Eagles


DISCOGRAPHY Part 1 (1972 - 1994)



1

EAGLES

1972

★★★★

 Doobie Brothers の "Listen to the Music" と並んで『 '70年代 American Rock の幕開け』を告げたとされるヒット曲 "Take It Easy" を擁する Eagles のデビュー作.このアルバムからは,デビュー・シングル "Take It Easy" に続いて, Linda Ronstadt の事を歌ったとされている "Witchy Woman" と "Peaceful Easy Feeling" が立て続けにヒットを記録し, Eagles は一躍トップ・グループの仲間入りを果たしました.アルバム全体の印象としては,デビュー作だけあって初々しく,少々軽いかなって感じですが,作品全体の構成等,新人バンドらしからぬまとまりを持った作品だと思います.パーソネルは, Grenn Frey (G ・ Pf ・ Vo) ・ Don Henley (Ds ・ Vo) ・ Bernie Leadon (G ・ Banjo ・ Mandolin ・ Vo) ・ Randy Meisner (B ・ G ・ Vo) の4人.

2

DESPERADO

1973

★★★★★

 実在した強盗団 Dalton 一味をモチーフとしたコンセプト・アルバム.前作のようなヒット曲がなく,アルバム自体の売上げも大したことなかったらしいですが,2作目にしてすでに大物バンドの風格をうかがわせる初期の傑作です.こ〜ゆ〜渋くて地味なのアメリカじゃ受けないのかしらね? 演奏・収録曲・構成の全てがパーフェクトと言ってよいできばえですし,特にタイトル曲 "Desperado" は様々なアーティストによって取り上げられ,スタンダード化いたしました.このサイトで紹介している中では, Linda Ronstadt さんと石川セリさんがカヴァーしています.

3

ON THE BORDER

1974

★★★★

 Don Felder (G ・ Vo) 氏の加入によって5人編成となった Eagles が放ったサード・アルバム.プロデュースが一部を除いて Glyn Johnes 氏から Bill Symczyk 氏に替わった事もあって,これまでになくハードなサウンドへのアプローチが感じられます.このアルバムからは, "Already Gone" ・ "James Dean" ・ "Best of My Love" がシングル・カットされましたが,前2作はこれまでにないハードなサウンドで Eagles の新生面を見せ,ラストの1作はスィートなバラードで,初の U.S.A. No.1 ヒットとなりました.

4

ONE OF THESE NIGHTS

1975

★★★

 Bill Symczyk 氏が全面的にプロデュースした第4作.あまりに有名なタイトル曲 "One of These Nights"(邦題:『呪われた夜』)ですが,実は私,これがヒットしていた頃嫌いでした.まとわりつくようなベース・ラインが気持ち悪かったのが,その理由なんですが,その後聴いているうちに結構気にいってきたりして,人間なんていい加減なモノです.この曲に引き続いて "Lyin' Eyes" ・ "Take It to the Limit" もシングル・カットされ,ヒットを記録,アルバム自体も好セールスを記録した名盤ではありますが,作品としての印象はあまり強く残ってないです.何となくサウンドにまとまりがない印象を受けるのは,気のせいかしら?

5

THEIR GREATEST HITS 1971 - 1975

1976

-

 オフィシャル・ベスト・アルバム第1弾.収録曲は, "EAGLES"(1) から3曲, "DESPERADO"(2) から2曲, "ON THE BORDER"(3) から2曲, "ONE OF THESE NIGHT"(4) から3曲.シングル・カットされた曲中心の選曲で,大いに不満が残ります.

