おすすめする12枚


*U.S.A.

Freak Out! / The Mothers of Invention

1966

 ROCK 界の神様(と私は思ってる) Frank Zappa 大先生の60枚以上に及ぶ作品の中から1枚を選ぶとしたら,やはりこの最強ファースト・アルバムとなってしまうのです.もちろん,その後のアルバムの中にこのアルバムより優れた作品があるという意見は否定しませんが,このアルバムの中には Zappa 大先生がやりたかったことの全てが凝縮されているような気がするのです.

Killer / Alice Cooper

1971

 日本では本当に過小評価されていたトップ・グループ "Alice Cooper" の最高傑作.ソロになってからの Alice Cooper さんももちろん大好きですが,その絶頂期はやはりバンド時代だったと思います.特にこのアルバムは演奏も荒削りで最もハードでありながら,コンセプト・アルバムっぽい側面もあったりして,後のパフォーマー Alice の完成を見た記念碑的作品でもあります.

Berlin / Lou Reed

1973

 Lou Reed さんのページでも書いた通り,全ての ROCK アルバムの中で最も美しい作品だと思い続けてもう半世紀以上になるんですね.当時は Bowie さんの先輩格でありながら,人気の面では一歩遅れを取っていた感じがした Lou Reed さんでしたが, '80年代・ '90年代と優れた作品をリリースし続けて,その才能を見せつけてくれました.『巨人』と呼ぶにふさわしい人だと思います.

Shock Treatment / The Edgar Winter Group

1974

 これに関しては,全ての ROCK アルバムの中で最も楽しんで聴ける作品だと思います.少々下品すぎるとの批判を耳にしますが,ロックンロールは下品で良いのです.本当は Johnny Winter さんの "John Dawson Winter III" と Rick Derringer さんの "All American Boy" もオススメなのですが,ファミリーを代表してということで,この1枚を推薦させていただきます.

Desire / Bob Dylan

1976

 この人の作品も "Highway 61 Revisited" とか "Blonde on Blonde" とか『名盤』と呼ばれる作品は数多いのですが,やはりリアルタイムで聴いたということで,この時期の作品が好きなのです.その中でも,このアルバムは最も聴きこみました. "Hurricane" に始まり "Sara" に終わるアルバムの構成が何と言っても最高だったと思います.アナログ・ディスクで聴きませう.


*U.K.

The Beatles / The Beatles

1968

 すでに分裂の危機に瀕していた The Beatles の各メンバーが,それぞれ思い思いに好き勝手なことやってるというので,アルバムとしてのまとまりに欠けるといった批判も多いわけですが,それはそれでひとつの作品制作の形ではないかと思うのです.また,そのような状況の中で作られた作品であればこそ,これだけの既製の概念を打ち破った傑作が誕生したのだと思うのです.

Beggars Banquet / The Rolling Stones

1968

 とにかく1970年前後の Stones は凄かった! で,その快進撃の第1弾となった記念すべき作品です.内容的にはこの後の "Let It Bleed" や "Sticky Fingers" の方が上かも知れませんが,何と言っても,以前の作品に見え隠れしていた Beatles の影が一掃され,Stones が初めて自分達の ROCK を追求し始めたという点において,最高に意義深い作品であると思います.

The Soft Machine

1968

 このグループ,はたして『プログロッシヴ・ロック』というジャンルで, Crimson や Floyd や EL&P と同列に語ってしまって良いものなのか,はなはだ疑問が残るところなのですが,そんな中でもこのアルバムは最も『プログレッシヴ』という言葉がぴったりくると思うのですよ.後の Jazz っぽい作品もそれなりに良いですが,やはりこの奇妙なサウンドが最高でした.

Electric Warrior / T. Rex

1971

 やはりこの人は私にとって永遠のトップ・スターなので,生前に残した数少ない12枚のオリジナル・アルバムぜ〜んぶを推薦したいところなのですが,その中で1枚を選ぶとしたらやはりこの作品になるのです.アルバムとしての充実度としては文句なく No.1 だと思います.ちなみにこの人の曲の中でもっとも好きなのは,次作の中の "Ballrooms of Mars" だったりするのです.

Low / David Bowie

1977

 本来ならこの人の代表作としてはグラム時代の "Ziggy Stardust" をまず挙げるべきなのでしょうが,幾度もの変容をなしとげてきた彼のキャリアの中でも,このアルバムのリリースは衝撃的でした.最もアーティストとして輝いていたのが RCA 時代末期のこの時期だったと思います.しかしながら,それは堕落の前の輝き(?)だったのか?という淋しい疑問が残るのです.


*Japan

アジアの片隅で / 吉田 拓郎

1980

 やはりどうしても日本が Rock 後進国だったという歴史的事実は, USA ・ UK において Rock が衰退していった '75年以降になって,やっと USA ・ UK のレベルと肩を並べることのできる作品がリリースされ始めたことからも明らかだと思います.私個人としては,この人は沢田研二さんと並んで '70〜 '80年代の日本を代表するシンガーだったと思いますが,実際に頂点にたっていたのは '80年のこの作品においてだったと思います.

36.5 ℃ / 中島 みゆき

1986

 この人に関しても同様で,'70年代・ '80年代・ '90年代と,作風がかなり変ってきてはおりますが,やはり,その才能を最も発揮していたのは '80年代だったと思います. '70年代のこの人はどちらかとゆ〜とあまり好きじゃなかったし, '90年代に入ってからは変に落ち着いてつまんなくなってしまいました.最初にこの作品を聴いたときは,「ついに日本でもここまで歌える女性シンガーが現れた!」と心から感激したものでしたが.