1 | フランケンシュタインの逆襲 The Curse of Frankenstein |
★★★ |
1957年 イギリス・アメリカ カラー 83 min | ||
STAFF 監督:テレンス・フィッシャー 脚本:ジミー・サングスター 原作:メアリー・シェリー 製作:マックス・ローゼンバーグ/アンソニー・ハインズ 製作総指揮:マイケル・カレラス 音楽:ジェームズ・バーナード 撮影:ジャック・アッシャー 編集:ジェームズ・ニーズ |
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CAST ピーター・カッシング/ヘイゼル・コート/ロバート・アークハート/クリストファー・リー/ヴァレリー・ゴーント/ポール・ハードマス |
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ホラーの名門 “ハマー・フィルム” の怪奇映画第1作だそ~ですが,有名な『吸血鬼ドラキュラ』(2)以前に作られていたのは知りませんでした.後にアンディ・ウォーホルさん監修の『悪魔のはらわた』(7),『処女の生血』(8)もこの順序を踏襲して制作されています.また,ピーター・カッシングさん主演でシリーズ化され,全6作と番外編1作が作られたそ~ですが,この作品でクリーチャーを演じたクリストファー・リーさんはセリフも全くない役のイメージ固定化を嫌ってシリーズ第2作以降は出演しておらず,次の『ドラキュラ』の方でブレイクしており,この選択は全くもって正解だったと思われます.ところで,日本語タイトルの『逆襲』は前編が存在するような印象を与えますし,作品の内容にもまったくそぐわないものであって.完全なミステイクであると思われます.こ~ゆ~のがあるから,配給会社によるおかしな日本語タイトルには私は反対なのです.作者の意図を尊重して原題のままで公開してほしいと思います.ストーリーは面白く,ホラー映画としては十分満足のいく出来だと思いますが.疑問点がひとつ.逮捕されたフランケンシュタイン男爵の神父への告解というシチュエーションで物語が語られ,ラストでギロチンによる処刑を暗示して終わりますが,何の容疑で裁かれたのか,そしてどういう言い訳で死刑を免れようとしているのか,そくわからないんですケド. |
2 | 吸血鬼ドラキュラ HORROR OF DRACULA |
★★★★ |
1958年 イギリス カラー81 min | ||
STAFF 監督:テレンス・フィッシャー 脚本:ジミー・サングスター 原作:ブラム・ストーカー 製作:アンソニー・ハインズ 製作総指揮:マイケル・カレラス 音楽:ジェームズ・バーナード 撮影:ジャック・アッシャー 編集:ビル・レニー |
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CAST ピーター・カッシング/クリストファー・リー/マイケル・ガフ/メリッサ・ストリプリング/ジョン・ヴァン・アイゼン/キャロル・マーシュ/オルガ・ディッキー/ジャニーナ・フェイ/チャールズ・ロイド・バック/マイルス・マルソン/ヴァレリー・ガウント/ジョージ・メリット/ジョージ・ベンソン |
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ホラーの名門 “ハマー・フィルム” の怪奇映画第2作.中学生のころ確か TV の深夜劇場で観た最初のドラキュラ映画だったと思いますが,とにかくクリストファー・リーさんがはまっていたのと,ラストのピーター・カッシングさん扮するヘルシング教授との格闘シーンの迫力が強烈に印象に残っています.今回 DVD を購入して50年ぶりに観ましたが,流石に古さを感じさせられたのは仕方のないことだったと思います.また,ラストの格闘シーンが記憶していたよりもかなり短かったのがちょっと意外でした. |
3 | 狂ったメス "Corruption" |
★★★ |
1968年 イギリス カラー 91 min | ||
STAFF 監督:ロバート・ハートフォード=デイヴィス 脚本:デレク・フォード/ドナルド・フォード 製作:ピーター・ニューブルック 音楽:ビル・マクガフィー 撮影:ピーター・ニューブルック 編集:ドン・ディーコン |
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CAST ピーター・カッシング/スー・ロイド/ノエル・トレヴァーゼン/ケイト・オマラ/デヴィッド・ロッジ/アントニー・ブース |
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Amazon で DVD を見かけて面白そうだったので買って観ました.個人的には音楽や映像の作品に関しては,タイトルも作品の一部だと思っていますので,おかしな日本語タイトルをつける悪癖に対しては腹立たしく思っているのですが,この作品の日本語タイトルのダブル・ミーニングにはちょっと感心させられました.作品そのものは,途中まではいかにもイギリスらしい猟奇ミステリーが進行していくのですが,終盤に至って支離滅裂な展開を見せ,救いのない結末へとなだれ込むB級ホラー映画です. |
4 | ローズマリーの赤ちゃん Rosemary's Baby |
★★★★★ |
1968年 アメリカ カラー 137 min | ||
STAFF 監督:ロマン・ボランスキー 脚本:ロマン・ボランスキー 製作:ウィリアム・キャッスル 製作総指揮:ロバート・エヴァンス 音楽:クリシュトフ・コメダ 撮影:ウィリアム・A・フレイカー 編集:ボブ・ワイマン/サム・オスティーン |
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CAST ミア・ファロー/ジョン・カサヴェテス/ルース・ゴードン/シドニー・ブラックマー/モーリス・エヴァンス/ラルフ・ベラミー |
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大学に入学した年に初めて東京で観た映画が『マニトウ』(14)だったのですが,似たような作品としてこの作品を認識していて,ず~っと観たいと思っていたにも関わらずつい観そびれていて,2020年になってやっと DVD を購入して観ることができました.で,感想ですが,『ホラー映画の最高傑作』と言われるだけあって,よくできた作品だと思います.何よりもおかしな造り物や悪趣味なスプラッタ・シーンなどが皆無でありながら,観る者を捉えて離さない静かな恐怖が全編にわたって感じられる点,まさに『ホラー映画の原点』と言っていい作品だと思います. |
5 | エクソシスト The Exorcist DIRECTOR'S CUT EDITION |
★★★★ |
1973年 アメリカ カラー 132 min | ||
STAFF 監督:ウィリアム・フリードキン 脚本:ウィリアム・ピーター・ブラッティ 原作:ウィリアム・ピーター・ブラッティ 製作:ウィリアム・ピーター・ブラッティ 製作総指揮:ノエル・マーシャル 音楽:マイク・オールドフィールド/ジャック・ニッチェ 撮影:オーウェン・ロイズマン 編集:ノーマン・ガイ/エヴァン・A・ロットマン/バド・S・スミス |
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CAST エレン・バーステイン/マックス・フォン・シド―/リー・J・コッブ/キティ・ウィン/ジャック・マッゴーラン/ジェイソン・ミラー/リンダ・ブレア/ウィリアム・オマリー/バートン・ヘイマン/ピート・マスターソン/ルドルフ・シュンドラ―/ジーナ・ペトルーシュカ/ロバート・シモンズ/バシリキ・マリアロス/ロン・フェーバー/マーセデス・マッケンブリッジ |
