Rod Stewart


DISCOGRAPHY Part 2 (1972 - 1976)



13

NEVER A DULL MOMENT

1972

★★★★★

 ジャケットも前作(11)と同じく変型ジャケ.内容的にも前作の延長線上にある作品で,この2作が Rod さん初期の2大傑作だと私は思ってます.という事は, Rod さんのキャリアの中で,双璧をなす作品がこの2枚であるという事なのです.御存じの通りこの時期の Rod さんのソロと The Faces の活動は平行して行われており, Rod さんのソロ・アルバムには Ron Wood さんを始め The Faces のメンバーが参加していて,ほとんど The Faces の作品といってもいいような状況だったのですが,やはり明らかに Rod さんの意向が100%生かされている感じがして,私自身ソロ作品の方が好きなのですが, The Faces の活動が終了すると共に, Rod さんのソロ・アルバムも徐々に魅力がなくなっていったような感じでした.やはり Rod さんあっての The Faces であったと同時に, The Faces あっての Rod さんだったと思うのです.

14

A nod is as good as a wink... to a brind horse...
/ The Faces

1972

★★★★

 個人的には The Faces の最高傑作はこのアルバムだと思います.ジャケットを見ると,ライヴ・アルバム?って思ってしまう(実は私,聴くまでそう思ってました)アルバムですが,前作のようなライヴ・レコーディングは一切含まれておらず,純然たるスタジオ・ワークです.何と言ってもハイライトは, The Faces 最大のヒット曲にして代表作の "Stay with Me" . Rod さんの Vocal と Ron Wood さんの Guitar のコンビネーションが最高です.また, Chuck Berry 御大の "Memphis" 等,その他の曲も佳作揃いで,最高にゴキゲンな R&R バンドだった The Faces の魅力が最大限に発揮された1枚です..

15

TOMMY
-AS PERFORMED BY THE LONDON SYMPHONY ORCHESTRA & CHAMBLE CHOIR WITH GUEST SOLOLISTS

1972

-
 The Who による Rock Opela の1972年にロンドン交響楽団を起用したオーケストラ版のレコーディング. Rod さんの "Pinball Wizard" が収録されています.

16

SING IT AGIN ROD

1973

-

 Mercury からリリースされた Rod さん初のベスト・アルバムであると同時に, Rod Stewart = The Faces の裏ベスト・アルバムといっていい作品で,内訳は, "The Rod Stewart Album"(7) から2曲, "Gasoline Alley"(9) から2曲, "Every Picture Tells a Story"(11) から4曲, "Never a Dull Moment"(13) から3曲に,ロック・オペラ "TOMMY"(15) からの "Pinball Wizard" を加えた全12曲.変型ジャケ.

17

OOH LA LA / The Faces

1973

★★★

 怪し気な変型ジャケで有名な The Faces の 4th Album .ジャケットをいじると人物の眼が動く仕掛けで, CD 時代に入ってジャケット・ワークにこういう遊びが出来なくなってしまったのは残念と言えば残念.この後ライヴとベストがそれぞれ1枚ずつリリースされますが,純然たる New Album としてはこれが最後の作品で,また,この作品のリリース後, Rod & Ron の在籍組と共に The Faces のサウンドのもう一方の要だった Rony Lane 氏が脱退してしまいます.タイトル曲の "Ooh La La" は,約20年後, Rod 氏がセルフ・カバーして話題になりましたが, Wood - Lane 作です.

18

SMILER
1974
★★★★
 Mercury からのラストアルバムとなったソロ第5作.このアルバムのリリース後, Rod さんは The Faces を脱退すると共に,ソロ活動の場も Mercury から Warner Bros. へと移します.というわけで Rod Stewart = The Faces 時代の最終作ともいうべき作品ですが,内容的には Chuck Berry ・ Bob Dylan ・ Paul McCartney 等他人の作品も数多く収録されており, The Faces を離れてソロとしてブレイクした Warner 時代への過渡期を感じさせる作品です.



