST
ブラッド・ピット/モーガン・フリーマン/グウィネス・パルトロー/R・リー・アーメイ/リチャード・ラウンドトゥリー/リチャード・シフ/ケヴィン・スぺイシー/ダニエル・ザカパ/ジョン・C・マッギンリー/リーランド・オーサー/マイケル・マッシー/マーティン・セレン/リチャード・ポートナウ/ピーター・クロンビー/ジョン・カッシーニ/ホーソーン・ジェームズ/マーク・ブーン・Jr./ロスコ―・デヴィッドソン/ジュリー・アラスコグ/ドミニク・ジェニングス/ビヴァリー・バーク/デヴィッド・コレイア/リッチモンド・アークエット
 キリスト教の『七つの大罪』をモチーフにした連続猟奇殺人事件を描いたサイコ・サスペンス.ボウイさんは出演していませんが.主題曲を歌っています.

16 バスキア
Basquiat
★★★★★
1996年 アメリカ カラー 108 min
STAFF
監督:ジュリアン・シュナーベル
脚本:マイケル・トーマス・ホルマン/ジュリアン・シュナーベル
製作:ジョン・キリク/ランディ・オストロウ/シガージョン・サイヴァッツォン
製作総指揮:ジョセフ・アレン/ピーター・ブラント/ミチヨ・ヨシザキ
音楽:ジョン・ケイル
撮影:ロン・フォーチュナト
編集:マイケル・バレンバウム
CAST
ジェフリー・ライト/クレア・フォーラ二/ベ二チオ・デル・トロ/マイケル・ウィンコット/デヴィッド・ボウイ/デニス・ホッパー/ゲイリー・オールドマン/パーカー・ポージー/ウィレム・デフォー/コートニー・ラブ/クリストファー・ウォーケン/エレナ・レーヴェンソン/ポール・バーテル/テータム・オニール/マイケル・チャウ/マイケル・バダルコ/サム・ロックウェル
 27歳で夭折したニューヨークの天才画家ジャン=ミシェル・バスキアの生涯を描いた実話ですが,アンディ・ウォーホル役でボウイさんが助演していると知ったとき,「ああやっぱり」と思いました.まさにはまり役で,この人を除いてこの役を演じられる人はいなかったと思います.あとは,画商役でデニス・ホッパーさん,チョイ役でテイタム・オニールさんが出演しています.



17 ガンスリンガーの復讐
GUNSLINGER'S REVENGE
★★★
1998年 イタリア カラー 85 min
STAFF
監督:ジョヴァンニ・ヴェロネージ
脚本:ヴィンチェンツォ・バルディーニ
製作:ヴィットリオ・チェッキ・ゴーリ
音楽:ピノ・ドナッジオ
撮影:ロン・フォーチュナト
編集:ホセ・ルイス・アルカイネ
CAST
ハーヴェイ・カイテル/デヴィッド・ボウイ/レオナルド・ピエラッチョーニ/サンドリーヌ・ホルト/アレッシア・マルキュージ/ジム・ヴァン・デル・ウォルト/ミッシェル・ゴメス
 これは珍しいボウイさんがサイコパスの殺し屋を怪演しているマカロニ・ウェスタン? でもカッコよく登場した割には,他の悪役ともども簡単にやられちゃうし,主演の伝説のガンマンを演じるハーヴェイ・カイテルさんも結局最後まで戦わないし,見掛け倒しのキャラクターと消化不良起こしたようなストーリー展開で欲求不満になりそうな精神衛生上よくない作品.

18
天使といた夏
Mr. Rices Secret
★★★
1999年 カナダ カラー 85 min
STAFF
監督:ニコラス・ケンドル
脚本:J・H・ワイマン
製作:コリーン・ニーステッド
製作総指揮:ビュー・ロジャース
CAST
デヴィッド・ボウイ/ビル・スウィッツァー/ガーウィン・サンフォード/テリル・ロザリー
 よくできたファンタジーですが,トップクレジットでありながら出演場面の少ないボウイさんの処遇に不満が残る作品.どっかに『無駄遣い』って書かれていましたが,素直に納得.

19 ズーランダー
Zoolander
★★★★
2001年 アメリカ カラー 89 min
STAFF
監督:ベン・ステイラー
脚本:ドレイク・セイザー/ベン・ステイラー
製作:ステュアート・コーンフェルド/スコット・ルーディン/ベン・ステイラー
製作総指揮:ジョエル・ガレン/アダム・シュローダー/ローレン・ザラズニック
音楽:デヴィッド・アーノルド
撮影:ハリー・ピーターソン
編集:グレッグ・ヘイデン
CAST
ベン・ステイラー/クリスティン・テイラー/オーウェン・ウィルソン/ウィル・フェレル/ミラ・ジョヴォヴィッチ/ジェリー・ステイラー/デイヴィッド・ドゥカヴニー/ジョン・ヴォイト/ヴィンス・ヴォーン/ジュダ・フリードランダー/ネイサン・リー・グレアム/アンディ・ディック/アシオ・ハイスミス/アレクサンダー・スカルスガルド/ウッドロー・W・アサイ/ジャバズ・リチャードソン/ジャスティン・セロー/デヴィッド・ボウイ(カメオ出演)
 ファッション・モデル回を舞台にしたコメディ.ドナルド・トランプさんをはじめ多くの有名人がカメオ出演をしていますが,ボウイーさんはストーリーに大きく関連するわりと重要な役で出演しており,台詞も多いです.この頃のボウイさんは歯並びも矯正し終わっており,久々にジギー・スターダストから以前のロング・ヘアーにしていた時期で,とてもカッコいいのです.

