Dirty Harry




1 ダーティハリー
Dirty Harry
★★★
1971年 アメリカ カラー 102 min
STAFF
監督:ドン・シーゲル
脚本:ハリー・ジュリアン・フィンク/R・M・フィンク/ディーン・リーズナー
製作:ドン・シーゲル
製作総指揮:ロバート・デイリー
音楽:ラロ・シフリン
撮影:ブルース・サーティース
編集:カール・パインジター
CAST
クリント・イーストウッド/ハリー・ガーディノ/アンディ・ロビンソン/レニ・サントーニ/ジョン・ミッチャム/ジョン・ラーチ/ジョン・ヴァーノン/メイ・マーサー/リン・エジングトン/ルース・コバート/ウッドロー・パーフリー/モーリス・アージェント/ジョセフ・ソマー/ビル・コウチ/ラリー・デュラン/マーク・ハートセンズ/デビッド・ギリアム
 でらちゃんが中学生だった1972〜75年頃毎月買って読んでいた雑誌『ロードショー』の男優・女優の人気投票のページで,アラン・ドロン,ジュリアーノ・ジェンマ,ロバート・レッドフォードといった美男俳優の方々に交じって,男優ベスト10の第5位くらいにこのクリント・イーストウッドという俳優さんがランクインしていたのですが,当時は正直言ってこの額が禿げ上がっていて顔がくしゃくしゃの醜男(ゴメンナサイ)の俳優が何でそんなに人気があるのか全くわかりませんでした.この作品はその頃 TV で観たはずなのですがあまり記憶に残っていなくて,むしろアンディ・ロビンソンさんの凶悪犯ぶりの方が印象に残っていました,多分まだお子ちゃまだったでらちゃんには,この方の男性的魅力が理解できなかったんだと思います.

2 ダーティハリー2
Magnum Force
★★★★
1973年 アメリカ カラー 124 min
STAFF
監督:テッド・ポスト
脚本:ジョン・ミリアス/マイケル・チミノ
製作:ロバート・デイリー
音楽:ラロ・シフリン
撮影:フランク・スタンリー
編集:フェリス・ウェブスター
CAST
クリント・イーストウッド/ハル・ホルブルック/フェルトン・ペリー/デヴィッド・ソウル/ロバート・ユーリック/キップ・ニーヴェン/ティム・マシスン/ミッチェル・ライアン/アルバート・ポップウェル/トニー・ジョージオ/クリスティーン・ホワイト/アデル・ヨシオカ/リチャード・デヴォン/ジャック・コスリイ/マーガレット・エイヴリー/モーリス・アージェント/ジョン・ミッチャム/クリフォード・A・ペロー/ボブ・マーケリング/ラス・モロ/ボブ・マーテ/スザンヌ・ソマーズ
 やはり中学生の頃,観に行った方から「1作目よりも面白い」という感想を聞いていたので, TV で放映された際にすぐに,多分これがシリーズで初めて観た作品だったと思います.確かに面白かった記憶はあるのですが,細かい内容はあまりよく覚えていなかったことを今回 DVD を観て発見しました.当時,やはりどうしてもこのクリント・イーストウッドさんという俳優さんに関心が持てなくて,それよりも TV シリーズの『刑事スタスキー&ハッチ』や『ベガス』でおなじみだったデヴィッド・ソウルさんやロバート・ユーリックさんといった俳優さんの方が好みだったので,この作品を観ても主人公のハリーよりその俳優さんたちたちが演じている新人警官たちの方にどちらかというと感情移入してみたりしていました.ストーリー的には被害者よりも被疑者の人権の方が保護されている法体制における矛盾に対するハリーの怒りを描いていた第1作に対して,この第2作では法で裁けない悪を自ら始末しようとする警官たちを逆にハリーが駆逐するといった,前作のアンチテーゼのような作風となっていますが,後にアラン・ドロンさんが『処刑警察』で似たようなテーマを取り上げていました.

3 ダーティハリー3
The Enforcer
★★★★★
1976年 アメリカ カラー 96 min
STAFF
監督:ジェームズ・ファーゴ
脚本:スターリング・シリファント/ディーン・リーズナー
原案:ゲイル・モーガン・ヒックマン/S・W・シュアー
製作:ロバート・デイリー
音楽:ジェリー・フィールディング
撮影:チャールズ・W・ショート
編集:ジョエル・コックス/フェリス・ウェブスター
CAST
クリント・イーストウッド/タイン・デイリー/ハリー・ガーディノ/ブラッドフォード・ディルマン/ジョン・ミッチャム/デヴァレン・ブックウォルター/ジョン・クロウフォード/サマンサ・ドーン/ロバート・F・ホイ/ジョセリン・ジョーンズ/M・G・ケリー/ニック・ぺリグリノ/アルバート・ポップウェル
 というわけで,でらちゃんもともとクリント・イーストウッドという俳優さんにそれほどの関心はなく,このシリーズも1・2作目を TV で観たけどあまり記憶に残っていなかったのですが,最近入手した『刑事コロンボ』の Blu-ray Box の新シリーズに2回ゲスト出演していたタイン・デイリーさんという女優さんが気になっていて,調べてみたところこの『ダーティハリー3』に出演していたことがわかったので,急遽このシリーズの DVD Box を入手して観たのでした.1・2作目に較べて短い時間の作品なのですが一切無駄な部分のない作品で,個人的には最も解り易くて良くできたアクション・ムービーだったと思います.でらちゃん映画,特にこのようなエンターテインメント作に関してはこのくらいの長さが丁度楽しんで観られる長さで,2時間超えるとちょっと苦しいのです.もちろんお目当てのタイン・デイリーさんも可愛いらしく,ハリーの相棒役を上手に演じ切っていました.