19

Rod Stewart/Faces Live
Coast to Coast

Overture and Beginners
1974
★★★★
 脱退した Rony Lane 氏に替って日本人ベーシスト Tetsu Yamauchi 氏を迎えてのライヴ・アルバム.当初,レコードはフォノグラム系マーキュリー・レーベル(Rod さんのソロ・アルバムをリリース),カセットはワーナー・ブラザーズ(The Faces のアルバムをリリース)という変則的な発売システムがとられ,クレジットも唯一 "Rod Stewart / Faces" となっている事からもわかるように, Rod Stewart さんのソロとも, The Faces の作品ともとれる内容で,収録曲も Rod さんのソロ・アルバムからの曲が半数以上を占めています.これは,当時のバンド状況を如実に物語る現象で, Jeff Beck Group 脱退後の Rod さんは,ソロとしての活動と The Faces としての活動を平行して行っており,また,ソロ・アルバムのバックは The Faces がほとんどを占めていて, Rod さんのソロ作品はほとんどそのまま The Faces の作品でもあったというややこしい状況によるものです.結局,この状況が The Faces というバンドの解散を余儀なくさせたとも言えるのでした.さて,このアルバムですが,当時のベスト・ライヴ・バンドとして評価の高かった The Faces のステージの魅力を再現しているという点で,数多いライヴ・アルバムの中でも評価の高い作品でした.欲を言えば,もっと The Faces のアルバムからの曲も多く収録し,アナログ2枚組としてリリースして欲しかったような気もします.

20

ATLANTIC CROSSING
1975
★★★★★
 この年, Rod さんは The Faces を脱退, Solo としても Mercury から Warner Bros. へ移籍し,世界のスーパー・スター(!)への道を歩き出しますが,その第1歩となった記念すべき作品です.ただ,古くからの Rod Stewart = The Faces ファンにとっては,この作品から Rock Music からの脱却・コマーシャリズムへの接近が始まったという事で,ある意味残念な作品として語られ,『Rod は大西洋を渡らなくて良かった』と揶揄されたりもしました.作品の特徴として,アナログ・ディスクのA・B面がそれぞれ "Fast Side" ・ "Slow Side" と分けられていた点が挙げられますが,この試みは正解だったと思います.ラストの "Sailing" は Mercury 時代の "Maggie May" に替わって Rod さんの代表作とされ,スタンダード化しましたが,それほどの名曲かしらん? もっといい曲だってあるような気もするのですが....

21

SNAKES AND LADDERS / THE BEST OF FACES
1975
-
 1975年に Rod 氏,翌 '76年には Ron Wood 氏が脱退し,解散宣言を出した The Faces のラスト・アルバムにして,公式ベスト・アルバム.内訳は, "First Step" から3曲, "Long Player" から2曲, "A nod Is as Good as a Wink to a Blind Horse" から2曲, "Ooh La La" から3曲に,アルバム未収録の "Pool Hall Richard" ・ "You Can Make Me Dance, Sing or Anything" の2曲を加えた12曲.個人的には "A nod Is as Good as a Wink to a Blind Horse" からの収録曲が少ないのに,不満が残るベスト・アルバムです.
22 A NIGHT ON THE TOWN
1976
★★★★★
 前作同様,アナログ・ディスクのA・B面が "Slow Side" ・ "Fast Side" と分けられてますが,今回は前回と順序が逆です(笑).前作の延長線上にありながら,前作と甲乙つけがたい出来の作品で,この2作で Rod さんは Top Rock Vocalist から『世界のエンターテイナー』へと飛躍を遂げたとも言われるわけですが,それは一方では Rock Vocalist としての自らの限界を証明する事となってしまったのは,残念と言えば残念かも.... このサイトで私がたびたび書いている事ですが,この1975年頃を境目として, Rock という音楽自体とそのアーティストたちの音楽が,目に見えてつまらなくなり,衰退していった事はまぎれもない事実だと思います.しかしながら,そういった歴史的事実をふまえた上でも, Rod さんのこの2作はやはり Rock 史上に残る『最後の名作』だと思います.蛇足ですが,シングル・カットされたトップの "Tonight's the Night" には,当時 Rod さんの恋人だった女優のブリット・エクランドさんの声が入っていて話題になりました.

23

A SHOT OF RHYTHM AND BLUES

1976

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 Rod さんの1965〜66年, The Hoochie Koochie Men 在籍時におけるレコーディングを復刻したコレクターズ・アイテム.バックは, Peter Green(G)氏,etc .

24

Rod Stewart And The Faces

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 これよくわからないのですが,初期 Faces のコンピレーション? コレクターズ・アイテム.