中島 みゆき

Discography Part 1(1976 - 1984)

 1970年代,どちらかと言うと嫌いなタイプのシンガーだったので,ほとんど聴いたことがありませんでした.今でもこの頃の作品はほとんど聴きません.当時の友人にすすめられて,アルバム『臨月』と『寒水魚』を買ってみたのが最初で,その後だんだんのめりこんでいくのでした.



1

私の声が聞こえますか

1976

★★

収録曲:あぶな坂/わたしのやさしい人/信じられない頃に/ボギーボビーの赤いバラ/海よ/アザミ嬢のララバイ/踊り明かそう/ひとり遊び/悲しいことはいつもある/歌をあなたに/渚便り/時代

 実は『臨月』と『寒水魚』を聴いた後,それ以前の7枚のアルバムを中古盤で一度に買い込んで聴いた訳なんですが,意外だったのは初期のアルバムでわりといろいろなジャンルの音楽へアプローチを試みている事でした.でも残念ながらその試みはあまり成功しているとは言えなかったよ〜な気がします.このアルバムの中ではやはりシングルになった『時代』と『アザミ嬢のララバイ』,それとトップの『あぶな坂』の詩がいいです.

2

みんな去ってしまった

1976

★★

収録曲:雨が空を捨てる日は/彼女の生き方/トラックに乗せて/流浪の詩/真直な線/五才の頃/冬を待つ季節/夜風の中から/03時/うそつきが好きよ/妬いてる訳じゃないけど/忘れられるものならば

 前作と同じく「エジソンと発明王」がバックをつとめているセカンド.個人的には『彼女の生き方』・『冬を待つ季節』・『夜風の中から』あたりが好みですが,この頃のこの人の作品,カントリーやブルースを露骨に意識した作品は凡庸であまり感心しません.

3

あ・り・が・と・う

1977

★★

収録曲:遍路/店の名はライフ/まつりばやし/女なんてものに/朝焼け/ホームにて/勝手にしやがれ/サーチライト/時は流れて

 このアルバムあたりで70年代のこの人の方向性が決定つけられたような印象を受けました.『遍路』・『まつりばやし』あたりにこの人ならではの個性が感じられますが,アルバム自体の出来はまだあまり良いとは言えないと思います... ま...好みの問題ではありますが...

4

愛していると言ってくれ

1978

★★★

収録曲:「元気ですか」/怜子/わかれうた/海鳴り/化粧/ミルク32/あほう鳥/おまえの家/世情

 結局70年代のこの人『わかれうた』のイメージが強すぎて,ある意味で得,ある意味では損をしていた思います... 私なんかこの時期の「中島みゆき」に偏見持って喰わず嫌いしてましたもん... 『化粧』に関しては初期作品中の名曲だと思います.

5

親愛なる君へ

1979

★★★

収録曲:裸足で走れ/タクシードライバー/泥海の中から/信じ難いもの/根雪/片想/ダイヤル117/小石のように/狼になりたい/断崖―親愛なる者へ―

 この頃本人の『わかれうた』に続いて他のシンガーへの提供曲が次々とヒットしておりましたが,特に興味も関心もありませんでした.このアルバムの中では『裸足で走れ』・『小石のように』あたりがわりと好きです.

6

おかえりなさい

1979

★★★

収録曲:あばよ/髪/サヨナラを伝えて/しあわせ芝居/雨…/この空を飛べたら/世迷い言/ルージュ/追いかけてヨコハマ/強がりはよせヨ

 他のシンガーへの提供曲のセルフ・カバーを集めた1作目.個人的には『この空を飛べたら』・『ルージュ』の2曲がオススメでした.

7

生きていてもいいですか

1980

★★★★

収録曲:うらみ・ます/泣きたい夜に/キツネ狩りの歌/蕎麦屋/船を出すのなら九月/〜インストゥルメンタル/エレーン/異国

 とこと〜ん暗い,初期の「中島みゆきの世界」を代表するアルバムですが,アルバムの構成自体,それまでの作品と比べて格段に進歩していると思います.特に『船を出すのなら九月』・『エレーン』・『異国』と続くアナログB面は,出来のいい短編小説集みたいでかなり気にいってます.

8

臨月

1981

★★★★★

収録曲:あした天気になれ/あなたが海を見ているうちに/あわせ鏡/ひとり上手/雪/バス通り/友情/成人時代/夜曲

 タイトルがいいですね.この後みゆき嬢は『寒水魚』で無事にめでたく『みゆき・サウンド』を出産したと言われてます.'70年代のしょぼいフォーク・ブームに別れをつげる傑作だと思います.女の子にレコード屋さんが「『臨月』のお客さん,いらっしゃいますか〜?」って言って,女の子が赤面したっていうギャグ,好きです.

9

寒水魚

1983

★★★★★

収録曲:悪女/傾斜/鳥になって/捨てるほどの愛でいいから/B.G.M./家出/時刻表/砂の船/歌姫

 この作品によってみゆき嬢は自らの音楽の方向性を確立したと言ってもいいのではありますまいか? 単に私が前作とこの作品から聴きはじめたからそう思うのかもしれませんが,明らかに方向転換を図っていると思います.『悪女』はシングルより LP バージョンの方が好きです.

10

予感

1983

★★★★

収録曲:この世に二人だけ/夏土産/髪を洗う女/ばいばいどくおぶざべい/誰のせいでもない雨が/縁/テキーラを飲みほして/金魚/ファイト!

 前作の影に隠れて地味な感じがするアルバムですが,かなりイイ線いってる作品だと思います.アナログA面をみゆきさん本人,B面を井上尭之氏が編曲を担当していますが,正解だったと思います.『この世に二人きり』・『夏土産』・『テキーラを飲みほして』・『ファイト!』と隠れた名曲が多いのもこのアルバムの特徴だと思います.

11

 *CRISTAL RAINBOW SINGLE COLLECTION

1984

★★★

収録曲:アザミ嬢のララバイ/さよなら さよなら/時代/傷ついた翼/こんばんわ/強い風はいつも/夜風の中から/忘れられるものならば/わかれうた/ホームにて/おもいで河/ほうせんか/りばいばる/ピエロ/かなしみ笑い/霧に走る/ひとり上手/悲しみに/あした天気になれ/杏村から/悪女/笑わせるじゃないか/誘惑/やさしい女/横恋慕/忘れな草をもう一度/あの娘/波の上

 『アザミ嬢のララバイ/さよなら さよなら』から『あの娘/波の上』までの14枚のシングルのセットですが,2枚ずつ7色のレコードでオリジナル・ジャケットと楽譜が付録についていました.完全限定盤.

12

はじめまして

1984

★★★

収録曲:僕は青い鳥/幸福論/ひとり/生まれた時から/彼女によろしく/不良/シニカル・ムーン/春までなんぼ/僕たちの将来/はじめまして

 古くからのファンに「みゆきさんご乱心」と揶揄された問題作.このアルバムから,従来のみゆきカラーから脱却したという意味でタイトルが意味深ですね...