Eric Clapton


DISCOGRAPHY Part 3 (1970 - 1977)



13

LAYLA and other assorted love songs
/ Derek & the Dominos

1970

★★★★★

 Brind Faith , Delaney & Bonnie & Friends のツアー参加とそのメンバーによる初ソロ・アルバム(12)のリリースを経て結成された Derek & the Dominos の唯一のスタジオ録音盤. Clapton 氏の全キャリアの中でこのアルバムを彼の代表作にあげる人も多い名盤中の名盤で,『Rock Album Best 10』みたいな企画の常連さんみたいな作品ですが,これに関しては一言言いたいのです.この Eric Clapton さんという Musician は,その長いキャリアを通して Guitarist としても Vocalist としても Composer としてもかなりの変容を遂げており(David Bowie さんとはまた違った意味で,とゆ〜より, Bowie さんの『変容』がかなり計算されたモノであるのに対し,その自然さという意味において Clapton 氏のそれは Bowie さんの比ではないよ〜な気もするのです),確かに "Layla" は優れた作品ではありますが,この1作をもって「Clapton 氏の代表作」云々するのはすこ〜し的外れな感じがするのです.だいたい Cream と Dominos と Solo における Clapton 氏を同列線上で語ろうとする事自体かなり無理なのですから.Eric Clapton と Duane Allman という2大 Guitarist の唯一の共演盤という意味でも, ROCK 史上に残る名盤ではあります.

14

A VERY SPECIAL DOUBLE ALBUM
BY JOHN MAYALL AND SOME MEMORABLE MEN

BACK TO THE ROOTS

1971

★★★★

 John Mayall 師匠のもとに Eric Clapton ・ Mick Taylor ・ Harvey Mandel 等,師匠のバンドに参加した OB 連が一挙参加した同窓会的なアルバム.実はこのアルバム,日本で LP がリリースされた(邦題:『根源に還れ』)頃捜したのですが何故か見つからなくて,いつのまにか入手をあきらめてしまっていたところ,2008年になって1988年に発表されたリミックス・ヴァージョン8曲を追加収録した CD がリリースされたので,やっと聴くことができました.

15

LIVE CREAM VOL. II

1972

★★★

 やはり解散後にリリースされたライヴ・アルバム第2集.今回は完全なライヴ・アルバムです.第1集に比べて, "White Room" ・ "Sunshine of Your Love" 等の派手目の代表曲が収録されており, Cream 入門編として最適みたいなこと書いている記事も多数ありますが,私このライヴあまり感心しませんでした.特に "White Room" のイントロのコーラスって,すご〜く違和感あって未だに好きになれません.

16

OFF THE TOP / Cream

1972

-

 オフィシャル・ベスト・アルバム第2弾? ベスト・アルバムとは思えんよ〜な渋〜い選曲のコンピレーションです.だからこ〜ゆ〜タイトルなのかしら?

17

HISTORY OF ERIC CLAPTON

1972

-

 Eric Clapton 名義での初のコンピレーションですが,当然の事ながら,収録されているのは The Yardbirds ・ The Bruesbreakers ・ Cream ・ Brind Faith ・ Delaney & Bonnie & Friends ・ Solo Album (Eric Clapton) そして Derek & the Dominos へ至るまでの代表曲の数々で,まさに彼自身の『歴史』.私自身,リアルタイムで聴いたのは "Rainbow Concert"(19)からという事もあって,この時代までの Clapton 氏には特に愛着もないのですが,確かに『歴史』的な存在ではあるよね....

18

IN CONCERT
/ Derek & the Dominos

1973

★★★

 Dominos 解散後の1973年にリリースされた2枚組ライブ・アルバムで,録音は "Layla" リリース直後の1970年10月23・24日,バンドが唯一出演したフィルモア・イースト.この人の場合,どうしてバンド解散後にライヴ・アルバムがリリースされるケースが多いのか? 残念ながら Duane Allman さんは参加しておりません.




