The Doobie Brothers

Discography Part 1

1970 - 1982



1

The Doobie Brothers

1971

★★★

 日本では最初リリースされず,5作目の "Stampede" の後に発売された第1作.収録曲のほとんどは,ストレートな Tom Johnston 氏とフォーク出身で少々癖のある Pat Simmons 氏のペンによるものですが,何故か1曲だけ Randy Newman 氏の "Beehive State" が収録されていて,当時のグループの音楽的方向性を示しています.サウンド的には,アコースティックを基調としておりますが,アルバム・トップの Tom Johnston 氏作 "Nobody" などに,後の Doobie Sound につながるアグレッシヴな面が感じられます.オリジナル・メンバーの Greg Murphy 氏に替わって参加した Dave Shogren 氏はこの1作のみで脱退してしまいました.

2

Toulouse Street

1972

★★★★

 Eagles の "Take It Easy" と並んで,この時期の American Rock を象徴する曲で,初期 Doobies の代表曲とも言うべき "Listen to the Music" を擁するセカンド ・アルバム.メンバーは,前作1作のみの参加となった Dave Shogren 氏に替わってベーシストに Tyran Porter 氏,2人目のドラマーとして Michael Hossack 氏が参加,初期 Doobies の特徴となった Tom ・ Pat ・ Tyran の3人のヴォーカリスト, John ・ Michael のツイン・ドラムスによる布陣が完成いたしました.また, "Listen to the Music" の他, "Rockin' Down the Highway" や "Jesus Is Just Alright" 等,初期のステージでの代表曲が収録されています.

3

The Captain and Me

1973

★★★★★

 初期 Doobies のと言うか, Tom Johnston 氏の代表傑作と言っていいと思います.もう,トップの "Natural Thing" ・ "Long Train Runnin'" ・ "China Grove" 3曲で,ごはんは要りませんって感じ.この3曲を始め,ラストの "The Captain and Me" まで,収録曲の大半が Tom Johnston 氏のペンによるもので,ちょっと Pat Simmons さんの影が薄いところが気掛かりではありますが, Johnston 氏の Rock'n'Roll 魂が炸裂,前期 Doobies の良いところばかりが目立つアルバム.サウンド的には,ギターのカッティングがとにかく気持ちいいアルバムだと思います.

4

What Once Were Vices Are Now Habits

1974

★★★

 Michael Hossack 氏が抜けてしまい,替わって Keith Knudsen (Ds) 氏が加入した Doobies ですが, Hossack 氏はゲスト・プレーヤーとして,しっかりこのアルバムのレコーディングには参加しています.このアルバムに関して言えば, Tom Johnston 氏がリーダーシップを取っていた前期 Doobies の作品の中では,ひと味違う感じを与えられるアルバムだと思います.前作 "The Captain and Me" で,そのパワーを全開してしまったのか, Johnston 氏の作品は少々停滞気味? それに替わって活躍しているのが Pat Simmons 氏で,大ヒットした問題作 "Black Water" を提供しています.この曲, Doobies ファンの間でも賛否両論が分れるところなのですが,私も最初すご〜く違和感を感じました.ただ,フォーク出身と伝えられる Simmons 氏の作る曲に関しては,当初から,ストレートな Johnston 氏の R&R と比較して,一癖も二癖もある感じで,これもかなり気にいってはいたのでした.とゆ〜わけで,この曲に関して言えば,もちろん否定はしませんが, Simmons 氏の作品の中でも傑出した作品とは思ってないので,何であんなにヒットしたのかわからん,というのが正直な感想です.

5

Stampede

1975

★★★★★

 新たに Steely Dan から Jeff "Skunk" Baxter (G) が加入し,トリプル・リード ・ギター,ツイン・ドラムスという最強の布陣による大傑作.前作 "What Once Were Vices Are Now Habits" ももちろん悪い作品ではないのですが,私といたしましてはそこはかとなく物足りなさを感じていたところだったので, Baxter 氏の参加は大歓迎!といった感じではありました.ベスト・テイクは,何と言っても "Sweet Maxine" と "Take Me in Your Arms" の2曲,もう血湧き肉踊るごきげんな R&R 大会ですぅ! その他の曲も佳作揃いで, Johnston ・ Simmons ・ Baxter のソング・ライティング陣が,それぞれの持ち味を活かしきっている感じ.

