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1 慕情
Love Is a Many-Splendored Thing
★★★
1955年 アメリカ カラー 102 min
STAFF
監督:ヘンリー・キング
脚本:ジョン・パトリック
原作:ハン・スーイン
製作:バディ・アドラー
音楽:アルフレッド・ニューマン
撮影:レオン・シャムロイ
編集:ウィリアム・H・レイノルズ
CAST
ジェニファー・ジョーンズ/ウィリアム・ホールデン/イソベル・エルソム/ジョージャ・カートライト/トリン・サッチャー/マーレイ・マンソン/ヴァージニア・グレッグ/リチャード・ロー/ソー・ヨン/カム・トン/フィリップ・アーン/ドナ・マーテル/キャンディス・リー/ジェームズ・ホン/ケイ・ルーク
 なんでこ~ゆ~でたらめな日本語タイトルつけるんだろね? 日本のレコード会社や映画配給会社が外国の楽曲や映画におかしな日本語タイトルつけるの,タイトルも作品の立派な一部であり,作者のつけたタイトルに込められた意図("Sprendored" という造語の使用)を全く無視しているので,やめてほしい悪癖です.昔から家に VHS ビデオがあったので観たのですが,あまりにも劣化が激しかったので今回 DVD を買いなおして観ることにしました.恋愛映画の古典的名作ですが,今観るとちょっと物足りない感じがするのは仕方ないかも.主演のお二人は後に『タワーリング・インフェルノ』(14)で共演されています.

2 十二人の怒れる男
12 Angry Men
★★★★★
1957年 アメリカ モノクロ 97 min
STAFF
監督:シドニー・ルメット
脚本:レジナルド・ローズ
製作:レジナルド・ローズ/ヘンリー・フォンダ
音楽:ケニヨン・ホプキンス
撮影:ポリス・カウフマン
編集:カール・ラーナー
CAST
ヘンリー・フォンダ/リー・J・コッブ/エド・ベグリー/E・G・マーシャル/ジャック・ウォーデ/マーティン・バルサム/ジョーン・フィードラー/ジャック・クラグマン/エドワーズ・ビンズン/ジョセフ・スウィーニー/ジョージ・ヴォスコヴェック/ロバート・ウェッバー
 大学生の頃, TV で昼間の映画劇場で初めて観て,いたく感動した映画です.12人の陪審員たちの控室における,ほとんど密室劇なのですが,それまでに観たどんなサスペンス映画よりも迫力があり魅了されてしまいました.当時大学の法学部に在籍していたこともあって,この後いろんな法廷モノの映画やドラマにはまるきっかけとなった作品です.

3 死刑台のエレベーター
Ascenseur pour l'echafaud
★★★★
1957年 フランス カラー 92 min
STAFF
監督:ルイ・マル
脚本:ルイ・マル/ロジェ・二ミエ
原作:ノエル・カレフ
製作:イレーネ・ルリシュ
音楽:マイルス・デイヴィス
撮影:アンリ・ドカエ
編集:レオニード・アザー
CAST
ジャンヌ・モロー/モーリス・ロネ/リノ・ヴァンチュラ/ジョルジュ・ブージュリイ/ヨリ・ベルタン/ジャン・ウォール
 フランス産『フィルム・ノワール』の傑作.『太陽がいっぱい』,『太陽が知っている』で2度もアラン・ドロンさんに殺されてしまい,『ドンファン』ではブリジット・バルドーさんにひどい目に遭わされ,『鬼火』では自殺してしまうアルコホーリクを演じていたモーリス・ロネさん主演のサスペンスで,ここでもちょっと気の毒な犯罪者の役柄を好演しています.この方,どんな役柄を演じても観る側の同情を誘ってしまう,得難いキャラクターの名優だったと思います.

4 草原の輝き
Sprlendor in the Grass
★★★
1961年 アメリカ カラー 124 min
STAFF
監督:エリア・カザン
脚本:ウィリアム・インジ
原作:ウィリアム・インジ
製作:エリア・カザン
音楽:デヴィッド・アムラム
撮影:ポリス・カウフマン
編集:ジーン・ミルフォード
CAST
ナタリー・ウッド/ウォーレン・ベイティ/パット・ヒンクル/オードリー・クリスティー/バーバラ・ローデン/ゾーラ・ランバート/フレッド・スチュワート/ジョアンナ・ルース/ジョン・マクガヴァン/ジャン・ノリス/マルティーヌ・バートレット/ゲイリー・ロックウッド/サンディ・デニス/クリスタル・フィールド/マーラ・アダムス/リン・ローリング/フィリス・テイラー/ショーン・ギャリソン
 むか~し,大学卒業後しばらくして同棲していたパートナーと一緒に映画館に観に行った唯一の映画で,ちょっと苦い思い出のある作品です.私にもそんな時代があったのよね.娘に対する母親,息子に対する父親,親の過保護・無理解・過干渉が子を不幸にするというすご~くイヤなお話です.

