The Velvet Underground


DISCOGRAPHY Part 6 (Nico 1968 - )



1

CHELSEA GIRL

1968

★★★★★

 タイトルは1966年に彼女が主演した Andy Warhol 氏の映画と同じですが,別にサウンドトラックではありません.この人,1938年10月16日生まれということらしいので,このアルバムがリリースされた年に30歳を迎えたことになります.前年の "The Velvet Underground & Nico" は現在でこそ名盤とされていますが,当時はセールス的に不調でした.また Group 内の Lead Vocalist の座を Lou Reed 氏が独占しはじめたことに嫌気がさして,約1年半在籍したバンドを脱退したと伝えられていますが,別の説によると,あのアルバムにおける Nico の存在はタイトルが示す通りあくまで Warhol 氏進言によるゲスト扱いで, Reed ・ Cale の両者とも,彼女を中心としたバンド構想は一切画策していなかったらしいです.それはともかく,『宿命の女』 Nico の Reed ・ Cale のお二人も参加している 1st Solo Album で,印象としては,彼女が Velvets 時代にやり残したことをやり遂げたって感じ.最初から見事に退廃感いっぱいの仕上がりになっているのはさすが(笑).圧巻なのはアナログA面ラストの8分間にわたる Nico-Cale-Reed 作の "It Was a Preasure Then" ,見事にVU 再現してます.そして,タイトル曲の "Chelsea Girls" ,個人的には彼女の歌唱の中で Best だと思っています.

2

the mable index

1969

★★★★

 Bob Dylan ・ Jackson Browne ・ Lou Reed ・ John Cale 等の作品を配し,サウンド的にはVelvets 延長線上にあった前作と異なり,全曲が Nico オリジナルによる,事実上の無限地獄の始まり(笑).アレンジを John Cale 氏が担当しています.

3

DESERTSHORE

1971

★★★

 ジャケに Nico さんと一緒に写っているのは,1962年に Alain Delon 氏との間にうまれた長男らしいです(Delon 氏は認知せず).その後の彼女の男性遍歴は, Bob Dylan ・ Jim Morrison ・ Brian Jones ・ Jimi Hendrix ・ Iggy Pop ・ Jackson Browne なんて名前が上がってますが,ほとんど『Rock の歴史』を身をもって体験した女性だった訳ですね.やはり女神さまだったんだと思います.ところで,このアルバムですが,この人のアルバム。ジャケットでは珍しく明るい色を使っているのと裏腹に,のっけから荘厳なオルガンの音,また彼女の Vocal もいつもにまして重々しいです. John Cale 氏がプロデュース及びほとんどの楽器を担当しています.なるほど....

4

JUNE 1, 1974
Kevin Ayers-John Cale-Eno-Nico

1974

★★★★★

 元 Soft Machine,Roxy Music,Velvet Undergrounnd という3大変態バンドの脱退組が4人も集まったことから,『悪魔の申し子たち』なんて邦題がつけられ,そのタイトルだけが何故か一人立ちしてしまったという希有な例.このアルバムのことな〜んにも知らない人でも,『悪魔の申し子たち』ってタイトルもしくはフレーズはどこかで聞いたって人が多いと思います.アナログ・ディスクのΑ面には, Eno 2曲, Cale 1曲, Nico 1曲がバランス良く配置され,おどろおどろしい世界を構築しているのに対し,Β面は Ayers 一色.結局は Ayers 氏のイベントにゲスト出演した感じですが, Rock 史に残る名盤であることは間違いないです.

5

THE END...

1974

★★★★

 前作に続き John Cale プロデュースによる4作目. "The End" なんてタイトルだし〜,この後しばらくアルバム出なかったので〜,この人これで引退したのかって思っていたんですが〜,これって〜,すぐに結果を要求するレコード業界の体質と,彼女のアーティストとしての扱いにくい性格が顕著にあらわれた例らしいです.事実,アルバム出す度にレーベルかわってますから.今回は,元 Roxy Music の Eno 氏と Phil Manzanera 氏も参加.やはり, The Doors の名曲 "The End" に,彼女の冷たく無機質的な Vocal がモノすごく合っているというのが,結論になります.

