Lesbianism




1 制服の処女
MADCHENIN UNIFORM
★★★★
1936年 ドイツ モノクロ 87 min
STAFF
監督:レオンティーネ・サガン
監修:カール・フレーリッヒ
脚本:クリスタ・ウィンスロー/F・D・アンダム
原作:クリスタ・ウィンスロー
製作:カール・フレーリッヒ/フリードリヒ・プフルークハウプト
音楽:ハンソム・ミルデ=マイズナー
撮影:ライマール・クンシュ(ノン・クレジット)/フランツ・ワイマール(ノン・クレジット)
編集:オズヴァルト・ハーフェンリヒター(ノン・クレジット)
美術:フリッツ・モーリシャット/フリードリヒ・ヴィンクラ―=タンネンベルク
CAST
ヘレタ・フィーレ/ドロテア・ヴィーク/ヘドヴィッヒ・シュリヒター/エミリア・ウンダ/エレン・シュヴァンネケ/イルセ・ウィンター
 寄宿制女子校における美貌の女教師に対する女生徒の恋を描いた,すごくありがちな設定のドラマですが,多分これまでに観た中で,最も古いレズビアン映画だと思います.日本でも大ヒットして,この後似たようなストーリーの映画が作られたらしいです.

2 この三人
There Three
★★★★
1936年 アメリカ モノクロ 91 min
STAFF
監督:ウィリアム・ワイラー
脚本:リリアン・ヘルマン
原作:リリアン・ヘルマン
製作:サミュエル・ゴールドウィン
音楽:アルフレッド・ニューマン
撮影:グレッグ・トーランド
編集:ダニエル・マンデル
美術:リチャード・デイ
衣装:オマー・カイアム
CAST
ミリアム・ホプキンス/マール・オベロン/ジョエル・マクリー/アルマ・クルーガー/ボニータ・クランヴィル/マーシャ・メイ・ジョーンズ/マーガレット・ハミルトン/ウォルター・ブレナン
 1934年ニューヨークで初演されたリリアン・ヘルマンさんの戯曲『子供の時間』の映画化.原作はレズビアニズムをテーマとしていたがプロデューサーが難色を示し,またハリウッドの当時のヘイズ・コードにひっかかったため,ストーリーの内容が三角関係に変更されているといういわくつきの作品.監督のワイラーさんはこの作品の出来に満足できなかったため,後に本来のテーマで再映画化したのが1961年の『噂の二人』(3)で,そちらはレズビアン映画として高く評価されていますが,個人的にはこちらの作品もレズビアニズムに関する描写を残そうとした痕跡がそこはかとなく覗われ,よくできた作品だったと思います.

3 噂の二人
The Children's Hour
★★★★★
1961年 アメリカ モノクロ 109 min
STAFF
監督:ウィリアム・ワイラー
脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ
原作:リリアン・ヘルマン
製作:ウィリアム・ワイラー
音楽:アレックス・ノース
撮影:フランツ・ブラナー
編集:ロバート・スウィンク
美術:フェルナンド・カルーレ
衣装:ドロシー・ジ―キンス
CAST
オードリー・ヘプバーン/シャーリー・マクレーン/ジェームズ・ガーナー/ミリアム・ホプキンス/ヴェロニカ・カートライト/フェイ・ベインター/カレン・バルキン
 レズビアン映画の古典ともいうべき作品ですが,本筋となるストーリーはすご〜くいや〜な話で,こ〜ゆ〜の観るとますます子供が嫌いになります.しかしながら,その陰に描写されているマーサ(シャーリー・マクレーンさん)のカレン(オードリー・ヘプバーンさん)に対する感情等,明らかにレズビアニズムを取り扱った秀作です.タイトルは直訳すれば『子供の時間』なのですが,こどもの持つイヤな部分がよく描かれていて,とてもよろしいのです.主演の2人の女優さんも素晴しい演技を見せてくれますが,何と言っても凄いのはメアリー(カレン・バルキンさん)とロザリー(ヴェロニカ・カートライトさん)役の,2人の少女だったと思います.

4 ベルベット・ヴァンパイア
The Velvet Vampire
★★
1971年 アメリカ カラー 79 min
STAFF
監督:ステファニー・ロスマン
脚本:ステファニー・ロスマン/ モーリス・ジュールス/チャールズ・シュワルツ
製作:チャールズ・シュワルツ
製作総指揮:ロジャー・コーマン
音楽:ロジャー・ダラーハイド/クランシー・B・グラス三世
撮影:ダニエル・ラカンプル
編集:スティーブン・ジャドソン/バリー・サイモン
CAST
マイケル・ブロジェット/シェリー・マイルズ/セレステ・ヤーナル/ジーン・シェーン/ジェリー・ダニエルズ/サンディ・ウォード/ポール・ブロコップ/クリス・ウッドレー/ボブ・テシア
 本国では有名なカルト・ムービーらしいですが,日本では劇場未公開のB級ホラー.但し DVD は発売されていて,日本語副題が『トワイライト吸血レズビアン』.というわけで一応レズビアン関連ムービーということで入手して観ましたが,レズビアン・シーンはほとんどなく,その点については残念ながら全くの期待外れに終わってしまいました.

5 エロティック・ハウス 愛奴
Intimate Confession of a Chinese Courtesan
★★★
1972年 香港 カラー 86 min
STAFF
監督:チュー・ユアン
脚本:チウ・カンチエン
製作:ラミー・ショウ
音楽:フー・リアン・チョウ
撮影:ウー・チョーホア
CAST
リリー・ホー/ユエ・ホア/ベティ・ペイティ
 こちらは香港の『幻のカルト・ムービー』ですとか.面白いですけどほとんどマンガです.レズビアン・シーンは綺麗でした.それにしてもこの日本語タイトル,もう少し何とかならなかったのかしら?

6 О嬢の物語
histoire d'O
★★★★
1975年 フランス・西ドイツ カラー 101 min
STAFF
監督:ジュスト・ジャカン
脚本:セバスチャン・ジャプリゾ
原作:ポーリーヌ・レアージュ
製作:エリック・ローシャ
音楽:ピエール・バシェレ
撮影:ロベール・フレース
CAST
コリンヌ・クレリー/ウド・キアー/アンソニー・スティール/ジャン・ギャバン/クリスチーヌ・ミナッツォリ/マルティーヌ・ケリー/リ・セルグリーン/アラン・ヌーリー
 『エマニエル夫人』続編のオファーを断ったジュスト・ジャカン監督が次に撮った作品で,日本でも評判を呼びました.アンディ・ウォーホル監修の『悪魔のはらわた』・『処女の生血』に主演していたウド・キアさんが出演しているというので,かなり気になってはいたのですが,結局見逃していて,最近 DVD を入手して観ることができました.『エマニエル』同様,レズビアン映画というわけではありませんが,男性に隷属するための手段としてレズビアニズムが使用されているという,他に例を見ないストーリー展開が印象に残りました.『エマニエル』にしてもこの作品にしても『男性に都合の良い女』を描こうとしているようでいて,実のところその本質が『男性性の否定』を指向していることに気づかされると,かなり共感できるのです.