5 ふるえて眠れ
Hush... Hush, Sweet Chariotte
★★★★
1964年 アメリカ モノクロ 133 min
STAFF
監督:ロバート・アルドリッチ
脚本:ヘンリー・ファレル/ルーカス・へラー
原作:ヘンリー・ファレル
製作:ロバート・アルドリッチ
音楽:フランク・デ・ヴォル
撮影:ジョゼフ・バイロック
編集:マイケル・ルチアーノ
CAST
ベティ・デイヴィス/オリヴィア・デ・ハビラント/ジョゼフ・コットン/アグネス・ムーアヘッド/セシル・ケラウェイ/ヴィクター・ブオノ/メアリー・アスター/ウィリアム・キャンベル/ウェズリー・アディ/ブルース・ダーン/ジョージ・ケネディ
 ベティ・デイヴィスさんと仲が悪かったジョーン・クロフォードさんの初の共演作『何がジェーンに起こったか?』に続いて企画された共演作第2弾となる予定でしたが,監督のロバート・アルドリッチさんとの折り合いも悪くなったクロフォードさんが降板し,代わりにオリヴィア・デ・ハビラントさんが起用されたといういきさつを持つ作品.結果としてこれは正解で,珍しく悪女役に挑んだハビラントさんの演技が強烈で素晴らしいです.前作でヒロインのピアノ教師役だったヴィクター・ブオノさんが今回は父親役,メイド役のアグネス・ムーアヘッドさんがアカデミー助演女優賞にノミネート,ゴールデングローブ同賞を受賞されている他,若き日の名優おふたり,ブルース・ダーンさん,ジョージ・ケネディさんのお姿も観られます.

6 コレクター
The Collector
★★★★★
1965年 イギリス・アメリカ カラー 119 min
STAFF
監督:ウィリアム・ワイラー
脚本:スタンリー・マン/ジョン・コーン/テリー・サザーン
原作:ジョン・ファウルズ
製作:ジョン・コーン/ジャド・キンバーグ
音楽:モーリス・ジャール
撮影:ロバート・サーティース/ロバート・クラスカー
編集:デヴィッド・ホーキンス/ロバート・スウィンク
CAST
テレンス・スタンプ/サマンサ・エッガー/モーリス・ダリモア/モナ・ウォッシュボーン
 マイ・フェヴァリット・ムービーの1本.コレクターやいわゆるオタクにほこの主人公に感情移入できる方多いと思います.『孤独な男性の女性に対する倒錯した愛情を描いた作品』であるわけですが,視聴者の予想を見事に裏切るラストが秀逸で,単なる『男の愚かさ・女の狡さ』を描いた作品に終っていないところが良いです. TV 放映時には,ご本人も蝶のコレクターとして有名だった岸田森さんと,沢田研二さんが CV を務めていた2種類のヴァージョンがあるそうなんですが,どちらも観たことがないので一度視聴してみたいと思っています.

7 ソルジャー・ブルー
Soldier Blue
★★★★★
1970年 アメリカ カラー 112 min
STAFF
監督:ラルフ・ネルソン
脚本:ジョン・ゲイ
原作:セオドア・V・ネルソン
製作:ハロルド・ローブ/ガブリエル・カツカ
製作総指揮:ジョーゼフ・E・レヴィーン
音楽:ロイ・バッド
撮影:ロバート・B・ハウザー
編集:アレックス・ビートン
CAST
キャンディス・バーゲン/ピーター・ストラウス/ドナルド・プレザンス/ジョン・アンダーソン/ジョージ・リヴェロ/ボブ・キャラウェイ/ダナ・エルカー/マーティン・ウェスト/バーバラ・ターナー(ノンクレジット)
 ダスティン・ホフマンさん主演の『小さな巨人』とともに,白人至上主義だったアメリカ西部劇の概念を根本的に覆した名作として広く知られている作品です.個人的には昔から『クール・ビューティ』キャンディス・バーゲンさんのファンなのですが,どういうわけかこの方の主演映画あまり観たことがなくて,この作品も最近になって DVD を購入して観ることができました.すると共演者の中にお気に入りの TV シリーズ『冒険野郎マクガイバー』に出演していたジョン・アンダーソンさんとダナ・エルカーさんのお姿を見つけて,ちょっと嬉しかったです.

8 M☆A☆S☆H
MASH
★★★
1970年 アメリカ カラー 116 min
STAFF
監督:ロバート・アルトマン
脚本:リング・ラードナー・ジュニア
原作:リチャード・フッカー
製作:インゴ・プレミンジャー
音楽:ジョニー・マンデル
撮影:ハロルド・E・スタイン
編集:ダンフォード・B・グリーン
CAST
ドナルド・サザーランド/エリオット・グールド/トム・スケリット/サリー・ケラーマン/ロバート・デュヴァル/ロジャー・ボーウェン/ルネ・オーベルジョノワ/ジョー・アン・フラッグ/G・ウッド/ジョン・シャック/ゲイリー・バーゴフ/フレッド・ウィリアムソン/バッド・コート/カール・ゴットリーブ/タマラ・ホロックス/マイケル・マーフィー/キム・アトウッド
 大学生の頃 TV の洋画劇場で観て結構面白かったような記憶があったので,最近 DVD を購入して観なおしてみたのですが,それほどのもんではありませんでした.特にアメリカン・フットボールの試合にまつわる後半のエピソードに関しては,スポーツに全く関心がなく,ゲームのルールさえ知らないのでどこが面白いんだか全く分かりませんでした.これは最初に観た1980年頃と2025年の現在では,世界情勢が全く違っていることもさることながら,戦争・軍隊といったものに対する自身の考え方が根本的に変わっているせいだと思われます.そして多分,公開当時の1970年頃に観ていたら,さらに面白く感じられていたんでしょうね?