6

DRAMA OF EXILE

1981

★★★

 というわけで,7年ぶりになるアルバムですが,ロンドンの若手 Musician を起用しただけあって,サウンドがすごくタイトで '80年代しています. '75〜 '80年って一番 Rock という音楽が変質した時代で, Della なんかは, '75年以降いわゆる Rock という音楽はジャンルの確立とともに形骸化してしまって,その本質的なものが失われていってしまったように感じているんだけど, '80年代になってリリースされたこのアルバム聴くと,この人なんか,変らなかったクチだと思いますね. Velvets 時代の渾沌としたサウンドがもちろんはまっていたのですが,このアルバムのようなタイトな音の中でもしっかり存在感示しているのは流石です. Velvets では Lou Reed 自身が歌っていた "I'm Waiting for the Man" と David Bowie の "HEROES" のカバーも,しっかり自分のモノにしてしまっています.




7

DO OR DIE
NICO IN EUROPE

1983

★★★★

 この人, '80年代に入ってから何枚かライヴ出してるんですが, Della が最初に入手して聴いたのがこれでした.ライヴってサウンドのギミックが少ない分だけ,その人の持つ特性がよくわかるような気がするんですが,この人の場合,ひたすら『怖さ』を感じてしまったんですよね.ジャケット写真のせいもあるけど,「怖い人だな〜」って(笑).スタジオ作では味わえない感覚でした.何だろね?

8

camera obscura
nico + faction

1985

★★★

 Nico + the Faction 名義でリリースされたスタジオ・アルバムですが,'80年代を感じさせる薄っぺらなサウンドと彼女のお経のような Vocal がミョ〜にマッチしていて,これはこれで良いのです.

9

chelsea live

1985

★★★★

 やっぱりこの人のライヴって怖〜い.何モノをも寄せつけないような迫力があります.亡くなる前々年と前年('86 & '87)来日してたんですけど,見たかったな〜.その頃 Della は,病気で入退院繰り返してました....

10

THE PEEL SESSIONS

1988

★★★★

 様々なアーティストの未発表音源をリリースしている Peel Sessions Series の1枚ですが,この録音は古く,1971年2月2日の音源らしいです.どうりでまだ声が若々しいです.45rpm,4曲収録.

11

Hanging Gardens

1990

★★★

 1988年7月にあっけなく世を去ってしまった Nico さんが,その死の直前に残したスタジオ及びライヴの音源を編集して作られた『遺作』.何曲かは再録音という形になっています.ハシシ買いにいくため自転車のっててこけて頭うって脳出血というあっけない死はだ〜れも予測できなかったと思いますが,彼女の声って歳をとるごとにさらに凄みを帯びてきていて,まさに『死の直前』の声に聴こえてしまうから不思議ですね〜 やっぱり呼ばれてあっち行ったのね?

12

REICH DER TRAUME
Nico vs. Trance Groove

2000

★★★

 1980年の音源をリミックスしたものらしいです.




13

femme fatale
the aura anthology

2003

★★★

 "Drama of Exile...plus" (6に6曲のアウトテイクと2曲のシングル曲を加えたもの)と "Live at Chelsea Town Hall" (9と同じ音源)の2CD.

14

LA BATACLAN '72
Lou Reed, John Cale & Nico

2003

★★★★★

 1972年1月29日,パリのクラブで行われた Velvets 出身の3人による伝説のライヴ.ちなみにこの年 Velvet Underground 名義の "Soueeze" というアルバムがリリースされておりますが,これにはオリジナル・メンバーは誰一人参加していないため, Velvets フリークはほとんど相手にしていないのが現実です(笑).また, John Cale 氏の Velvets 脱退の原因が Lou Reed 氏との確執にあったため,2度と同じステージに立つ事はないだろうと思われていたという事で,実は私もこの2人の解散後の共演は Angy Walhol 氏没後の "Songs for Dollera" が最初だと思っておりましたが,こんなのがあったんですね? 不勉強でした(恥).ここでは Nico さんは Vocal と Harmonium で参加していますが,流石に緊張感溢れる演奏になっています.ジャケット裏のNico さんがかわいいです.

15

NICO'S LAST CONCERT
FETA MORGANA

2011

★★★★

 亡くなった1988年の音源らしいですが,解説がドイツ語なのでさっぱりわからん....