19

Eric Clapton's Rainbow Concert

1973

★★★★★

 ヘロイン中毒のためほとんど引退状態になっていた Clapton 氏を立ち直らせるため The Who の Pete Townshend 氏等が発起人となって企画したチャリティ・コンサートの模様を収録したライヴ・アルバムで,ファンの中には憔悴とした Clapton 氏の姿を『最低』とする方もいるなど,彼の全キャリアの中で最もマイナス・イメージの強い作品でありますが,私にとってはこの作品が最初に入手したということもあって, Clapton 氏の全作品中最もお気に入りの1枚だったりするのでした.私の中での氏のイメージとしては,『ギターの神様』然とした颯爽とした姿よりも,ドラッグやアルコールのため憔悴してよれよれになった姿の方が,繊細で魅力的に映るのですが,これって変? それは別にしても,ここに収録されている演奏は,よく言われるように決して『平均点以下』ではなく,むしろ感動的なプレイだと思えるのです.

20

461 OCEAN BOULEVARD

1974

★★★★★

 『Clapton 復活』第1作として,また『レイド・バック』という言葉を流行させたことでも有名な傑作・名盤ではありますが,実は私,リリースされた当初,この作品の持つ雰囲気が大嫌いでした(爆).つまりは私にとっての Clapton 氏のイメージは "Rainbow Concert" によって決定づけられていたもんで,「健康になってしまった Clapton なんて....」とかって(笑).でも今になって冷静に聴いてみると,やはり完成度の高い傑作・名盤には違いないと思います.要するに『優れている』モノが常に『好き』というわけではないのです.ただそれだけ....  "Let it Grow" ,名曲です.

21

There's one in every crowd

1975

★★★★

 この作品に関しては,リリースされた当初,前作よりも全体的に渋い感じがして好きだったのですが,今冷静になって聞き直してみると,やはり前作の延長線上にあることは否定できないし,完成度という点では前作の方が上かなっと.でも「好き」.

22

E.C. WAS HERE

1975

★★★★

 高校1年の時, Clapton 氏の2度目の来日公演で何と静岡公演があって聴きに行ったのが実はコンサート初体験だったのですが,その会場で買った記念すべきレコードです.というわけで,演奏そのものはそれほどいい出来だとは思いませんが,結構気にいっている作品ではあります.私にとっての Clapton 氏はやはりこの頃がピークだったように思います.他のアーティスト同様,1975年以降は急速につまらなくなっていったような気がします.これはこのサイトで何度も書いたように, ROCK という音楽全般について言えることなのですが....

23

no reason to cry

1976

★★★

 他のページにも書いた通り,1975年頃を境に ROCK という音楽は急速にその輝きを失っていきました.これは,それまで商業的には成功しないと見られていた ROCK が急速にコマーシャリズムに接近し,得てはならなかった市民権を獲得してしまったせいもあり,そのような状況の中パンクやニューウェイヴの台頭も見られましたが,それは ROCK そのものの持つ破壊性・急進性が消えてしまった事の証明に他なりませんでした.『レイド・バック』してしまった Clapton 氏あたり,その戦犯に他ならないというわけで,パンク・ニューウェイヴ勢の格好の標的であったわけですが,彼自身の作品もこの頃から良く言えば落ち着き,悪く言えばかつての輝きを失い低迷期に入ってしまったと言えそうです.というわけで,私自身,この作品以降,1992年の "Unplagged" をリリースするまでの Clapton 氏の作品については,悪く言えば惰性で聴いていたような部分もあって,あまり詳しくコメントすることはできませんの.この作品に関して言えば,プロデューサー・録音場所を変えての心機一転の意欲作ということになるらしいですが,それほどの出来だとは思えませんでした....

24

SLOWHAND

1977

★★★

 タイトル・ジャケットとは裏腹に, AOR 化してしまった Clapton 氏.確かに私 Cream 時代の Clapton 氏が最高だったなどと言う気はさらさらありませんが(どちらかと言うと,好きくない....),この路線に入ってしまった Clapton 氏もどうも.... だがしかし,この傾向は1991年頃まで続いてしまい,私にとっての Clapton 低迷期を確実なモノにしてしまうのでした.... そんな私の想いとは裏腹にこの作品,やはり一般受けしたみたいで,予想外のビッグ・ヒットを記録したらしいです.