9 殴り込みライダー部隊
The Losers
★★★★
1970年 アメリカ カラー 95 min
STAFF
監督:ジャック・スターレット
脚本:アラン・ケイルー
制作:ジョー・ソロモン
音楽:ステュー・フィリップス
主題歌:クローバー・アン・コートネー
撮影:ノノング・ラスカ
編集:ジェームズ・ムーア/リチャード・ブロックウェイ
CAST
ウィリアム・スミス/バーニー・ハミルトン/アダム・ローク/ダニエル・ケンプ/ヒューストン・サベッジ/ジーン・コーネリアス/ポール・コスロ/ジョン・ガーウッド/アナ・コリタ/リリアン・マーガレッジョ/ジャック・スターレット
 中学1年の夏休み,友達の家にお泊りに行った時に浜松の映画館で観ました.本当は『イージー☆ライダー』を観たかったのですが上映してていなくて,代わりに観た映画でしたが,予想以上に面白かったです. DVD を集め始めてレンタル盤中古 DVD を入手,50年ぶりに観たのですが,ストーリーはほとんど覚えていませんでした.また,後に観たお気に入りの映画『悪魔の追跡』の監督さんの作品だった事, TV シリーズ『刑事スタスキー&ハッチ』のドビー主任役のバーニー・ハミルトンさんが出演していた事は,後になって知りました.

10 ひまわり
I Girasoli
★★★★
1970年 イタリア・フランス・ソビエト・アメリカ カラー 107 min
STAFF
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本:チェザーレ・サヴァッティーニ/アントニオ・グエラ/ゲオルギー・ムディヴァニ
制作:アーサー・コーン/カルロ・ポンティ
製作総指揮:ジョセフ・E・レヴィーン
音楽:ヘンリー・マンシーニ
撮影:ジョゼッペ・ロトゥンノ/ダヴィド・ヴィニッキー
編集:アドリアーナ・ノヴェッリ
CAST
ソフィア・ローレン/マルチェロ・マストロヤンニ/リュドミラ・サベ―リエワ/ガリーナ・アンドレ―エワ/アンナ・カレーナ/ナディア・チェレドニチェンコ/ジェルマーノ・ロンゴ/グラウコ・オノラート/シルヴァーノ・トランクィリ/マリーザ・トラヴェルシ/グナル・ツィリンスキー/ピッポ・スタルナッツァ/カルロ・ポンティ・ジュニア
 中学生か高校生の頃,よく通っていた静岡市の名画座で観た1本だったと思います.当時ソフィア・ローレンさんという女優さん,大柄でコワそうなイメージがあったのであまり関心がなかったのですが,この作品を観てその意外な可憐さ(失礼)に驚かされました.数々の名作を残したデ・シーカ=ローレン=マストロヤンニのトリオによる反戦映画の傑作ともいえる作品ですが,こういうの観るとやはり男性って女性に比べて不実な生き物だと思います.

11 激突!
DUEL
★★★★★
1971年 アメリカ カラー 90 min
STAFF
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:リチャード・マシスン
原作:リチャード・マシスン
制作:ジョージ・エクスタイン
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
撮影:ジャック・A・マータ
編集:フランク・モリス
CAST
デニス・ウィーバー/ジャクリーン・スコット/エディ・ファイアストーン/ルー・フリッゼル/ユージン・ディナルスキー/ルシール・ベンソン/ティム・ハーバート/チャールズ・シール/シャーリー・オハラ/アレクサンダー・ロックウッド/エイミー・ダグラス/ディック・ウィッティントン/キャリー・ロフティン
 スピルバーグ監督のテレビ・シネマ.実は昔,ヒットした作品に対してあまり関心がなくて,この監督の『ジョーズ』も『未知との遭遇』も未だにまともに観たことがなかったのですが,この作品はわりと早い時期にテレビで観ていて,その迫力に圧倒されておりました.最後まで姿を見せないトラックの運転手がとにかく不気味で,主人公に迫りくる恐怖が見事に表現されておりました.大事に飼っていたヘビさんたちのラックををメチャクチャにされてしまうおばさんが可愛そうですが,動物が殺されるシーンがなかったのでホッとしました.

12 死刑台のメロディ
Sacco e Vanzetti
★★★★
1971年 イタリア/フランス カラー 133 min
STAFF
監督:ジュリアーノ・モンタルド
脚本:ジュリアーノ・モンタルド/ファブリツィオ・オノーフリ
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:シルヴァーノ・イッポーリティ
編集:ニーノ・バラ―リ
CAST
ジャン・マリア・ヴォロンテ/リッカルド・クッチョッラ/シリル・キューザック/ミロ・オーシャ/ジェフリー・キーン/ウィリアム・プリンス/ロザンナ・フラテッロ
 中学生の頃,日曜日の早朝に聴いていたラジオの洋楽ベストテン番組で耳にしたジョーン・バエズさんが歌うこの映画の主題歌『勝利への讃歌』が大好きで,ず~っと観たいと思っていた『後追い映画』の1本です.1920年アメリカで実際に起きた『サッコ・ヴァンゼッティ事件』を描いた硬質な社会派映画で,ヴァンゼッティ役のジャン・マリア・ヴォロンテさんの悲痛な演技が素晴らしいです.冤罪事件に関する映画なので,まじめに観なくてはいけません.

13 ポセイドン・アドベンチャー
Poseidon Adventure
★★★★★
1972年 アメリカ カラー 117 min
STAFF
監督:ロナルド・ニーム
脚本:リチャード・シリファント
原作:ポール・ギャリコ
製作:アーウィン・アレン
音楽:ジョン・ウィリアムス
撮影:ハロルド・E・スタイン
編集:ハロルド・F・クレス
CAST
ジーン・ハックマン/アーネスト・ボーグナイン/レッド・バトンズ/キャロル・リンレー/ロディ・マクドウォール/ステラ・スティーヴンス/シェリー・ウィンタース/ジャック・アルバートソン/レスリー・ニールセン/アーサー・オコンネル/パメラ・スー・マーティン/エリック・シーア/フレッド・サドフ/シーラ・マシューズ/ジャン・アーヴァン
 ミッション・スクールの寮にいた頃,寮で観に行った映画の1本.他に『十戒』とか,『ジーザス・クライスト・スーパー・スター』とか,ミッション・スクールならでの選択だったわけですが,この映画も主人公がキリスト教の牧師ということで選ばれたんだと思います.その後のパニック映画のきっかけとなった名作で,前年『フレンチ・コネクション』でアカデミー主演男優賞を受賞したジーン・ハックマンさんをはじめオールスター・キャストによる贅沢な映画ですが,個人的にはキャロル・リンレーさんとロディ・マクドウォールさん,このお気に入りの俳優さんお二人に初めて出会った作品として,記念すべき映画なのでした.