6

Hotel California

1976

★★★★★

  Bernie Leadon (G ・ Banjo ・ Mandolin ・ Vo) 氏が脱退, Joe Walsh (G ・ Vo) 氏が加入したことによって,良くも悪くもカントリー臭が失われた Eagles の第5作.この Joe Walsh っていう人,私結構好きな Guitarist のひとりなんですが,この人の加入によってバンドが活性化したあたり,時をほぼ同じくして Doobie Brothers に Steely Dan から Jeff "Skunk" Baxter さんが加入して,やはりバンドが活性化したのと考え合わせると,ちょっと面白いところがあると思います.稀代の名曲 "Hotel California" (この曲,一部では David Bowie さんの "Teenage Daydream" と間奏のメロディー・ラインが酷似していると話題になりましたが....)を擁するこのアルバムからも,この曲と前後して "New Kid in Town" ・ "Life in the Fast Line" の計3曲がシングル・カットされ,それぞれヒットを記録しました.アルバム自体については賛否両論あるところですが,収録曲・演奏・構成の三拍子がそろった『歴史的名盤』であることは,否定できないと思います.




7

THE LONG RUN

1979

★★★★

 1977年に, Randy Meisner (B ・ Vo) 氏が脱退, Timothy B. Schmit (B ・ Vo) 氏が加入,その2年後にリリースした第6作.前作 "Hotel California" の大成功のプレッシャーはあまりにも大きく,3年ぶりのリリースとなったわけですが,やはり,前作ほどの評価を得ることはできず,方向性を見失ったグループは解散へ向けて驀進する事となります.しかしながら,このアルバムの作品としての出来は決して悪くはなく,むしろ平均点以上の出来だったが,3年間のブランクはあまりにも大きかったというのが,現在与えられている評価であると思われます.このアルバムからも, "Heartache Tonight" ・ "The Long Run" ・ "I Can't Tell You Why" の3曲がシングル・カットされ,そこそこのヒットを記録していますし,その他にもラストの "The Sad Cafe" などの名曲が収録されていますが,アルバム全体の印象が弱いのは,やはり彼等が時代から取り残されていたせいなのかもしれません.はじめから洗練されていた Steely Dan,洗練されようとして迷走した Doobie Brothers,洗練される事を求めるべきではなかった Eagles,というのが私の印象です.

8

EAGLES LIVE

1980

★★★

 1980年夏,サンタモニカのシヴィック・オーディトリアムで行われたコンサートを中心に収録したアナログ2枚組ライヴ・アルバム.彼等の代表曲が多数収録されておりますが,すでに解散に向いつつあった時期の録音だけに,演奏そのものに元気がなく,聴いているのが少々辛いって感じもあります.また,3rd Album からの収録曲・未発表曲が少ないというのも,個人的には不満の残るところでした.この2年後,彼等は解散宣言をしてしまうのでした.

9

EAGLES GREATEST HITS VOLUME 2

1982

-

 オフィシャル・ベスト・アルバム第2弾.収録曲は, "ONE OF THESE NIGHTS"(4) から1曲, "Hotel California"(6) から4曲, "THE LONG RUN"(7) から4曲, "EAGLES LIVE"(8) から1曲.これでベスト・アルバムって.... 少し無理していませんか?

10

THE BEST OF EAGLES

1987

-

 オフィシャル・ベスト・アルバム第3弾.全13曲収録.後に4曲が追加されて, "The Very Best of The Eagles"(11)として CD 化されました.

11

THE VERY BEST OF THE EAGLES

1994

-

 上記10の CD 化に際して,4曲追加されたベスト・アルバムの決定盤.収録曲は全17曲.年代順に並んでいる曲目の中で,何故か "The Long Run" に収録されていた "I Can't Tell You Why" だけが, "On the Border" 収録曲と "One of These Nights" 収録曲の間に位置付けられています,何でだろね? あと,初めてグループ名に "The" がついてます.

12

fell freezes over

1994

★★★★

 1994年4月25・26日, Warner のバーバンク・スタジオで MTV のプログラムのためにライヴ・レコーディングされた11曲にスタジオ録音の新曲4曲を加えたリユニオン・アルバム.ビデオ・ LD も出ていますが,こちらは全曲ライヴ録音で,曲数も少し多いです(Videography 参照).ということで,まずビデオの方を見ていただきたい作品ですが,解散直前の生彩のない姿がウソのように元気な演奏を聴かせてくれています.個人的には,アコースティック・バージョンの "Hotel California" の収録が嬉しかったです.