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ジョージ・ロイ・ヒル監督の『スティング』と1973年度アカデミー賞の各部門を競い合った大ヒット作ですが,結果は残念ながら復古調の『スティング』の圧勝で,「意外」と評されてました.しかしながら,以後のホラー・オカルト・ムービー・ブームの礎となった先駆者的作品であり,特撮も見事だったと思います.でも,実は公開当時見逃していて,TVでも通して観たことがなかったので,今回DVDで観たこの『ディレクターズ・カット・エディション』が初めてでした.本当は岸田森さんがジェイソン・ミラーさんの吹き替えを担当したTV版を観たいのですが.... |
6 | ヘルハウス The Legend of HELL HOUSE |
★★★★ |
1973年 アメリカ カラー 95 min | ||
STAFF 監督:ジョン・ハフ 脚本:リチャード・マシスン 原作:リチャード・マシスン 製作:アルバート・フェネル 製作総指揮:ジェームズ・H・ニコルソン 音楽:ブライアン・ホジソン/デライア・ダービシャー 撮影:アラン・ヒューム 編集:ジョフリー・フット |
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CAST パメラ・フランクリン/ロディ・マクドウォール/クライヴ・レヴィル/ゲイル・ハニカット/ローランド・カルヴァ―/ピーター・ボウルズ/マイケル・ガフ(ノン・クレジット) |
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何といってもラスト,『吠える巨人』エメリック・ベラスコのトホホな秘密が明らかになるシーンでのロディ・マクドウォールさんの熱演が見事で圧倒されました.この方,他の作品では決して主役を喰ってしまうようなことがないバイ・プレーヤーに徹した,逆の意味で凄く存在感のある俳優さんで大好きな役者さんなのですが,ここでは堂々たる主役を演じています(トップ・クレジットはパメラ・フランクリンさんですが,物語の中で最初に姿を消してしまいます).また,アン役のゲイル・ハニカットさん,日本では全く知られていない女優さんですが,この頃アラン・ドロンさんの『スコルピオ』で相手役を演じていて,やはりお気に入りの女優さんなのでして,この方も悪霊に催淫術をかけられてしまう,妖艶にして鬼気せまる演技を見せてくれています.他にクライヴ・レヴィルさん,パメラ・フランクリンさんも含めて,現在考えてみると本当に見事な顔合わせのキャスティングがこの映画の魅力となっています.個人的にはホラー映画としてはすご~くよくできている作品だとは思いますが,ネコが殺されてしまうのが可哀そうなので☆ひとつマイナスとなります. |
7 | 悪魔のはらわた Flesh for Frankenstein |
★★★★★ |
1973年 イタリア・フランス 95 min | ||
STAFF 監修:アンディ・ウォーホル 監督:ポール・モリセイ 脚本:ポール・モリセイ 製作:アンドリュー・ブラウンズバーグ 製作総指揮:カルロ・ポンティ 音楽:クラウディオ・ジッツィ 撮影:ルイジ・クヴェイレル 編集:ジェド・ジョンソン 特殊効果:カルロ・ランバルディ |
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CAST ジョー・ダレッサンドロ/モニーク・ヴァン・ブーレン/ウド・キア―/アルノ・ジェエギング/ダリラ・ディ・ラザーロ/サージャン・ゼルノビク/ニコレッタ・エルミ/リュー・ボシジオ/フィオレッラ・マッセリ/ロジータ・トロッシュ/カーラ・マンチーニ |
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中学2年の夏休みに初めて見に行った成人映画で,公開当時は 3D 立体映画でした.目の前に生々しい臓物や刃物がせまってきて迫力ありました.「腎臓…,胆嚢…,肝臓…」と女性の改造人間の内臓の名を口にしながら恍惚とするフランケンシュタイン男爵,その胆嚢へのファックシーン,オルガを襲って殺してしまうオットー,ウド・キアー氏とアルノ・ジェエギング氏の変態演技が見事です. |
8 | 処女の生血 Blood for Dracula |
★★★★★ |
1974年 イタリア・フランス 92 min | ||
STAFF 監修:アンディ・ウォーホル 監督:ポール・モリセイ 脚本:ポール・モリセイ 製作:アンドリュー・ブラウンズバーグ/ジャン・イアンヌ 製作総指揮:カルロ・ポンティ 音楽:クラウディオ・ジッツィ 撮影:ルイジ・クヴェイレル 編集:フランカ・シルヴィ |
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CAST ジョー・ダレッサンドロ/ウド・キア―/ロマン・ポランスキー/ヴィットリオ・デ・シーカ/アルノ・ジェエギング/マキシム・マッケンドリー/ステファニア・カッシーニ/ドミニク・ダレル/シルヴィア・ディオニシオ |
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この2本の商業映画に関してウォーホル氏は名前を貸しているだけで,実際には制作には関わっていないということなので,厳密にはウォーホル映画とは言えないのですが,好きな作品です.さて今回は処女の生血しか吸えない可哀想なドラキュラ家の末裔のお話.前作のやたら内臓が画面にせまってくる悪趣味なスプラッタ大会とはちょっと趣を異にしたホラー・ムービーで,血を吸う度にゲーゲー戻すドラキュラさんが気の毒なのですが,これってコメディだよね.ウド・キアー氏の情けない演技が見事すぎて,前作同様ジョー・ダレッサンドロ氏の影薄いです.あと,エスメラルダ,サフィリア,ルビニア,ベルネの4姉妹を演じる女優さんたちが,みんな綺麗でした.特に3女・ルビニアを演じたステファニア・カッシーニさんは,後に『サスペリア』のサラ役を演じる,お気に入りの女優さんです. |
9 | 悪魔のいけにえ The Texas Chain Saw Massacre |
★★★★ |
1974年 アメリカ カラー 83 min | ||
STAFF 監督:トビ―・フーバー 脚本:キム・ヘンケル/トビ―・フーバー 製作:トビ―・フーバー/ルー・ペレイノ 製作総指揮:ジェイ・バースレイ 音楽:ウェイン・ベル/トビ―・フーバー 撮影:ダニエル・バール 編集:ラリー・キャロル/サリー・リチャードソン |
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CAST マリリン・バーンズ/アレン・ダンジガ―/ポール・A・パ―テイン/ウィリアム・ヴェイル/テリー・マクミン/エドウィン・二―ル/ジム・シードウ/ガンナー・ハンセン/ジョン・ドゥガン/ジェリー・グリーン/エド・グイン/ジョン・ラロケット(ナレーション) |
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レザーフェイスがチェーンソーを振り回す伝説のカルト・ムービーですが,現在観るとスプラッタ・ホラーといっても,それほど過激な描写は見られません.ストーリーについては,実在したシリアル・キラー,エド・ゲインの事件をモデルにしたというのが通説となっていましたが,実際は冒頭のテロップ『これは真実の物語である』と事件が結びつけられてそのまま流布されてしまったものらしいです. |
10 | オーメン The Omen |
★★★ |
1976年 アメリカ カラー 111 min | ||