14 ロイ・ビーン
The Life and Times of Judge Roy Bean
★★★★
1972年 アメリカ カラー 90 min
STAFF
監督:ジョン・ヒューストン
脚本:ジョン・ミリアス
製作:ジョン・フォアマン
音楽:モーリス・ジャール
撮影:リチャード・ムーア
編集:ヒュー・S・ファウラー
CAST
ポール・ニューマン/ロディ・マクドウォール/ネッド・ビーティ/ジャクリーン・ビセット/エヴァ・ガードナー/ステイシー・キーチ/ヴィクトリア・プリンシパル/ジョン・ヒューストン/ジム・バーク/マット・クラーク/ビル・マッキ―二―/スティーブ・カナリー/アンソニー・ザーブ/タブ・ハンター/アンソニー・パーキンス
 この頃よく通っていた御殿場の映画館で予告編を観て,ずーっと観たいと思っていてなかなか観る機会に恵まれず,最近になって DVD を入手してやっと観ることができました.主演のポール・ニューマンさんも良いのですが,やはり敵役のロディ・マクドウォールさんの小悪党ぶりが素晴らしいです.この方,すご~く過小評価されていた名優さんだったと思います.

15 スティング
The Sting
★★★★★
1973年 アメリカ カラー 129 min
STAFF
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
脚本:デヴィッド・F・ウォード
製作:リチャード・D・ザナック/トニー・ビル/マイケル・フィリップス/ジュリア・フィリップス
音楽:スコット・ジョプリン/マーヴィン・ハムリッシュ
撮影:ロバート・サーティース
編集:ウィリアム・レイノルズ
CAST
ポール・ニューマン/ロバート・レッドフォード/ロバート・ショウ/チャールズ・ダーニング/ハロルド・グールド/レイ・ウォルストン/ジョン・ヘファナン/アイリーン・ブレナン/ジャック・キーホー/ダナ・エルカー/ロバート・アール・ジョーンズ/ディミトラ・アーリス
 この頃『ソイレント・グリーン』とか,「決してラストを明かさないでください」って感じの映画が多かったのですが,これには完全に騙されました.こういうの大好きで,この後この映画の影響を大きく受けた,ロバート・ワグナーさん主演の TV ムービー『華麗な探偵ピート&マック』にはまったりしました.この映画のサウンドトラック盤とスコット・ジョプリンさんのピアノ・ラグの LP,当時の友達に借りたまままだ返していません.ごめんなさい.

16 ジャッカルの日
The Day of the Jackal
★★★★
1973年 イギリス・フランス カラー 143 min
STAFF
監督:フレッド・ジンネマン
脚本:ケネス・ロス
原作:フレデリック・フォーサイス
製作:ジョン・ウォルフ
音楽:ジョルジュ・ドリュリュー
撮影:ジョン・トゥルニエ
編集:ラルフ・ケンプレン
CAST
エドワード・フォックス/マイケル・ロンズデール/デルフィーヌ・セイリグ/アラン・バデル/モーリス・デナム/ミシェル・オークレール/オルガ・ジョルジュ=ピコ/デレク・ジャコビ/トニーブリットン/バリー・インガム/ティモシー・ウェスト/ドナルド・シンデン/フランソワ・ヴァロルブ/シリル・キューザック/ロナルド・ピックアップ/エリック・ポーター/デニス・キャリー/デヴィッド・スウィフト/ニコラス・ヴォ―ゲル/ヴァーノン・ドブチェフ/ジャン・ソレル/アドリアン・カイラ=ルグラン/エドワード・ハードウィック(ノンクレジット)
 フレデリック・フォーサイスさん原作の暗殺サスペンスの傑作.中学生の頃に御殿場の映画館で観たときは,ストーリー前半の流れがよく掴めなかったこともあって,それほど面白い映画だとは思えなかったのですが,今回 DVD を購入して,そのスリリングな展開に2時間を超える長尺を全く退屈することなく一気に観入ってしまいました.ラスト,暗殺者ジャッカルはあまりにもあっけない最期を遂げてしまうのですが,この冷淡な描写が良かったのです.



