採用選考二次審査の結果が出ました

    〜採用状況の分析〜

 10月はじめ、県教委は来年度新規採用のための教員採用選考審査の最終合格者を発表しました。

 合格者数は371人。昨年大幅に減少した小・中学校は小学校が102人(+9人)、中学校が78人(+1人)とわずかに増えていますが、依然として厳しい状況です。

      ※校種別、教科別の詳しい結果はこちら。

 過去6年間の校種別の採用者数の変化をあらわしたのが、下のグラフです。他の都道府県と比較すれば、それでも安定した採用数を保っていると言えるでしょう。しかし、小・中学校の大幅減は回復しそうにありませんし、高校の学級減が報道されていますので、これからもますます厳しくなることが予想されます。

 また、小・中学校の採用状況と定数内講師の任用数の変化を比較してみました。

 昨年までは受審者数が毎年増えており、その一方で採用者数は減っていましたから、いわゆる競争倍率は年々高くなっていました。採用者数の大幅減を反映してか今年は受審者数が減りましたが、競争倍率は14.4倍と依然厳しい状況です。

 そして、私たちが大きな問題だと考えるのが、定数内講師の任用数です。定数内講師の数も減っているとは言え、採用数を下回ったのは一昨年だけです。本来なら正規に雇わなければならない教員数を雇わず、不足分を臨時教員でまかなっているという異常な事態が、ほとんど常態化している様子がよくわかります。

 昨年、義務教育課の課長補佐は「定数内講師は安定した正規採用者数を確保するために必要なクッションだ。」と言い放ちました。しかし、そのクッションの役目を毎年やらされながら、何年たっても正規採用されないという人がたくさんいます。クッションはクッションのまま、使い捨てにされるのではたまりません。県教委はこの人たちの努力や情熱にはどのように応えてくれるのでしょうか。

 受審者数の減少にも表れているように、正規採用を希望する臨時教職員にとっても、また教員養成課程に学ぶ学生にとっても、将来に希望が持てないような状況が続いています。情熱あふれる若い教員を確保するためにも、県教委は教員採用の長期的な見通しを明らかにするべきだと考えます。