荒井 由実

生 れ:1954年1月19日
出身地:東京都八王子市
学 歴:立教女学院卒
    多摩美術大学絵画科日本画専攻
趣 味:音楽 日本画

『ひこうき雲』ブックレットより


Discography

[おことわり] ここでは,『荒井 由実』名義の作品のみに限定し,『松任谷 由実』名義の作品については,省略させていただきました.

1
ひこうき雲 HIKO-KI GUMO

1973

★★★★★
 あくまで個人的な意見を言わせてもらうならば,この人に関しては,このデビュー・アルバムの衝撃がすさまじかったため.以降の作品がどうしても聴き劣りがしてしまう,というのが正直な感想です.タイトル曲『ひこうき雲』をはじめ,『空と海の輝きに向けて』・『ヴェルベット・イースター』・『雨の街を』といった佳曲における叙情性は,以後の彼女の作品では徐々に希薄になっていったような気がしています.『ニュー・ミュージック』確立の功罪はともかくとして,才能ゆえに方向性を過ってしまったアーティストのように思えるのですが,こんな事書くとまた怒られそう,ごめんなさい.

2
ミスリム MISSLIM

1974

★★★★
 前作の延長線上にあり,バックも同じキャラメル・ママによる第2作.でもやはりトーン・ダウンしてしまっていると思います.世間的には,シングル・カットされた『やさしさに包まれたなら』が某キャラメルの CM に使用されてヒットしたこともあって,彼女の出世作・初期の代表作のように語られておりました.はっきり言って,各収録曲・アルバム全体の聴きごたえともに前作よりかなり落ちると思いますが,この時期の国内女性アーティストの作品としては出色の出来かも.ただ,歌はヘタ.

3
コバルト・アワー COBALT HOUR

1975

★★★
 アメリカン・ポップス色を露骨に意識した意欲作で,この作品の成功によって,彼女の『ニュー・ミュージック界の女王』としての君臨が始まるわけですが,その功罪(結局, '70年代初頭のニュー・フォーク・ブームの衰退,ならびにニュー・ミュージックなるものの成立(?)に関して,彼女と井上陽水氏の果たした功罪はやはり大きかったと思います)はともかく,この『前向きな商業主義』を掲げる彼女の姿勢には,やはり賛否両論の分れるところだと思います.個人的には,前2作に比べてあまりにもポップになってしまった点および少女趣味に関しては,『悪趣味』とまでは言いませんが,やはり「ちょっと勘弁して欲しい」と言うのが正直な感想で,この作品あたりから,だんだん彼女に対する興味がなくなっていったのでした.バックは前2作同様,キャラメル・ママですが,そんな中でも彼女の未来の夫となる松任谷正隆氏がこのイメージ・チェンジに果たした役割は大きかったと思います.ま,ある意味残念な事ではありますが,この変革がなければ,現在の成功はなかったでしょうしね.

4
 *ユーミンブランド YUMING BRAND

1976

★★★★
 ベスト・アルバム.『ひこうき雲』から2曲,『ミスリム』から4曲,『コバルト ・アワー』から2曲が選曲されていますが,特筆すべきは,残り2曲のシングル曲,『あの日にかえりたい』と『翳りゆく部屋』で,実はこの2曲,すご〜く気にいっていたりするもんで.... アルバム『ひこうき雲』と並ぶ彼女の代表作と言ってもいいと思います.『あの日にかえりたい』 - 『コバルト・アワー』の項にも書いたように,『卒業写真』や,彼女自身が嫌っている(らしい)『いちご白書をもう一度』なんかと同じく,ノスタルジアをテーマにした作品ではありますが,この曲のみ雰囲気が違っていて,割とカラっとした感じになっているところが好みなのです.『翳りゆく部屋』 - パイプ・オルガン使用が当時話題になりましたが,彼女の『天才』が最後に花開いた作品だと思います.松任谷氏のアレンジもいいです.結局,私にとってのアーティスト『荒井由実』は,初期のアルバム2枚とこのシングル2枚を残して,終ってしまったのかも知れません.松任谷さんになってからは,ほとんど聴いてないです.

5
14番目の月 THE 14TH MOON

1976

★★★
 自ら他のシンガー・ソングライターと一線を画し,自らをポップ・シンガーと位置付け,「フォーク・シンガーではないから,ジーンズははかないし,四畳半は歌わない」とのたまい,『前向きな商業主義』を標榜する彼女が,『コバルト・アワー』ならびにシングル『ルージュの伝言』の延長線上に放つ,『荒井由実』最後の作品.このアルバムのリリース直後,松任谷正隆と結婚,『ニュー・ミュージックの女王』・松任谷由実が誕生するわけですが,それは同時に『シンガー・ソングライター』・荒井由実の消滅でもありました.

6
 *アルバム ALBUM

1977

★★★
 『荒井由実&松任谷由実』名義のベスト・アルバム.この事からも,本人の中においても,両者は別個のアーティストとして位置付けられているのではないか?と思いますが,考え過ぎ? 内訳は,『ひこうき雲』から1曲,『ミスリム』から2曲,『コバルト・アワー』から1曲,『14番目の月』から2曲,松任谷名義作品2曲で,『ユーミン・ブランド』と全く重複していないのは立派と言うか,良心的と言うか....