17 タワーリング・インフェルノ
The Towering Inferno
★★★★★
1974年 アメリカ カラー 165 min
STAFF
監督:ジョン・ギラーミン
脚本:スターリング・シリファント
原作:リチャード・マーティン・スターン
製作:アーウィン・アレン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:フレッド・J・コーネカンプ
編集:カール・クレス/ハロルド・F・クレス
CAST
スティーブ・マックイーン/ポール・ニューマン/ウィリアム・ホールデン/フェイ・ダナウェイ/フレッド・アステア/スーザン・ブレイクリー・リチャード・チェンバレン/ジェニファー・ジョーンズ/O・J・シンプソン/ロバート・ヴォーン/ロバート・ワグナー/スーザン・フラネリー/シーラ・マシューズ/ノーマン・バートン/ジャック・コリンズ/ドン・ゴードン/フェルトン・ペリー/グレゴリー・シエラ/アーニー・F・オルサッティ/ダブニー・コールマン/エリザべス・ロジャース/ノーマン・グラボウスキー/ロス・エリオット/オラン・ソウル/カリーナ・ガワー/マイク・ルッキンランド/キャロル・マケヴォイ/スコット・ニューマン/ポール・コミ/ジョージ・ウォレス/ウィリアム・バセット/ジョン・クロウフォード/エリック・L・ネルソン/アート・バリンガー/モーリン・マクガヴァン/ジョン・モイオ/ジェニファー・ローズ/ウィリアム・トレイラー
 『ポセイドン・アドベンチャー』(11)の大ヒットを受けて制作された,オールスター・キャストによるパニック映画の決定版.2大スタースティーブ・マックイーンさんとポール・ニューマンさんのクレジットをめぐって,マックイーンさんを一番左に,ニューマンさんを一番上に配した苦心の跡が見られます.でも個人的には11大スターの最後にクレジットされていた,ポールニューマンさんの盟友ロバート・ワグナーさんのファンでした.作品の迫力ある内容については今更なので省略しますが,ラスト O・J・シンプソンさんによって救出されたジェニファー・ジョーンズさんの愛猫がフレッド・アステアさんに渡されるシーンが一番印象に残っています.

18 続・激突! カージャック
the sugarland express
★★★★
1974年 アメリカ カラー 110 min
STAFF
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ハル―・バーウッド/マシュー・ロビンス
原案:スティーヴン・スピルバーグ/ハル―・バーウッド/マシュー・ロビンス
制作:デイヴィッド・ブラウン/リチャード・D・ザナック
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:ヴィルモス・スィグモント
編集:エドワード・M・アブロムス/ヴァーナ・フィールズ
CAST
ゴールディ・ホーン/ウィリアム・アザートン/ベン・ジョンソン/マイケル・サックス/グレゴリー・ウォルコット/スティーヴ・カナリー/ルイーズ・ザラム/ハリソン・ザナック/A・L・キャンプ/ジェシー・リー・フルトン/フランク・ステッガル
 テレビ・ムービー『激突』(9)のスピルバーグ監督が初めて手がけた劇場公開映画で,このような日本語タイトルが付けられているので誤解を招くのですが,決して続編ではなく,カー・アクションが見どころとなっている点を除けばストーリー的にも全く関連性のない,実話をもとにした作品です.この映画でゴールディ・ホーンさんという女優さんに初めてお目にかかったのですが,それ以前に歌手としてアルバムを購入して愛聴しておりました.

19 カッコーの巣の上で
One Flew Over the Cuckoo's Nest
★★★★
1975年 アメリカ カラー 133 min
STAFF
監督:ミロス・フォアマン
脚本:ローレンス・ホーベン
原作:ケン・キージー
製作:ソウル・ゼインツ/マイケル・ダグラス
音楽:ジャック・ニッチェ
撮影:ハスケル・ウェクスラー/ビル・バトラー(ノンクレジット)
編集:シェルドン・カーン/リンジー・クリングマン/リチャード・チュウ
CAST
ジャック・ニコルソン/ルイーズ・フレッチャー/マイケル・ベリーマン/ウィリアム・レッドフィールド/ブラッド・デゥーリフ/クリストファー・ロイド/ダニー・デヴィート/ヴィンセント・スキャベリ/スキャットマン・クローザース/シドニー・ラシック/ウィル・サンプソン/マーヤ・スモール
 精神病院閉鎖病棟が舞台というカルト的な要素にあふれた作品でありながら,この年のアカデミー賞主要5部門を受賞してしまったヒット作にしてアメリカン・ニュー・シネマの代表作.はずかしながら精神科閉鎖病棟入院体験者としては,こんな管理や規制が緩やかな病院など存在しないように思えるのですが,そこは所詮フィクションの世界ですから.主人公がロボトミー手術を施されてしまうラストに至ってはいささか荒唐無稽な感じがしてしまうのですが,むしろ,劇中で語られている「刑務所には刑期が存在するが,精神病院にはそんなものはない」という事実に,現実社会の精神病院における措置入院・医療保護入院といった強制入院制度の本当の恐ろしさが感じられます.これってホラーですよね?

20 風とライオン
The Wind and the Lion
★★★★
1975年 アメリカ カラー 119 min
STAFF
監督:ジョン・ミリアス
脚本:ジョン・ミリアス
製作:ハーブ・ジャフィ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:ビリー・ウィリアムズ
編集:ロバート・L・ウォルフ
CAST
ショーン・コネリー/キャンディス・バーゲン/ブライアン・キース/ジョン・ヒューストン/ジェフリー・ルイス/スティーヴ・カナリー/ロイ・ジョンソン/ホセ・アントニオ・サンチェス/ウラデク・シーバル/ナディム・サワルハ/アントニー・セント・ジョン/ダレル・フェッティ
 1904年のモロッコにおける史実に基づいた映画なので,予備知識なしに観ても十分面白いのですが,当時の世界情勢等に関する知識が欠如しているため,解りにくい部分が散見されました(この作品に描かれている当時のドイツ軍とフランス軍の関係等).高校で習った世界史の授業をもっとちゃんと聴いておけば良かったです.