STAFF 監督:リチャード・ドナー 脚本:デヴィッド・セルツァー 製作:ハーヴェイ・バーンハード 製作総指揮:メイス・ニューフェルド 音楽:ジェリー・ゴールドスミス 撮影:ギルバート・テイラー 編集:スチュアート・ベアード |
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CAST グレゴリー・ペック/リー・レミック/デビッド・ワーナー/ビリー・ホワイトロー/ハーヴェイ・スティーブンス/パトリック・トラウトン/マーティン・ベンソン/レオ・マッカーン/アンソニー・ニコルズ |
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『エクソシスト』(5)に続くホラー映画の大ヒット作ですが,この頃あまりヒットしている映画は観に行かないという悪いクセがあって,この映画も全編通して観たことがなく,TVで断片的には観ていましたが,今回 DVD を入手して初めて通して観ることができました.しかしながら,結末がわかっているホラー映画なんて面白さが半減してしまうのは当たり前の話なので,やっぱり評判の高かった作品はその時に観ておくべきでした. |
11 | キャリー Carrie |
★★★ |
1976年 アメリカ カラー 98 min | ||
STAFF 監督:ブライアン・デ・パルマ 脚本:ローレンス・D・コーエン 原作:スティーヴン・キング 製作:ポール・モナシュ/ブライアン・デ・パルマ 音楽:ピノ・ドナッジオ 撮影:ポール・ハーシュ 編集:スチュアート・ベアード |
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CAST シシー・スペイセク/パイパー・ローリー/エイミー・アーヴィング/ウィリアム・カット/ジョン・トラボルタ/ナンシー・アレン/ベティ・バックリー/P・J・ソールズ/シドニー・ラシック/マイケル・タルボット |
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伝説のカルト・ムービー『ファントム・オブ・パラダイス』のブライアン・デ・パルマ監督によるホラー・ムービーの話題作ですが,この作品は今回 DVD を入手して初めて観ました.実のところホラー・ムービーとしてはそれほどの作品ではないと思いますが,むしろヒューマン・ドラマとして観た場合,本当に怖ろしいのはヒロインの超能力ではなく,その要因を作った彼女の母親の歪んだ信仰心だったと思います.でも何よりも本当に恐いのはブタさんを虐殺するトラボルタくんでした.こどもって残酷で恐いです. |
12 | ザ・ショック Schock |
★★★★ |
1976年 イタリア カラー 93 min | ||
STAFF 監督:マリオ・バーバ 脚本:ランベルト・バーバ/F・バルビエリ/P・プリジェンティ/D・サケッティ 製作:テュリ・ヴァージル 製作総指揮:サルヴァトーレ・アルジェント 音楽:イ・リブラ 撮影:アルベルト・スパリョーニ |
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CAST ダリア・ニコロディ/ジョン・スタイナー/デヴィット・コリン・Jr/アイヴァン・アシモフ |
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大学生の頃,三鷹文化か三鷹オスカーのどちらかの名画座で,『ファンタズム』(36)他1本との3本立てで観ました.ストーリー自体はホラー映画にはよくありそうな話で新鮮味には欠けますが,ヒロインのダリア・ニコロディさんの美しさとおどろおどろしいスプラッタ描写のシュールな組み合わせと BGM が印象に残りました.のちにこの方がダリオ・アルジェント監督のパートナーで,『サスペリア』(13)を企画した方だと知って驚きました, |
13 | サスペリア Suspiria |
★★★★★ |
1977年 イタリア カラー 99 min | ||
STAFF 監督:ダリオ・アルジェント 脚本:ダリオ・アルジェント/ダリア・ニコロディ 製作:クラウディオ・アルジェント 製作総指揮:サルヴァトーレ・アルジェント 音楽:ゴブリン/ダリオ・アルジェント 撮影:ルチアーノ・トヴァリ 編集:フランコ・フラティチェリ |
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CAST ジェシカ・ハーパー/ステファニア・カッシーニ/ルドルフ・シュンドラ―/ミゲル・ポセ/フラヴィオ・ブッチ/エヴァ・アクセン/バーバラ・マグノルフィ/ウド・キア―/アリダ・ヴァリ/ジョーン・ベネット |
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『ザ・ショック』(12)のダリア・ニコロディさんが,パ―トナーのダリオ・アルジェント監督と企画したオカルト映画で,脚本にも参加しています.この作品の大ヒットによって,ダリオ・アルジェント監督は『ホラーの帝王』と称されるようになりますが,この作品は高校生の頃,公開当時ロードショーで観た数少ない映画の1本です.また,アンディ・ウォーホル作品にも出演していたステファニア・カッシーニさんを初めて知ったのもこの作品だったので,かなり印象に残っている映画です. DVD には『鬼才ダリオ・アルジェントが創造したビジュアル・ホラーの金字塔』とありますが,ビジュアル面も確かに凄いのですが,それ以上に ゴブリンの BGM や,空港の自動ドアや嵐の音等の SE 等,館内に響き渡る音響効果の方が凄まじかったのが印象に残っています.ラストが少々安易すぎるような気がしますが,それには目をつぶって,あとは全くストーリー展開に無駄のない最高のホラー映画だと思います. |
14 | マニトウ THE MANITOU |
★★★ |
1977年 アメリカ カラー 104 min | ||
STAFF 監督:ウィリアム・ガードラー 脚本:ジョン・セダー/トーマス・ホープ/ウィリアム・ガードラー 原作:グレアム・マスタートン 製作:ウィリアム・ガードラー 製作総指揮:メルヴィン・G・ゴーディ/デヴィッド・シェルダン 音楽:ラロ・シフリン 撮影:ミシェル・ユーゴー 編集:バブ・アスマン |
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CAST トニー・カーティス/マイケル・アンサラ/スーザン・ストラスバーグ/ステラ・スティーヴンス/ジョン・セダー/アン・サザーン/バージェス・メレディス/ポール・マンティー/ジャネット・ノーラン/ルレン・タトル/マイケル・ラーレン/フェリックス・チェア |
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大学に入学して,初めて東京で観た映画で,しばらく一緒に観に行った友人と「ぱな~,うぃち~,さりとぅ~」という『マニトウごっこ』をして遊んでいましたが,全く流行りませんでした.オカルト・ホラー・ブームに乗っかろうとしたB級作品で,この監督さんこれ以前には動物パニック映画ブームに乗っかろうとして『ジョーズ』をパロった『グリズリー」なんて作品を観たことがありましたが,今回も『エクソシスト』(5),『ローズマリーの赤ちゃん』(3)のパロディーともいえる作品でした.今思うとパロディー映画の第一人者だったのかもしれませんが,この後しばらくして亡くなってしまったので,これが遺作となってしまいました.というわけで,カルト・ムービーとして根強い人気を得ていて,中古 DVD はやはり高値をよんでいます. |