7 ビリティス
Bilitis
★★★★★
1977年 フランス カラー 95 min
STAFF
監督:デヴィッド・ハミルトン
脚本:カトリーヌ・プレイヤ
原作:ピエール・ルイス
製作:シルヴィオ・タベット/ジャック・ナーアム
音楽:フランシス・レイ
撮影:ベルナール・ダイレンコー
編集:アンリ・コルビ
CAST
パティ・ダーバンヴィル/モナ・クリステンセン/ベルナール・ジロドー/ジル・コーレル/マチュー・カリエール
 レズビアニズムをモチーフにした作品ですが.それだけではなく一人の少女の成長物語としてもよくできている佳作だと思います.実際に,ヒロインの健気さと相手役の男の節操のなさが対比的に描かれていて,そういった意味でも女性を賛美したレズビアニズム・ムービーの傑作だと思います.主演のパティ・ダーバンヴィルさんはアンディ・ウォーホルさん監修の『フレッシュ』に出ていた女優さんで,『ビリティス』撮影時はすでに26歳だったみたいです.

8 人喰いエイリアン
Alien Prey
★★
1977年 イギリス カラー 78 min
STAFF
監督:ノーマン・J・ウォーレン
脚本:マックス・カフ
制作:テレンス・マーセル/デヴィッド・ウィムへりー
音楽:アイヴァ―・スラー
撮影:デレク・V・ブラウン
CAST
バリー・ストークス/サリー・フォークナー/グローリー・アナン/トニー・メイデン/マイケル・ロウラット/ケイト・ファガーソン
 D級SFホラー.レズビアンの痴話ゲンカに遭遇したエイリアンの調査員のストーリー(笑).サリー・フォークナーさんとグローリー・アナンさんのハードなレズビアン・シーンが話題になったということでしたが,現代から観るとそれほどのもんではないです.ちょっと期待外れでした.エイリアン役のバリー・ストークスさんは,実写版『ベルサイユのばら』でアンドレを演じてます.



9 ベストフレンズ
Rich and Famous
★★★★★
1981年 アメリカ カラー 117 min
STAFF
監督:ジョージ・キューカー
脚本:ジェラルド・エイヤーズ
原作:ジョン・バン・ドルーテン
製作:ウィリアム・アリン
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
撮影:ドン・ピーターマン
編集:ジョン・F・バーネット
美術:フレッド・ハーブマン
CAST
ジャクリーン・ビセット/キャンディス・バーゲン/デヴィッド・セルビー/ハート・ボックナー/スティーブン・ヒル/メグ・ライアン/マット・ラッタンジー/ダニエル・フェラルド/マイケル・ブランドン/ニナ・フォック/マーシャ・A・ハント/ジョー・マロス
 この映画はまだ DVD でリリースされていなかったので,ビデオを購入して観ました.でらちゃんの大好きな2人の女優さんが,羨望,嫉妬,疑惑,反感が渦巻く女性同士の友情を演じる名作です.でらちゃんはもちろん女性なのですが,男性と女性の両方をやってみた結果,やはり女性同士の友情の方が信じられます.男同士って,お互いに見栄の張り合いが強くて,決して心を開いていないような感じがして.... で,賛否両論別れるところだと思いますが,これやはり一種のレズビアン映画だと思います.実は性愛とは全く別の次元に存在する愛ってあることが,トランスならびにアセクシュアル化してみて初めてわかりました.ところで私は,タイトルも作品の一部であると思っていますので,外国の映画に日本の配給会社が原題とは無関係なタイトルつけるのって,昔からどうかな?って思っているのですが....

10 アナザウェイ
Another Way
★★★★
1982年 ハンガリー カラー 107 min
STAFF
監督:カーロイ・マック
脚本:カーロイ・マック/エリザベート・ガルゴ―ツィ
原作:エリザベート・ガルゴ―ツィ
音楽:ラースロー・デ―ス/ヤーノス・マーシク
撮影:タマース・アンドルー
CAST
ヤドヴィガ・ヤンコフスカ=チェースラック/グラヅィナ・シャポウスカ/ヨゼフ・クローネル/ガボール・レヴィッツキイ/ペーター・アンドライ
 この作品も DVD が見つからなかったので,ビデオを入手して観ました.社会主義社会とレズビアニズムという全く異質のモチーフを見事に融合した,社会派レズビアンムービー? レズビアニズムの哀しさを正面から捉えたこの作品は,日本では興味本位のオヤジどもの評判を得られなかったため全くヒットしなかったらしいですが,とても良くできた作品だと思います.事実,同性愛者って異性愛者に比べてプラトニックな面が強く,植物的だと思うのです.

11 美しさと哀しみと
Tristesse et Beaute
★★★★★
1985年 フランス カラー 100 min
STAFF
監督:ジョイ・フルーリー
脚本:ジョイ・フルーリー/ピエール・グリエ
原作:川端 康成
製作:ピエール・ノヴァ/ヌレディーヌ・ベンフェルハット
音楽:ジャン=クロード・プティ
撮影:ベルナール・リュティック
CAST
シャーロット・ランプリング/ミリアム・ルーセル/アンジェイ・ズラウスキー/ジャン=クロード・アドラン/ベアトリス・アジェニン/イザベル・サドヤン
 この映画もまだ DVD でリリースされていなかったので,ビデオを購入して観ました.川端康成原作の文芸作品のフランスによる映画化です.主演のシャーロット・ランプリングさんは 1974年の『未来惑星ザルドス』を中学生のときに観たとき,すご〜く印象に残った女優さんだったのですが,今回この作品を観て,その理由がはっきりいたしました.日本版の八千草薫さんがレズビアンのイメージ薄かったのに対して,この方の場合はすごくハマってます.

12 カラー・パープル
The Color Purple
★★★
1985年 アメリカ カラー 152 min
STAFF
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:メノ・ネイエス
原作:アリス・ウォーカー
製作:スティーブン・スピルバーグ/キャスリーン・ケネディ/フランク・マーシャル/クインシー・ジョーンズ
製作総指揮:ジョン・ピータース/ピーター・グーバー
音楽:クインシー・ジョーンズ
撮影:アレン・ダヴィオー
編集:マイケル・カーン
CAST
ダニー・クローバー/ウーピー・ゴールドバーグ/マーガレット・エイブリー/オブラ・ウィンフリー/ベン・ギロリ/ダナ・アイヴィ/レイ・ドーン・チョン/アコーシア・ブシア/ローレンス・フィッシュバーン
 このストーリーの大きなテーマのひとつがレズビアニズムであることは疑いのない事実ですが,スピルバーグ監督は何故かその部分を意図して希薄にしてしまっているのが残念です.