21 あの空に太陽が
The Other Side of the Mountain a Window to the Sky
★★★★
1975年 アメリカ カラー 119 min
STAFF
監督:ラリー・ピアース
脚本:デヴィッド・セルツァー
原作:E・G・ヴァレンズ
製作:エドワード・S・フェルドマン
音楽:チャールズ・フォックス
主題歌:オリヴィア・ニュートン=ジョン
撮影:デイヴィッド・M・ウォルス
編集:イヴ・ニューマン
CAST
マリリン・ハセット/ボー・ブリッジス/ベリンダ・J・モンゴメリー/ナン・マーティン/ウィリアム・ブライアント/ダブニー・コールマン
 高校生の頃,当時大好きだったオリヴィアさんが主題歌を歌っているという理由だけで,わざわざ映画館まで観に行った映画です.実話を基にしたよくある感じの凡庸なラヴ.ストーリーですが,当時は感動したのです.若かったのね.

22 ヒッチハイク
Autostop Rosso Sangue
★★★
1977年 イタリア カラー 104 min
STAFF
監督:パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
脚本:パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ/オッタヴィオ・イェンマ/アルド・クルード
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:フランコ・ディ・ジャコモ/ジュゼッペ・ルゾリーニ
編集:アントニオ・シチリアーノ
CAST
フランコ・ネロ/コリンヌ・クレリー/デヴィッド・ヘス/ジョシュア・シンクレア/カルロ・ブリ
 実はこれ,他の作品を購入した際におまけについてきた DVD で,本当に偶然観ることのできた数少ない映画です.フランコ・ネロさんとコリンヌ・クレリーさん演じる倦怠期の夫婦が災難に遇うストーリーですが,イタリア映画らしい過激な殺戮シーンと,撮影中にスタントマンが事故死したというカー・アクション,そして何よりも視聴者の予想を完全に裏切る絶望的に救いのないラストが絶妙でした.でも後味が悪いのでこういう評価になります.ちなみに共演者のジョシュア・シンクレアさんは翌年デヴィッド・ボウイさん主演『ジャスト・ア・ジゴロ』の脚本・制作を手がけ,後に俳優を辞めてお医者さんになったという多才な方だそ~です.

23 インテリア
Interiors
★★★★★
1978年 アメリカ カラー 92 min
STAFF
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
製作:チャールズ・H・ジョフィ/ジャック・ロリンズ(ノンクレジット)
製作総指揮:ロバート・グリーンハット
美術:メル・ボーン/ダニエル・ロバート
撮影:ゴードン・ウィリス
編集:ラルフ・ローゼンプラム
CAST
クリスティン・グリフィス/メアリー・べス・ハート/リチャード・ジョーダン/ダイアン・キートン/E・G・マーシャル/ジェラルディン・ペイジ/モーリン・スティンプルトン/サム・ウォーターストン
 ウッディ・アレンさんの映画ってあまり好きじゃなくて,というかほとんど食わず嫌いしてたのですが,この作品だけは何故か気になって観に行ったところ,その素晴らしさに圧倒されました.でも,まだ他の作品は観る気になれていません.ウディ・さん,ジェラルディン・ペイジさん,モーリン・ステイプルトンさんがそれぞれアカデミー監督賞・脚本賞,主演女優賞,助演女優賞にノミネートされましたが,惜しくも受賞は逃しています.また,やはりアカデミー美術賞にノミネートされた作品全体を象徴する陰翳のある雰囲気が素晴らしいです.ところで,この作品の日本語吹替版のキャストですが,母親のジェラルディン・ペイジさんが平井道子さん,三姉妹役のダイアン・キートンさん,メアリー・べス・ハートさん,クリスティン・グリフィスさんが田島令子さん,岡本茉莉さん,藩恵子さんで,それぞれがスターシャ,エメラルダス,テレサ,1000年女王という,み~んな松本零士原作アニメの主演声優さんだったのよね.

24 さよならミス・ワイコフ
Good Luck, Miss Wycoff
★★★
1979年 アメリカ カラー 105 min
STAFF
監督:マーヴィン・J・チョムスキー
脚本:ポリー・プラット
原作:ウィリアム・インジ
製作:レイモンド・ストロス
音楽:アーネスト・ゴールド
撮影:アレックス・フィリップ・ジュニア
編集:リタ・ローランド
CAST
アン・ヘイウッド/レイフ・コリンズ/ドナルド・プレザンス/ロバート・ヴォーン/ダナ・エルカー/アール・ホリマン/キャロリン・ジョーンズ/ロニー・ブレイクリー/ドロシー・マローン/ドリス・ロバーツ/ジョスリン・ブランド/R・G・アームストロング
 公開当時観たいと思っていたのに見逃していて,最近になって DVD を購入してやっと観ることのできた映画の1本です.主演のアン・ヘイウッドさんは制作のレイモンド・ストロスさんの奥様でしたが,1988年にストロスさんが亡くなると引退してしまいました.ドナルド・プレザンスさん,ロバート・ヴォーンさん,ダナ・エルカーさんという男性名優陣が脇を固めてます.



25 9時から5時まで
Nine to Five
★★★★★
1980年 アメリカ カラー 110 min
STAFF
監督:コリン・ヒギンズ
脚本:ぺトリシア・レズニック/コリン・ヒギンズ
製作:ブルース・ギルバート
音楽:チャールズ・フォックス
撮影:レイナルド・ヴィラロボス
編集:ヘンブローク・J・へリング
CAST
ジェーン・フォンダ/リリー・トムリン/ドリー・パートン/ダブニー・コールマン/スターリング・ヘイドン/エリザベス・ウィルソン/ヘンリー・ジョーンズ/ローレンス・プレスマン/マリアン・マーサー/レン・ウッズ/ノーマ・ドナルドソン/ロクサナ・ボニラ・ジャニーニ/ペギー・ポープ/リチャード・スタウル/レイ・ヴィト/ジェフリー・ダグラス・トーマス/アール・ボーエン
 3大女優主演のオフィス・コメディ映画の大傑作.この時期既にアカデミー主演女優賞を2回獲得していた大女優のジェーン・フォンダさんは別格として,リリー・トムリンさんという女優さんはこの映画で初めて知ったのですが,この方レズビアンとしても有名で,後にライターのジェーン・ワグナーさんと同性結婚をされています.また,ドリー・パートンさんはカントリー・ミュージックの大御所として知られていた方だったので,もっと年配の方かと思っていたのですが,この映画でセクシーな美人秘書役を好演しているお姿を拝見して驚かされました.