15 | ハロウィン Halloween |
★★★★ |
1978年 アメリカ カラー 91 min | ||
STAFF 監督:ジョン・カーペンター 脚本:ジョン・カーペンター/デブラ・ヒル 製作:デブラ・ヒル 音楽:ジョン・カーペンター 撮影:ディーン・カンディ 編集:チャールズ・バーンスタイン/トミー・リー・ウォレス |
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CAST ドナルド・プレゼンス/ジェイミー・リー・カーティス/ナンシー・ルーミス/チャールズ・サイファース/P・J・ソールズ/ブライアン・アンドリュース/カイル・リチャーズ/ピーター・グリフィス/アーサー・マレット/デビッド・カイル/ロバート・ファレン/ジョン・マイケル・グレアム/ナンシー・スティーヴンス/プレント・ル・ページ/サンディー・ジョンソン/ウィル・サンディン/トニー・モラン/ニック・キャッスル/ジョージ・オハンロン・Jr(ノンクレジット) |
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『13日の金曜日』シリーズのジェイソン,『エルム街の悪夢』シリーズのフレディの原型となったキャラクター『マイケル=ブギーマン』を生み出し,最初にシリーズ化されたスプラッタ・ムービーの先駆者的作品ですが,流血シーンや残虐シーンはほとんど出てこないホラー映画の秀作.40年後に一連のシリーズとは全く別に,この作品の直接の続編となる同じタイトルの『ハロウィン』(36)が制作・公開されるのですが,実は間違えてこの2018年版の DVD を先に入手してしまいました.というわけで,2025年の元日に初めてこの DVD を観た時点では,最終的にヒロイン助かることを知ってしまっていたので,せっかくのスリルが半減してしまったのは残念でした.この手の映画は,封切・公開時に観るのが正しいと思います. |
16 | ゾンビ DAWN of the DEAD DIRECTOR'S CUT EDITION |
★★★ |
1978年 アメリカ カラー 139 min | ||
STAFF 監督:ジョージ・A・ロメロ 脚本:ジョージ・A・ロメロ/ダリオ・アルジェント 原作:グレアム・マスタートン 製作:クラウディオ・アルジェント/アルフレッド・クオモ/リチャード・P・ルービンスタイン 音楽:ゴブリン/ダリオ・アルジェント 撮影:マイケル・ゴーニック 編集:ジョージ・A・ロメロ 特殊効果:トム・サヴィー二 |
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CAST ケン・フォリー/デビッド・エンゲ/スコット・H・ライニガー/ゲイラン・ロス/トム・サヴィー二/デヴィッド・クロフォード/デヴィッド・アーリー/リチャード・フランセ/ジョン・バシィシコ/ダニエル・ディートリッヒ/フレッド・ベイカー/ロッド・スタウファー/ジョー・セルビー/ホセ・デル・グレ/ルディ・リッチ/ラリー・ヴァイラ/ジョージ・A・ロメロ/クリスティーン・フォレスト |
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従来のホラー映画の中に『ゾンビ映画』という新たなジャンルを確立してしまったロメロ監督の出世作.でも『エクソシスト』や『オーメン』同様,ヒット作に限って観ていなくて,今回DVDで観たこの『ディレクターズ・カット・エディション』が初めてでした.そんなわけであまり期待していなかったのですが,前半の畳みかけるようなストーリーの展開は余分な描写が少なくついつい画面に引き込まれてしまう感じで意外と凄い映画かも?と思わされました.しかしながら物語の中盤でメンバーの1人が死んで,暴走族の襲撃を受けるあたりからのスラップスティックな展開は,本当はここからがこの映画の見どころなのでしょうが,観る前に抱いていた先入観どおりの作風であまり感心できませんでした. |
17 | ファンタズム Phantasm |
★★★★ |
1979年 アメリカ カラー 118 min | ||
STAFF 監督:ドン・コスカレリ 脚本:ドン・コスカレリ 製作:ドン・コスカレリ 音楽:フレッド・マイロー/マルコム・シーグレイヴ 撮影:ドン・コスカレリ 編集:ドン・コスカレリ |
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CAST マイケル・ボールドウィン/ビル・ソーンベリー/レジー・バニスター/キャシー・レスター/アンガス・スクリム |
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幻想的というよりすごくわかりにくいストーリーで難解な映画.でも,難しいけど面白い,不思議な魅力を持った作品.そして,ラスト,救いがないけど心に残る余韻,これ何でしょう? |
18 | 悪魔の棲む家 The Amityville Horror |
★★★★ |
1979年 アメリカ カラー119 min | ||
STAFF 監督:スチュアート・ローゼンバーグ 脚本:サンドール・スターン 原作:ジェイ・アンソン 製作:ロナルド・サランド/エリオット・ガイシンガー 製作総指揮:サミュエル・Z・アーコフ 音楽:ラロ・シフリン 撮影:フレッド・J・コーネカンプ 編集:ロバート・ブラウン・Jr |
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CAST ジェームズ・ブローリン/マーゴット・キダー/ロッド・スタイガー/ドン・ストラウド/マーレイ・ハミルトン/ジョン・ラーチ/ナターシャ・ライアン/K・C・マーテル/ミーノ・ペルス/マイケル・サックス/ヘレン・シェイヴァ―/エイミー・ライト/ヴァル・エイヴリー/アイリーン・デイリー/マーク・ヴァハニアン/エルザ・レイヴン/ジェームズ・トールカン |
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1974年に起きたと言われている超常現象を題材としたジェイ・アンソンのベストセラー小説を原作としたホラー映画.ヘレナ叔母さん,二人の神父と刑事,甥のジミー,共同経営者のジェフと霊感の強いキャロリンのカップル等,サブ・キャラクターの登場する意味ありげなエピソードがどれも中途半端に終わってしまい消化不良を起こしてしまっている感がありますが,メイン・ストーリーはわかりやすい『呪われた館』モノで,現実的といえば現実的という感じの脚本でした.一方ラストのハリー(さて誰でしょう?)救出のエピソードはよくやってくれたって感じ,この部分だけで観る価値のある映画だと思いました. |
19 | 13日の金曜日 Friday the 13th |
★★★★★ |
1980年 アメリカ カラー 95 min | ||
STAFF 監督:ショーン・S・カニンガム 脚本:ヴィクター・ミラー 製作:ショーン・S・カニンガム 製作総指揮:アルヴィン・ゲイラー 音楽:ハリー・マンフレディーニ 撮影:バリー・エイブラムス 編集:ビリー・フレーダ |
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CAST ベッツィ・パーマー/エイドリアン・キング/ジャニーヌ・テイラー/ロビー・モーガン/ケヴィン・ベーコン/ハリー・クロスビー/ローリー・バートラム/マーク・ネルソン/ピーター・ブローワー/レックス・エヴァーハート/ロン・ミルキー/ウォルト・ゴーニー/アリ・レーマン |