13 カウガール・ブルース
Even Cowgirls Get the Blues
★★
1994年 アメリカ カラー 96min
STAFF
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント
原作:トム・ロビンズ
製作:ローリー・パーカー
製作総指揮:ガス・ヴァン・サント
音楽:K.D.ラング/ベン・ミンク
撮影:ジョン・キャンベル/エリック・アラン・エドワーズ
編集:カーティス・クレイトン
美術:ミッシー・スチュワート
CAST
ユマ・サーマン/ロレイン・ブラッコ/アンジー・ディキンソン/ノリユキ・パット・モリタ/キアヌ・リーヴス/ジョン・ハート/レイン・フェニックス/ロザンヌ・アーノルド/エド・ぺグリー・Jr/クリスピン・グローヴァ―/ヘザー・グラハム/バック・ヘンリー/キャロル・ケイン/ウド・キア/ヴィクトリア・ウィリアムズ/ショーン・ヤング/グレイス・ザブリスキー
 レズビアン映画として期待して観たのですが,正直言ってよく解りませんでしたこの作品.2度目観たけど,やっぱり理解できませんでした.

14 GO fish ★★★★
1994年 アメリカ モノクロ 85 min
STAFF
監督:ローズ・トローシュ
脚本:グィネヴィア・ターナー/ローズ・トローシュ
製作:ローズ・トローシュ/グィネヴィア・ターナー
製作総指揮:トム・ケイリン/クリスティン・ヴェイコン
音楽:スコット・アルドリッチ/ブレンダン・ローラン/ジェニファー・シャープ
撮影:アン・T・ロセッティ/アーサー・C・ストーン
編集:ローズ・トローシュ
CAST
V・S・ブローディ/グィネヴィア・ターナー/T・ウェンディ・マクミラン/ミグダリア・メレンデス/アナスタシア・シャープ
 プライベートなパートナーだったトローシェ&ターナーが,本物のレズビアンのスタッフ・キャストを集めて作った,『レズビアンの,レズビアンによる,レズビアンのための映画』.従来のレズビアン映画の持つ暗さ・深刻さ・悲しい結末といった暗い部分を徹底的に排除し,シンプルでハッピーエンドの物語をめざして製作され,レズビアンたちの明るい生き方が描かれる等身大のラブ・ストーリー.こういう作品を見ると男性中心社会の稚拙さっていつも感じるし,世の中に男って必要のない存在じゃないかって思ってしまうのですが,いけませんか? 

15 乙女の祈り ★★★★
1994年 ニュージーランド・アメリカ カラー 108 min
STAFF
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:ピーター・ジャクソン/フラン・ウォルシュ
製作:ジム・ブース/ピーター・ジャクソン
製作総指揮:ハンノ・ヒュース
音楽:ピーター・ダゼント
撮影:アラン・ポリンジャ―
編集:ジェイミー・セルカーク
CAST
メラニー・リンスキー/ケイト・ウィンスレット/ダイアナ・ケント/クライヴ・メリソン/サラ・パース/サイモン・オコナー
 1954年にニュージーランド・クライストチャーチで起きた,後にミステリー作家となるアン・ペリーさんによる殺人事件を題材にした作品.妄想女子たちのコワさが見事に描かれています.主演のメラニー・リンスキーさんとケイト・ウィンスレットさんはこれでデビュー作ということで,まだ子供なのであまり綺麗じゃないし色っぽくもないのが残念な気もいたしましたが,それだけに子供ならではのコワさが際立っていたと思います.アン・ペリーさんご本人は後に「レズビアンではない」と主張されたらしいですが,この映画を観る限り,やはり….

16 セイレーンの誘惑
Siren
★★★
1995年 ドイツ カラー 53 min
STAFF
監督:サラ・スウォーズ
脚本:サラ・スウォーズ
制作:ビバリー・クック
製作総指揮:トニー・カルネ
撮影:クリス・ヒューズ
CAST
サリー・ゴールディング/ヨランダ・デイヴィス/ゲイル・ダヴィッドソン
 字幕表示が少ないというかほとんどないショート・ムービーで,ストーリーが難解でよく解らないのですが,時間が短いのと映像が美しいので飽きずに最後まで観ることができました.



17 バタフライ・キス
BUTTERFLY KISS
★★★
1995年 イギリス カラー 85 min
STAFF
監督:マイケル・ウィンターボトム
脚本:フランク・コットレル・ボイス
制作:ジェリー・ベインズ/サラ・ダニエル
音楽:ジョン・ハール
撮影:シーマス・マクガーウェイ
編集:トレヴァ―ウェイト
CAST
アマンダ・プラマー/サスキア・リーヴス/ポール・ポウン/フリーダ・ダゥウイー/ファイン・タイム・フォンテイン/デス・マッカリア/リッキー・トムリンソン/キャシー・ジェイミソン/リサ・ジェーン・リレイ/ポーラ・ティルブック/エリザベス・マクグラス/ジョアン・クック/シャリ―・ヴォ―ガン/エミリー・アストン/ケイティ・マーフィ
 『優しく残酷な,愛と救済の物語』とのことですが,ヒロイン2人があまり綺麗じゃなかったのと(失礼!),その言ってることややってること理解不能だったため,ほとんど感情移入できませんでした.「人に優しくされたことがないと人を殺すようになる,自分を含めて」という台詞が出てきますが,幸運にして私はまだ人を殺したことがないので,多分周囲の人に優しくされて生きてきたのでせう.主演のアマンダ・プラマーさんはクリストファー・プラマーさんの娘さんですとか.

18 バウンド
Bound
★★★★★
1996年 アメリカ カラー 108 min
STAFF
監督:アンディ・ウォシャウスキー/ラリー・ウォシャウスキー
脚本:アンディ・ウォシャウスキー/ラリー・ウォシャウスキー
制作:アンドリュー・ラザー/ステュアート・ボロス
製作総指揮:アンディ・ウォシャウスキー/ラリー・ウォシャウスキー
音楽:ドン・デイヴィス
撮影:ビル・ポープ
編集:ザック・ステンバーグ
CAST
ジェニファー・ティリー/ジーナ・ガーション/ジョー・パントリアーノ/ジョン・P・ライアン/クリストファー・メローニ/リチャード・C・サラフィアン/ピーター・スぺロス/バリー・キヴェル
 レズビアニズムをメインのモチーフとした映画ではないのですが,シナリオに一部の隙がない超一級のクライム・サスペンス作品だと思います.そして,男性のおバカさ加減を容赦なく描写しているという点で,やはり紛れもないレズビアン映画だと思います.監督・脚本・製作総指揮のウォシャウスキー兄弟は,後にお二人とも性別適合手術を済ませ,現在ではリリー&ラナのウォシャウスキー姉妹として活躍されている MtF の姉妹です.

