Pink Floyd


DISCOGRAPHY Part 2 (1975 - 1995)



13

WISH YOU WERE HERE

1975

★★★★

 元リーダーの Syd Barrett に捧げられた作品として話題になりました.大作だった "THE DARK SIDE OF THE MOON"(11) に比べて地味な印象を与えるためか,それほど高くは評価されない作品ではありますが,個人的にはこちらの方が好きです.とくに,表題曲の "Wish You Were Here" は彼等の最高傑作のひとつだと思うのですが....

14

ANIMALS

1977

★★★★

 それまでの Pink Floyd からは考えられないようなシンプルかつストレートな音作り,また,人間のタイプを犬・羊・豚の3つに大別して云々... とか,あるいはジャケットの空を飛ぶ豚さんとか,話題に事欠かないアルバムではありました.結局のところ,シンプルなサウンドは,プログレッシヴ・ロックの行き着くところはそこしかなかったということを露呈してしまったわけで,このアルバムにおいて Pink Floyd の音楽は完成を迎えたとも言うことができるし,逆の意味では Pink Floyd はここで終わってしまったとも言えるのです.個人的には嫌いじゃないですけど....

15

THE WALL

1979

★★★

 Pink Floyd 初のスタジオ2枚組大作,しかもプロデュースにあの Bob Ezrin 氏が参加しているとゆ〜ことで,ものすご〜く期待して針を落としたのですが,何かひとつ盛り上がりに欠けるとゆ〜か,結局盛り上がらないまま終わってしまったってゆ〜か....  EL&P や Yes の場合もそうですが,プログレ・バンドにとってスタジオ2枚組っていうのは鬼門なのか,リリースしてからはロクなことがないのですが, Floyd の場合もやはりそうだったみたいで,以降の作品は以前の作品にくらべてどうしても聴き劣りしてしまうのでした.でも,これ "The Dark Side of the Moon" と並んで Floyd の2大傑作のひとつとゆ〜ことになっているらしいですが....納得できません.

16

A collection of great dance songs

1981

★★★

 "MEDDLE"(8), "THE DARK SIDE OF THE MOON"(11) , "WISH YOU WERE HERE"(13), "ANIMALS"(14), "THE WALL"(15) の5枚のアルバムから6曲が収録されたコンピレーションですが,こうして聴き比べてみるとやはり "THE WALL" の収録曲だけ目立って退屈な感じがしてしまうのです.

17

the final cut

1983

★★

 意味深なタイトル,そして裏ジャケを見ると Rick Wright さんの名前がない!!....ということで,ず〜っとこれがラスト・アルバムになるものと思っていましたが,実際にはこの後 Roger Waters 氏が脱退するものの,87年に Rick Wright 氏は復帰,解散には至りませんでした.というか,実質的にはやはりこの時点で Pink Floyd は活動停止してしまい, Gilmore - Mason が復活させようとした際に Waters が参加を拒否(脱退ではない?),脱退していた Wright氏 が参加したというのがややこしいようですが実際の話らしいです.あと,やはり Roger Waters 氏によって解散宣言がなされた後, Gilmore - Mason が Wright 氏を誘って Waters 氏に無断で復活させたため, Waters 氏が怒ったとか,いろいろな説があってホントよくわかりません.で...この作品ですが, David Gilmore 氏によれば『完全に Roger Waters の私的なアルバム』とゆ〜ことで, "The Wall" 同様 Pink Floyd 独特の劇的な盛り上がりに欠けていて,あまり良い出来とは言えません.

18

WORKS

1983

-

 Capitol からリリースされたコンピレーションで, U.S.A. のみで CD 化.収録曲は, "a sauceful of secrets"(2) から1曲, "UMMAGUMMA"(4) から1曲, "MEDDLE"(8) から2曲,"RELICS"(9) から2曲, "Obscured by Clouds"(10) から1曲, "DARK SIDE OF THE MOON"(11) から2曲,アルバム未収録の "Embryo" の計10曲.




19

A Momentary Lapse of Reason

1987

★★★

 Roger Waters 氏抜きで活動を再開した Pink Floyd のニュー・アルバムということで, 当初全く期待しないで聴いたんですが,意外と聴ける作品だったというのはわりと嬉しい誤算でした.予想通り David Gilmore 氏がイニシアティヴを取っており,Bob Ezrin 氏と共同でプロデュースをおこなっておりますが,少なくとも私にとっては "The Wall" よりも聴きやすい作品であったことは確かなのです.

20

Delicate Sound of Thunder

1988

★★★★

 "UMMAGUMMA"(4) 以来久々のライヴ・アルバム.今回は CD 2枚組というかなりのヴォリュームで,Disc 1 がオープニングの "Shine On You Crazy Diamond" 以外は前作 "A Momentary Lapse of Reason"(19) からの選曲,Disc 2 が "MEDDLE"(8), "THE DARK SIDE OF THE MOON"(11), "WISH YOU WERE HERE"(13),"THE WALL"(15) の Roger Waters 氏在籍時の4枚のアルバムからの選曲となっておりますが,どちらもかなりの名演だと思います.個人的に好きではない "THE WALL" からの3曲にしても,スタジオ作品よりもかなり抵抗なく聴くことができました.

21

Shine On

1992

-

 "a saucerful of secrets"(2),"MEDDLE"(8),"THE DARK SIDE OF THE MOON"(11),"WISH YOU WERE HERE"(13),"ANIMALS"(14),"THE WALL"(15),"A Momentary Lapse of Reason"(19)の7種8枚に,アルバム未収録曲 CD 1枚を追加した Box Set.この内容どういう基準で選ばれたモノなのか...? 未だによくわからんのですが....

22

THE DIVISION BELL

1994

★★★

 "A Momentary Lapse of Reason"(19) 以来実に7年ぶりのスタジオ新作.トリオ編成になってから2作目ということで,David Gilmore 氏のギター中心のサウンドもさらにまとまってきた感じで無難な仕上がりの作品だとは思いますが,結局トリオといってももちろん真正なモノではなく,多くのミュージシャンが参加しているわけで,こうなってしまうとやはりプロジェクトとしてはともかくバンドとしての Pink Floyd はもはや存続していないと見るのが妥当なのでしょうか?

23

P・u・l・s・e

1995

★★★★

 "Delicate Sound of Thunder"(20) に続く2枚組ライヴ・アルバム.今回は何と言っても Disc 2 で "The Dark Side of the Moon"(11) を完全に再現しているのが売りなんですが,過去の名作に引きずられているような感じがして少々気の毒な感じもするのです.一方ではバンドを離れていった Roger Waters 氏も相変わらず "The Wall" やってたりして(笑).でもこのライヴ・アルバムの出来は正直なところ良いと思います.あと "Astronomy Domine" の収録は驚いたと共に嬉しかったです....やはり.

24

TIME TRAVELLERS

1995

★★

 こちらは'94年のワールド・ツアーの模様を収録した2枚組ライヴ・アルバム.何故わざわざ "P・u・l・s・e" リリースの直後にこの作品がリリースされたのかよくわからんのですが,これ正規盤じゃないですよネ....? 録音状態も良くないみたいだし.... 大体, EL&P といい King Crimson といい Soft Machine といい Yes といい Pink Floyd といい, '90年代に入ってからのライヴ・アルバムの乱発は凄まじく,たいへん迷惑なモノがあるのです.興味のある方だけ "P・u・l・s・e" と聴き比べてみればいいのでは...