Rick Derringer

Discography Part 3 (1973 - 1990)

Solo・Derringer 1973-1990
 Johnny Winter And から White Trash および Edgar Winter Group へと活動の場を移し,またプロデューサー・コンポーザーとして Johnny & Edgar Winter の参謀役を務めていた Rick Derringer 氏は,そのかたわら 1973年に初ソロ・アルバム "All American Boy" を'75年にはセカンド・アルバム "Spring Fever" をリリース, Johnny Winter 氏に提供した名曲等を含むこの2枚のソロ・アルバムで,コンポーザー及びギタリストとしての名声を不動のものとしました.また'76年の Johnny & Edgar のジョイント・アルバム "Together"(24) への参加を最後に Winter 兄弟のサポートから離れ, The McCoys 以来の自らのグループ Derringer を結成しますが,こちらはたいした成功を収めることはできず,アルバム5枚を残して'78年に消滅してしまいました.3年間にわたる Derringer での活動に終止符を打った Rick Derringer 氏は1979年にソロとしては3作目にあたる "Guitars and Woman" を発表.以後は Edgar Winter 氏をはじめとする多くのアーティストのレコーディングに参加するかたわら,時折思い出したかのよ〜に作品を発表し続けておりましたが, '90年には Edgar 氏と共に来日公演を行い,日本のファンをわかせてくれました.




25

All American Boy

1973

★★★★★

 名盤です.Johnny Winter And 時代以来,稀代のコンポーザーとしての才能を発揮し続けていた Rick 氏が "Rock and Roll, Hoochie Koo" や "Cheap Tequila" などの名曲を自ら歌い演っているというだけではなく,アルバム自体の構成も流れるように素晴らしく,最高にまとまったロックンロール・アルバムに仕上がっており,プロデューサーとしての Rick 氏の才能を再確認させてくれます.難を言うならば,ロックンロールにしてはまとまりすぎている?あまりにも優等生的すぎる作品だとは言えますが... バックには Edgar Winter ・ Bobby Coldwell ・ Joe Walsh ・ David Bromberg 等が参加,プロデュースはもちろん Rick 氏自身.個人的には Edgar Winter 氏の "Shock Treatment" と双璧をなす最後のロックンロール・アルバムだと思います. "Shock Treatment" 同様,近田春夫氏が『これが最高 EVERYBODY'S CHOISE TOP 100 Vol.2 日本編』(1979)で,ただ1人高く評価しておりました

26

Spring Fever

1975

★★★★

 前作の流れを汲むロックンロール・アルバムで,以前 Johnny Winter に提供した "Still Alive and Well" ・ "Roll with Me" に加えて,今回はなんと The McCoys 時代のビッグ・ヒット "Hang on Sloopy" をセルフ・カバーしていることでも話題を呼びました.また,このアルバムに収録されている "Don't Ever Say Goodbye" は名曲で,コンポーザーとしての Rick 氏が,ロックンロールばかりでなく, Edgar 氏に勝るとも劣らないメロディ・メイカーぶりを発揮してくれた作品だったと思います.バックには Edgar Winter ・ Johnny Winter ・ Dan Hartman ・ David Johansen 等が参加,プロデュースはもちろん Rick 氏自身.

27

Derringer

1976

★★★★

 この年リリースされた Johnny & Edgar Winter のジョイント・アルバム "Together" への参加を最後に Winter Family のサポートから距離を置いた Rick 氏が The McCoys 以来約6年ぶりに結成した自らのバンド Derringer の第1作で,メンバーは Rick Derringer (G・Vo) ・ Danny Johnson (B・Vo) ・ Kenny Aaronson (B・Vo) ・ Vinny Appice (Ds) の4人.内容的には Rick 氏自身のソロと同じ流れのポップなロックンロール・アルバムといった感じですが,一部の曲にはそれまでのソロ作品と違ったバンド指向的な試みがなされています.個人的にはやはり,従来の流れを汲むトップのロックンロール・ナンバー "Let Me In" が最高に気にいっていたりするのです.プロデュースは Rick 氏自身が行っています.

28

Sweet Evil / Derringer

1977

★★★

 Derringer 第2作目.前作で試みていたアメリカン・ハード・ロック・バンド的アプローチが1歩前身した作品で,プロデュースに Aerosmith 等を手がけた Jack Douglas 氏を迎えております.そのためか従来の Rick 氏特有のポップなカラーは少し薄れ,少々硬質で地味な感じのする音に仕上がっています.この時期の Rick 氏自身の方向性としては,いわゆるアイドルからの脱却みたいなものが念頭にあったのだと思われ,また一部マスコミもこれを評価してはいたのですが,結局それがセールス的に失敗する要因となってしまいました.私個人としてもこの方向性は正直言ってあまり評価できませんでした.

29

Derringer Live

1977

★★★★

 Derringer では初のライブ・アルバムですが,これまでにもこの人, Johnny Winter And や White Trash や Johnny & Edgar Winter との共演という形で,何作かのライブ・アルバムを残しています.この人の本領発揮と言って良い大ロックンロール大会で,ソロ・アルバムから4曲と Derringer のアルバムから4曲の計8曲が収録されていますが,オープニングの "Let Me In" を除く Derringer 時代の曲残り3曲が聴き劣りしてしまうのが,やはり辛いところだったと思います.で,やはり圧巻はラストの2曲, "Still Alive and Well" と "Rock and Roll Hoochie Koo" .プロデュースは Rick 氏自身が行っております.