19 月の瞳
When Night Is Falling
★★★★
1996年 カナダ カラー 94 min
STAFF
監督:パトリシア・ロゼマ
脚本:パトリシア・ロゼマ
制作:バーバラ・トランター
音楽:レスリー・バーバー
撮影:ダグラス・コッチ
編集:スーザン・シップトン
CAST
パスカル・ビュシエール/レイチェル・クロフォード/ヘンリー・ツェーニー/デイヴィッド・フォックス/ドン・マッケラー/トレイシー・ライト
 エキセントリックなキャラクターが多いレズビアン映画のヒロインに食傷気味だったので,比較的常識人のこの映画のヒロインには好感が持てました.でも,異性であろうと同性であろうと二股がけはイケマセン.ストーリー発端部で亡くなってしまったボブ(誰でしょう?)が蘇生するシュールなラストはいろいろな解釈ができると思いますが,とても嬉しかったのです.

20 Gia ★★★★
1997年 アメリカ カラー 126 min
STAFF
監督:マイケル・クリストファー
脚本:ジェイ・マキナニー/マイケル・クリストファー
製作:ジェームズ・D・ブルベイカー
製作総指揮:デヴィッド・R・ギンズバーグ/アイリーン・カーン/マーヴィン・アース
音楽:テレンス・ブランチャード
撮影:ロドリゴ・ガルシア
編集:エリック・A・シアーズ
CAST
アンジェリーナ・ジョリー/エリザベス・ミッチェル/エリック・マイケル・コール/カイリ―・トラヴィス/ルイス・ジャンパルヴォ/ジョン・コンシダイン/スコット・コーエン/エドモンド・ジェネスト/マーセデス・ルール/フェイ・ダナウェイ
 1998年にアメリカのケーブルテレビ・ネットワークで放送されたテレビ映画で,日本でテレビ放映されたときのタイトルは『ジーア/悲劇のスーパーモデル』, DVD のタイトルは『ジア/裸のスーパーモデル』.日本の映画配給会社やレコード会社が外国の作品に勝手な日本語のタイトルつけるのはどうも納得がいかないというか,タイトルも作品の一部であるのだからして,アーティストに無断で別のタイトルつけるのはイケナイと思うのですが....実在したスーパーモデル,ジア・キャランジの26歳の生涯を描いた作品で,ドラッグと並んでレズビアニズムが主人公の大きなファクターとなっています.ところで友達にプロのモデルやっている娘いるけど,やっぱり結構たいへんみたいです. 

21 ショー・ミー・ラヴ
Show Me Love
★★★
1998年 スウェーデン カラー 89 min
STAFF
監督:ルスカル・ムーディソン
脚本:ルスカル・ムーディソン
製作:ラーシュ・ヨンソン
音楽:ニルス・ニルソン
撮影:ウルフ・ブラント―ス
編集:ミハウ・レシチロフスキー/ベーナルド・ヴィンクラ―
CAST
アレクサンドラ・ダ―ルストレム/レベッカ・リリエベリ/エリカ・カールソン/マティアス・ルスト/ステファン・ヘルベリ/ラルフ・カールソン/マリア・ヘドポリ/アクセル・ヴィードグレン/イール・ウング/リサ・スカゲスタム
 本国スウェーデンでは同時期に公開された『タイタニック』を上回るヒットを記録したというのが売りのようですが,それほどの作品かしら?というのが正直な感想です.派手な娘との地味な娘のよくありがちな青春映画然とした作品で,これがポルノの本場スウェーデンでバカ受けしたというのはちょっと意外な感じがしました.作品そのものは可もなく不可もなくといった出来だったと思います.

22 Go!Go!チアーズ
But I'm a Cheerleader
★★★★
1999年 アメリカ カラー 85 min
STAFF
監督:ジェイミー・パピット
脚本:ジェイミー・パピット/ブライアン・ウェイン・ピーターソン
製作:リーナ・クリール/アンドレア・スパーリング
製作総指揮:マイケル・バーンズ
音楽:パット・アーウィン
撮影:ジュールス・ラバース
編集:セシリ・レット
CAST
ナターシャ・リオン/クレア・デュヴァル/ダンテ・バスコ/ルポール・チャールズ/エディ・シブリアン/バッド・コート/メラニー・リンスキー/ウェスリー・マン/ジョエル・ミカエリー/リチャード・モール/キップ・パルデュー/カトリーナ・フィリップス/イオン・スカイ/ダグラス・スパイン/ミンク・ストール/キャサリン・タウン/ブラント・ウィリー/ジュリー・デルピー/ミシェル・ウィリアムズ/キャシー・モリアーティ
 同性愛矯正施設を舞台に繰り広げられるガールズラヴ・コメディ.バカバカしいけど面白いです.現代じゃ考えられないことですが,この20年でセクシュアル・マイノリティの地位は本当に向上したのです.しかし,このセンスのない日本語タイトル,何とかならなかったのかしら.

23 マルコヴィッチの穴
Being John Malkovich
★★★
1999年 アメリカ カラー112 min
STAFF
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:チャーリー・カウフマン
制作:マイケル・スタイプ/サンディ・スターン/スティーヴ・ゴリン/ヴィンセント・ランディ
製作総指揮:チャーリー・カウフマン/マイケル・クーン
音楽:カーター・バーウェル
撮影:ランス・アコード
編集:エリック・ザンブランネン
CAST
ジョン・キューザック/キャメロン・ディアス/キャサリン・キーナー/ジョン・マルコヴィッチ/オーソン・ビーン/チャーリー・シーン/メアリー・ケイ・プレイス/W・アール・ブラウン/レジナルド・C・ヘイズ/バーン・ピヴェン/カルロス・ジャコット/リチャード・ファンシー/ケヴィン・キャロル
CAMEO ROLE
ブラッド・ピット/ウィノア・ライダー/デヴィッド・フィンチャー/ショーン・ペン/ゲイリー・シニーズ/ダスティン・ホフマン/ハンソン
 『ある俳優の頭に通じる穴を通ってその人物になる』というわけのわからん設定を持つ SF 映画? 支配した他人の肉体によって恋人に自分の子供を妊娠させる,トリッキーな発想はやはりレズビアニズムなんでしょうけど,これって『それでいいのか?』って疑問が残ります.但し,男性が利用されたりひどい目にあうストーリーの展開は,やはりレズビアン映画かも.

24 少女たちの遺言
Moment Mori
★★
1999年 韓国 カラー 97 min
STAFF
監督:キム・テヨン/ミン・ギュドン
脚本:キム・テヨン/ミン・ギュドン
製作:オ・ギミン
製作総指揮:イ・チュニョン
音楽:チョ・ソンウ
撮影:キム・ユンス
編集:キム・サンボム
CAST
パク・イェジン/イ・ヨンジン/キム・ミンソン/キム・ミニ/コン・ヒョジン/ペク・チョンハク
 韓国のレズビアン学園ホラー(?).ストーリー設定はよろしいのですが,そこにいろんなファクターやエピソードを盛り込み過ぎたため結果として訳が分からなくなってしまっています.3人の主演女優さんはそれぞれ個性的で魅力的なだけにちょとと残念な作品でした.