20 ノミ・ソング
THE NOMI SONG
★★★★
2003年 ドイツ カラー 96 min
STAFF
監督:アンドリュー・ホーン
製作:トマス・メルデンズ/アネット・ビザケイン/アンドリュー・ホーン
撮影:マーク・ダニエルズ
編集:グアンジェラ・クライストリーブ/ギトー・クラジェヴィスキー
CAST
クラウス・ノミ/デヴィッド・ボウイ―/etc
 ボウイーさんに見出され, AIDS によって非業の死を遂げたアーティスト,クラウス・ノミさんの一生涯を追ったドキュメンタリー.ボウイさんとの伝説に残るコラボレーションをはじめ,1980年代を感じさせる貴重な映像が満載されています.私がこの方を知ったのはスネークマン・ショーのアルバムに収録されていた "Cold Song" だったのですが, 名曲だと思いました.そして何よりも,この人の生き方ってまぎれもなく ROCK そのものだったと思います.

21 プレステージ
The Prestige
★★★
2006年  カラー 128 min
STAFF
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:ジョナサン・ノーラン/クリストファー・ノーラン
原作:クリストファー・ブリースト
製作:クリストファー・ノーラン/エマ・トーマス/アーロン・ライダー
製作総指揮:クリス・J・ポール/ヴァレリー・ディーン/チャールズ・J・D・シュリッセル/ウィリアム・タイラー
音楽:デヴィッド・ジュリアン
撮影:ウォーリー・フィスター
編集:リー・スミス
CAST
ヒュー・ジャックマン/クリスチャン・ベール/マイケル・ケイン/スカーレット・ヨハンソン/パイパー・ペラーボ/レベッカ・ホール/デヴィッド・ボウイ/アンディ・サーキス/リッキー・ジェイ
 『130分すべてのシーンに罠がある.人智を超えたラストにあなたもきっと騙される‼』とゆ~ことですが,時系列があっちこっちに移動するのでストーリーの展開が把握しにくく,騙されるといういうよりわかりにくい映画でした.科学者役で老境に入ったボウイさんは渋いです.

22 アーサーとミニモイの不思議な国
ARTHUR ET LES MINIMOYS
★★★★
2006年 フランス カラー 103 min
STAFF
監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン/セリーヌ・ガルシア
原案:セリーヌ・ガルシア
原作:リュック・ベッソン
製作:リュック・ベッソン/エマニュエル・ブレヴォ
音楽:エリック・セラ
撮影:ティエリー・アルボガスト
美術監督:パトリス・ガルシア/フィリップ・ルシエ
CG監督:ピエール・ブファン
CAST
【実写】アーサー:フレディ・ハイモア(神木 隆之介)/おばあちゃん:ミア・ファロウ(夏木 マリ)/アーサーの母:ぺニー・バルフォー(勝田 晶子)/アーサーの父:ダグ・ランド(咲野 俊介)/おじいちゃん:ロナルド・クロフォード(永井 一郎)
【アニメーション】セレニア:マドンナ(戸田 恵梨香)/ベタメッシュ:ジミー・ファロン(えなり かずき)マックス:スヌープ・ドッグ(トシ)/クーロマッサイ:アンソニー・アンダーソン(タカ)/イージーロー:アレン・ホイスト(タカ)//国王:ロバート・デ・ニーロ(富田 耕生)/ダルコス:チャズ・パルミンテリ(乃村 健次)/マルタザール:デヴィッド・ボウイ(Gackt)
 実写と 3D アニメとで構成されたファンタジー3部作の1作目.ボウイさんがアニメ部分の声優として魔王マルタザール役を演じている他,マドンナがヒロインの王女セレニアを演じていますがお二人ともこの第1作のみの出演で,第2・3作ではマルタザール役をなんとルー・リードさんが演じています.私は CG の導入が映画をつまらなくしたと思っているので, CG アニメに関しては懐疑的なのですが,この作品は実写との合成が非常に効果的だったと思います.あと,日本語版の声優さんとして夏木マリさんが起用されていたのも良かったです.