26 黄昏
On Golden Pond
★★★★★
1981年 アメリカ カラー 110 min
STAFF
監督:マーク・ライデル
脚本:アーネスト・トンプソン
原作:アーネスト・トンプソン
製作:ブルース・ギルバート
製作総指揮:マーティン・スターガー
音楽:デイヴ・グルーシン
撮影:ビリー・ウィリアムズ
編集:ロバート・L・ウォルフ
CAST
キャサリン・ヘプバーン/ヘンリー・フォンダ/ジェーン・フォンダ/ダグ・マッケオン/ダブニー・コールマン/ウィリアム・ラントゥ/クリス・ライデル
 実生活で母親の自殺を機に父親であるヘンリー・フォンダさんとの確執を長い間持ち続けていたジェーン・フォンダさんが,アカデミー賞で特別功労賞は獲得したものの主演男優賞とは無縁だった父親のためにブロードウェイで好評を博した同作の映画化権を獲得,相手役に同じく大女優のキャサリーン・ヘップバーンさんを迎えて作った.その実生活さながらの父親と娘の確執を取り扱った作品で,ジェーンさんの目論見通り(?),アカデミー賞10部門にノミネートされ,主演男優賞,主演女優賞,脚色賞の3部門で受賞した家族映画の大傑作.大学在学中に東京でロードショー鑑賞して感動した映画です.

27 スクープ 悪意の不在
Absence of Malice
★★★
1981年 アメリカ カラー 118 min
STAFF
監督:シドニー・ポラック
脚本:カート・リュードック/デヴィッド・レイフィール(ノンクレジット)
製作:シドニー・ポラック
製作総指揮:ロナルド・L・シュワリー
音楽:デイヴ・グルーシン
撮影:オーウェン・ロイズマン
編集:シェルドン・カーン
CAST
ポール・ニューマン/サリー・フィールド/ボブ・バラバン/メリンダ・ディロン/ルーサー・アドラー/バリー・プリマス/ジョセフ・ソマー/ドン・フッド/ウィルフォード・ブリムリー
 情報操作による縫合被害をテーマにした社会派ドラマ.この年のアカデミー賞で5部門にノミネートされましたが受賞には至りませんでした.主演のポール・ニューマンさんは次の年にもアルコール依存症の弁護士を演じた『評決』でアカデミー主演男優賞の2年連続ノミネートされましたが惜しくも受賞は逃し,1986年の『ハスラー2』まで同賞受賞は持ち越されました,

28 ワーキング・ガール
Working Girl
★★★★★
1988年 アメリカ カラー 115 min
STAFF
監督:マイク・ニコルズ
脚本:ケビン・ウェイド
製作:ダグラス・ウィック
製作総指揮:ロバート・グリーンハット/ローレンス・マーク
音楽:ロブ・マウンジー
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:サム・オスティーン
CAST
ハリソン・フォード/シガニー・ウィーバー/メラニー・グリフィス/アレック・ボールドウィン/ジョーン・キューザック/フィリップ・ボスコ/ノーラ・ダン/オリヴァー・プラット/ジェームズ・ラリー/ケヴィン・スペイシー/ロバート・イースト/ジェフリー・ノードリング/エイミー・アキノ/バーバラ・ギャリック/ザック・グルニエ/ティモシー・カーハート/マクレーン・ヒュゴット/エリザベス・ウィト・クラフト/デイビッド・ドゥカブニー
 これ映画館に観に行った記憶がないので,多分 TV で観たんだと思いますが,この時期の映画の中では印象に残っている作品です.トップ・クレジットのハリソン・フォードさんは『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』,セカンド・クレジットのシガニ―・ウィーバー』さんは『エイリアン』といった,それぞれが主演しているシリーズものとはまた違ったキャラクターを見事に演じていますが,本当の主役は3番目にクレジットされているメラニー・グリフィスさんのサクセス・ストーリーです.会社で冷遇されがちなビジネス・ウーマンの活躍を描いた映画としてはジェーン・フォンダさんの『9時から5時まで』がありますが,そちらが女性3人のセクハラ男への復讐を描いたコメディ・タッチの明るい作品であったのに対し,こちらは女性同士の戦いを描いた作品であるにも関わらずそれほど陰湿なストーリーになっていないところが救いでしたが,仕事も男も失ってしまうシガニ―・ウィーバーさんがちょっと気の毒ではありました.ヒロインのメラニー・グリフィスさんはこの作品でアカデミー主演女優賞にノミネート,そしてヒロインの友人シンシアを演じているジョーン・キューザックさんの80年代ファッションそのものを体現した髪型やメイク,そしてそのキャラクターがヒロインのメラニー・グリフィスさんよりも目立っていましたが,シガニ―・ウィーバーさんとともにアカデミー助演女優賞にノミネートされています.そして何と言ってもこの作品の一番の魅力は,アカデミー・グラミーの両主題歌賞を獲得したカーリー・サイモンさんの歌う主題歌だったことも否定できません.