25 ウーマン ラブ ウーマン
Woman Loves Woman
★★★★
2000年 アメリカ カラー 96 min
STAFF
監督:ジェーン・アンダーソン/マリサ・クーリッジ/アン・ヘッシュ
脚本:ジェーン・アンダーソン/シルヴィア・シシェル/アレックス・シシェル/アン・ヘッシュ
製作:メアリー・ケイン
製作総指揮:エレン・デジュネレス/ジェニファー・トッド/スザンヌ・トッド
音楽:バリール・ポールデューリス
CAST
ヴァネッサ・レッドグレイヴ/マリアン・セルデス/ポール・ジアマッティ/エリザベス・パーキンス/マーリー・マクリーン/ジェニー・オハラ/ドナルド・エルソン/ジル・ブレナン/ミッシェル・ウィリアムズ/クロエ・セヴィニー/ナターシャ・リオン/ニア・ロング/エイミー・カールソン/ヘザー・マッコム/ラシダ・ジョーンズ/シャロン・ストーン/エレン・デジュネレス/レジーナ・キング/キャシー・ナジミー/ミッチェル・アンダーソン/ジョージ・ニューバーン
 同じ家を舞台に,異なる3つの時代のレズビアン・カップルのエピソードを描いたオムニバス・ムービー.パートナーの突然の死と遺族との遺産相続問題(1961年),ともに女性解放運動を行う友人たちと男装の恋人との反目(1972年),人工受精による妊娠(2000年)と,それぞれの時代を舞台にレズビアンの女性達が直面する問題を取り扱っていますが,個人的には時代的にもジェンダー・ロールの問題を真っ向から取り上げた1972年のエピソードが最も共感を持って観ることができました.

26 Dr.T と女たち
Dr.T & The Women
★★★★
2000年 アメリカ カラー 122 min
STAFF
監督:ロバート・アルトマン
脚本:アン・ラップ
製作:ロバート・アルトマン/ジェームズ・マクリンドン
製作総指揮:シンディ・コーワン
音楽:ライル・ラヴェット
撮影:ジャン・キーサー
編集:ジェラルディン・ペローニ
CAST
リチャード・ギア/ヘレン・ハント/ファラ・フォーセット/ローラ・ダーン/シェリー・ロング/タラ・リード/ケイト・ハドソン/リヴ・タイラー/ロバート・ヘイズ/マット・マーロイ/アンディー・リクター/リー・グラント/ジャニン・ターナー
 この映画,いわゆるレズビアン映画と呼べるかどうかは疑問ですが,重要なモチーフとなっているものの,肯定も否定もされていないのが,ちょっと新鮮な感じがしました.ストーリーそのものは面白いのですが,ラストはちょっとシュールで2度観てやっと理解できました.主人公をめぐる7人の美女の中では,やはりファラ・フォーセットさんとシェリー・ロングさんがでらちゃんの好みの女優さんです.

27 プレイメイト in レズビアン・パーティー
Playboy's No Boys Allowed 100% Girls
-
2000年 アメリカ カラー 54 min
製作:プレイボーイ・エンターテインメント・グループ
 総勢33名のレズビアン・モデルが勢ぞろいだって(笑),流石に綺麗です.

28 マルホランド・ドライブ
Mulholland Dr.
★★★★★
2001年 アメリカ・フランス カラー 146 min.
STAFF
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ
製作:二―ル・エデルスタイン/ジョイス・エライアソン/トニー・クランツ/マイケル・ポレール/アラン・サルド/メアリー・スウィーニー
製作総指揮:ピエール・エデルマン/デヴィッド・リンチ
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
撮影:ピーター・デミング
編集:メアリー・スウィーニー
CAST
ジャスティン・セロー/ナオミ・ワッツ/ローラ・エレナ・ハリング/アン・ミラー/ダン・ヘダヤ/ロバート・フォスター/レベッカ・デル・リオ/ミシェル・ヒックス/メリッサ・クライダー/リー・グラント/メリッサ・ジョージ/チャド・エヴェレット/パトリック・フィッシュラー
 デヴィッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス』以上の難解な作品というので,身構えて観てしまいました.確かに中盤からの展開は,どれがストーリーの骨子で,どれが夢や幻想のシーンなのかよくわからん感じで,何度も観てその人なりの作品世界を構築していく必要のある映画なのですが,ある意味難解だという先入観を持って観ていたおかげで,146分の長尺が結構短く感じられました.特に前半の展開は,スリリングで面白かったです.レズビアン・シーンは時間的に短いのが残念でしたが,主演のお2人が綺麗なので見ごたえありました.ところで Silverhead の Michael Des Barres さんが出演しているらしいのですがどこかしら?

29 翼をください
Lost and Delirious
★★★★
2001年 カナダ カラー 100 min.
STAFF
監督:レア・プール
脚本:ジュディス・トンプソン
製作:ロレーヌ・リシャ―ル/ルイ・フィリップ・ロション/グレッグ・デュメット
音楽:イヴ・シャンベラン
撮影:ピエール・ギル
編集:ゲタン・ユオ
CAST
パイパー・ぺラーポ/ジェシカ・パレ/ミーシャ・バートン/ジャッキー・バロウズ/ミミ・クジック/グラハム・グリーン/ルーク・カービー/キャロリーヌ・ダヴェルナス/エイミー・スチュワート/ノエル・バートン
 1978年にカナダ・トロントで起きた実際の事件がもとになっていますが,それだけによくできてはいるけど嫌なやるせない映画です.あと日本語のタイトルはセンスなさすぎ,もういい加減に勝手にヘンなタイトルつけるのやめませんか? それにしても,カナダの女子寄宿学校ってこんなに自由なのかしら? 3人の主演女優さんはみんな上手ですが,それ以上に校長先生役のジャッキー・バロウズさんの熱演が印象に残りました.

30 Kissing ジェシカ
Kissing Jessika Stein
★★★
2002年 アメリカ カラー 97 min
STAFF
監督:チャールズ・ハーマン=ワームフェルド
脚本:ヘザー・ジャーゲンセン/ジェニファー・ウェストフェルド
製作:ヘザー・ジャーゲンセン/ジェニファー・ウェストフェルド/イーデン・ワームフェルド/ブラッド・サイオンズ
音楽:マーセロ・ザーヴォス
撮影:ローレンス・シャー
編集:クリスティン・ジェイコブス・マスリン/グレッグ・ティルマン
CAST
ジェニファー・ウェストフェルド/ヘザー・ジャーゲンセン/スコット・コーエン/ジャッキー・ホフマン/マイケル・マストロ/カーソン・エルロッド/デイヴィッド・アーロン・ベイカー/ジョン・ハム/トーヴァ・フェルドシャー/ロバート・アリ/ピーター・ハーシュ/エスター・ワームフェルド/マイケル・ショーウォーター/マイケル・イーリー/ニック・コーリー/アリシア・ライナー/ジェニファー・カータ/イラナ・レビン
 女性同士の恋と友情を描いたロマンティック・コメディですが,主人公が本来ストレートである(と本人は思っている)のに対し,相手は経験豊富なバイセクシュアルということで,セクシュアリティの多様性をもう一つのテーマにしています.でも個人的にはラストには『?』を感じてしまいました.ない方がよかったんじゃないかと思います.