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あまりにも有名な殺人鬼ジェイソンを生んだヒット・シリーズの第1作ですが,やはり一番恐かったのは2作目以降ではなく,この作品におけるジェイソンでした.わかりますね? |
20 | インフェルノ Inferno |
★★★★ |
1980年 イタリア カラー 99 min | ||
STAFF 監督:ダリオ・アルジェント 脚本:ダリオ・アルジェント 製作:クラウディオ・アルジェント 製作総指揮:サルヴァトーレ・アルジェント/ウィリアム・ガローニ 音楽:キース・エマーソン 撮影:ロマノ・アルバーニ 編集:フランコ・フラティチェリ |
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CAST リー・マクロスキー/アイリーン・ミラクル/エレオノラ・ジョルジ/ダリア・ニコロディ/サッシャ・ピトエフ/アリダ・ヴァリ/ヴェロニカ・ラザール/ガブリエル・ラヴィア/フェオドール・シャリアピン/レオポルト・マステローニ/アニア・ピエローニ/ダリオ・アルジェント(ナレーター) |
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ダリオ・アルジェント監督『魔女3部作』の第2作目.『ザ・ショック』(12)でヒロインを演じ,前作『サスペリア』(13)では脚本を共同執筆していたパートナーのダリア・ニコロディさんや,『サスペリア』では魔女側の一員を演じていたアリダ・ヴァりさん等,癖のある妖しい面々が登場しますが全て魔女側ではなく殺されてしまう側で,さて魔女とはいったい誰でしょう?といった感じのサスペンス・ホラーです.ストーリーの発端の部分がちょっとわかりにくいのですが,結局は「好奇心は身を滅ぼす」といった感じでしょうか? ネコをいじめる骨董屋のオヤジがネズミに襲われるシーンはちょっとしたカタルシスを感じさせていただきました.キース・エマーソンさんの音楽もよろしいです. |
21 | クリープショー Creepshow |
★★★ |
1982年 アメリカ カラー 120 min | ||
STAFF 監督:ジョージ・A・ロメロ 脚本:スティーヴン・キング 製作:リチャード・P・ルビンスタイン 製作総指揮:サラ・M・ハッサネイン 音楽:ジョン・ハリソン 撮影:マイケル・ゴーニック 編集:マイケル・スポラン/パスカル・ブーバ/ポール・ハーシュ/ジョージ・A・ロメロ |
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CAST ジョー・ヒル/トム・アトキンス/アイヴァ・ジーン・サラジーニ/マーティ・シーフ/トム・サヴィーニ/ヴィヴェカ・リンドフォース/キャリー・ナイ/エド・ハリス/ワーナー・シューク/エリザベス・リーガン/ジョン・ローマ―/ナン・モグ/スティーヴン・キング/ビンゴ・オマリー/レスリー・ニールセン/テッド・ランソン/ゲイラン・ロス/ハル・ホルブルック/エイドリアン・バーボー/フリッツ・ウィーヴァー/ロバート・ハーパー/ドン・キーファー/E・G・マーシャル/デヴィッド・アーリー |
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『ゾンビ』(16)のロメロ監督によるオムニバス・ホラー・ムービー.コミック・マガジンをモチーフにB級感あふれる5篇のエピソードが繰り広げられますが,中でもGさまが大量発生する最終話が良くも悪くも強烈な印象を残します. |
22 | トワイライト・ゾーン 超次元の体験 The Twilight Zone : The Movie |
★★★★ |
1983年 アメリカ カラー 101 min | ||
STAFF 監督:ジョン・ランディス/スティーヴン・スピルバーグ/ジョー・ダンテ/ジョージ・ミラー 脚本:ジョン・ランディス/ジョージ・クレイトン・ジョンソン/リチャード・マシスン/メリッサ・マシスン 製作:スティーヴン・スピルバーグ/ジョン・ランディス 製作総指揮:フランク・マーシャル 音楽:ジェリー・ゴールドスミス 撮影:スティーブン・ラーナー/アレン・ダヴィオー/ジョン・ホラ 編集:マルコム・キャンベル/マイケル・カーン/ティナ・ハーシュ/ハワード・スミス |
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CAST ダン・エイクロイド/アルバート・ブルックス/ヴィック・モロー/ダグ・マグラス/チャールズ・ハラハン/スキャットマン・クローザース/ビル・クイン/マーティン・ガーナ―/セルマ・ダイアモンド/ヘレン・ショウ/キャスリーン・クインラン/ジェレミー・ライト/ウィリアム・シャラート/パトリシア・バリー/ケヴィン・マッカーシー/ナンシー・カートライト/ディック・ミラー/ジョン・リスゴー/アビ―・レーン/ドナ・ディクソン/ジョン・デニス・ジョンストン/クリスティナ・リグラ/チャールズ・ナップ/バージェス・メレディス(ナレーター) |
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こちらは4人の監督さんがそれぞれ手がけた4篇からなるオムニバス・ムービー.撮影中の事故による亡くなったヴィック・モローさんの遺作となった第1話をはじめ,珠玉のエピソードが進みますが,個人的には第3話が最も印象に残りました.やはりこどもって怖いです. |
23 | エルム街の悪夢 A Nightmare on Elm Street |
★★★★ |
1984年 アメリカ カラー 91 min | ||
STAFF 監督:ウェス・クレイヴン 脚本:ウェス・クレイヴン 製作:ロバート・シェイ 製作総指揮:スタンリー・ダデルソン/ジョセフ・ウルフ 音楽:チャールズ・バーンスタイン 撮影:ジャック・ヘイトキン 編集:リック・シャイン |
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CAST ジョン・サクソン/ロニー・ブレイクリー/ヘザー・ランゲンカンプ/アマンダ・ワイス/ニック・コッリ/ジョニー・デップ/チャールズ・フィッシャー/ジョゼフ・ホイップ/ジョー・アンガー/ロバート・イングランド |
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ジェイソンと並び称される殺人鬼フレディの登場するシリーズ第1作.他のどんなホラー映画以上に非現実的でありえないストーリーで,結局は夢オチでしか説明できないと思わせ,実際にその通りと思いきや,という二転三転するラストが痛快といえば痛快なヘンな作品.また,ヒロインが本当に嫌な性格の娘として描かれていて,全く感情移入ができないのですが,そこまで計算されて作られているとしたら,ある意味本当にスゴイ映画だと思います. |
24 | 悪魔のいけにえ2 The Texas Chainsaw Massacre 2 |
★★★ |
1986年 アメリカ カラー 100 min | ||
STAFF 監督:トビ―・フーバー 脚本:L・M・キット・カーソン 製作:メナハム・ゴーラン/ヨーラン・グローパス 製作総指揮:ヘンリー・ホームズ/ジェームズ・ジョーゲンセン 音楽:トビ―・フーバー/ジェリー・ランバート 撮影:リチャード・クーリス 編集:アラン・ヤコポビッツ |
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CAST デニス・ホッパー/キャロライン・ウィリアムズ/ルー・ペリーマン/ビル・ジョンソン/ビル・モーズリー/トム・シード―/ケン・エヴァ―ト/パリ―・キンヨン/クリス・ドゥリダス |