30

If I Weren't So Romantic, I'd Shoot You / Derringer

1978

★★★

 メンバーチェンジを行い, Rick ・ Kenny と Myron Grombacher (Ds) のトリオとなった Derringer の第3作目にしてラスト・アルバム.結局セールス的に成功することができなかった Derringer は,この後消滅してしまいました.このアルバムでは Mike Chapman 氏をプロデューサーに迎え,またもバンドの音楽性模索を行い,失敗に終わった前作 "Sweet Evil" のハード路線から第1作 "Derringer" のポップ路線への軌道修正を行っていますが,結局のところ3枚のスタジオ作の中では Rick 氏のソロ・ワークスの流れを汲み,プロデュースも本人が行った第1作の出来が最も良かったという皮肉な結果に終わってしまいました.




31

Live in Cleeveland / Derringer
1979
★★★
 Derringer 2作目のライブ・アルバムですが,当時何故か日本ではリリースされてなくて,実は最近になるまで,このアルバムの存在を知りませんでした.ごめんなさい.1976年にプロモーション用に非売品としてリリースされたものが1979年に正規リリースされたものらしいので,実際のところは "Derringer Live"(29) より前の作品になります.David Bowie さんの "Rebel Rebel" を演っていたのには驚かされましたが,これが実のところ凄く良いのです.

32

Guitars and Woman
1979
★★★★
 自らのバンド Derringer は不成功に終わってしまった Rick 氏が Todd Runglen 氏を共同プロデュースに迎え,約5年ぶりにリリースした第3作目のソロ・アルバムで,バックを Derringer のメンバーと Todd 氏の Utopia のメンバーがサポート, コンポーザーとして Cheap Trick の Rick Nealsen 氏がゲスト参加しております.結論としてやはり Todd 氏の起用は正解だったみたいで,ここ数作の Derringer のアルバムにおける試行錯誤に対し,ひとつの結論を指標しているような感じです. "Spring Fever" (22) に収録されていた名曲 "Don't Ever Say Goodbye" の再録が含まれておりますが,ちなみにこの年,かつての盟友 Edgar Winter 氏も第3作目のソロ・アルバム "Edgar Winter Album" で名曲 "Dying to Live" の再録を行っておりますが,はたして偶然なのか?

33

Face to Face
1980
★★★
 バックメンバーを Donnie Kisselbach (B・Vo) ・ Jimmy Wilcox (Ds・Vo) ・ Benjy King (Key・Vo) と一新したソロ復帰第2作(通算第4作).前作のバックが Derringer と Todd Runglen's Utopia のメンバーであったことを考慮に入れると,このアルバムこそが Rick 氏にとってはソロ復帰第1作のつもりだったのかもしれません.名盤 "All American Boy" のラストに収録されていた名曲 "Jump, Jump, Jump" と何と Neil Young 氏の "My My, Hey Hey (Out of the Blue) " の2曲のライブも収録されております. Blue Sky レーベルからの最後の作品となりましたが,すでに人気の衰えていた日本ではリリースされませんでした.プロデュースは Rick 氏自身.

34

Good Dirty Fun
1983
★★★
 永年在籍していた CBS 傘下の Blue Sky レーベル(Winter Family の仕掛人 Steve Paul 氏のレーベル)を離れ, Polydor に移籍しての第1弾作品.パーソネルは Rick ・ Donnie ・ Jimmy のトリオとなっており, Benjy King 氏はゲスト扱いになってます.他に Alan Merrill ・ Roy Bitten の各氏がゲスト参加しており,何とアナログB面トップの "When Lobe Attacks" では Bonnie Tyler さんと Rick 氏のデュエットも聴かれます.また,今回は名曲 "Rock and Roll, Hoochie Koo" を再録し「BANZAI!』と叫んでおりますが,どういう意図によるものだったのか? この後, Rick 氏はセッション的な仕事もしくはプロデュース(日本の『子供バンド』なんかもプロデュースしてたらしいです)を中心とするようになってしまい,自らの作品は発表しなくなってしまいました.プロデュースは Rick 氏自身.
35
Live in Japan / Edgar Winter and Rick Derringer
1990
★★★★★
 1990年1月,突然かつてのパートナー Edgar Winter 氏と来日した際のライブ・アルバムで, Edgar Winter Group 時代の曲を始め, White Trash ・ MaCoys やご両人のソロ・アルバムからの代表曲が多数収録されており,'70年代からのリスナーにとっては涙なくしては聴かれない内容です.パーソネルは Edgar Winter (Vo・Sax・Synthesizer・Perc) ・ Rick Derringer (G・Vo) ・ Kevin Hupp (Ds・Vo) ・ Charlie Torres (B・Vo) ・ C. P. Roth (Key・Vo) の面々.やはり Edgar と Rick のタッグは地上最強だと思います.プロデュースは Yasukazu Suda 氏.ビデオも発売されました(関連映像のページ参照).日本製作.