31 モンスター
Monster
★★★★★
2003年 アメリカ カラー 109 min
STAFF
監督:パティ・ジェンキンス
脚本:パティ・ジェンキンス
製作:クラーク・ピーターソン/シャーリーズ・セロン/マーク・ダモン/ドナルド・カシュナー/ブラッド・ワイマン
製作総指揮:アンドレアス・グロッシュ/スチュワート・ホール/サミー・リー/アンドレアス・シュミット
音楽:BT
撮影:スティーブン・バーンスタイン
編集:アーサー・コバーン/ジェーン・カーソン
CAST
シャーリーズ・セロン/クリスティーナ・リッチ/ブルース・ダーン/リー・ターゲセン/アニー・コーリー/マルコ・セント・ジョン/プルイット・テイラー・ヴィンス/スコット・ウィルソン/マーク・マコーレー/ブレット・ライス
 2002年死刑執行となった娼婦あがりの連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの一連の犯行を描いた犯罪実話ですが,同時に甘く切ないレズビアン・ラブストーリーとなっている不思議な作品.ストーリー導入部の主人公のセリフ,「男も女も嫌い.でもあんたは好き.」って,最高の殺し文句かも....? 主人公のたったひとりの友人トムを演じるブルース・ダーン氏が渋いです.アカデミー賞主演女優賞受賞作品.

32 彼女が彼女を愛する時
Girl Play
★★★★
2004年 アメリカ カラー 72 min
STAFF
監督:リー・フリードランダー
脚本:リー・フリードランダー/ロビン・グリーンスパン/ レイシー・ハーモン
製作:ジナ・G・ゴフ/ローラ・A・ケラム
製作総指揮:ショーン・マクヴィティ
音楽:ローラ・カープマン
撮影:ミハエル・ネグリン
編集:クリスティアン・ホワイト
CAST
ロビン・グリーンスパン/ レイシー・ハーモン/ミンク・ストール/ドム・デルイーズ/キャサリン・ランドルフ/ローレン・マハー/ジーナ・デビート/サラ・バレリス/ジナ・G・ゴフ
 日本では2006年の第15東京国際ゲイ&レズビアン映画祭で『ガール・プレイ』というタイトルで上映された,本物の2人のレズビアンによる女性同志のラブ・ストーリ.ちょっと難解な印象を受けましたが,結局同性間の恋愛も異性間の恋愛も根本的には同じ性質のものであるということが解ります.



33 恋のミニスカウェポン
D.E.B.S.
★★★
2004年 アメリカ カラー 91 min
STAFF
監督:アンジェラ・ロビンソン
脚本:アンジェラ・ロビンソン
製作:アンドレア・スパークリング
製作総指揮:ラリー・ケナー
音楽:スティーヴン・M・スターン
撮影:M・デヴィッド・ミューレン
編集:アンジェラ・ロビンソン
CAST
サラ・フォスター/ジョーダナ・ブリュースター/ミーガン・グッド/デヴォン・アオキ/ジル・リッチー/ジェフ・スタルツ/ジミ・シンプソン/ホランド・テイラー/マイケル・クラーク・ダンカン/ジェシカ・コーフィール/クリスティナ・カーク/ジェニファー・カーペンター
 レズビアン・SF・アクション・コメディ? 大馬鹿者映画ですが,面白かったです.『少女たちの遺言』,『翼をください』の後に観ただけに,なんとなくホッとしました.でもこの日本語タイトルもダサすぎ,こーゆーのやめてほしいです.

34
蝴蝶 羽化する官能 ★★
2004年 中国・香港 カラー 129 min
STAFF
監督:ヤンヤン・マク
脚本:ヤンヤン・マク
原作:チェン・シュエ
製作:ヤンヤン・マク
撮影:チャーリー・ラム
CAST
ジョシー・ホー/ティエン・ユエン/イザベル・チャン/ジョーマン・チャン/エリック・コット
 何故東洋人って西洋人とくらべて美人と不美人の差が歴然としているのだろう....?

35
中国の植物学者の娘たち
The Chinise Botainist's Daughters
★★★
2005年 カナダ=フランス カラー 98 min
STAFF
監督:ダイ・シージエ
脚本:ダイ・シージエ/ナディーヌ・ペロン
製作:リズ・ファイヨル
製作総指揮:リズ・ファイヨル/モーリス・イズ―ル
音楽:エリック・レヴィ
撮影:キイ・デュフォー
編集:ジャン=フランソワ・ベルジュロン
CAST
ミレーヌ・ジャンパノイ/ リー・シャオラン/リン・トンフー/ワン・ウェイグワン/グエン・ニュー・クイン
 レズビアン・シネマとして観ても,単なるラヴ・ストーリーとして観ても,いまひとつ面白みに欠ける凡庸な作品.映像的には綺麗でしたが,「だから何なの?」って感じで,残念ながらあまり楽しめなかったです.

36 バンパイア・ラヴァーズ
The Vampire Lovers
★★★
2007年 イギリス カラー 91 min
STAFF
監督:ロイ・ウォード・ベイカー
脚本:チューダー・ゲイツ
原作:ジョゼフ・シェルダン・レ・ファニュ
製作:ハリー・ファイン/マイケル・スタイル
音楽:ハリー・ロビンソン
撮影:モーレイ・グラント
編集:ジェームズ・ニーズ
CAST
イングリッド・ビット/ジョージ・コール/ケイト・オマラ/ピーター・カッシング/ドーン・アダムス/マデリン・スミス/ビッパ・スティール/ダグラス・ウィルマ―/ジョン・フィンチ
 ドラキュラじゃない方の吸血鬼カーミラ伝説をモチーフにした本格ホラー・ムービーですが,レズビアン・シーンに関してはちょっと期待外れでした.