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カルト・ホラー・ムービーの名作『悪魔のいけにえ』(5)の正統続編.ドキュメンタリー・タッチだった前作と違って,今回はコメディ・タッチのエンターテインメント作品に仕上がっているとのことでちょっと期待できないのかしら?と思っていたのですが,なかなか迫力があって怖い仕上がりに安心しました(?). 前作も今作もヒロインは悲鳴のあげっぱなしで少々耳障りなのですが,今回のヒロインは強い! ラストで前作のレザーフェイスがやっていたチェーンソー踊りを披露してくれます.もう一人の主役のデニス・ホッパーさんはちょっと期待外れ. |
25 | 羊たちの沈黙 the silence of the lambs |
★★★★★ |
1992年 アメリカ カラー 118 min | ||
STAFF 監督:ジョナサン・デミ 脚本:テッド・タリー 原作:トマス・ハリス 製作:エドワード・サクソン/ケネス・ウット/ロン・ボズマン 製作総指揮:ゲイリー・ゴーツマン 音楽:ハワード・ショア 撮影:タク・フジモト 編集:クレイグ・マッケイ |
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CAST ジョディ・フォスター/アンソニー・ホプキンス/スコット・グレン/テッド・レヴィン/アンソニー・ヒールド/ケイシー・レモンズ/ブルック・スミス/ダイアン・ベイカー/フランキー・R・フェイソン/ロジャー・コーマン/トレイシー・ウォルター/チャールズ・ネイピア/ダニー・ダースト/アレックス・コールマン/ダン・バトラー/ポール・ラザール/ロン・ヴォーター/ハリー・ノーサップ/クリス・アイザック/ブレント・ヒンクリー/シンシア・エッティンガー/ローレン・ロゼリ/ケネス・ウット/チャック・アバー/レイブ・レンスキー/スチュアート・ルーディン/マーシャ・スコロボガトフ/ジェフリー・レーン/ジョージ・A・ロメロ(ノンクレジット) |
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第64回アカデミー賞で,『或る夜の出来事』,『カッコーの巣の上で』に次いで,主要5部門受賞,さらに,アカデミー作品賞を受賞した唯一のホラー映画(2022年現在)らしいです.主役のレクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスさんは続編『ハンニバル』(29),続々編『レッド・ドラゴン』(30)でも同役を演じ,最大の当たり役となりましたが,ヒロイン・クラリス役のジョディ・フォスターさんは,この作品のみの出演でした.昔,テイタム・オニールさん,ブルック・シールズさんと並んで3大ロリキャラ女優として人気が高かった頃,私はこの方が一番魅力的で女優として大きく成長するっと思っていたので,先見の明があったのだと自負しています.登場する殺人鬼バッファロー・ビルは実在のシリアル・キラー,エド・ゲインとテッド・バンディがモデルとなっており,また,『ゾンビ』(16)のジョージ・A・ロメロ監督が FBI 捜査官役でカメオ出演しています. |
26 | ドラキュラ Bram Stoker's Dracula |
★★★ |
1992年 アメリカ・イギリス・ルーマニア カラー 128 min | ||
STAFF 監督:フランシス・フォード・コッポラ 脚本:ジェイムズ・V・ハート 原作:ブラム・ストーカー 製作:フランシス・フォード・コッポラ/フレッド・フックス/チャールズ・マクヴェヒル 製作総指揮:マイケル・アプテッド/ロバート・オコナ― 音楽:ヴォイチェフ・キラール 撮影:ミヒャエル・バルハウス 編集:ニコラス・C・スミス/グレン・スキャントルベリー/アン・ゴアソード |
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CAST ゲイリー・オールドマン/ウォノナ・ライダー/アンソニー・ホプキンス/キアヌ・リーブス/リチャード・E・グラント/ケイリー・エルウィス/ビリー・キャンベル/サディ・フロスト/トム・ウェイツ/モニカ・ベルッチ/ミカエラ・ベルク/フロリナ・ケンドリック/ジェイ・ロビンソン |
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『ドラキュラ』というとこどもの頃に観た,ドラキュラ伯爵をクリストファー・リーさん,ヘルシング教授をピーター・カッシングさんが演じていてはまり役だった1958年の『吸血鬼ドラキュラ』(2)の印象が強く,ラストの両者の凄まじいバトル・シーンの記憶が鮮烈に残っていたため,今回のドラキュラ伯爵とヒロイン・ミナのロマンスがメインとなっているこの作品はちょっとストーリーの展開が把握しづらかったこともあって,リメイクにしてはアレンジを加えすぎたような感じがしていたのですが,後で調べてみたらこちらの方が原作に忠実に作られていたみたいで,タイトルでわざわざ "Bram Stoker's" と断り書きが入っているのもそ~ゆ~意味だったのかと納得させていただきました.でも映画としてはやはり昔の作品の方が好きです. |
27 | フランケンシュタイン Frankenstein |
★★★★ |
1994年 イギリス・日本・アメリカ カラー 123 min | ||
STAFF 監督:ケネス・ブラマー 脚本:ステフ・レイディ/フランク・ダラポン 原作:メアリー・シェリー 製作:フランシス・フォード・コッポラ/ジェームズ・V・ハート/ジョン・ヴィーチ/ケネス・ブラナー/デビッド・パーフィット 製作総指揮:フレッド・ヒュークス 音楽:パトリック・ドイル 撮影:ロジャー・プラット 編集:アンドリュー・マーカス |
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CAST ロバート・デ・ニーロ/ケネス・ブラナー/トム・ハルス/ヘレナ・ポエム・カーター/ジョン・クリーズ/エイダン・クイン/イアン・ホルム/トレビン・マクドーウェル/ジミー・ユイル/ロバート・ハーディ/リチャード・ブライアーズ |
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コッポラ監督が『ドラキュラ』(26)に続いて製作したホラー映画で,日本からは WOWOW が出資に参加しているらしいです.ロバート・デ・ニーロさんのクリーチャーもさることながら,監督のケネス・ブラナーさん自身が『神の領域への挑戦に取りつかれた男』を熱演しており,原作者の問題提起を素直に再現しているところに好感が持てました.これ宗教映画でしょ. |
28 | ウルフ Wolf |
★★★ |
1994年 アメリカ カラー 125 min | ||
STAFF 監督:マイク・ニコルズ 脚本:ジム・ハリソン/ウェズリー・ストリック 製作:ダグラス・ウィック 製作総指揮:二―ル・A・マクリス/ロバート・グリーンハット 音楽:エンニオ・モリコーネ 撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ 編集:サム・オスティーン |
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CAST ジャック・ニコルソン/ミシェル・ファイファー/ジェームズ・スぺイダー/ケイト・ネリガン/リチャード・ジェンキンス/クリストファー・プラマー/アイリーン・アトキンス/デヴィッド・ハイド・ピアース/オム・ブリ/ロン・リフキン/プルネラ・スケイルズ/ブライアン・マーキン/ピーター・ゲレッティ/スチュワート・J・スリー |