29 愛という名の疑惑
Final Analysis
★★★★
1992年 アメリカ カラー 124 min
STAFF
監督:フィル・ジョアノー
脚本:ウェズリー・ストリック
原案:ロバート・バーガー/ウェズリー・ストリック
製作:ポール・ユンガー・ウィット
製作総指揮:リチャード・ギア/マギー・ワイルド
音楽:ジョージ・フェントン
撮影:ジョーダン・クローネンウェス
編集:トム・ノーブル
CAST
リチャード・ギア/キム・ベイシンガー/ユナ・サーマン/エリック・ロバーツ/ポール・ギルフォイル/キース・デイヴィッド/ロバート・ハーパー/アグスティン・ロドリゲス/リタ・ゾーハー/トニー・ジェナロ/ハリス・ユーリン(ノンクレジット)
 酩酊時のブラックアウトによる心神耗弱状態での犯行,というミステリーでは使い古された感のあるシチュエーションですが,実は一番悪かったのはだ~れ?…ラストシーンで明らかになるクライム・サスペンスの佳作でちょっとサイコ入ってます.アルコホリズムを利用した完全犯罪を目論む姉妹を演じているおふたりの女優さんの存在感が圧倒的で,主演兼製作総指揮のリチャード・ギアさんが一歩退いて引き立て役に徹している感じでした.

30 冷たい月を抱く女
Malice
★★★★
1993年 アメリカ カラー 106 min
STAFF
監督:ハロルド・ベッカー
脚本:アーロン・ソーキン/スコット・フランク
原案:ジョナス・マッコード/アーロン・ソーキン
製作:レイチェル・ファイファー/チャールズ・マルヴェヒル/ハロルド・ベッカー
製作総指揮:マイケル・ヒーシュ/パトリック・ルーバート
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:ゴードン・ウィリス
編集:デヴィッド・プレサートン
CAST
アレック・ボールドウィン/ニコール・キッドマン/ビル・ブルマン/ビビ・ニューワース/ジョージ・C・スコット/アン・バンクロフト/ピーター・ギャラガー/ジョセフ・ソマー/トビン・ベル/ウィリアム・ダフ=グリフィン/デブラ・ファレンティノ/グウィネス・バルトロー/デヴィッド・ボウ/ダイアナ・ベラミー/サラ・メルソン/ブレンダ・ストロング/リチャード・ロー
 ニコール・キッドマンさん主演の悪女サスペンスの傑作で,VHS は持っていたのですが,長い間 DVD 化されておらず,今年(2025年)にやっと Blu-ray がリリースされました.この作品で初めて吹替を担当し,昨年亡くなった声優の田中敦子さんの吹替版が2種収録されています.他に女性刑事役のビビ・ニューワースさん,母親役のアン・バンクロフト等女性陣の印象が強烈で,男性俳優さんたちは単なるボケ役に甘んじている感のある作品でした.それにしても原題と比較してセンスの欠片もないこの日本語タイトル,何でこゆことするの?

31 トレインスポッティング
Trainspotting
★★★★
1996年 イギリス カラー 94 min
STAFF
監督:ダニー・ボイル
脚本:ジョン・ホッジ
原作:アーヴィン・ウェルシュ
製作:アンドリュー・マクドナルド
美術:ケイヴ・クイン
撮影:ブライアン・ティファノ
編集:マサヒロ・ヒラクボ
CAST
ユアン・マクレガー/ユエン・ブレムナー/ジョニー・リー・ミラー/ケヴィン・マクキッド/ロバート・カーライル/ケリー・マクドナルド/ピーター・マラン/アーヴィン・ウェルシュ/ジェームズ・コスモ/アイリーン・ニコラス/スーザン・ヴィルダー/ポーリーン・リンチ/シャーリー・ヘンダーソン/スチュアート・マッカリ
 イギリス・エディンバラのジャンキーたちの生態を描いたパンキッシュ・ムービー.個人的に違法薬物の使用経験はありませんが,アルコールや処方薬に依存した経験があるので,共感できるエピソードが多々あり,すごく面白く観ることができました.しかしながらストーリーの展開が目まぐるしく,またところどころに現実と幻覚の区別がつきにくいシーンが挿入されるので,ちょっとわかりにくい部分があるのが難点でした.

32 T2 トレインスポッティング
T2 Trainspotting
★★★
2017年 イギリス カラー 117 min
STAFF
監督:ダニー・ボイル
脚本:ジョン・ホッジ
原作:アーヴィング・ウェルシュ
製作:アンドリュー・マクドナルド/ダニー・ボイル/クリスチャン・コルソン/バーナード・べリュー
音楽:リック・スミス
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
編集:ジョン・ハリス
CAST
ユアン・マクレガー/ユエン・ブレムナー/ジョニー・リー・ミラー/ケヴィン・マクキッド/ロバート・カーライル/ケリー・マクドナルド/アーヴィン・ウェルシュ/ジェームズ・コスモ/ポーリーン・リンチ/シャーリー・ヘンダーソン/アンジェラ・ネディヤルコーヴァ/ブラッドリー・ウェルシュ
 DVD の謳い文句によれば『世界中を熱狂させた伝説の青春映画』(31)の20年後を描いた続編.中年となった4人のバカ者たちのその後を描いたアディクション・ムービー.どう考えてもこ~ゆ~悲惨な未来しか待っていないのは仕方ないにしても,前作以降ほとんど刑務所で過ごしていたはずのべグビー(ロバート・カーライルさん)に奥さんと息子がいるのは不自然なような,いつ作ったんだろね? 幻想・幻覚シーンの美しさとストーリー展開の解りにくさは相変わらずでした.