37 水の中のつぼみ
Naissance des pieuvres
★★★★
2007年 フランス カラー 85 min
STAFF
監督:セリーヌ・シアマ
脚本:セリーヌ・シアマ
製作:ベネディクト・クーヴルール
音楽:パラ・ワン
撮影:クリステル・フルニエール
編集:ジュリアン・ラスレー
CAST
ポーリーヌ・アキュア―ル/ルイーズ・ブラシェール/アデル・エネル/ワレン・ジャッカン/クリステル・バラ/マリー・ジリ・ピエール/アリス・ドゥ・ランクザン/クレール・ピエラ
 最初のうちは3人の少女たちの性格がよくつかめなくて感情移入できませんでしたが,ストーリーが進むにしたがって共感できるようになりました.女性監督ならでの感性に満ちた作品だと思います.また,フランス映画ってアメリカ映画と比較するとやはり映像が綺麗です.

38 マーダーランド
Life Blood
★★★
2009年 アメリカ カラー 85 min
STAFF
監督:ロン・カールソン
脚本:ロン・カールソン
製作:レイチェル・ノース
音楽:ジョン・ダンドレア
CAST
ソフィー・モンク/アンヤ・ラヒリ/スカウト・テイラー=コンプトン/ジャスティン・シルトン/パトリック・レナ/ダニー・ウッドバーン/チャールズ・ネイピア/アンジェラ・リンドヴァル/マーシャル・マネシュ/ジーナ・ガレゴ/エレクトラ・アヴェラン/ジェニファー・ダン/スティーヴン・モンロー・テイラー
 D級ホラーの域を出ていない作品ですが,まあまあ面白かったです.ヴィーナス役のアンジェラ・リンドヴァルさんが綺麗です.

39 レズビアン・ヴァンパイア・キラーズ
Lesbian Vampire Killers
★★★★
2009年 イギリス カラー 86 min
STAFF
監督:フィル・クレイドン
脚本:スチュワート・ウィリアムズ/ポール・ハップフィールド
製作:スティーヴ・クラーク=ホール
製作総指揮:チャールズ・レイトン/サヴィエル・マーチャンド/グレン・M・スチュワート/ステファン・アウミューラー/クラウス・クラウセン/ヴィク・ベイトマン
音楽:デビー・ワイズマン
撮影:デヴィッド・ヒックス
編集:ジェームズ・ハーバート
CAST
ジェームズ・コーデン/マシュー・ホーン/マイアンナ・バリング/ヴェラ・フィラトーヴァ/ティファニー・マルヘロン/ルーシー・ガスケル/アシュレイ・マルヘロン/ルイーズ・ディラン/エマー・ケニー/エマ・クリフォード/シルヴィア・コロカ/ポール・マッギャン
 『バンパイア・ラヴァーズ』(40)と同じく女吸血鬼カーミラ伝説をモチーフにした作品ですが,こちらはヴァンパイア・ホラー・コメディとか.タイトルだけのレズビアン関連ムービー?

40 ローマ,愛の部屋
Habitation en Roma
Room in Rome
★★★★★
2010年 スペイン カラー 107 min
STAFF
監督:フリオ・メデム
脚本:フリオ・メデム
製作:アルバロ・ロングリア
製作総指揮:フリオ・メデム/アルバロ・ロングリア
音楽:ジョスリン・プーク
撮影:アレックス・カタラン
編集:フリオ・メデム
CAST
エレナ・アナヤ/ナターシャ・ヤロヴェンコ/エンリコ・ロー・ヴェルソ/ナイワ・ニムリ
 『究極の愛と官能』といううたい文句が決して大袈裟ではない,多国籍レズビアン・シネマ.スペイン映画って映像が綺麗な監督さんが多くて好きなのですが.これは今までに観た映画の中で多分最も美しい作品だと思います.この世界に男はいらないのです.



41 マリー・アントワネットに別れをつげて
Les adieux a la reine
★★★★
2012年 フランス・スペイン カラー 100min
STAFF
監督:ブノワ・ジャコ
脚本:ジル・トーラン/ブノワ・ジャコ
原作:シャンタル・トマ
製作:ジャン=ピエール・ゲラン/クリスティーナ・ラーセン/ペドロ・ウリオル
製作総指揮:クリストフ・ヴァレット
音楽:ブリュノ・クレ
撮影:ロマン・ウィンディング/A. F. C
編集:リュック・バルニエ/ネリー・オリヴォ―
CAST
レア・セドゥ/ダイアン・クルーガー/ヴィルジニー・ルドワイヤン/グザヴィエ・ボーヴォア/ノエミ・ルボフスキー/ミシェル・ロバン/ジュリー=マリー・パルマンティエ/ロリータ・シャマー/ジャック・ブデ/マルティーヌ・シュヴァリエ
 フランス王妃マリー・アントワネットとその取り巻きの一人ポリニャック夫人がレズビアンであったという設定.たしか『ベルサイユのばら』ではアントワネットはポリニャックを嫌っていたのでは?なんてことを考えながら観てました.ヒロインは王妃に心酔する翻訳係の少女で,結局は二人の歪んだ愛に翻弄されてしまうという少々救いのない話ですが,フランス王朝を代表する歴史的人物を,ドイツ人女優のダイアン・クルーガーさんが見事に演じています.よくよく考えてみるとマリー・アントワネットってもともとはオーストリア人だったのよね?

42 アデル,ブルーは熱い色
La vie D'Adele : Chapitires 1 et 2
★★★★
2013年 フランス カラー 169min
STAFF
監督:アブデラティフ・ケシシュ
脚本:アブデラティフ・ケシシュ/ガリア・ラクロワ
原作:ジュリー・マロ
撮影:ソフィアン・エル=ファーニ
CAST
アデル・エグザルコブロス/レア・セドゥ/サリム・ケシゥシュ/モナ・ヴァルラヴェン/ジェレミー・ラユルト/アルマ・ホドロフスキー
 原作グラフィック・ノベルのタイトルが "Le bleu est une couleur chaude" ですから,日本語のタイトルはこちらに近いわけで,原題は『アデルの人生』というタイトルのこの映画,実はヒロインのキャラクターも名前もストーリーの結末も原作とは違っており,そういった意味で原作はあくまで原作として作られた別作品という意味でタイトルも変えてあるような気がするのですが,何故か日本語のタイトルは原作のタイトルの前に映画のヒロインの名前を置いた,訳の分からないものにされてしまっています.タイトルも作品の一部ですから,以前からでらちゃんは外国の芸術作品に日本のレコード会社や映画配給会社が勝手に原題とかけ離れたタイトルつけるのが大嫌いなのですが,この作品もおかしなタイトルつけられてかわいそうです.スピルバーグ監督が絶賛したというだけあってよくできたレズビアン映画,恋愛映画だとは思いますが,おかしなタイトルが玉にキズとなってしまっている好例だと思います.