23 スコット・ウォーカー 30世紀の男
Scott Walker 30 Century Man
★★★
2007年  カラー 95 min
STAFF
監督:スティーヴン・キジャク
製作:エリザベス・ローズ/ミア・ベイズ/スティーヴン・キジャク
製作総指揮:デヴィッド・ボウイ
撮影:グラント・ジー
編集:グラント・ジー/マット・ホワイトクロス
CAST
スコット・ウォーカー/デヴィッド・ボウイ/ブライアン・イーノ/マーク・アーモンド/デーモン・アルバーン/ジャーヴィス・コッカー/ルル/レディオヘッド
 ボウイさんがエグゼクティヴ・プロデューサを勤めている,イギリス音楽界の奇才(らしいです)スコット・ウォーカーさんの伝記映画で,多くのアーティストのインタビューが収録されているドキュメンタリー作品ですが,実はこの人に関しては,ウォーカー・ブラザーズのアイドル時代もソロになってからのアヴァンギャルドな作品群にも全く興味も関心もなく,今回この作品を観ても,ボウイさんが肩入れするほどの魅力は残念ながら感じられませんでした.

24 ライフ・ドア 黄昏のウォール街
AUGUST
★★★★
2008年  カラー 88 min
STAFF
監督:オースティン・チック
脚本:ハワード・A・ロッドマン
製作:チャーリー・コーウィン/デヴィッド・ガイ・レヴィ/エリサ・パグリーズ/ジョシュ・ハートネット/クララ・マルコヴィッチ
製作総指揮:パトリック・モリス/オースティン・チック/ハワード・A・ロッドマン
撮影:アンドリー・パレーク
編集:ピート・ボドロー
CAST
ジョシュ・ハートネット/ナオミ・ハリス/アダム・スコット/ロビン・タニー/アンドレ・ロヨ/エマニュエル・シュリーキー/デヴィッド・ボウイ/リップ・トーン/キャロライン・ラガーフェルト/アラン・コックス
 この映画におけるボウイさんは完全なゲスト扱いで物語終盤になってやって姿を見せるのですが,役柄が役柄だけに貫禄があって渋いです.とにかくカッコいい.アラン・ドロンさんもそうですが,若い頃はチンピラみたいだったのが,中年過ぎていい俳優さんになりました.



25 アーサー・フォーゲル ~ショービズ界の帝王~
THE TRUE STORY OF THE LEGEND BEHIND THE LEGENDS
★★
2013年  カラー 104 min
STAFF
監督:ロン・チャプマン
製作:ロン・チャプマン
製作総指揮:ウェイン・トンプソン
音楽:ロン・チャプマン
編集:マーク・スタウントン
CAST
アーサー・フォーゲル/レディー・ガガ/マドンナ/ボノ/ジ・エッジ(U2)/スティング/アンディ・サマーズ(ポリス)/ゲディー・リー(ラッシュ)/デヴィッド・ボウイ
 伝説のプロモーター,アーサー・フォーゲルさんの伝記映画で,多くのミュージシャンのインタビューが収録されていますが,この映画が製作された頃,ボウイさんはすでに隠遁して闘病生活を送っていたためか,映像のみの出演でインタビューは収録されていません.かつては確かに存在した ROCK というジャンルが形骸化し,次第につまらないものになっていってしまった理由が,本来水と油の性格を持つシュービジネスという形態に変化してしまったことがよ~くわかりました.個人的には ROCK という音楽文化は商業主義と結びつき市民権を得てしまった1980年頃に消滅してしまったと思っています.こんなの ROCK じゃないもん.

26 ビサイド・ボウイ ―ミック・ロンソンの軌跡―
BESIDE BOWIE
THE MICK RONSON STORY
★★★★
2017年  カラー 104 min
STAFF
監督:ジョン・ブリュワー
製作:ジョン・ブリュワー
ナレーション:デヴィッド・ボウイ
CAST
ミック・ロンソン/ロジャー・テイラー/アンジー・ボウイ/イアン・ハンター/リック・ウェイクマン/ジョー・エリオット/ルー・リード/ルル/アール・スリック/グレン・マドロック/ダナ・ギレスビー/マーク・ネヴィン/ミック・ロック/マイク・ガーソン/メアリー・フィネガン/ボブ・ハリス/スージー・ロンソン/ケヴィン・キャン/デヴィッド・ストップス/マギー・ロンソン/トニー・ヴィスコンティ/ローレンス・マイヤーズ/チェリー・ヴァニラ/トニー・ザネッタ
 グラム・ロック期のボウイさんの盟友ミック・ロンソンさんの伝記映画で,多くのミュージシャンや関係者のインタビューが収録されていますが,特にリック・ウェイクマンさん,ルー・リードさん,ロジャー・テイラーさん,イアン・ハンターさんの映像が他ではなかなか見られない貴重なものだったと思います.映画の中でも語られている通り,もしミック・ロンソンさんがいなくてもボウイさんは世に出ていたと思いますが,ロック・アーティストに転向して開花できたのはやはりミック・ロンソンさんとスパイダース・フロム・マース,そしてトニー・ヴィスコンティさんの力が大きかったと思います.そういう意味で, "Tha Man Who Sold the World" はボウイさんのディスコグラフィーの中で最重要作だと思っているのです.