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ドラキュラ,フランケンシュタインと並んで由緒正しい伝統的モンスターの狼男をモチーフとしたホラー映画の定番とでもいうべき作品でありながら,実はヒューマンなラヴ・ロマンスという矛盾を孕んだ作品ですが,よく出来てます.ジャック・ニコルソンさん,ジェームズ・スペイダーさんのお二人の狼男メイクもさることながら,ミシェル・ファイファーさん,ケイト・ネリガンさんのお二人の好演が作品をぐっと引き締めている感じでした. |
29 | ハンニバル HANNIBAL |
★★★★ |
2001年 アメリカ・イギリス・イタリア カラー 131 min | ||
STAFF 監督:リドリー・スコット 脚本:デヴィッド・マメット/スティーヴン・ザイリアン 原作:トマス・ハリス 製作:ティノ・デ・ラウレンティス/マーサ・デ・ラウレンティス 製作総指揮:フランコ・ラスティグ 音楽:ハンス・ジマー 撮影:ジョン・マシソン 編集:ピエトロ・スカリア |
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CAST アンソニー・ホプキンス/ジュリアン・ムーア/ゲイリー・オールドマン/レイ・リオッタ/フランキー・R・フェイソン/ジャンカルロ・ジャンニーニ/フランチェスカ・ネリ/ジェリコ・イヴァネク/ヘイゼル・グッドマン/デヴィッド・アンドリュース/フランシス・ガイナン/エンリコ・ロー・ヴェルソ/イヴァノ・マレスコッティ/ファブリツィオ・ジフーニ/アレックス・コラード/テッド・コッホ/アンドレア・ビーディモンテ/イアン・イワタキ/マーク・マーゴリス |
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トマス・ハリスさん原作『ハンニバル3部作』の完結編.前作のジョディ・フォスターさんに替わってジュリアン・ムーアさんが FBI 女性捜査官クラリス・スターリングを演じています.前作に比べて残酷で猟奇的なシーンが多く,ホラー映画としての印象はかなり強烈なものとなっていますが,ストーリーの結末は原作の救いのない結末からは大きく変更されており,結果としてはそれは正解だったと思います.久しぶりに,ジャンカルロ・ジャンニーニさんのお姿を拝見しましたが,わりと簡単に殺されて姿を消してしまったのが,ちょっと残念でした. |
30 | レッド・ドラゴン RED DRAGON |
★★★ |
2002年 アメリカ カラー 124 min | ||
STAFF 監督:ブレット・ラトナー 脚本:テッド・タリー 原作:トマス・ハリス 製作:ティノ・デ・ラウレンティス/マーサ・デ・ラウレンティス 製作総指揮:アンドリュー・Z・デイヴィス 音楽:ダニー・エルフマン 撮影:ダンテ・スピノッティ 編集:マーク・ヘルフリッチ |
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CAST アンソニー・ホプキンス/エドワード・ノートン/レイフ・ファインズ/ハーヴェイ・カイテル/エミリー・ワトソン/メアリー=ルイーズ・パーカー/フィリップ・シーモア・ホフマン/アンソニー・ヒールド/ケン・レオン/フランキー・フェイソン/タイラー・パトリック・ジョーンズ/トム・ペリカ/マルグリット・マッキンタイア/トミー・カーティス/ジョーダン・グルーバー/モーガン・グルーバー/アレックス・D・リンツ/ウィリアム・ラッキング/エレン・バーステイン(ノンクレジット)/フランク・ホエ―リー(ノンクレジット) |
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トマス・ハリスさん原作『ハンニバル3部作』の第1作目『レッド・ドラゴン』の,1986年の『刑事グラハム/凍りついた欲望』に続く2度目の映画化.結局のところ,『羊たちの沈黙』(25)の大ヒットを受けて,アンソニー・ホプキンスさん主演で3部作の全てが作られたわけですが,この後トマス・ハリスさんは4作目の『ハンニバル・ライジングを執筆・刊行し,さらに映画化されるという無節操な状態となっていきます.アンソニー・ホプキンスさんが出演していない,最初に映画化された『刑事グラハム』も最後の『ハンニバル・ライジング』も観ていませんが,アンソニーさん主演の『3部作』に関してはいずれも,よくできたホラー映画だと思います. |
31 | 悪魔の棲む家 The Amityville Horror |
★★ |
2005年 アメリカ カラー 90 min | ||
STAFF 監督:アンドリュー・ダグラス 脚本:スコット・コーサー 製作:マイケル・ベイ/アンドリュー・フォーム/ブラッド・フラー 製作総指揮:デヴィッド・クロケット/テッド・フィールド 音楽:スティーブ・ジャブロンスキー 撮影:ピーター・ライオンズ・コリスター 編集:ロジャー・バートン/クリスチャン・ワグナー |
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CAST ライアン・レイノルズ/メリッサ・ジョージ/ジェシー・ジェームズ/ジミー・ベネット/クロエ・グレース・モリッツ/レイチェル・ニコルズ/フィリップ・ベイカー・ホール/イザベル・コナー/ブレンダン・ドナルドソン/リッチ・コメニッチ |
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1979年のヒット作(21)のリメイク.オリジナルが良くできている作品ほどリメイクは難しいのですが,興行的にはそこそこの成功を収めたらしいです.内容的にはオリジナルの弱点であった2人の神父や刑事,共同経営者等の未消化な感を与えていたサブ・ストーリーを排除するとともに,オリジナルでは姿を見せなかった少女の亡霊を画像化する等,差別化を図ってはいますが,残念ながら成功しているとは思えません.なんといっても一番許せないのが,前作ではラストで助けられたハリー(さて誰でしょう?)が,今回は物語の中盤で惨殺されてしまったことなのであります. |
32 | サスペリア・テルザ 最後の魔女 Le Terza madre |
★★★ |
2007年 イタリア・アメリカ カラー 98 min | ||
STAFF 監督:ダリオ・アルジェント 脚本:ジェイス・アンダーソン/ダリオ・アルジェント/ウォルター・ファサーノ/アダム・ギーラッシュ/シモーナ・シモネッティ 製作:クラウディオ・アルジェント/ダリオ・アルジェント/マリーナ・ベルルスコーニ/ジュリア・マルレッタ 製作総指揮:カーク・ダミコ 音楽:クラウディオ・シモネッティ 撮影:フレデリック・ファサーノ 編集:ヴァルテル・ファサーノ |
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CAST アーシア・アルジェント/クリスティアン・ソリメーノ/アダム・ジェームズ/モラン・アティアス/ダリア・ニコロディ/ヴァレリア・カヴァッリ/ウド・キア/ロベルト・マディソン/トマーソ・バンフィ/ルーカ・ぺスカトール/市川純/パオロ・ステラ/フィリップ・ルロワ/コラリーナ・カタルディ・タッソーニ/シルヴィア・ルビノ |