43 ロサンゼルス女子刑務所
Jailbait
★★★★
2014年 アメリカ カラー 90 min
STAFF
監督:ジャレッド・コーン
脚本:ジャレッド・コーン
製作:デヴィッド・マイケル・ラット
製作総指揮:デヴィッド・リマゥイー
音楽:クリス・カノ
撮影:ローラ・ベスラブ
CAST
サラ・マルクル・レイン/エリン・オブライエン/スティーヴ・ハンクス/アンドレイ・ジョンソン
 いわゆるレズビアン映画ではありませんが,男女ともに同性愛の温床といわれる刑務所モノ.DVD のコピーに『強制レイプ !! 集団リンチ !! 独房全裸監禁 !! 犯罪都市LA女子刑務所の恐るべき実態 !!』などとあるので戦々恐々として観ましたが,それほどえげつないシーンはなかったのでホッとしました.

44 愛しのグランマ
Grandma
★★★★★
2015年 アメリカ カラー 79 min
STAFF
監督:ポール・ワイツ
脚本:ポール・ワイツ
製作:ポール・ワイツ/アンドリュー・ミワノ/パリス・カシドコスタス・ラトシス/テリー・ダガス
製作総指揮:ダン・バルゴイエン/ステファニー・ミューラー/ダニエル・レンフルー
音楽:ジョエル・ウェスト
撮影:ドバイアス・デイタム
編集:ジョナサン・コーン
CAST
リリー・トムリン/ジュリア・ガーナ―/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ジュディ・グリア/ラヴァーン・コックス/エリザベス・ペーニャ/ジュディ・ギーソン/ナット・ウルフ/ジョン・チョー/ミッシー・ドーティ/サム・エリオット
 レズビアンで詩人ののヒロインが窮地に陥った孫娘をするために共に奔走していくうちに,家族たちとの絆や自らの生き方について新たな目覚めを得ていく,老齢のレズビアン女性の自立を描いた女性映画であり,まぎれもないレズビアン映画の傑作だと思います.

45 キャロル
Carol
★★★★★
2015年 アメリカ・イギリス カラー 118 min
STAFF
監督:トッド・ヘインズ
脚本:フィリス・ナジー
原作:パトリシア・ハイスミス
製作:エリザベス・カールセン/スティーヴン・ウーリー/クリスティン・ヴェイコン
製作総指揮:ハーヴェイ・ワインスタイン/テッサ・ロス
音楽:カーター・ハーウェル
撮影:エドワード・ラックマン
編集:アフォンソ・ゴンサウヴェス
CAST
ケイト・ブランシェット/ルーニー・マーラ/サラ・ポールソン/カイル・チャンドラー/ジェイク・レイシー/コーリー・マイケル・スミス/ジョン・マガロ/キャリー・ブラウンスタイン
 『太陽がいっぱい』のパトリシア・ハイスミスさんの自伝的小説の映画化.そういえば,『太陽がいっぱい』も実はゲイ小説で,それを淀川長治さんが見抜いていたのは有名な話です.この映画,友達に勧められていて前から観たいと思っていたのですが,この度 DVD を入手してやっと観ることが出来ました.主演のケイト・ブランシェットさん,ルーニー・マーラさん共にアカデミー賞の主演女優賞・助演女優賞にノミネートされたものの惜しくも受賞は逃しています.調べてみたところこのお二人実年齢の差16歳ですが,レズビアンの年の差カップルを見事に演じていて,なんとなく勇気づけられました.ストーリー的には男性や子供の側から見るとかなり酷い話なんですが,女性の立場からは感情移入し易いエピソードだと思います.

46 アンダー・ハー・マウス
BELOW HER MOUTH
★★
2016年 カナダ カラー 92 min
STAFF
監督:エイプリル・マレン
脚本:ステファニー・ファブリッツィ
製作:メリッサ・コフラン
音楽:ノイア
撮影:マヤ・バンコビック
編集:ミシェル・シェンバーグ
美術:フェイ・マレン
衣装:ゼイナ・エスメイル
CAST
エリカ・リンダ―/ナタリー・クリル/セバスチャン・ビゴット/メイコ・ニュイエン
 『嫉妬するほど美しい“ネオイケメン”モデル エリカ・リンダ―衝撃のデビュー作』ということで,確かに綺麗かもしれませんが正直言って好みではないので,「それほどのもんかあ?」というのが正直な感想です.内容に関しても,『息が止まるほど激しい恋』というより単なる登場人物のエゴばかりが感じられてしまって,全く感情移入できませんでした.画像に関してもぼかしが多いのは仕方ないにしても,あまり綺麗には思えませんでした.レズビアン映画としてやたらと評判が高い作品ですが,はっきり言って過大評価だと思います.あいまいなラストにも不満が残るし.要するにこの監督は何を表現したかったのでしょう? それと原題の "Below" を何故か『アンダー』に替えた日本語タイトル.なんでこ〜ゆ〜ことするんだろね?

47 パラダイス女子刑務所
Locked Up
★★★
2017年 アメリカ カラー 87 min
STAFF
監督:ジャレッド・コーン
脚本:ジャレッド・コーン
製作:デヴィッド・マイケル・ラット
製作総指揮:デヴィッド・リマゥイー
音楽:クリス・リーデン・ハウアー/クリストファー・カノ
撮影:ジョシュ・マース
CAST
ケリン・アン・マッカート/カット・グレイ/ジャレッド・コーン/インカラット・ジャラスウォンコソル/メイサビー・ウェイス
 大ヒット作となった『ロサンゼルス女子刑務所』製作チームによるエロティック・サスペンス第2弾.今回の舞台は何故か東洋の矯正施設で,施設長は女性.東洋人が悪役として描かれている映画って昔は多かったのですが,最近では珍しいので.印象に残りました.但し,暴力シーンは前回よりエスカレートしていますが,レズビアン・シーンはたったの1回しかなかったので,ちょっと残念でした.今回は監督のジャレッド・コーンさんも出演しています.

48 女王陛下のお気に入り
The Favourite
★★★★
2018年 イギリス・アイルランド・アメリカ カラー 120 min
STAFF
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:デボラ・ディヴィス/トニー・マクナマラ
製作:セシ・デンプシー/エド・ギニー/リー・マジディ/ヨルゴス・ランティモス
製作総指揮:ダニエル・バトセク/デボラ・ディヴィス/ローズ・ガーネット/アンドリュー・ロウ/ジョシュ・ローゼンバウム
撮影:ロビー・ライアン
編集:ヨルゴス・モヴロプサリディス
CAST
オリヴィア・コールマン/エマ・ストーン/レイチェル・ワイズ/ニコラス・ホルト/ジョー・アルウィン/マーク・ゲイティス/ジェームズ・スミス/ジェニー・レインズフォールド
 第91回アカデミー賞9部門10ノミネートを獲得した大作歴史映画.主演女優賞を獲得した女王役のオリヴィア・コールマンさんはじめ3人の女優さんの演技合戦が見事でした.但しこの作品をレズビアン映画として観た場合は,そこはかとなく物足りなさを感じてしまうかもしれません.ラストのウサギさんたちの映像に続いて流れる主題歌に何故か Elton John さんの作品の中で最高に好きな曲 "Skyline Pigeon" が使用されていたのが嬉しかったのです.