4 ダーティハリー4
Sudden Impact
★★★★
1983年 アメリカ カラー 117 min
STAFF
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョゼフ・スティントン
製作:クリント・イーストウッド
製作総指揮:フリッツ・メイニーズ
音楽:ラロ・シフリン
撮影:ブルース・サーティース
編集:ジョエル・コックス
CAST
クリント・イーストウッド/ソンドラ・ロック/パット・ヒングル/ブラッドフォード・ディルマン/ポール・ドレイク/オードリー・J・二ーナン/ジャック・チボー/マイケル・キュリー/アルバート・ポップウェル/マーク・キールーン/ウェンデル・ウェルマン/マイケル・V・ガッツォ
 クリント・イーストウッドさん自ら製作・監督を務めたシリーズ第4作で,シリーズ中最大のヒット作となったとのことですが,個人的にはちょっと『?』でした.ヒロインのソンドラ・ロックさん演じる女流画家ジェニファー側とハリー側のストーリーが同時進行していく中,時折ジェニファーの過去のエピソードが挿入されるシナリオ構成が少々解りづらかったのと,犯行時の場面が暗いことが多く登場する人物が把握しづらかったのがその原因だと思います.また,この時期までクリント・イーストウッドさんの映画には必ずと言っていいほど登場していたソンドラ・ロックさんの最期の共演作品だということですが,どうもこの人が出てくると結末が読めてしまうような感じで.実際に予想通りの結末を迎えました.全編を貫いているテーマは,第1作以来の「被害者よりも被疑者の人権される現行の法体の矛盾に対する怒り」なのですが,第2作がそのアンチテーゼとなっていたのに対して,今回の結末はさらにそのまたアンチテーゼとなっており,どうもこの人優柔不断じゃな〜い? などと思ってしまうのでした.

5 ダーティハリー5
The Dead Pool
★★★
1988年 アメリカ カラー 90 min
STAFF
監督:バディ・ヴァン・ホーン
脚本:スティーヴ・シャロン
製作:デヴィッド・ヴァルデス
音楽:ラロ・シフリン
撮影:ジャック・N・グリーン
編集:ジョエル・コックス(スーパーバイザー)
CAST
クリント・イーストウッド/パトリシア・クラークソン/リーアム・ニーソン/エヴァン・C・キム/デヴィッド・ハント/ジム・キャリー/マイケル・カリー/マイケル・グッドウィン/アンソニー・チャルノータ/ルイス・ジャンバルヴォ/ディエゴ・チェアーズ
 シリーズ最短の上映時間90分の作品ですが,その短い時間の中にギャングのボス・ジェネロ,ヒロインでレポーターのサマンサ,広報担当の上司アッカーマン,中国系の新しい相棒クワン,『デッド・プール』のプレイヤーで嫌疑をかけられる映画監督スワン.そして統合失調症の真犯人ルックと,あまりにも多くのメイン・キャラクターとその関連エピソードを織り込んでしまっているため,ストーリーは面白いのですが,残念ながらメイン・テーマが絞り切れず混沌としてしまっている作品作りで,そのせいかシリーズの最終作となってしまいました.

7 ピンク・キャデラック
Pink Cadillac
★★★★★
1989年 アメリカ カラー 121 min
STAFF
監督:バディ・ヴァン・ホーン
脚本:ジョン・エスコウ
製作:デヴィッド・ヴァルデス
製作総指揮:マイケル・グラスコフ
音楽:スティーブ・ドーフ
撮影:ジャック・N・グリーン
編集:ジョエル・コックス
CAST
クリント・イーストウッド/バーナデット・ピーターズ/ティモシー・カートハート/ジョン・デニス・ジョンストン/マイケル・デ・バレス/ジェフリー・ルイス/ウィリアム・ヒッキー/ジェリー・バンマン/クリフ・ベミス/フランシス・フィッシャー/ジェームズ・クロムウェル/ジム・キャリー
 『ダーティーハリー』シリーズ最終作とほぼ同じスタッフによって製作され,翌1989年に公開されたクリント・イーストウッドさん主演のアクション・コメディ.この作品の DVD は『ダーティハリー』シリーズ Box 以前に入手していたのですが,実はイーストウッドさんの作品としてではなく,でらちゃんが中学生の頃ファンだったロック・バンド Shilverhead の MIchael Des Barres さんが出演しているというので, 同じ理由で TV シリーズ『冒険野郎マクガイバー』の Box Set と共に Amazon で探して購入しました.『ダーティハリー5』同様,本国アメリカでの評判はあまり芳しくなかったみたいですが,でらちゃんは割と気に入っていて,『ダーティハリー3』同様イーストウッドさんの魅力が共演女優とのコンビネーションによって引き出されている作品だと思います.終了した『ダーティハリー』シリーズに替わって新しくシリーズ化されるのかな? と期待させられたラストでしたが,残念ながらそうはなりませんでした.