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イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督による,『サスペリア』(13),『インフェルノ』(20)に続く『魔女3部作』完結編で,内容はどんどん過激に悪趣味になっております.今回はヒロイン・サラに実の娘であるアーシア・アルジェントさんを起用,サラの母親の亡霊役をやはりアーシアさんの母親であるダリア・ニコロディさん,と身内で固めてしまっています.それはともかく,昔綺麗だったダリアさんが年老いた姿はあまり見たくないなーと思っていたところ,亡霊役でぼやけた映像だったのでちょっとホットしたのですが,これってやっぱりアルジェント監督のパートナーに対する思いやりだったのでしょうか? それともニコロディさんは実生活でも魔女のように君臨していたのでしょうか? やはり第1作に出ていたウド・キア―さんが神父役で再登場しているのですが,こちらは見事に老人となっており,扱いに差がありすぎてちょっと気の毒でした.日本語タイトルには『サスペリア』の文字が使われているもののこれって全く無関係で,ヒット作の続編であることを強調したかったのでしょうが,以前『サスペリア』以前の作品を『サスペリア Part 2』とした前科のある日本の配給会社の悪癖は未だ直っていないのがとても残念でした. |
33 | アンチクライスト Antichrist |
★★★ |
2009年 デンマーク・ドイツ・フランス・スウェーデン・イタリア・ポーランド カラー 104 min | ||
STAFF 監督:ラース・フォン・トリアー 脚本:ラース・フォン・トリアー 製作:ミタ・ルイーズ・フォルデイガー 製作総指揮:ペーター・オルベク・イェンセン/ペーター・ガルデ/ベティーナ・プロケンバー 音楽:クリスチャン・エイネス・アンダーソン 撮影:アンソニー・ドッド・マントル 編集:アサ・モスベルグ/アナス・レフン |
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CAST ウィレム・デフォー/シャルロット・ゲンズブール/ストルム・アヘシェ・サルストロ |
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ランス・フォン・トリアー監督の『鬱三部作』の第1作目で,この後『メランコリア』,『ニンフォマニアック』と続きます.さて,この作品を『ホラー』のカテゴリーに入れることには賛否両論あると思いますが,まぎれもないホラー・サスペンス”でも”あると思います.特に『彼女』を演じるシャルロット・ゲンズブールさんの壊れっぷりが凄まじく,彼女はこの壮絶な演技でカンヌ国際映画祭主演女優賞を獲得しており,三部作の全てで重要な役を演じています.ジェーン・バーキンさんの娘さんです. |
34 | エルム街の悪夢 A Nightmare on Elm Street |
★★ |
2010年 アメリカ カラー 95 min | ||
STAFF 監督:サミュエル・ベイヤー 脚本:ウェズリー・ストリック/エリック・ハイセラー 製作:マイケル・ベイ/アンドリュー・フォーム/ブラッド・フラー 製作総指揮:ロバート・シェイ/マイケル・リン/マイク・ドレイク/リチャード・ブレナー/ウォルター・ハマダ/デイブ・ノイスタッター 音楽:スティーブ・ジャブロンスキー 撮影:ジェフ・カッター 編集:グレン・スキャントベリー |
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CAST ジャッキー・アール・ヘイリー/カイル・ガルナ―/ルーニー・マーラ/ケイティ・キャシディ/トーマス・デッカー/ケラン・ラッツ/コニー・ブリットン/クランシー・ブラウン |
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第8作まで製作されたヒット・シリーズの,1984年に製作されたシリーズ第1作(21)のリメイク.前作よりもフレディというキャラクターが詳しく堀り下げられており,ニ点三転するストーリーや衝撃的なラスト等前作を踏襲してはいるものの,やはりリメイクがオリジナルを超えることの難しさを証明した作品となっています.そして何故か物語中盤で犬が惨殺された描写があって許せない点まで,『悪魔の棲む家』(21)のリメイク(31)と共通しているのは,これ偶然かしら? |
35 | ダーク・シャドウ Dark Shadows |
★★★★★ |
2012年 アメリカ カラー 114 min | ||
STAFF 監督:ティム・バートン 脚本:セス・グレアム=スミス 原案:ジョン・オーガスト/セス・グレアム=スミス 原作:ダン・カーティス 製作:ティム・バートン/グレアム・キング/クリスティー・デンブロウスキー/ジョニー・デップ/デヴィッド・ケネディ/リチャード・D・ザナック 製作総指揮:ナイジェル・ゴストゥロウ/クリス・レベンソン 音楽:ダニー・エルフマン 撮影:ブリュノ・デルボネル 編集:クリス・レベンソン |
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CAST ジョニー・デップ/ミシェル・ファイファー/ヘレナ・ポナム・カーター/エヴァ・グリーン/ジャッキー・アール・ヘイリー/ジョニー・リー・ミラー/ベラ・ヒースコート/クロエ・グロース・モリッツ/ガリー・マクグラス/レイ・シャーリー/クリストファー・リー/アリス・クーパー |
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これ,ホラーといってもほとんどコメディですが….アリス・クーパーさんが出演しているというので映画そのものにはあまり期待しないで DVD を購入したのですが,面白かったです.ストーリーそのものも良いのですが,それ以上に主役のコリンズ・ファミリーの面々のキャラクター設定が個性的で,キャスティングが魅力的です.個人的には,アリス・クーパーさんはじめ,1970年代の ROCK の名曲が次々と出てくる BGM も最高に嬉しかったのでした. |
36 | ハロウィン Halloween |
★★★★ |
2018年 アメリカ カラー 105 min | ||
STAFF 監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン 脚本:ダニー・マクブライド/ジェフ・フラッドリーデヴィッド・ゴードン・グリーン キャラクター原案:ジョン・カーペンター/デブラ・ヒル 制作:マレク・アッカド/ジェイソン・ブラム/ビル・ブロック 制作総指揮:ダニー・マクブライド/ジョン・カーペンター/ライアン・フライマン 音楽:ジョン・カーペンター/コディー・カーペンター/ダニエル・デイヴィス 撮影監督:マイケル・シモンズ 編集:ティム・アルヴァーソン |
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CAST ジェイミー・リー・カーティス/ジュディ・グリア/アンディ・マティチャック/ウィル・パットン/ヴァージニア・ガードナー/ニック・キャッスル/ジェームス・ジュード・コートニー/ハルク・ビルギナー/リアン・リース/ジェファーソン・ホール |
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1978年に公開されシリーズ化されたオリジナル作(15)の40年後を描いた,シリーズとしては11作目でありながら,第1作の続編というちょっとややこしい設定の作品ですが,過去の全ての作品に連続性を持たせているらしいです.ごくろうさまです.ヒロイン・ローリー役のジェイミー・リー・カーティスさんと,マイケル=ブギーマン役のニック・キャッスルさんが40年ぶりに同じキャラを再演していますが,前作で初々しい女子高生だったヒロインが迫力のあるおばあさんに見事に成長しています.ストーリーはちょっとわかりにくい部分もありましたが,また何度か DVD を観返すことによって,新たな発見があるものと思われます. |