6

Takin' It to the Street

1976

★★★★

 これまでキーボード不在だった Doobies に, Steely Dan からの2人目のメンバーとなる Michael McDonald (Kbd ・ Vo) 氏が加入,後期 Doobies の幕開けとなった作品.前期 Doobies でリーダーシップをとっていた Tom Johnston 氏の作品は "Turn It Loose" 1曲のみで,新加入の McDonald 氏の作品が4曲(うち1曲は, Simmons / Baxter 両氏との共作)と,すでに政権交替が明らかな感じですが,この時期, Tom Johnston 氏は健康を害し,すでにバンドから退きつつあったらしいです.しかしながら,サウンド的にはまだ前作 "Stampede" と McDonald 氏率いる後期 Doobies サウンドの両者が混交している感じで,1曲目 "Wheels of Fortune" のイントロのギター・リフなど,これこそ Doobies って感じ.カッコいいです.




7

 *Best of Doobies

1976

★★★

 オフィシャル・ベスト・アルバム第1弾.内訳は, "Toulouse Street"(2) から3曲, "Captain and Me"(3) から4曲, "What Once Were Vices Are Now Habits"(4) から1曲, "Stampede"(5) から1曲, "Takin' It to the Street"(6) から2曲の計11曲.選曲には少々不満が残ります.

8

Livin' on the Fault Line

1977

★★★★

 ますます Michael McDonald 色が濃くなってきた Doobies.この人の作る曲って確かに良く出来ているんだろうけど,もうひとつピンと来ないっていうか,インパクトを感じないっていうか.... ま,これはギタリストと比べた場合のキーボード・プレイヤーの作る曲全般に関して言えることなんですが,コード進行なんか複雑になっている分,キレの良さが欠けてしまっているような.... Rock の衰退にキーボードの果たした役割は大きいよ,というのは私の持論.また,この頃からやたらと AOR ってもてはやされてたでしょ? あれ,音楽の一形態としては認めるし,良い作品もあると思いますが,あれを Rock と言ってしまって良かったのかしらん.... 疑問です. Tom Johnston 氏は一時的にバンドに復帰してはいますが,もはや以前のような活躍は見られません.... で,このアルバムの中でのお気に入りはと言えば,ラストのインスト "Larry the Logger Two-Step" だったりするのです.

9

Minute by Minute

1978

★★★

 Tom Johnston 氏脱退.この時点で,もう以前の Doobies とは別モノのバンドとなってしまったと言っていいと思います.このアルバムでバンドは1979年グラミー賞 Best Pop Vocal Performance by a Duo, Group or Chorus を獲得,シングル ・カットされた "What a Fool Believes" は同 Record of the Year を獲得と, Doobie Brothers というより Michael McDonald Band の代表作で,確かに良く出来た作品だとは思いますが,従来の Doobies ファンとしては面白くない作品です.

10

One Step Closer

1980

★★★

 オリジナル・メンバーの John Hartman 氏と Steely Dan 組の Jeff Buxter 氏が脱退, John McFee (G) 氏・ Chet McCracken (Ds) 氏・ Cornellius Bumpus (Sax ・ Kbd) が加入,オリジナル・メンバーは Pat Simmons 氏ただ1人となり,バンドは大所帯になる一方形骸化してしまい,崩壊へと向います. McDonald 氏の作品も前作を凌ぐ事はできず,アルバム自体もあまり評判にならずに終ってしまいました.正直言って,この人の作る曲って,インパクトに欠けるし,また,これは AOR 系全体について言える事だと思いますが,没個性的ではあったと思うのですよん.

11

 *Best of Doobies Volume 2

1981

★★★

 オフィシャル・ベスト・アルバム第2弾.内訳は, "Livin' on the Fault Line"(8) から3曲, "Minute by Minute"(9) から4曲, "One Step Closer"(10) から3曲の計10曲.選曲にはやはり少々不満が残ります.

12

The Doobie Brothers Farewell Tour

(1983)

★★★★

 解散後にリリースされた,1982年7〜9月に行なわれた Farewell Tour の模様を収録した2枚組ライヴ・アルバム.最終メンバーは, Pat Simmons (G ・ Vo) ・ Michael McDonald (Kbd ・ Vo) ・ John McFee (G) ・ Keith Knudsen (Ds ・ Vo) ・ Chet McCracken (Ds) ・ Willie Weeks (B ・ Vo) ・ Cornellius Bumpus (Sax ・ Kbd ・ Vo) ・ Bobby LaKind (Perc ・ Vo) の8名に, Tom Johnston 氏 (G ・ Vo) が特別参加.新旧の代表曲がずらりとならぶ中,やはりライヴには前期の曲の方が合っているものの,特に "Listen to the Music" なんか不満が残りますが,圧巻は何と言ってもラスト2曲, Tom Johnston 氏が Guitar と Vocal を聴かせてくれる "Long Train Runnin'" と "China Grove" .この2曲だけ際立ってテンション高く,やはり Doobies は Tom Johnston 氏のバンドであった事を再認識させてくれます.