スカンク ちかの 大人

私がこのホームページを始めた頃から,
もう20年以上お世話になっている方で.
現在ブルースシンガーとして活躍中です.

この方の作品に関しても評価は省略,
コメントのみとさせていただきます.

LINK : BLUE SKUNK'S LAIR

DISCOGRAPHY (2009 - )



1

がんばるな
スカンクちかの/美女と野獣

2009

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 1972年にそれまで住んでいた福岡県を離れ,静岡県に引っ越してきて中学校に入学した私は本格的に音楽を聴き始めたのですが,当時一世を風靡していたよしだたくろうさん等のニュー・フォークと Marc Bolan さん率いる T. Rex 等の Glam Rock を皮切りに,様々な Rock Music に引き込まれて行き,音楽を通じてできた友人たちとバンドを作ったりしていました.しかしながら,しばらくたつとそれまで一緒に Rock を楽しんでいた友人たちが Blues 系統の音楽を志向するようになり,次第に Rock から遠ざかっていく中,どうしても Blues 等の黒人音楽になじめなかった私は取り残されてしまった感じで,バンドも辞めてしまいました.実はこの頃の体験がトラウマになっていて,未だに Blues と演歌が苦手なジャンルです.以来,プレーヤーとしてではなくリスナーとしてだけ音楽を楽しんでいた私は音楽評論家を志向していた時期もあったのですが,コンピュータ・グラフィックスやウェブ・デザインの仕事をしていた時期に,このホームページを開設・運営を始めました.その頃,お互いのサイトを通じてお知り合いになったのがこの近野さんで,当時は横浜で高校教師をされながら, Blues シンガーとしての活動をされていました.またその頃,この方ご自身のサイトで不要になった LP レコードをプレゼントされていて,私もずいぶんたくさんのレコードを譲っていただき,現在でも私のレコード・ラックの一角には, Blues 中心の 『太っ腹』 Skunk コーナーがあります.その節はたいへんお世話になりました.あるとき,その頃活動されていた The Hot Watts のライブ音源を聴かせていただく機会を頂いたのですが,その演奏・楽曲はとても楽しく,私の Blues に対する偏見・抵抗感を取り除いてくれました.『楽しい Blues』ってのもなんか矛盾を孕んでいるような表現ですが….その後しばらくの間お付き合いが途切れていたのですが,2年前の2021年に久しぶりに Facebook でそのお姿を拝見して連絡を取らせていただき,今回 CD を購入させていただくに至りました.
 で,こちらのアルバムですが,『スカンクちかの』ソロ名義の5曲,辻井貴子さんとのデュオ『美女と野獣』名義の5曲,『THE HOT WATTS』名義の1曲に,ノンクレジットですが辻井貴子さんのソロ1曲を加えた全12曲が収録されています.ご本人によると,『酒の歌と女に振られた歌しか唄えないなぁと思ってやってきた』とのことですが,ある意味それって Blues の真髄なのでは? 音に関してはアコースティック・ギターとドブロの音がすご〜くいいです.収録曲の中では,トップの『ミッドナイト・キャブ』とアルバム・ラストの『がんばるな』が印象に残りました.吉田拓郎さんのアルバム『午前中に…』に収録されている『真夜中のタクシー』と『ガンバラナイけどいいでしょう』をつい思い出してしまいましたが,とくに後者に関しては頑張りすぎる人たちに少々うんざりしている私といたしましては,どちらの曲もとても共感できるのです.久しぶりに聴かせていただいた THE HOT WATTS の演奏については,このバンド,以前ライヴ音源を聴かせていた時にも感じたのですが,私が苦手とする Blues Band にありがちな長々としたインプロヴィゼーションを全く行わないバンドで,シャープでコンパクトにまとまったプレイは絶品の一言につきると思います.そしてラストに収録されている辻井貴子さんの歌声はスカンクさんの解説にあるとおり,まさに Blues 臭から逃れる清涼剤となっています.

2

方々
スカンクちかの

2019

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 前作より10年の歳月を経て還暦を迎えたスカンクさんが放つオリジナル・ソロ・アルバム.私事ではありますが,2007年に底つきを迎えてソブラエティと新しい人生を始めたアルコホーリクの私といたしましては,これだけお酒の歌を唄われると複雑な心境なのでありますが,この方本当の酒豪らしく,いつも楽しく飲まれているみたいでうらやましいのです.それはともかくとして,今回のアルバム,スカンクさんの歌声はますます円熟味が加わっていて,お仲間のみなさんの演奏がしっかりそれをサポートしている感じがよく窺われる作品です.最近は日本全国を回られているスカンクさんのライヴを一度体験したいのですが,やっぱり会場は臭いのかしら?